名義貸しバイトをきっかけに詐欺罪で送検され200万円の借金を背負う

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今回は名義貸しのアルバイトをきっかけに、人生を大きく狂わせてしまった4人の女性の体験談をご紹介します。

ほんのお小遣い稼ぎのつもりだった名義貸しによって詐欺罪で送検され、さらに200万円の借金を背負うことになるなんて、彼女らは思いもしなかったでしょう。

「キャッシングをしたいから名義を貸して!」
「返済はこちらでするから、あなたに迷惑はかけない」
「簡単なお小遣い稼ぎだよ」

もしかして、あなたもこんな風に頼まれたことはありませんか?

実はそれ、悪魔のささやきかもしれません。

今回は、筆者が刑事として警察署に勤務していた当時に起こった「キャッシングの名義貸し事件」について紹介します。

刑事視点からの解説・アドバイスもしていますので、どうぞ最後までお読みください。

人生が大きく狂ったきっかけは名義貸しでした

まずは、筆者が警察署に刑事として勤務していたときに実際にあった名義貸し事件のエピソードを紹介します。

主人公は、小さな病院で看護士として働いていた裕子(仮名)です。

話は、先輩看護士の由美(仮名)に誘われコンパに行ったところから始まります。

先輩の彼氏が紹介してくれたのは"超おいしい"アルバイト

裕子は、先輩である由美の誘いで、あるコンパに行きました。

そこには、由美の彼氏である浩司(仮名)も来ていたので、裕子は由美から紹介を受けます。

話を聞くと、浩司は会社の経営者で、簡単なアルバイトができる人を探しているとのこと。

「私もやってみたけど、1日働いただけで10万円ももらえたの。裕子もやってみない?」と、由美は裕子のことを誘いました。

1日働くだけで10万円も もらえるなんて、興味を持たないはずがありません。

裕子が少し興味を示すと、すかさず浩司が詳しい説明をしてきました。

「実は、まだ会社を立ち上げたばかりで運転資金が足りないんだ。だから、俺の代わりに消費者金融に行って、裕子ちゃんの名義でお金を借りてほしい

警戒した表情を浮かべる裕子に対し、浩司が立て続けに甘い言葉を並べます。

「返済はうちの会社でするから、手間もお金もかからないよ」

「裕子ちゃんは名義を貸してくれるだけでいいんだよ

「返済が終わるまで毎月10万円の謝礼をあげるし、返済終了後も継続的に謝礼を渡せるよ」

「投資話だと思えば大丈夫。簡単でお得なアルバイトだよ」

名義を貸すだけで毎月10万円もの大金をもらえると聞き、裕子に芽生えた警戒心は一瞬で吹き飛んでしまいました。

そして裕子は次の休日に、浩司から誘われたアルバイトに参加する約束をしたのです。

言われるまま消費者金融で計200万円の借金

いよいよアルバイト当日。

裕子は浩司・由美と待ち合わせ、消費者金融の自動契約機が集まるビルへと向かいました。

しかし、消費者金融に抵抗があった裕子はだんだん不安な気持ちに...。

「本当に大丈夫なのか」という疑問が浮かんできました。

裕子の不安を感じ取った浩司は、その不安を解消するような言葉を並べます。

「借金はうちの会社が返済するから大丈夫だよ」

「自動契約機だから、機械があるだけで人はいないから大丈夫」

何度も発せられる大丈夫という言葉をすっかり信じてしまった裕子は、浩司に言われるがまま手続きを進めていきます。

「年収は300万円くらいにしておけば契約が通りやすいよ」

「お金の使い道は生活費だと説明しておけばいいよ」

もはや完全に浩司のあやつり人形です。

そして裕子は、4社から合計200万円を借入れ、すべての現金と発行されたばかりのキャッシュカードを浩司に手渡しました。

「ありがとう!助かったよ。ほかにも協力してくれそうな人がいたら紹介してね」

浩司は、そう裕子に微笑みかけ、謝礼の10万円を渡しました。

こうして、たった2時間程度で10万円もの大金を手にした裕子。

頭の中は「好きなブランドのバッグでも買おうかな」とバラ色です。

次の日には由美とともに、「キャッシングの名義を貸すだけの簡単なアルバイト」のことを同僚看護士にも紹介しました。

そして翌週には、同僚看護師2人もアルバイトに参加し、それぞれ10万円の謝礼をゲット。

全員で「ホントに簡単に稼げた!紹介してくれてありがとう!」と喜び合いました。

突然、消費者金融から催促の電話が鳴る

浩司からお金を受け取って1ヶ月が経過した頃でした。

