絶対役立つ!借金の時効解説。踏み倒されないために知っておきたいこと

「もう5年も前の話だし、あの時の借金は時効だよ!」

昔、似たようなことを友人に言われたことがあります。(もちろん、しっかりと返してもらいましたが)

ところで借金に「時効」ってあるんでしょうか?

もし借金に時効があるなら、「お金を借りて時効まで待てばいいのでは?」なんて考える人もいるかもしれませんね。

たしかに借金にも時効は存在します。

しかし、時効といっても、ただ時が過ぎるのを待てばいいということではありません。法律的に必要な基準をクリアしていなければ時効を成立させることはできないのです。

今回は借金の時効について、特に重要なポイントをまとめて解説してみました。

  • 【目次】
  • 借金にも時効は存在する!
  • 成立するまでの期間は?
  • 時効の中断
  • 時効を中断するには?
    • 請求
    • 債務の承認
    • 差し押さえ
  • 時効の再開について
  • 時効期間が過ぎただけでは時効は成立しない!?
  • 借入から時効成立までの流れ

借金にも時効は存在する!

まず、簡単に時効とは何かを説明します。

民法上の時効には、"取得時効"と"消滅時効"の二種類があります。今回覚えてもらいたいのは"消滅時効"です。

消滅時効とは、「一定の期間 権利が行使されなかった場合に、その権利を消滅させる時効」のことをいいます。

今回説明していく借金の時効は、この消滅時効に該当します。

では、「一定の期間」とは、どれくらいの期間なのでしょう?また、「権利を行使されなかった場合」とは、具体的にはどのような場合なのでしょうか?

これらを続けてみていきましょう。

時効が成立するまでの期間は?

借金をするとき、一般的な借入先は友人や家族、もしくは銀行や消費者金融だと思います。

実はその借入先によって、「一定の期間」の長さが異なります。大別すると、以下のようになります。

◎個人 ・・・   家族や友人、知人
◎商取引 ・・・ 銀行、消費者金融などの法人

民法第167条「債権は、10年間行使しないと消滅する」とありますが、個人間の借金の場合は民法の適用により、10年で消滅時効が完成します。

対して、商法第522条「商行為によって生じた債権は、(中略)5年間行使しないときは、時効によって消滅する」の適用により、商取引の場合は5年で消滅時効が完成します。

つまり、

債権者が個人だった場合 ・・・ 10年で時効成立
債権者が法人だった場合 ・・・ 5年で時効成立

ということになります。

「なるほど!個人だったら5年、法人だったら10年で時効が成立するのね。でも、いつから計算すればいいの?」

民法第166条では、「消滅時効は、権利を行使することができる時から進行する。」とあります。ただ、これだけでは非常に分かりづらいので、具体的な事例を交えつつ解説していきたいと思います。

事例1 返済期日を定めている場合

2013年1月1日  金銭の消費貸借契約(※)を交わす
      
2013年4月1日  一回目の返済期日が到来
      
2013年4月2日  時効の進行開始
      
5年(借入先が法人だった場合)
または10年(借入先が個人だった場合)経過で時効成立

返済期日がある債務の場合、時効は返済期日の翌日から進行します。(借入後、一回も返済しなかった場合)

ちなみに、一回以上返済した場合は、最後に返済した日の次の返済期日の翌日から時効の進行が開始になります。先の例で説明すると、

2013年4月1日  一回目の返済期日が到来⇒返済
      
2013年 5月1日  二回目の返済期日が到来⇒返済せず(これ以降、一切返済しない)
      
2013年 5月2日  時効の進行開始
      
5年(借入先が法人だった場合)
または10年(借入先が個人だった場合)経過で時効成立

※ 金銭の消費貸借契約
書面で交わした契約に限らず、口約束でも契約は成立します。

事例2 特に返済期日を定めていなかった場合

2013年4月1日  金銭の消費貸借契約(※)を交わす
      
2013年4月2日  時効の進行開始
      
5年(借入先が法人だった場合)
または10年(借入先が個人だった場合)経過で時効完成

このような債務を、期限の定めのない債務といいます。期限の定めのない債務の場合、契約日翌日から時効の進行が開始になります。(借入後、一回も返済しなかった場合)

ちなみに、一度でも返済した場合は、最後に返済した日の翌日から時効の進行が開始になります。先の例で言うと、

2013年4月1日  金銭の消費貸借契約(※)を交わす
      
2013年5月1日  一部返済(これ以降、一切返済しない)
      
2013年5月2日  時効の進行開始
      
5年(借入先が法人だった場合)
または10年(借入先が個人だった場合)経過で時効成立

事例3 返済期日がいつ到来するか分からない場合

2013年4月1日  金銭の消費貸借契約(※)を交わす
      
2013年12月1日  債務者が親の遺産を相続(時効の進行開始)
      
