日雇いアルバイトの現場では、いろいろな事情を持った人が働いています。

主婦である私もその一人。夫の取引先の会社が倒産し、家計を助けるために日雇いアルバイトを始めることにしたのです。

日雇いは、普通のアルバイトに比べると「人間関係に気を使わなくてもよい。」と思われがちですが、日雇いには日雇いなりの人間関係があります。

今回は、日雇いで気持ちよく働くために気をつけるべきことを体験談からお伝えしたいと思います。

日雇いアルバイトで働いているのはどんな人？

日雇いアルバイトは、基本的に自分の予定に合わせて好きな時間・好きな仕事を選んで仕事ができるので、副業として働いている方がたくさんいました。

たとえば、夏休みだけ日雇いアルバイトをする大学生やサラリーマン。

私のように、隙間時間に働く主婦など、年齢も環境もさまざまです。

大半の人が副業として働いているので、日雇いアルバイト専門の人は少数派でした。

もちろん、そのアルバイトの派遣会社で一生懸命働き、アルバイトスタッフの責任者を目指す方もいます。

しかし、中には他の会社で雇ってもらえなかった個性の強い方も働いていました。

スタッフ同士の協力、気遣いは必要不可欠！

ある日、派遣された現場で「着物にアイロンをかけて、きちんとたたんで梱包する」というお仕事を2人1組で行うことになりました。

その日集められた日雇いスタッフは10人。
朝の打ち合わせの時に組み合わせを決めます。

いくつかの組が決まっていく中、女性スタッフがぽつんと1人、立っていました。

私は初めてお会いした方だったのですが、他の方が誰も組まないので私と一緒に仕事をすることになりました。

着物にはたたみ方の決まりがあり、その通りにたたむよう指示されます。

1人がアイロンをかけ、1人がたたんでいく作業です。終わったものから所定の箱につめていきます。

ふだん着物を扱うことがないので、私はたたむ作業にもたついてしまいました。アイロンをかけ終わった着物が少しずつたまっていきます。

気がつくと、私と組んだその女性は冷ややかな目で私を見ていました。

「すいません、私こういう作業苦手で...」
場を和ませようと苦笑いした私に、

「口はいいから、手を動かしてくれる？」
と、彼女は冷たく言いました。

また、着物の梱包でわからないことがあり、困って彼女に聞いたところ、

「こんなことも分からないの？」
といやな顔をされました。

こうしたやり取りが何度もあり、緊張しながら仕事を続けました。

結局、
わからないことがあっても聞きづらい⇒ミスする⇒やり直しになり余計時間をとられる

彼女にプレッシャーをかけられる⇒彼女の視線が気になり集中できない⇒緊張してしまうので余計作業が遅くなる

というような悪循環に陥り、その日の仕事が終わった後はいつも以上に疲れたのを覚えています。

ちなみに、他の日雇いスタッフが彼女と仕事をしたがらない理由があとになってわかったのですが、やはり彼女は多くの日雇いスタッフさんとトラブルを抱えていたそうです。

スタッフ同士でチームになって働くことも多い派遣のお仕事。

今回の彼女のような方がいると非常に働き辛い雰囲気になりますし、結果的に作業にミスが出たり、作業効率が悪くなってしまいます。

誰かと一緒に作業をするときは、

• お互いわからない事があったら確認し合う、教えあう
• 重い物を一緒に運んだりなど、協力して作業を行う
• お互いを気遣い、働きやすい雰囲気をつくる

最低限、以上のことに気をつけるべきだと思います。

現場の責任者である社員さんの指示に従う

ある仕事先でのことです。
商品の仕分け作業を日雇いアルバイト5人で行うことになりました。

伝票を見ながら、各店舗に送る商品をカートに仕分けしていく作業です。

日雇いアルバイト専門で働くある女性は、毎日その会社に派遣されていました。

彼女は同じ仕事をしているという経験から、その日のリーダーとしてみんなに指示を始めます。

初めて派遣された他の4人は、その仕事の経験がありません。彼女の指示が正しいと思い、指示通りに仕事を進めていきました。

そして、終了時間ぎりぎり。

その日 予定されていた分の仕分けができているか、社員さんが確認に来ました。

私たちは5人とも順調に仕事を終えたと思っていました。

しかし、確認を終えた社員さんが一言。
「今日はそこまでしなくてよかったんだよね・・・」

私たちは仕事を進め過ぎてしまったのです。
結局、間違って仕分けたものを1時間かけて元に戻すことになりました。