裕子の携帯に、消費者金融から「今月の支払いがまだのようですが...」という催促の電話がかかってきたのです。

「あれ? 返済は浩司さんの会社がしてくれるはずなのに...」

不思議に思った裕子は、あわてて浩司の携帯電話に連絡しました。

電話に出た浩司は、かなり落ち込んだ様子でこう打ち明けます。

「実は、社員が会社のお金を持って逃げたんだ。俺も困ってるんだよ...」

思わぬトラブルに巻き込まれたという浩司の告白を聞き、裕子は自分よりも他人の心配をしてしまいます。

ひとまず、未払いの分は裕子が立て替えることにし、浩司の会社が落ち着くことを祈りました。

もしかしてだまされた?連絡が取れなくなった彼

裕子が返済を立て替えてから1ヶ月後。

またしても、消費者金融から催促の電話がかかってきました。

さすがに不安になった裕子は、再び浩司の携帯電話に連絡してみます。

すると、驚いたことにその電話番号はすでに解約されていたのです。

混乱した裕子は、あわてて由美を問い詰めました。

浩司は由美の彼氏なので、由美なら連絡がつくはずだと思ったのです。

ところが、由美は涙を浮かべ「実はバーでナンパされただけの関係で、彼氏じゃないの。私も連絡が取れなくなって、仕方なく自分で返済しているの」と言ってきました。

ここでようやく、2人はだまされたことに気付きます。

由美は泣いていましたが、裕子は泣き寝入りのまま終わるなんてごめんでした。

「最初からだますつもりだったんだ!許せない!」

浩司に怒りを覚えた裕子は、事情を詳しく知っている由美を連れて警察署に行くことにしました。

だまされたのにどうして?私たちが加害者になる理由

警察を訪れた裕子と由美は、警察官に今回の経緯を説明し、「私たちはお金をだましとられた被害者」だと主張しました。

しかし、警察官から伝えられたのは衝撃の事実。

あなたたちは詐欺の被害者にはなりませんよ。むしろ加害者です

裕子と由美は驚愕しました。

「どうしてですか!?」

それに対し、警察官はこのように説明してくれました。

本当の被害者はあなたたちにお金を貸した消費者金融です」

「男にだまされたのが本当だとしても、結果的にあなたがたは全員、自分で返すつもりのない借金をしてしまったのですから」

あなたがたは詐欺に加担した加害者なのです」

「なかでも、由美さんと裕子さんはより重い罪に問われるかもしれません。なぜなら、同僚の2人を誘い込んで詐欺に加担させたからです」

警察官からの話を聞き、2人は愕然とします。

そう、裕子たち4人は被害者ではなく加害者だったのです。

結果、裕子と由美、そして同僚2人は全員、詐欺罪で警察から検察に送検されてしまいました。

しかし、検察の取り調べで、悪意がなかったこと・だまされたことを考慮され、4人とも起訴猶予処分となりました(詳しくは後ほど説明します)。

浩司は逮捕されず、残されたのは多額の借金

警察が、今回の詐欺事件の親玉である浩司の捜査を進めていくうちに、色々なことがわかってきました。

浩司は偽名を使っていて、わざわざ遠くの県から「詐欺のカモ」を探しにやってきていたこと。

当然ながら、会社を経営しているという話はウソ。

消費者金融から裕子に最初の催促電話がかかってきた頃には、すでにお金を持って遠くに逃げていたようです。

浩司の犯罪は非常に計画的であることがわかったのです。

そして警察は、浩司の預貯金の金額まで調べあげました。

しかし、すでにほとんどお金を持っていません。

同様に、浩司の親族の預貯金も調べましたが、結果は同じでした。

裕子や由美たちは「とにかくお金を返してもらいたい」と訴えましたが、仮に浩司の身柄を拘束できても、お金を取り戻せる確率はほぼゼロとのこと。

裕子以外の3人は意気消沈してしまい、「お金が戻ってこないならもう関わりたくない」と、捜査に協力するのをやめました。

そんななか、裕子だけは「たとえ自分が犯罪者になっても浩司を許せない」と言い、協力の姿勢を示します。

ただ、捜査を進めている間にも消費者金融からの取立ては容赦なく続きました。

やがて裕子は心身ともに疲れ果て、両親からの説得を受けて、捜査協力をやめることに。

結局、事件は浩司が逃げ切る形で幕を閉じ、4人はそれぞれ200万円もの借金を返済していくことになります。

裕子ともう1人の同僚は職場に残って借金を返済し続けましたが、由美は責任を取る形で退職し、最後の1人は破産して職場を去りました。

