ローン滞納からの給料差し押さえ。葬式費用から始まった借金体験記

(0)

この記事を評価する

評価を設定してください
×

母の葬儀費のローンが払えなくなり、最終的に給料も差し押さえられそうになったものの、結局、払わないままで終わってしまったという私の体験談です。

体験者の情報

名前:真坂 和雄(仮名)
性別:男性
お金に困った理由:会社の経営難/母の入院
何を滞納したのか:ローンの返済(葬儀代)
滞納金額:月18,000円
当時の職業:会社役員
当時の年齢:28歳
当時の借金の合計額:90万円の内残債約45万
会社名:オリコ

突然母逝く!お金はない

母が突然逝ってしまいました。原因は脳溢血。
倒れて病院に運ばれて、「どうしよう」と思うひまもない程、あっけなく母は脳死状態に陥り、2日と待たずに「死亡」してしまいました。ショックでした。

しばらくすると、次第に母を亡くした感傷的な気持ちが冷めていき、現実感が押し寄せてきました。

「そうだ!葬儀の支度があるじゃないか!」
そう思うと、今度はそのお金が心配になってきたのです。

そのときの私に、母の葬儀にかけるお金はありませんでした。私はそのとき28歳。年齢的にもお金を蓄えている年齢ではないですが、それより何より、以前いた会社の上司や同僚と新しい会社で役員として頑張っているときだったのです。

正直、まだ経営は軌道に乗っていない状態。持ち出しも多かったですし、以前母が入院したので、その入院費もかかっていました。手持ちのお金が全くない状態だったのです。最近では公共料金の支払いも滞る始末でした。

そんなタイミングで母は倒れて亡くなりました。正直、何ともタイミングが悪いのですが、仕方ありません。とりあえず私は、いくつかの葬儀屋に話をしに行き、見積もりをとり、その中で内容もさして悪くなく、かかる費用の安いところに決めました。

葬儀代はトータルで90万円。
中でもよかったのはローンを使えたことです。
毎月18,000円で計60回払いのオリコのローンを葬儀屋にすすめられ、私は契約しました。ひと月1回18000円だったら捻出も工面も何とかできるだろう。と思いました。

河原の子が石を積むがごとくのはずが・・・

その後、私はコツコツその18000円をオリコに払っていました。
毎月振り込むその18000円は、まるで地獄の三途の河原にいる子どもが、石を一つひとつ積んで弔うかのようなもので、支払わないと、オリコにというよりも母に申し訳がない、そんな気持ちになっていたのです。

しかし、ローンを返し始めて一年程したある日、会社の経営が非常に切迫した状況になりました。そもそもそれまでも決して順風満帆ではありませんでした。

飛行機で言うなら、いつ落ちるかわからないものを何とかだましだまし飛ばしてきたようなものです。しかし今度は本当にその飛行機が落ちるかもしれないという状況になりました。

事務所のテナントの賃料がまかなえず、大家さんには頭を下げて、何とか待ってもらうことに。

また、給料ももらっていなかったので、自分の住んでいるマンションの賃料も払えず、公共料金も滞り、携帯代の支払いも厳しく...気が付いたらオリコへの支払いも3カ月滞納している状態となっていました。

もちろん、それより前にオリコの担当者は携帯に電話をかけてきていました。

「まだお支払いいただいていないようですが...」
私は今の自分の状況を話し、とりあえず遅れて2週間後に払うと交渉。相手もそれで納得。

ただ、その2週間後にはまだお金を作れずにいたのでまた待ってもらうことに...。それを繰り返していたら、すぐに3カ月分がたまってしまいました。

18000円×3=46,000円
この段階で、私は2分割で支払うので、となんとか交渉しました。次の月末になるとまた、もう一カ月分乗っかってくるので、今度は払ってくれないと、と担当者。そんなことはわかっていましたが、今度もまた払えず、結局、申し訳程度に1万円払ったのみでした。

続くローン会社の電話攻勢に堪えかね、ついに...。

しかし、毎月毎月、というか毎週毎週 返済の話をするのは、はっきり言って精神的にきつくなっていました。

この時、私の未払い額は約6カ月分に膨れ上がっていました。しばらくは「ある時払い」で入れていたのですが、会社の経営が安定せず売上が上がらない以上、会社役員が役員報酬をもらうわけにいかない状況です。

引き続き会社の経営は厳しいままで、自分に身入りがなく、その後もたびたび滞りました。

ちなみに私は今回が初めてのローン、初めての借金でした。
こんな「取り立て」に追われる経験も初めてだったのです。

都度分割の支払いを提案しても、それが守れずにどんどん未払い分が雪だるま式に累積していく中で、私はいつしか「もう払えないのではないか」という気持ちが強くなりました。そしてついに、オリコからの電話に出ないようになっていたのです。

