知らなきゃ損する?改正派遣法と日雇労働求職者給付金のことまとめ

平成20年6月8日に起きた「秋葉原通り魔事件」をきっかけに、舛添要一厚生労働大臣(当時)が「日雇い派遣の原則禁止」の方針を打ち出しました。

その後、平成24年3月28日に改正労働者派遣法が成立し、同年10月1日から日雇い派遣が原則禁止になりました。

しかし、この「日雇派遣の原則禁止」は適用範囲に例外があり、すべての日雇い派遣が禁止になったわけではありません。

では、いったいどのような日雇い派遣が禁止でどのような日雇い派遣がOKになるのでしょうか?

今回は、改正労働者派遣法など、日雇い派遣に関する法律について詳しく調べてみました。

日雇い派遣とは何か?

日雇い派遣とは、1日~30日未満の期間で契約される派遣労働であり、別名「スポット勤務」や「ワンコールワーカー」と呼ばれています。

かつては大手人材派遣会社の「グッドウィル」や「フルキャスト」などが中心に日雇い派遣を行っていました。

登録スタッフは、派遣会社から電話やメールで仕事を紹介してもらった後、空いた時間を使って就業することができます。

改正労働者派遣法について

派遣労働者の保護と雇用の安定を図るために労働者派遣法が改正されました。「日雇派遣が原則禁止」となったようですが、その実態はどうなっているのでしょうか?

全ての日雇い派遣が禁止?

いいえ、そんなことはありません。
次の業務であれば例外として認められています。

  • ソフトウエア開発
  • 機械設計
  • 事務用機器操作
  • 通訳、翻訳、速記
  • 秘書
  • ファイリング
  • 調査
  • 財務処理
  • 取引文書作成
  • デモンストレーション
  • 添乗
  • 受付、案内
  • 研究開発
  • 事業の実施体制の企画、立案
  • 書籍等の制作、編集
  • 広告デザイン
  • OAインストラクション
  • セールスエンジニアの営業、金融商品の営業

厚生労働省「クローズアップ 知っておきたい改正労働者派遣法のポイント」
(2012/01/22アクセス)

逆に例外として指定されていない(原則禁止となっている)業務は次の通りです。

  • 放送機器操作
  • 放送番組等の制作
  • 建築物清掃
  • 建築設備運転等
  • 駐車場管理等
  • インテリアコーディネータ
  • アナウンサー
  • テレマーケティングの営業
  • 放送番組等における大道具・小道具
  • 水道施設等の設備運転等

Wikipedia「労働者派遣事業」
(2013/01/22アクセス)

また、次のような条件に当てはまる場合も禁止の例外として認められています。

  • 60歳以上の者
  • 雇用保険の適用を受けない学生(いわゆる「昼間学生」)
  • 副業として従事する者(生業収入が500万円以上の者に限る。)
  • 主たる生計者以外の者(世帯収入が500万円以上の者に限る。)

厚生労働省「クローズアップ 知っておきたい改正労働者派遣法のポイント」
(2012/01/22アクセス)

日雇派遣の判断基準

派遣元と労働者の間に発生する労働契約の期間が30日以内であれば日雇い派遣になります。

  • 1労働契約の期間が1日の場合(例 10月6日の1日のみの仕事の場合)
    → 日雇派遣にあたる
  • 2労働契約の期間が30日の場合(例 11月の1ヶ月間の仕事の場合)
    → 日雇派遣にあたる
  • 3 労働契約の期間が31日の場合(例 12月の1ヶ月間の仕事の場合)
    → 日雇派遣にあたらない
  • 4 労働契約の期間が10月1日から11月30日の場合で、複数の短期の仕事を組み合わせて行う場合
    → 日雇派遣にあたらない
  • 5労働契約の期間が14日間で、元々1年間の労働契約を結んでいたが、業務上の都合で延長の必要性があり、追加で新たに結ぶ場合
    → 14日間の新たな契約は日雇派遣にあたる

厚生労働省「クローズアップ 知っておきたい改正労働者派遣法のポイント」
(2012/01/22アクセス)

マージン率とは?

改正労働者派遣法では、労働者がインターネットを使って、派遣会社のマージン率や教育訓練に関する取り組み状況などを確認できるようになりました。

派遣会社のマージンには以下の金額が含まれています。

  • 派遣会社が負担する社会保険料(厚生年金保険、健康保険)
  • 派遣会社が負担する雇用保険料、労災保険料
  • 有給休暇に関する負担分
  • 派遣会社での教育訓練費、福利厚生費
  • 派遣会社の社員の人件費
  • 営業利益

厚生労働省「クローズアップ 知っておきたい改正労働者派遣法のポイント」
(2012/01/22アクセス)

※ 注意
マージンには教育訓練費や福利厚生費なども含まれているため、低ければ低いほど良いということではありません。

また、派遣会社によってはマージン率の詳細を省略して掲載している場合もあります。

日雇い雇用保険制度とは?

