親の借金1,500万円の取り立てを自己破産でどうにかした時の話

かつて、両親が借金のスパイラルにはまり、ついに違法業者にまで手を出してしまったことがありました。

一時は総額1,500万円以上に膨らんだ借金を、自己破産と特定調停でどうにかした時の体験談です。

体験者の情報

名前:新山 隆史(仮名)
性別:男性
当時の年齢:24歳
当時の職業:製造業
会社名(借入先):信用保証協会、銀行、武富士、アコム、プロミス他
借入件数:10件以上
利用時期:2002年から2005年がピーク
当時の借金の合計額:1,500万円以上

両親が作った借金

今から10年前、私は両親の借金を返済すべく、食費をきりつめ、あらゆる出費をおさえ、ガマンの毎日を過ごしていました。

なぜこんなことになったのか、まずはそこから振り返ってみたいと思います。

私の母親は30年以上食堂を経営し、父親は役場で働いていて夫婦共働きでした。食堂も繁盛しており、3人兄弟でしたが、子どものころは比較的裕福に暮らしてしました。

私が小学校高学年のころ、父は役場を退職し、食堂経営に専念するようになったのです。

しばらくは食堂だけでも生活できていましたが、次第に世間の不況の影響を受け経営は苦しくなっていきました。

両親は家の建て替えによる住宅ローン3,000万円と、店の設備投資で銀行から600万ほど借入をしていました。

その銀行からの借入(600万円)が、経営の悪化で払えなくなっていったのです。支払うように通知もきていたのですが、気づかずに放置していました。

あるとき、600万円の債権は銀行から信用保証協会に移ったのですが、

「債権が銀行から信用保証協会に移った場合、全額一括で支払いをしなければならない

「全額一括で支払えない場合、支払いが遅れた分だけ年14%の割合で損害金がかかる
とのこと。

どうも、最初に銀行で借りたときに以上のような契約をしていたようなのです。

そのことを知ったのは、既に8年ほど過ぎたあと。

600万円 × 年14% × 8年 = 600万円(損害金だけで)

もともと600万円だった借金は、なんと1,200万円にまでふくれあがっていました

こうした借金も影響し、経営はさらに悪化。
両親は私たちにも借金のことは言えず、その場しのぎで次々と消費者金融に手を出していったのです。

消費者金融から違法業者へ。負のスパイラル

両親は、武富士、アコム、アイフルなどあらゆる有名どころに手を出し、自分たちの名義で借りられなくなると、兄たちの名義を利用して借入を繰り返していました。

ちなみに当時、消費者金融の利率は20%以上が普通でした。

親戚からも次々に借金をしていました。
家計は圧迫され、借金を返すために借金をすることの繰り返しで、払えるのは利息だけという状態

借金は減るどころか逆にふくれあがっていきました
そして遂に、消費者金融の審査もいっさい通らなくなり、借りるところがなくなってしまったのです。

それでもお金が必要だった両親は、違法業者からも借金をしました。。

違法業者は非常に高い金利で貸付を行うので、例えば2万円借りたら1週間で1万円の利息がつく、というような感じです。

社名は「みずほファイナンス○○」とか「三菱クレジット○○」など、実際の大手金融会社に似せた名前のところが多いので、高齢者や素人では一見区別がつきにくく、母も違法業者とは知らずにお金を借りてしまったようでした。

違法業者の取り立ては伊達じゃない!救急車や葬儀屋を呼ばれる

違法業者は、最初は丁寧な対応ですんなりお金を貸してくれるのですが、返済が滞ったら態度は豹変。母は恐喝のような恐ろしい取り立ての毎日で次第に追いつめられていきました。