必要とされる仕事量は、日によって変わります。

仲間のアルバイトスタッフに経験者がいても、あくまで派遣アルバイト。

基本的に現場の責任者である社員さんの指示に従うようにしましょう。

あくまで謙虚な態度で

派遣スタッフの態度が悪かったり、仕事に問題があったりした場合、派遣会社を通してクレームが届き、その会社からは二度と呼んでもらえなくなったりします。

お仕事をさせていただく私たちスタッフの態度はとても重要なのです。

私が一度行かせていただいた現場は、洋服のタグとシールをつけるという簡単なお仕事の現場でした。

朝8:30から、段ボールに入った商品に値札を付けていきます。

1つのパレットの上に段ボールが15個乗っていました。

その現場では、女性の社員さんが責任者として、さまざまな指示をしておられました。

とてもテキパキとした方で、大声、命令口調です。

その責任者の女性はパレット4つ分、段ボール60個分の商品にタグを付けるよう私たちに指示しました。3人1チームで仕事を行います。

午後になって私たちチームは指示された通り、タグを付け終わることができました。

自分たちの仕事を終えたので、別の男性社員さんの指示で新しい仕事に取り掛かります。

今度は靴下に値札のシールを張り付ける仕事です。

しばらくシール張りをしていたところ、先ほどの責任者の女性が来ました。洋服の値札付けが指示通り終わっているか、確認をしに来たのです。

伝票と合わせて確認すると、責任者の女性がまだタグ付けを終えていない段ボールを見つけました。

私たちは彼女の指示通り仕事を終えていましたが、その社員さんがパレット2つ分、30個の段ボールを見逃していたのです。

しかし、「あなたの指示通りやりましたよ」とは、言えるはずがありません。

責任者の女性に「ちゃんと確認してよね！」と注意され、私たちは「すみません、すぐにそちらにもタグを付けますね！」と応じて、靴下のシール貼りを止めました。

そしてすぐ洋服に値札のタグを付ける仕事に取り掛かりました。

一瞬、緊張しましたが、私たちの誠実な対応に責任者の方も態度を和らげてくださいました。

まれに日雇いスタッフが派遣先の社員やパートさんとトラブルになることがあります。

指示に逆らったり、仕事をきちんとしない、他のスタッフともめてしまう、などです。

そのようなトラブルが重なると、日雇いアルバイトの派遣会社に連絡があります。

そのスタッフを派遣しないように、と仕事先の会社から言われてしまうのです。

このような事態にならないためにも、仕事中は常に謙虚な態度でのぞむことが大事です。

派遣仲間で情報交換しよう！

他のスタッフさんと仲良くなり、現場の情報をあらかじめ仕入れておくことも大切です。

私もスタッフ同士で、それぞれの現場の仕事内容、社員さんやパートさんの様子について情報交換をしていました。

その情報をもとに、次の仕事先を選ぶと間違いないと思います。

私たちの中で人気があったのは、ヨーグルト工場のお仕事です。簡単な箱詰めと検品作業の合間に、休憩時間が1時間ある仕事です。

休憩所にあるヨーグルトが食べ放題で、帰る時には賞味期限が短いヨーグルトのお土産付きです。

反対に、大変なので人気のない仕事もありました。

朝から夕方まで、ラインに流れてくる情報誌を箱に詰め込む仕事です。

情報誌は重く、同じ方向にだけ腕を動かすので筋肉痛になると評判でした。しかも冬だったので倉庫内は冷え込んでいます。

私もその仕事を検討していたのですが、他のスタッフさんからのアドバイスが助けになり、応募するのをやめました。

私は腰痛があるので、その仕事をすることは体力的に難しかったのです。

仕事の内容を事前に知ることができ、とても助かりました。

まとめ

いかがだったでしょうか？
私が日雇いアルバイトをする上で気をつけていたことは、

• その日一緒に働く日雇いスタッフ同士、協力や気遣いが大事
• 現場では責任者である社員さん（パートさん）の指示に従う
• 仕事中は常に謙虚な態度でのぞむ、トラブルを起こさないようにする
• 派遣スタッフ同士で現場について情報交換をし、自分に合ったお仕事を選ぶ

の4つ。

一生懸命お仕事をすることも もちろん大事なのですが、よりスムーズにお仕事を進めるため、トラブルを避けるためには職場の人間関係も同じくらい大事です。

これから日雇いアルバイトを検討している場合は、ぜひ参考にしてみてください。

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