飲み代のために借入を繰り返した私。二度目の債務整理で大問題が...【体験談】

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私は借金に苦しんだ後、債務整理によって約50万円の過払金を手にしました。

しかし、この過払金を手にしたことによって、これまで苦しんできたこと、一度は反省したことを繰り返すことになってしまったのです。

債務整理とは、借金を少なくしたり、返済をすることでお金関係の整理をするだけではありません。

これまでの人生を振り返って深く反省すること、今後の人生について金銭面の計画を立てること、まさに心の整理をすることが非常に重要なのです。

体験者の情報

名前:野口 洋介(仮名)
性別:男
当時の職業:会社員
当時の年齢:38歳(1回目の債務整理)、43歳(2回目の債務整理)
会社名(借入先):武富士、プロミス(1回目)、クレディセゾン、JCB、三井住友銀行(2回目)
借入件数:2件(1回目)、3件(2回目)
利用時期:平成8年~平成18年(1回目)、平成18年~平成23年(2回目)
最大抱えた借金の合計額:約250万円
債務整理の種類:任意整理
債務整理費用:11万円(1回目)、5万円(2回目)
債務整理をしていた時期:平成18年(1回目)、平成23年~現在(2回目)

この記事のアドバイザー情報

  • 岡部 修子教育ローン業界の従事者

    某信用組合にて一般融資をはじめ、教育ローン、自動車ローン、住宅ローン、医療介護ローンなどの事務を担当。2級ファイナンシャルプランナー技能士、簿記3級、税務3級、法務3級などの資格も保有。

飲み代と返済のための借入

私は大学を卒業した後すぐに一般企業に就職しました。

初任給は約20万円でしたが、ボーナスも昇給制度もあったので、年を重ねるごとに給料は順調に上がっていきました。比較的恵まれた環境だったはず、今になってみるとそう思います。

私が借金をすることになった最大の理由は、社会人になってからの飲み代です。

仕事の付き合いで飲みに行くことが大半。また私はお酒だけでなく騒ぐことも好きで、友人や同僚と毎週のように飲み会を開いていました。特に入社して3年経ったころは、週に2~3回は飲みに行くようになっていたのです。

入社3年目の私の手取り月収は約25万円。家賃や生活費全般を合わせると、毎月の出費は約20万円です。

にもかかわらず、1回の飲み会で1万円ほどの出費があったので、1ヶ月にかかる飲み代は約5~7万円でした。

当時の私のお金の管理は、まさにどんぶり勘定。もらった給料は、貯金にまわす余裕などなく、翌月には使い果たしてしまう生活を送っていました。

足りない分は、ボーナスや学生時代にアルバイトで貯めた貯金で補っていたのです。

その後、入社5年目の私の手取り月収は約35万円になります。
このころになると、同僚や友人とよりも、仕事の付き合いで飲みに行くことが大半を占めるようになりました。

実際に、度重なる飲み会が仕事にいい影響を及ぼしていたことは事実です。取引相手とお酒を通して仲良くなり、そのお陰で取引がうまくいくことも多々ありました。

また部下もできたため、部署内での飲み会も月1回行うようになります。
当時の1ヶ月の飲み代は約15万円です。

私が最初に借入をしたのは、平成8年のこと。

1ヶ月の飲み代が20万円を超えてしまった時に、初めて借入をしました。毎月の返済額は、約1万円でしたので、非常に軽い気持ちで利用したのを覚えています。

この程度なら問題なく返済できるだろう。
非常に甘い考え方をしていました。

さらに、借入とは不思議なもの。自分の収入が増えたかのような感覚になり、まるで自分の財布代わりに思えてきます。

こうして翌月の飲み代も借入で補ってしまいました。やがて、気が付くとそれが当たり前になっていったのです。

また私は、このころから結婚を意識するようにもなりました。
そのため、ボーナスを返済に充てず、全て貯金するようになったのです。

これまでは、毎月の収入から支出を賄えないときは、ボーナスや貯金から出していたのですが、急にボーナスを使うことが嫌になり、借入をして返済に充てるようになってしまいました。

