弁護士費用って意外に安いんです。早くお願いしておけばよかった【体験談】

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早く弁護士にお願いしておけばよかったと語ってくれた南条さん

条件を満たせば誰でも簡単にカードを作ることができるクレジットカード。百貨店やスーパーなど勧誘を受ける機会は多いので、複数枚持っている人もいるでしょう。

ショッピングやキャッシングを繰り返するうちに大きな借金を抱え、返済に追われてしまうケースもあります。

今回はクレジットカードの返済を焦るあまり、消費者金融やネットワークビジネス、怪しいおまとめローンにまで手を出し、最終的には自己破産をしたという女性から話を聞くことができました。

体験者の情報

名前:南条 あや(仮名)
性別:女性
職業:主婦(消費者金融利用時は派遣社員)
年齢:34歳
借入件数:10件
会社名(借入先):ライフカード・ニコスカード・ラフォーレカード・セゾンカード・エポスカード・OMCカード・ポケットカード・アコム・プロミス・武富士・レイク
利用時期:2000年~2007年頃
借金の合計額:約400万円
※体験談中に複数社への借入れに関する記述(プロミス等)がありますが、複数社へ申込み、及び利用をしますと状況によって審査に通らないことがあります。また、主婦の方はパートやアルバイトによる安定した収入がなければ、基本的に審査には通りません。

返済を焦るあまりに負債が拡大したフリーターの女性

今回、お話をうかがったのは、主婦の南条 あや(仮名)さん34歳。穏やかな語り口で、やさしい印象の女性です。

しかし彼女はフリーターや派遣社員をしていた独身時代に、400万円もの借金を抱えていました。

最初はクレジットカードで買い物でしたが、そのうちにカードの返済のために消費者金融を利用するようになります。

その後、さらに返済のために、ネットワークビジネスをはじめますが、またそこでも借金を増やしてしまい、最終的には自己破産することになりました。

そんな彼女が複数の借入れで返済困難に陥った理由と、自己破産をするに至った経緯について語ってくれました。

増えていくクレジットカードの借金

― クレジットカードではどんなものを買っていたのですか?

気さくで明るい印象の南条さん

クレジットカードを利用し始めたのは20歳の頃で、ライフカードやニコスカードなど、6枚くらい持っていました。それで、10万円以上するプラダやヴィトンなどのブランドバッグの購入に利用していました。

子供の頃家があまり裕福じゃなくて、友達が持っているものを買えない時期があったんですよね。

その反動で自分で働くようになると、「華やかにしておきたい」とブランド物にこだわるようになっちゃって。

それに当時付き合っていた男性が借金を抱えている人で、デート代やホテル代も私が出すことが多かったんですよ。それこそ1回で5万円とか。

毎回その調子だとすぐお金が足りなくなってしまうので、キャッシング枠もどんどん利用するようになりました。

そういう生活を続けていたら、クレジットカードの借金って簡単に増えていくんですよね。気付けば1年半くらいの間に、借金が100万円くらいになっちゃって。

― 毎月の返済はできていたのですか?

ショッピングとキャッシングの枠を合わせて、ライフカード5万円、ニコスカード40万円、ラフォーレカード20万円、セゾンカード20万円、エポスカード20万円、OMCカードで30万円くらい借り入れがありました。

それぞれの金利が当時は20%以上あったので、金利だけでも相当な額で、ひと月の返済額が10万円を越えることもありました。

当時は実家住まいのフリーターで、手取りは16~18万円くらいあったのですが、家にも2~3万円の生活費を入れていましたから、お金はあまり手元に残らなかったです。

それで結局、限度額ギリギリまでカードを使うようになってしまって、時々カードを止められるようなこともありました。

例えばエポスカード、ニコスカードなんかは、他社の借り入れが増えると、一時的にカードの利用を停止させられたことがありましたね。

消費者金融から次々と借入れ

― クレジットカードの返済が苦しくなって、消費者金融を利用するようになったのですね?

暗い過去についても、明るくハキハキと答えてくださった南条さん

はい、クレジットカードの返済が既に自転車操業状態で厳しかったことと、新たにイトーヨーカドーのクレジットカードを作ろうとして審査に通らなかったことが、消費者金融を利用するきっかけです。

「もう消費者金融しかないな」と思った時に、付き合っている彼の財布の中にプロミスのカードがあったことを思い出しました。

それで私もプロミスから借りることにしたんですが、もちろん抵抗はありましたよ。

でもクレジットカード会社から親に連絡や取立てが行くのが怖くて、だったら思い切って借りてしまおうと。それで最初から限度額いっぱいの20万円を借りて、15万円をクレジットカードの返済に、残りの5万円をデート代に使いました。

でもこれを境に次々と消費者金融を利用するようになってしまって。

最初のプロミスの利用から2~3ヶ月後には、アコムで20万円を借りていましたね。そこでも限度額いっぱいをキャッシングして、クレジットカードの返済に使いました。

更に2~3ヵ月後には武富士からも50万円借りて、これも返済に利用しました。

借り入れの金額によって違うと思うんですけど、金利は23~27%とクレジットカードに比べるとどこも高かったですね。

― 審査はどのように行われたのですか?