簡単にお金を稼げるという甘い誘惑に負け、名義貸しに加担してしまった4人。

しかし、その代償はあまりに大きく、4人の人生は大きく狂ってしまいました。

元刑事が解説する「裕子たちが実刑判決を受ける可能性」

ここからは、元刑事が今回の事件について気になるところを補足・解説していきます。

裕子たちが実刑判決を受ける可能性はあるのか

今回、裕子たち4人は、検察の取り調べを経て起訴猶予処分となりました。

起訴猶予処分とは、犯罪の疑いがあるものの、特別な事情に配慮して検察が起訴しないこと。

本人が深く反省しているケースや、軽度の犯罪において下される処分です。

今回は、「詐欺に加担しているという自覚がなかった」「だまされていた」という事情をくんでもらえたのでしょう。

では、もし起訴されていたらどうなっていたのでしょうか?

起訴されると刑事裁判(※1)が行われますが、ここまでくると勝ち目はほとんどありません。

99%以上の確率で有罪となります。

そして、詐欺罪の刑罰は、10年以下の懲役と刑法で定められています。

ただし、今回のケースで刑事裁判になっても、執行猶予付き判決となる可能性が非常に高いです。

執行猶予付き判決の場合、執行猶予期間中に他の刑事事件を起こさなければ刑罰を受けずに済みます(※2)

例)
「懲役2年執行猶予3年」という判決が下った場合、3年間 刑事事件を起こさなければ懲役刑を受けずに済む(刑自体がなくなる)

このように、裁判になったとしても、実刑判決(※3)を受ける可能性はきわめて低いでしょう。

※1
刑事裁判とは、刑事事件(殺人、傷害、窃盗、詐欺など、刑法によって処罰される事件のこと)を裁く裁判のこと。

※2
今回のケースの場合、執行猶予期間は重く見積もっても2~4年程度でしょう。

※3
刑事裁判で実刑判決が下った場合は、ただちに刑が執行されます。懲役刑の場合は、ただちに刑務所に収容されます。

どうして浩司を逮捕することができなかったのか

今回の事件は、浩司が逃げ切る形で幕を閉じてしまいました。

警察はなぜ浩司を逮捕することができなかったのでしょうか。

実は、浩司の所在をつかむ方法はいくらでもあったのですが、そこまで捜査を進めるためには裁判所の令状が必要でした。

そして、裁判所の令状を発布させるためには、裕子たち4人の捜査協力が不可欠だったのです。

しかし、残念ながら4人とも途中で捜査協力を辞退してしまいました。

そのため、浩司の捜索や逮捕も断念せざるをえなかったのです。

どうして浩司からお金を取り戻せなかったのか

浩司が逮捕されたとしたら、起訴されて刑事裁判となるでしょう。

しかし、これはあくまでも刑事裁判です。

詐欺罪で有罪となっても懲役刑が科されるのみです。

この裁判で「裕子たちにお金を返すよう」求めることはできません。

お金の返還を求めるなら、裕子たち自身が裁判を起こさなければなりません(※4)

しかし、警察の捜査の結果、浩司やその親族の預貯金はほとんどないことが判明しました。

裕子たちからだましとったお金は、すでに使ってしまったのでしょう。

この状態で浩司を訴え、裁判に勝っても意味がありません。

法律の力をもってしても、すでにないところからは何も取り返せないのです。

※4
ここでいう裁判は民事裁判のことです。民事裁判とは、民事事件(個人間の法律絡みのトラブル)を解決するための裁判です。

どういうケースならお金を取り返せたの?

では、どのようなケースならお金を取り返せたのでしょうか?

あくまで仮定の話になりますが、説明していきます。

浩司が裕子たちに返還できるだけのお金を持っている

浩司の身柄を拘束できれば、裕子たちが民事裁判で浩司を訴えることができます。

そして、裁判で「裕子たちへの返還を命じる」を判決が下れば、浩司はそれにしたがうほかありません。

従わなかった場合、浩司の財産を差押えることもできます。

浩司の親族が代わりに返還する

仮に、裕子たちが警察に被害届けを出していたとしましょう(※5)

浩司の親族が、裕子たちに返還できるだけのお金を持ち、かつ浩司が起訴されることを望まない場合は、裕子たちに「お金は返すから被害届を取り下げてほしい」ともちかけるかもしれません。

この場合、浩司の親族からお金を返しもらうことができます。

裕子たちが被害届けを取り下げれば、浩司が逮捕されても起訴猶予処分となる可能性が高まります。

※5
実際は、被害届を出していません。

名義貸しの被害に遭ったらどうすればいい?