お金を用意するために私の貯金を無断で使ったり、再就職していた父に無理を言って退職してもらい、その退職金をすべて違法業者の返済に充てていました。

さらには違法業者にお金を支払うため、また別の違法業者から借金をし、その返済のためにまた別の違法業者に。

これを繰り返してスパイラルに陥り、最後には9社から借りていました

さらに違法業者は、最初に借りた金額を払い終わっても適当な理由をつけて返済を請求してきました。そうしていつまで経っても、支払いは終わりませんでした。

本当にもうどうしようもなくなってしまった母は、催促から逃げるために家の電話のコンセントを抜いて、電話が繋がらないようにして逃げていました。しかし、違法業者はそう甘くはありません。

違法業者は、無関係な近所の住民に無差別に電話をかけて、チンピラのような口調で「新山を出せ!」「新山の借金を代わりに払え!」などと脅すようになったのです。

私は借金があることは知っていましたが、こんな自体に発展するとは思いもよらず、急いで兄弟で謝罪しながら、近所の人たちの家に行って電話対応をしました。

電話で違法業者と怒鳴り合ったり、電話だけ取って受話器を置いて聞かないようにしていました。

その最中、違法業者は救急車と消防車と葬儀屋を家に呼びました。サイレンが鳴り響き、野次馬が集まり辺りは騒然。母は泣き、僕は呆然と立ちつくしていました。

「これからどうなるんだろう」
僕はそう感じていました。
お金だけでなく、近所からの信頼も失ってしまったのです。

しばらくしてようやく電話は鳴り止みました。
僕たち兄弟は両親からすべての事情を聞き、徹夜で違法業者について勉強し、対応を考えました。このときにインターネットがあったのは本当に良かったと思います。

翌日から、私たちは我が家の経済状態を改善するため、家の書類をかき集め、母に任せきりだった家計を自分たちで把握し、対応することにしたのです。

違法業者は違法なので返済の必要なし!

まず違法業者については、警察に被害届けを出しました。
しかし警察は「捜査する」ということだけで特に解決には繋がりませんでした。

次に、司行政書士に借金と違法業者のことについて相談に行きました。そこで聞いたのは「違法業者は違法な金利で貸付をおこなっているのでまったく返済をする必要がない」ということです。

もし取り立てが来たら警察を呼んで逮捕してもらえば良いということ。そして嫌がらせの電話にしばらく耐えれば、必ず止むということも教えてもらいました。

違法業者は、相手がお金を払わないとわかったら、無駄な労力は使わないそうです。実際、それ以来、ひどい仕打ちをされることはなくなりましたし、たまに実家に電話がかかってくるぐらいでした。

母名義の借金は自己破産でなんとか解決

違法業者以外の借金(の対応について、まず考えたのは自己破産です。自己破産とは、生活に必要な財産以外すべて処分される代わりに、借金が全てなくなる制度です。

母親名義の借金に関しては、自己破産で全てなくすことができそうでした。

自己破産の手続きは兄と母に任せていたので詳しく憶えていませんが、弁護士に一任したこともあり、費用が30万円ほどかかりました。

その費用は年に1回、会社のボーナス時期に15万円づつ払いました。

実際に申し立てをしてから手続きが成立する(借金がなくなる)まで、当時は半年ぐらいかかりましたが、現在は法律が改正され、3ヶ月程度で決定するそうです。

こうして母名義の借金は片づきましたが、父名義になっている信用保証協会の借金に関しては、母親の従兄弟と友人が連帯保証人になっているため、父が自己破産するとその2人に借金の返済義務が移ることが判明し、「他人に迷惑をかけたくない」という両親の思いを汲んで父の自己破産を断念しました。

父名義の借金は特定調停で

父親名義の信用保証協会の借金、消費者金融の借金、各種銀行からの借金に関しては、何としても返済する必要がありました。

この場合、適していたのが特定調停という制度です。

特定調停とは、「借金を全て利息制限法が定めた利率に引き直して計算し、その残高を3年以内に払い終える」という制度。(もちろん、債権者(今回だと信用保証協会、消費者金融、銀行など)の同意が必要です。)