さらに、結婚を意識し出したため、身だしなみに気を使うようになります。飲み代以外にも、衣類やアクセサリー等の嗜好品を頻繁に購入するようになってしまったのです。当然借金の返済に回すお金はありません。

ただの自己満足。
私は、債権者から見るとこのような人間だったに違いありません。

5年ほどこのような生活を続けていくうちに、なんと債務総額は約100万円に。毎月の返済は滞ることなく行っていたのですが、返済に充てるお金を借入で用意することも何度かありました。

同時に景気が傾きだしたこともあり、私の手取り月収は約35万円のまま上がっていませんでした。当時の毎月の返済額は約5万円です。

過払ブームに乗る

借金が増えても飲み会の数を減らさず、嗜好品の購入も控えることができず、生活を全く変えることができません。

私はいい大学出て、順調に就職をしたことによって、心のどこかで、自分は一流の人間だと思い込んでいたのだと思います。そうしたプライドが自分の首を絞め続けていたのです。

平成18年、債務総額は約250万円になっていました。当時の毎月の返済額は約10万円。

武富士とプロミスを交互に利用していたので、内訳は丁度半分ずつということになります。

私は、人前では自分を良く見せようとしていたのですが、内心はこの借金生活に悩んでいました。
見栄を張ることには全く意味がない。しかし、分かっていながら簡単には止められないのです。

ある日の飲み会で友人が、弁護士に頼んで債務整理を行った体験を私に話してくれました。

その友人は、真面目に仕事はしていましたが、学生時代からギャンブル中心の生活を送っており、借金を抱えた生活を約15年続けていたそうです。

その友人は、債務整理を行った結果、過払金が発生していました。
戻ってきたお金は約150万円だというのです。

「もしかしたら、私も過払金が発生しているのではないか」

当時、世の中は過払ブームとも言える時代でした。多くの司法書士や弁護士が、債務整理業務を行って、消費者金融から過払金を回収していたのです。

私もこの辺が潮時だと考え、友人に頼んで、恥を承知で弁護士に相談することにしました。それと同時に、これまでの生活を深く反省し改めることを決意したのです。

このままでは結婚もできないと思い、必死でした。

戻ってきたお金で決意を忘れる

私は、平成18年に友人が紹介してくれた弁護士に借金の相談をしました。とても恥ずかしい思いをしたことを今でも覚えています。プライドは深く傷付きました

私の借入先は2社だけだったので、相談をしてから3ヶ月で債務整理が終わりました。結果は、約50万円の過払金が戻ってきました。

借入当初の契約では、利息制限法を超える28パーセントの利息だったので、18パーセントに引き直し計算をした結果、過払金が発生したのです。

しかし、当時の私は過払金が発生する仕組みを理解していなかったので、これは、後に知った情報になります。

3ヶ月で債務整理が終わってしまったということは、反省する期間が3ヶ月しかなかったとも言えます。

私の債務整理は、あまりにあっけなく終わってしまったので、「本当に自分が悪かったのだろうか?」と思うようになってしまいました。

そもそも、私は、過払金が発生する仕組みも理解していませんでした。
「弁護士に頼めばお金を取り戻してくれる」
「お金を貸した側が悪。私は苦しめられたから善」
まるで慰謝料を請求するような感覚でした。

必死だったはずなのですが、見栄を張るところは治っていません。

相談をした弁護士も消費者金融のことを悪く言っていたので、「私は被害者だったのだ」という考え方をしてしまいました。

そのため、あっさりと債務整理をする前と同じ生活に戻ってしまったのです。

再び、度重なる飲み会、嗜好品の購入といった生活が始まります。

弁護士からは、「債務整理を行うとしばらくは新規で借入れできない」と言われていました。

そこで私は、債務整理を行う前に作った3枚のクレジットカードを使用するようになったのです。

手遅れ

クレジットカードを使うと、現金が減らないという感覚になります。飲み代も嗜好品の購入も全てクレジットカードで支払う日々でした。

クレジットカード会社からの請求は毎月約20万円。
払える月と払えない月があり、払えない月は、クレジットカードのショッピング枠以外のカードローンで支払うようになりました。