万が一、名義貸しの被害に遭ってしまったら、どうすればいいのでしょうか?

このことについても、元刑事が解説していきます。

すぐに消費者金融へ連絡

至急、消費者金融などの金融業者に連絡し、追加借入れ不可の設定に変更しましょう。

これにより、ひとまず今以上の被害を防ぐことができます。

ただし、業者によっては事情を聞かれたり、断られる可能性があるので、注意してください。

弁護士に相談してもお金を取り返せない?

お金を取り戻すわずかな可能性に賭けるのであれば、弁護士に相談してください。

まだ、名義を貸した相手との連絡が途切れていない状態であれば、何かしら対策を打てるかもしれません。

対策の例)

  • 借用書を作成し、相手に署名・押印を求める(借用書があれば民事裁判での有力な証拠となります)
  • 相手が約束(代わりに返済するなど)を守らない場合は、支払いを求める民事裁判を起こす(裁判に勝ち、かつ相手が判決に従わない場合は財産を差押えることができます)

ただし、弁護士に依頼しても、一度渡したお金を取り戻すのは非常に困難です。

相手の身元がわからなければ訴えることもできませんし、訴えても相手に返済能力がなければお金を取り返せません。

そして、弁護士へ依頼するにはそれなりの費用が必要です。

お金を取り戻すのは非常に難しいと理解した上で、弁護士に相談するようにしてください。

返済が難しい場合は債務整理も視野に

相手からお金を取り返すことが難しい場合は、自分で借金を返済していくほかありません。

しかし、自力での返済が難しいケースが多いでしょう。

そういった場合も、まず弁護士などの専門家に相談しましょう。

返済の負担を減らす方法として、債務整理という手段があります。

債務整理とは法的手段を使って借金を整理するいくつかの方法の総称です。

主な方法として、任意整理破産があげられます。

  • 任意整理
    裁判所を通さずに金融業者と話し合いをおこない、新たな返済計画を立て、返済していく方法です。主に返済の負担を減らすことが目的のため、毎月の返済額の減額や、利息の支払免除を期待できます。金融業者としても貸し倒れは避けたいので、可能なかぎり対応してもらえます。
  • 破産
    裁判所に破産を申立てると、財産をすべて返済にあてることになります。そのうえで、「残った借金の支払いが不可能である」と裁判所から認められると、すべての借金の支払義務がなくなります。

不本意な形で多額の借金を抱えているのですから、一人で悩まず、まずは専門家に相談してみましょう。

法テラスや無料相談会を活用する

誰に相談していいかわからない場合は、市区町村が定期的に開催している無料相談会法テラスを活用してください。

市区町村の無料相談会

市区町村の無料相談会とは、各役所が主体となり、弁護士や警察官を招いて開催される相談会のこと。

元警察官である筆者も、市から要請を受けて相談窓口で対応した経験があります。

多重債務の相談やご近所とのトラブルなど、さまざまな相談を受けました。

相談は無料なので、利用しやすいはずです。

ただし、連日のように開催されているわけではないので注意してください。

たとえば、東京都品川区では週1~2回、1回あたり3時間程度、開催されています(2016年2月)。

予約制のため、予約が埋まっていて相談まで日が空いてしまうこともあるでしょう。

また、時間も限られているので、1人あたりの相談時間が十分でない場合もあるようです。

無料相談会の開催情報はどうやって探すの?

無料相談会の開催情報は、各市区町村の役所に問い合わせれば教えてもらえます。

電話をするのが面倒だという場合は、インターネットで検索してみましょう。

市区町村の名前と「相談」というワードで検索すれば、該当するページが表示されるはずです。

たとえば、東京都品川区なら、「品川区 相談」と検索してみてください。

無料相談会の開催情報の例)

東京都品川区
http://www.city.shinagawa.tokyo.jp/hp/menu000000500/hpg000000475.htm

神奈川県横浜市
http://www.city.yokohama.lg.jp/shimin/kochosodan/sodan/

神奈川県川崎市
http://www.city.kawasaki.jp/250/page/0000055209.html

埼玉県さいたま市
http://www.city.saitama.jp/001/012/004/p001597.html

大阪府大阪市
http://www.city.osaka.lg.jp/shimin/page/0000004815.html

愛知県名古屋市
http://www.city.nagoya.jp/shiminkeizai/page/0000006096.html

北海道札幌市
http://www.city.sapporo.jp/somu/shiminnokoe/sakusei/soudan_shiminnokoe.html