手続きは、金融業者との間に裁判所が入って返済計画を作成してくれますので、直接金融業者と顔を合わせなくても大丈夫です。

返済を3年で完済できる計画がたてば、父は自己破産せず、母の友人と従兄弟にも迷惑をかけず済むわけです。

特定調停は簡易裁判所に申し立てます。

申し立てると2週間後くらいに裁判所から呼び出されるので、そのときに提出する返済計画書(家族の収入から支出、生活費、借金返済配分などを綿密に書き込んだもの)を作成しておきました。

呼び出しの日、作成した返済計画書を調停委員に提出。
調査委員の方が「よく勉強している」と感心してくれたのを覚えています。

このとき、本来は金融業者も呼び出され、こちらの状況や返済計画の説明を調停委員から受けるのですが、ほとんどの場合、金融業者は出席しないことが多いようです。

その場合は法律上、こちらの申し立てが成立します。

実際「特定調停が申し立てられた=ほぼ成立する」らしいので、金融業者は来ても意味が無いから来ないのだと聞きました。

申し立ては、消費者金融や銀行に対して1社づつするのですが、1つの裁判所でまとめて申し立てることが可能です。

費用は1社あたり500円程度。
非常に安価です。

特定調停では、少しでもお金を節約するためにすべて自分たちで手続きをしました。これを弁護士や行政書士などに頼むと別途費用がかかります。

特定調停(利息の再計算)で、借金は3割ほど減りました。たしか残額700万円程度だったと記憶しています。

あとは計画を立てたとおり、家族一丸となって返済していくのですが、この返済は絶対に滞納できません

特定調停の決定は裁判の判決と同じ効果があり、滞納した場合は最悪差し押さえになってしまうこともあります。

信用保証協会の借金

そして3年が経ち、地道な節約と我慢の末、特定調停で決定した消費者金融の借金を完済することができました。

その後、待ってもらっていた親戚への借金も返済し、少しづつですが貯金もできるようになりました。

しかし、信用保証協会の借金はまだ残っています。
信用保証協会は公的機関の側面があり、柔軟な対応をしてくれました。

特定調停の際は、本来の返済額では月10万円支払うところを2万円程度にしてくれ、金銭的に余裕が出てきたら増額するという措置を取ってくれました。

ただ、信用保証協会の借金は放っておくと年14%の損害金が増え続けていくので、一刻も早く、何とかしなければなりません。

信用保証協会の借金について調べていると、長年支払いを続けていた人が元金を払い終えたら損害金を大幅に減額してもらえたという記録がありました。

私たちもどうにか損害金を減額してもらおうと思い、誠意を見せるため兄弟3人で1人100万円ずつ、あわせて300万円を用意し(それでも元金には足りませんが)、信用保証協会に直接相談に行きました。 

結果は、「損害金減額の確約はできないが、元金を完済すれば対応は検討するであろう」とのこと。

私たちはその言葉に希望を託して300万円を支払い、残り5年をかけ、残っていた元金180万円を払っていくことにしました。

現在払い続けているのは、信用保証協会の借金と住宅ローンだけになりました。

住宅ローンは月13万円の支払いが、あと15年ほど残っており(父の年金から引き落とされています)、信用保証協会の借金は月3万円を5年間払います。

その後の損害金がどうなるかは、まだわかりません。

私は借金問題が一段落した後、実家を出て結婚をしました。
今年は長男も生まれました。

実家はギリギリの生活の中、住宅ローンと信用保証協会の借金を払っているので、今でも生活は苦しく、僕はできる限り仕送りをしています。

大変な思いをしましたが、それでも僕は両親を見捨てることはできませんでした。逃げずにやりきったことは、自信と誇りに思っています。兄弟も同じ気持ちでしょう。

実家への援助はまだ必要で苦しい生活は続いていますが、この経験を忘れないように肝に銘じています。

そして自分の家庭では、これを教訓に、堅実なライフプランを考えていきたいと思っています。

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