5年(借入先が法人だった場合)
または10年(借入先が個人だった場合)経過で時効完成

このような債務を不確定期限付きの債務といいます。不確定期限付き債務の場合は、期限の到来時に時効が進行します。

この事例でいえば、債務者が親の遺産を相続したときに期限が到来し、時効の進行開始になります。

時効の中断

冒頭でも少し触れましたが、「とにかく借金から逃げ続ければ、いつか時効が成立する」わけではありません。

法律では"時効の中断"という制度があります。

冒頭の「権利が行使されなかった場合」とは、イコール「時効の中断がされなかった場合」のことを指しています。

時効の中断とは、時効の進行をとめ、今までの時効期間の進行をすべてなかったことにすることです。分かりやすい例を出すと

2013年4月1日  時効の進行開始
      
2015年4月1日  時効の中断
      
2015年4月1日  時効の進行開始

この場合、2013年4月1日から2015年4月1日までの時効の進行はなかったことになります。

時効を中断するには? (1)請求

時効を中断する方法は、大きく分けて3つあります。その中の"請求"について、まずは説明します。

債権者は、裁判上の請求、裁判外の請求により時効を中断させることができます。

裁判上の請求

  • 訴訟の提起
  • 支払督促・調停申立て・即決和解の申立て

それぞれ、簡単に補足していきます。

まず、"訴訟の提起"ですが、この場合、訴状の提出が行われた時点で時効は中断します。

しかし、訴訟は時間も費用もかかるので、実際は訴訟よりも"支払督促""民事調停""即決和解"になるケースがほとんどのようです。

"支払督促"とは、債権者が契約書や債務確認書などの証拠品を持参して簡易裁判所に申し立てることです。申立てが正式に受理されると、裁判所が債権者に代わり、債務者に対して「お金を支払いなさい!」という命令を出してくれるのです。

この命令は、書面の送達で行われます。この書面が債務者に届いた時点で、一時的に時効が中断します。

債務者は、書面が届いた日から2週間以内に、異議申し立てを行うことができます。

債務者が異議申し立てを行わなかった場合、債権者は30日以内に"仮執行宣言の申立て"を行うことができます。

この仮執行宣言の申立てが行われることで、時効は完全に中断します。

"一時的な時効の中断"の場合、時効の中断事由がなくなれば、再度時効が進行します。つまり、一度時効が中断した日から再び進行が進むということです。

2013年9月2日  時効の進行開始
      
2014年4月1日  一時的に時効が中断
      
時効の中断事由が続いている期間
      
2015年4月1日  時効の中断事由がなくなる
      
2013年9月2日から、5年または10年で時効が完成

それに対して、"完全な時効の中断"は、時効の進行をいちからやりなおすことです。こちらは先ほど説明した通りです。

次に、"調停申立て"と"即決和解の申立て"についてです。

即決和解とは、訴え提起前の和解のことを指します。

通常の和解は裁判所で行われますが、即決和解は訴えの提起前に裁判所の外で話合いが行われます。裁判所を通さずに行うので、余計な費用をかけたくない場合に行われます。

即決和解でも時効は中断しますが、和解が不調だった(うまくいかなかった)場合、その日から更に1ヶ月以内に訴訟を提起しないと時効中断の効力はなくなります

また、調停申立ても、時効中断の効力があります。調停とは、簡単にいえば裁判所で行う話し合いです。

裁判外の請求

裁判になる前に、「借金を返済してください」という督促の書類を債権者から債務者に向けて送ることができます。(内容証明郵便で送る必要があります。)

この内容証明郵便を送ることで一時的に時効を中断させることができますが、効果は6ヶ月間のみ。

郵便が相手に届いた日から6ヵ月間時効を中断することができますが、その後、何もしなかった場合はまた時効の進行が再開してしまいます。

時効を中断するには? (2)債務の承認

"債務の承認"とはその名の通り、債務者が債務の存在を認めることです。具体例として、支払約束証へのサインや債務の一部弁済などがあります。

つまり、借金の一部返済(たとえ1円でも)=債務の承認にあたり、時効は中断します。

さらに債務の承認は、時効期間が満了した後でも、時効を中断する効果があります。

仮に、時効期間が満了したあとに債務の承認を行ってしまうと、再び一から時効をやり直すことになるのです!

例)

1990年4月1日  時効の進行開始
      
2000年4月1日  時効期間の満了(注:時効はまだ成立していない)
      
2001年4月1日  借金の一部返済(=債務の承認)
      
2001年4月2日  時効の進行開始

この場合、既に時効期間は満了しているのに、その後、債務の承認を行ったことによって、それまでの時効期間がなかったことになってしまいます。そして、再び2001年4月2日から時効期間をやり直すことになります。

時効を中断するには? (3)差し押さえ

"債務の承認"とはその名の通り、債務者が債務の存在を認めることです。具体例として、支払約束証へのサインや債務の一部弁済などがあります。

つまり、借金の一部返済(たとえ1円でも)=債務の承認にあたり、時効は中断します。

さらに債務の承認は、時効期間が満了した後でも、時効を中断する効果があります。

仮に、時効期間が満了したあとに債務の承認を行ってしまうと、再び一から時効をやり直すことになるのです!