債務総額がふくらんでも全くあわてることはありません。
むしろ、投資のような考え方をしていたのです。または、ポイントカードのポイントを貯めるような感覚で、過払金というポイントを貯めていました。

とにかく、たくさんお金を使った分だけ、たくさん戻ってくると思っていたのです。
完全に間違った考え方なのですが、当時の私はまさにそのような状態に陥っていました。

一方、景気は良くなりません。当然、私の手取り月収は約35万円から上がりませんでした。それにもかかわらず、派手な生活を続けていたのです。

平成18年の債務整理が終わった直後から平成23年まで、このような生活が続きました。

気が付くと債務総額は、以前に債務整理をした時と同じ約250万円になっていたのです。

内訳は、クレディセゾンが約100万円、JCBが約90万円、三井住友銀行が約60万円です。

恥ずかしいことに、私は「このタイミングだ!」と非常にポジティブな気持ちでした。

さすがに、以前と同じ法律事務所に相談することは気が引けたので、インターネットでなるべく費用がかからない法律事務所を選んで相談しました。

私は、この時の相談の場でも弁護士の話を良く聞かず、後日結果だけ報告して下さいというような態度だったのです。

過払金の額だけ知らせてくれればいい。
結構頑張って返済したのだから、いい額になっているはずだ。

数日後、弁護士から電話があり今回の債務整理の結果について報告を受けました。

すると、引き直し計算をすることもなく、今回の借金の総額は、相談時にあった借金の額と変わらず約250万円のままだったのです。

常識ですが、平成18年ころのクレジットカードのショッピング枠、また、クレジットカードのカードローンは、利息制限法以内の利率です。
つまり利息制限法を違反していない貸付であるため、過払金が発生することはありません。

その事実を知った時は手遅れでした。取り返しはつきません。

深すぎるくらいの反省

私は借金をしているつもりはありませんでした
過払金を得ることができると確信していたのです。

初めて自分を責めました。無知であること、傲慢であること、そしてこのようなお金の使い方、全てを反省しました。

それからは、「悔い改める」日々です。

その後は嗜好品の購入は全く行わず、飲み会の席も新年会や忘年会といった行事的なもの以外は設けないようになりました。

飲み会がなくなっても、仕事に影響が出るようなことはありませんでした。むしろ、半ば強制的に行っていた飲み会を嫌う人が多かったことに気付かされました。今まで見えなかった部分が見えるようになったのです。

現在も返済は続いています。毎月約7万円を返済し続けている生活です。

しかし、もともと金銭的に余裕がなかったわけではなく、間違ったお金の使い方による借金だったので、生活を改めると借金返済の負担は軽くなりました。

今回私は過払金を得ることはできませんでしたが、それよりも大きなもの、今後の人生を得たような気がします。これまでの生活を、本当に心から反省できたことは、今後の私にとって大きなプラスになるはずです。

今では、二度と以前のような生活に戻らないと自信を持って言うことができます。なぜなら、今は、これまでの人生で一番充実しているからです。

財形貯蓄などを活用して貯蓄を

どんぶり勘定タイプの人は要注意です。

住居費、生活費、交際費などの全ては、手取りの金額内に収めるのが基本です。

手取りで25万円あれば、生活費等に20万円、3万円を飲み代に当てるとしても、2万円は貯蓄できたはず。手取り額以上を浪費し、過去の貯蓄に手を付けている時点で、お金の使い方を見直す必要があるでしょう。

野口さんのようなタイプの人には、財形貯蓄や定期積金(ていきつみきん)がオススメ。

財形貯蓄は、給料から天引きされ自動的にお金が貯まっていく仕組みです。定期積金は、毎月同じ額を同じ日にちに払い込む商品です。

このような金融商品を利用して強制的にお金を貯めれば、借金地獄になる惨事は免れたかもしれません。

岡部 修子(教育ローン業界の従事者)

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