その後、しばらくしたら、今度は会社に電話がかかってくるようになりました。事務の人間が取って、「○○さんっていう方から電話です。」と電話を回してきました。要件を聞いても言わず、会社名も言わない、と事務のひとは不思議がっていました。

後にオリコの担当者から聞いた話では、電話を顧客(今回の場合は私)の職場にかけるときは、絶対に要件や会社名を言わないのだとか。

しかし、個人の名前のみを名乗り、取次だけを要求する電話は誰から見ても怪しいですよね。職場の人たちも、そっち系からの電話であることは薄々感づいていたと思います。

「○○さんから電話ですけど...」
「ははっ(笑) その電話、営業だから...しつこくて困るよ。あの、『いない』って言っておいて...。」

やがて、私は会社でも居留守を決め込むようになりました。

ローン会社の催促を無視し続けたら、ついに...

気が付いたら、それで2年以上が経過していました。
その間、前半1年は例の電話攻勢が続いたものの、私が居留守や無視を決め込むと、だんだん電話もまばらになっていきました

さらに、公私共にお金が厳しかったので、支払いが滞った携帯電話を解約して別の携帯を購入し、家ももっと安い賃料のところに引っ越していました。

その結果、オリコからの連絡はほぼなくなっていました。
ただし引っ越して2ヶ月後には、また支払いの請求通知がうちの郵便ポストに来るようになります。(当然、前の家のときもずっと支払いの請求通知は来ていました)。郵便物が届かなくなり、おそらく役所で調べたのでしょうが、まあ、連日のうざい電話よりましだ、ということで放置していました。

最初は請求通知の中身も確認していたものの、だんだん「こんなに払えるわけないだろ。」、という気持ちが強くなっていて、開封もせず中も見なくなっていました。

しかし、そんなある日、私は社長に呼ばれました。

社長室に行ってみると、どうやらオリコが裁判所に給料差し押さえの手続きを頼んで、そこから会社(代表名義)に給料差し押さえをかけてきたのです。

そう言えば、少し前、普段とは違った封筒で内容証明の郵便が来ていたのですが、いつものように無視していたのが頭をよぎりました。

事の重大さに唖然としました。
しかし社長を見るとそんなにシビアな顔をしていません。
...どうして?

「だって君、給料をもらっていないじゃない。」
とニヤニヤする社長。

「いやでも、少しですけど会社の余裕があるときにもらっていますよ。それすら差し押さえられるなんて...」
私はすっかり肩を落としました。

しかし、社長は、
君のは役員報酬であって、給料じゃない。給料は一銭ももらっていないよね。」

そういうと社長は、その旨を裁判所からの書類に書いて、裁判所に送っておくからと言いました。

「この者には差し押さえるべき給料はありません。」、と。

よい子は真似してはいけない!

結局、それで「終わり」でした。
それ以降は何もなく、請求通知も来なくなりました。

たぶん、その後、オリコは損切りしたのだろうと思います。
残債の約45万はチャラになったわけです。

ただし一回だけ職場に電話が来て、私が間違えて取った(担当者名が違うためオリコだと思わなかった)ときはびっくりしましたが、「忙しいので後でかける」と言ってそのまま放置。それ以降かかってくることはありませんでした。

このように、今回はうちの社長の対応によって差し押さえから救われたわけですが、この社長個人も過去にこういう「体験」があるそうで、差し押さえられたときは納得のいく理由を付けて「この人は給与もらっていないよ」というのを裁判所に書面で返せば差し押さえられないんだとか。(ただし私の場合は本当に役員報酬なので、これはウソではない)

しかし、これを「得した」「逃げ切れた」などと思ってはいけませんね。私も好きでこうなったわけではありません。生活費もままならぬ中、やむなくこうなってしまったわけです。

元はと言えば母の葬儀代。
払い切れなかったことに対して、オリコ以上に母に申し訳ないと思っていますし、私はこの後、ローンを申し込んでも一切組めなくなったので、差し押さえは免れても、社会的にある種の制裁は受けていることになります。

ローンの踏み倒しは決していいことではないので真似するべきではありませんよ。

一定期間だけお金を借りるのはOK

お金に困ったとき、短期的に借入をするのは良いかもしれません。もちろん、返済の意志がないのに借入を行うのは言語道断です。

しかし、最近は銀行のカードローンや無利息サービスも充実してきていますから、ホントに一時的に銀行からお金を借りるのは悪くありませんね。

たとえば、アコムは即日発行が可能ですし、プロミスは無利息サービスが充実しています。

※プロミスの無利息サービスの利用にはメールアドレスの登録とWeb明細に登録する必要があります。

同じテーマのログ(記事)ランキング

人気のログ(記事)ランキング

同じテーマの記事の一覧

カテゴリ一覧

キャッシングの基礎
ローンの基礎知識
キャッシングの体験談
注目の特集
レビュアーによる検証
債務整理体験談
全国各地の自動契約機(むじんくん)の詳細情報
筆者へ質問