日雇い派遣で働く人が失業してしまった場合、一定条件を満たしていれば日雇労働求職者給付金が支給されます。

これを日雇労働求職者給付金制度といい、普通給付と特例給付(働いていた期間等によって分けられます)があります。

対象者

次のいずれかに該当する場合、日雇労働求職者給付金及び「日雇労働被保険者手帳(以下、日雇い手帳といいます)」の交付を受けることが可能です。
(※ 日雇労働求職者給付金の支給を受けるためには、日雇い手帳の提出が必要です。)

日雇派遣労働者の人で、下記(1)(2)いずれにも該当する人

  • 1現在、日ごとの雇用契約により派遣労働を行っている人
    ※ 30日以内の期間を定めて雇用され、更新して通算30日を越える派遣労働を行っている人も含む
  • 2今後、常用就職を希望している人、または公共職業安定所において常用就職に対する意識の喚起・支援が可能と判断された人

補助金・助成金ナビ「日雇労働求職者給付金 普通給付」
(2012/01/22アクセス)

非対象者

次に当てはまる場合は、日雇労働求職者給付金の受給及び、日雇い手帳の交付ができません

  • 同じ派遣会社で週20時間以上働く状態が一定期間継続し、一般被保険者として雇用保険に加入できる可能性がある
  • 失業する前の2ヶ月間(例:1月21日に失業した場合は11月と12月が該当)の各月において、18日以上同一の事業主に雇用された者(公共職業安定所長の認可を受けたときを除く)

補助金・助成金ナビ「日雇労働求職者給付金 普通給付」
(2012/01/22アクセス)

支給要件

普通給付

失業する前の2ヶ月間(例:1月21日に失業した場合は11月と12月が該当)に、雇用保険印紙保険料を通算26日分以上納付する必要があります。

補助金・助成金ナビ「日雇労働求職者給付金 普通給付」
(2012/01/22アクセス)

※ 日雇い手帳に26枚以上の雇用保険印紙(公共職業安定所に印紙購入通帳の交付申請を行って、郵便局で購入する)が貼られていることを必ず確認しましょう! 

特例給付(次のいずれにも該当すること)

  • 継続する6ヶ月間(以下、基礎期間という)に、各月11日分以上かつ通算して78日分以上印紙保険料を納付している
 

※ 日雇い手帳に78枚以上の雇用保険印紙が貼られていることを必ず確認しましょう!

  • 継続する6ヶ月間のうち、後の5ヶ月間に普通給付または特例給付による日雇労働求職者給付金の支給を受けていない
  • 継続する6ヶ月間の最終月の翌月以後2ヶ月間に、普通給付による日雇労働求職者給付金の支給を受けていない

補助金・助成金ナビ「日雇労働求職者給付金 特例給付」
(2012/01/22アクセス)

日雇い手帳の交付

以下の書類は、日雇い手帳の交付を受けるために必要です。あなたの住所を管轄するハローワークで申請手続きをして下さい。(届出様式はハローワークで配布されています)

  • 雇用保険日雇労働被保険者資格取得届(日雇労働被保険者となった場合、5日以内に管轄公共職業安定所長に資格取得を届け出るための書類)
  • 住所を確認できる一定の公的書類(住民票、パスポート、公共料金の払込用紙等)
  • 日雇労働被保険者派遣登録証明書(派遣会社に対し、労働者本人が発行を求めます)

※ 日雇い手帳の交付を受けたあとは、日雇い派遣で働き賃金の支払いを受けるときは必ず派遣会社に手帳を提出しましょう。賃金を受け取る際は雇用保険印紙の貼付も受けて下さい

日雇い労働求職者給付金申請に必要な書類

  • 日雇い手帳
  • 労働者派遣契約不成立証明書
    (失業日の前日までに派遣会社に対して労働者本人が発行を求めます。
    本人の辞退によって派遣されなかった場合は発行されません)
  • 失業認定申告書
    (毎回、常用就職のための職業相談等を行い、失業の認定を受ける)

申請手続き

支給日額と支給日数

日雇労働求職者給付金の支給日額は、納付された雇用保険印紙の保険料に応じて決定されます。印紙は賃金日額によって第1~3級に分けられ、それぞれ保険料が異なります。

  賃金日額 保険料額 日雇給付金
【第1級】 11,300円以上 176円 7,500円
【第2級】 8,200円以上11,300円未満 146円 6,200円
【第3級】 8,200円未満 96円 4,100円

補助金・助成金ナビ「日雇労働求職者給付金 印紙保険料と支給日額」
(2012/01/22アクセス)

雇用保険は積立貯蓄ではありません。目的はあくまでも就労支援であり、給付金は労働者と事業主からの保険料と国民の皆さんからの貴重な税金により賄われています。

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【この記事の筆者】
太田 伊織(おおた いおり)
1981年生まれ。東京都世田谷区出身。大学卒業後はアルバイトを続けるが、なかなか適職が見つからず派遣社員の道へ。2006年2月から一人暮らしを始め、数年後に現在の千葉県市川市へ転居。リーマンショックや東日本大震災を経て、これまで多くの派遣切りを経験。 他の人にはないチャレンジ精神の強さと幅広い人脈を持ち、自身の宿命転換と人間革命のため日々努力している。ライターの経験は浅いが、その分記事執筆の得意分野は幅広い。 (例.保険会社のプラン、アルバイト情報サイト、芸能関係の仕事、覆面調査など)

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