兵庫県神戸市
http://www.city.kobe.lg.jp/life/guidance/window/siminsoudan01.html

福岡県福岡市
http://www.city.fukuoka.lg.jp/shicho/kocho/life/tokubetusoudann_2.html

京都府京都市
http://www.city.kyoto.lg.jp/bunshi/page/0000088100.html

広島県広島市
http://www.city.hiroshima.lg.jp/www/contents/1267160022586/index.html

もちろん、各市区町村のホームページ内から探してもOKです。

ただし、呼び名は各市区町村によって「相談会」「相談窓口」「相談室」などと異なるので注意してください。

法テラス

法テラスは、国が設立した「法的トラブル解決のための総合案内所」です。

電話やメールで相談すれと、専門スタッフが、それぞれの問題に応じた適切な相談窓口を案内してくれます(無料)。

どこに相談するべきか悩んだときには、きっと役に立つはずです。

また、法テラスでは、無料の法律相談(面談)や、弁護士費用の立替えなどもおこなっています。

法テラス
http://www.houterasu.or.jp/

無料の法律相談(面談)とは?

法テラスと契約している弁護士や司法書士に無料で相談できるサービスです。

ひとつの問題につき3回まで。
1回あたりの相談時間は30分となっています。

ただし、このサービスを利用するためには、収入が一定額以下でなければなりません。

具体的には、法テラスのホームページで公開されている「資力基準」という条件を満たす必要があります。

下記のツールを使うと、条件を満たしているかどうかを簡単に調べられます。

法テラス「要件確認体験ページ」
http://www.houterasu.or.jp/nagare/youkenkakunin/youken_check.html

弁護士費用の立替えとは?

交渉や調停、裁判などの手続きを弁護士や司法書士に依頼すると、さまざまな費用がかかりますよね。

その費用を支払う金銭的余裕がない方のために、費用の立替制度も用意されています。

この制度を利用した場合、一旦、法テラスに費用を立て替えてもらい、あとから分割払いで支払いをしていていくことになります。

ただし、この立替制度にも利用条件があります。

まず、収入が一定額以下でなければなりません(条件は「無料の法律相談」の場合と同じです)。

また、勝訴や和解などによって問題を解決できる可能性が一切ない場合は立替制度を利用できません。

はじめから勝ち目がないとわかっている場合は費用を立て替えられないということですね。

また、立替制度を利用するには、利用条件を満たしたうえで法テラスの審査を受けなければならないので、審査の結果次第では利用できないこともあります。

名義貸しは「借金」だけじゃない

名義貸しでトラブルになるのは、借金関係だけではありません。

最後に、よくある名義貸しの事例を紹介しておきましょう。

携帯電話の名義貸し

特に多いのは、スマートフォンの名義貸しに関するトラブルです。

「スマートフォンを数台契約するだけの簡単なアルバイト」
「1台契約につき1万円の報酬」
「使用料金はこちらで払うから大丈夫」

このような勧誘を受けても、絶対に契約してはいけません。

言わずもがなですが、使用料はすべてあなたに請求されます。

また、そのスマートフォンはすぐに売りさばかれ、犯罪に使われる可能性が高いです。

もし犯罪に使われたら、あなたが警察から呼び出しをうけることになります。

預貯金口座の名義貸し

自分名義の預貯金口座を売ったり、使わせたりするのは絶対にやめましょう。

こちらも先ほどのスマホ同様、犯罪に使われる可能性が非常に高いです。

何か起これば、あなたに疑いが向くことになります。

その他

  • アパートなど賃貸物件の名義貸し
  • 自動車ローンなどローンの名義貸し
  • レンタカーの名義貸し

他にもさまざまな名義貸しの犯罪があります。

絶対に手を出してはいけません。

まとめ

最後に、今回お伝えしたかったことのポイントをまとめてみましょう。

  • 自分で返済するつもりのない借入れをすると詐欺罪に問われる
  • 名義貸しによる儲け話は100%詐欺
  • あなたの名義で契約したら、あなたに支払義務がある
  • あなた名義の口座やスマートフォンが犯罪に使われたら、あなたが容疑者
  • だまし取られたお金はまず戻ってこない

どんな事情があっても、あなたの名義で契約した以上、責任を負うのはあなた自身です。

名義貸しは、たとえ家族や親しい友人からの依頼でも絶対に応じないようにしましょう。

あなたの社会的な立場や信頼、人間関係もすべて崩れてしまう危険があることを忘れないでください。

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