例)

1990年4月1日  時効の進行開始
      
2000年4月1日  時効期間の満了(注:時効はまだ成立していない)
      
2001年4月1日  借金の一部返済(=債務の承認)
      
2001年4月2日  時効の進行開始

この場合、既に時効期間は満了しているのに、その後、債務の承認を行ったことによって、それまでの時効期間がなかったことになってしまいます。そして、再び2001年4月2日から時効期間をやり直すことになります。

時効を中断するには? (3)差し押さえ

最後にもうひとつ。"差し押さえ"でも時効が中断します。

訴訟や支払い督促などにより、裁判所が債権者に強制執行の許可をだすと、債権者が債務者の財産を差し押さえることができるようになります。

こうして差し押さえになった場合も、時効は中断します。

時効の再開について

時効が中断した場合でも、その後、時効中断事由がなくなれば、新たに時効期間が進行します。

例)

2014年4月1日  時効が中断
      
2015年4月1日  時効の中断事由がなくなる
      
2015年4月2日から、5年または10年で時効が完成

しかし、例外的に"裁判上の請求"を通じて確定判決が出されると、もともとの時効期間に関係なく、10年間の時効期間になってしまいます

例)

2014年4月1日  時効が中断
      
2014年10月1日  確定判決
      
2014年10月2日から、個人・法人関係なく10年で時効が完成

時効期間が過ぎただけでは時効は成立しない!?

ここまでで、"時効の期間"、"時効の中断"の重要なポイントを説明してきました。

最後に、"時効の援用"について説明していきます。

時効は、5年もしくは10年の期間が満了しただけでは成立しません。

「この債務はもう時効になっています。」と法的に証明する必要があるのです。この証明を行うことを、時効の援用といいます。

では、時効の援用はどのように行えばいいのでしょうか?

時効の援用は、内容証明郵便を債権者に送付する形で行います。

書類は郵便局窓口で手に入れることができますし、書き方も郵便局の窓口で教えてもらえます。

内容は、ウェブで調べれば、テンプレート化したものがでてくるので、そちらを見本にすればいいと思います。

内容証明による時効の援用及び支払拒絶文例
http://proportal.jp/links/syakuyou4.htm

「どうしても自分で書くのが不安だ」という方は、行政書士や弁護士に頼むのも良いですが、その分報酬金が必要になってきますので、できるだけ自分で書くようにしてみましょう。

借入から時効成立までの流れ

最後に、借入から時効成立までの流れをおさらいしたいと思います。

1.時効の起算点

  • 返済期日に定めがある場合(一度も返済しなかった場合) ... 返済期日の翌日から
  • 返済期日に定めがある場合(一度でも返済した場合) ... 最後の返済日の次の返済期日の翌日から
  • 返済期日に定めがない場合(一度も返済しなかった場合) ... 契約日の翌日から
  • 返済期日に定めがない場合(一度でも返済した場合) ... 最後の返済日の翌日から

2.時効の期間

  • 借入先が個人(友人、知人、家族など) ... 起算点から10年間
  • 借入先が商取引(銀行や消費者金融などの法人) ... 起算点から5年間

3.時効の中断事由

  • 請求
    裁判上の請求、裁判外の請求により、時効は中断する
  • 債務の承認
    借用書へのサインや、一部返済などで時効は中断する
  • 差し押さえ
    差し押さえにより時効は中断する

4.時効の完成

  • 内容証明郵便を債権者に送付することで、時効成立。

いかがでしたか?今回は、「借金の時効」に関する大まかなポイントを説明してきました。

ただ、当たり前のことですが、「借りたお金は返す」のが大原則。

「どうにかして借金を時効にしてやろう」ではなく、まずは「どうにかして借金を返す努力をする」ことが大事です。

【この記事の筆者】
吉岡 優(仮名)
1991年生まれ。法律・経済の分野を主なテーマに活動中。
所持資格に、行政書士、ファイナンシャルプランナー、宅地建物取引主任者などがある。

→債務整理の弁護士事務所を徹底比較。費用、対応地域、実績、顧客対応

カードローン申込数ランキング

今日中にお金を借りたい人に、一番選ばれているカードローンは?

同じテーマのログ(記事)ランキング

人気のログ(記事)ランキング

同じテーマの記事の一覧

カテゴリ一覧

キャッシングの基礎
ローンの基礎知識
キャッシングの体験談
注目の特集
レビュアーによる検証
債務整理体験談
全国各地のむじんくん(自動契約機)の詳細情報