どの消費者金融も店頭で申し込んで、審査に通れば2時間くらいでカードが発行されました。

ただし、借り入れの理由を聞かれる時に、「他社への返済のため」と答えてしまうとアウトだと聞いていたので、「旅行費用」「親の入院費」「欲しいものがあるから」なんて、理由をその都度使い分けていました。

― 返済遅延などのトラブルはなかったのですか?

ありましたね。月々の返済がアコムとプロミスとレイクでそれぞれ1万円ずつ、武富士が2万円くらい、合計4万円以上だったので、当然厳しかったんです。

どうしても無理な時には利息分だけでも払うようにしていたのですが、それすらもできなくて携帯に催促の電話がかかってくることもありました。

そういう時には、日給5~6千円の倉庫で服に値札を付ける日払いのバイトをしたりして、返済費用を稼いでいました。

本当に「借りては返す」の自転車操業状態でしたね。

この頃はもう精神的に追い詰められて、眠れなくなってしまって。「働かなきゃいけないけど働けない、家から出たくない」と現実逃避するようになっていました。

ネットワークビジネスに失敗

― その後ネットワークビジネスを始められたそうですが...?

「友人をネットワークビジネスには誘えなかった...」と語る南条さん

もうどうにか現状を変えなきゃ、稼がなきゃと思って、健康食品のネットワークビジネスを始めることにしました。

健康食品を友達とかにすすめて買ってもらって、更にその友達がその商品を誰かに売ってくれたら手数料が自分に入るという仕組みだったのですが、自分で売るための商品の代金や登録料なんかの初期費用が40万円くらい必要で。

当然そんなお金は手元にはなくて、提携しているクレジットカード会社でローンを組もうと思ったのですが保証人が必要でした。

そこで親に「ダイエットをしたいからダイエット食品を買う」と説明して保証人になってもらって、月々13,700円のローンを組みました

― ネットワークビジネスはうまくいったのですか?

それが全然ダメで、元々内気な性格だったので、友達を勧誘することすらできませんでした。ネットワークビジネスって、自分の下にお客さんがつかないと収入にならないんですよ。

3ヶ月経った頃にはやばいと思い始めて、半年目には「絶対無理だ」ってなってあきらめました。結局、在庫ばかりが手元に残ってしまって、収入どころか借金が増えたようなものでした。

この頃になると月々の返済だけで20万円超えとか、当時の月収を上回っていましたね。

消費者金融の返済は利息だけでも大丈夫ですけど、クレジットカードは毎月決まった返済額を入れないといけませんよね。

だから更にキャッシングをして別のクレジットカードの返済に充てたり、自転車操業どころか火の車状態になっていました。今考えるとこの頃には破綻が見えていたと思います。

おまとめローンをきっかけに借金が家族にバレる

― どのように決着をつけたのですか?

もう借金生活そのものが苦しくなっていて、かといって両親には頼めないし。それで「おまとめローン」的なものを借りようと思いました。

申し込んだのは銀行とかではなく、当時神田にあった「グリーンアップル」という「おまとめ専門」の金融会社で、正直あまり有名でないところだったと思います。

そこで相談したら、「200万円までは融資できる」と。でも金額が大きいので保証人を立てるように言われて。拒否しようとしたのですが、保証人の件で母に電話が行ってしまい、借金のことがバレてしまいました。

結局「金利がもったいないから」と、母が自分の貯金から一括で返済してくれたのが2003年の5月でした。

この時がまだ23歳くらいで、20歳の頃からクレジットカードを使い始めて3年も経ってないんですけど、消費者金融に手を出してから破綻するまでは本当に早かったですね。

母にはすごく怒られたし、それ以上に呆れられてしまいました。でも父には内緒にしておいてくれたんです。

本当に申し訳ないことをしたなと思ったのですが、それ以上に借金に追われている現実から開放されてすごく楽になりました。

懲りずに2回目の破綻

― その後、債務整理をされているようですが、また借金をしたということですか?

終始、優しい穏やかな印象の南条さん

この時完済してから1年間は、何事も無く、切り詰めて生活をしていました。

でも2004年頃に派遣社員として働くようになってからは、アルバイト時代に比べて収入が不安定になってしまって、3ヶ月間仕事が無いなんてこともざらで。

もちろんその間も派遣先を探すんですけど、面接に受からないことにはどうしようもないですよね。それでその間の生活費のために、またキャッシングを利用するようになりました。

前回母に借金を返済してもらった後、消費者金融はレイクを除いてすべて解約していました。

でもクレジットカードは、エポスを解約した他はすべて手元に残ってたんですよね。

消費者金融は仕事をしていない間は借りられないので、クレジットカードのキャッシング枠をまた使うようになったんです。

この頃は仕事のある時期でも手取りが18万円くらいで、その中から毎月母に4万円ずつ返済して、さらに生活費の2万円を家に入れていました。

他にも携帯代2万円、派遣では交通費が支給されないので定期代で2万円、それにキャッシングの返済もあったので、手元には2万円くらいしか残らなくって。

当然身の回りのもの買えないし、お昼代すら足りない。そうなるとやっぱりカードを使っちゃうんですよね。

それであっという間に限度額に達してしまって、月々の返済が24万円にもなってしまいました。

当然払える金額じゃなくって、また返済のために消費者金融で借りることにしたんです。

― 派遣社員でも消費者金融から借入れはできましたか?

派遣会社はセキュリティの問題で在籍確認はできませんでした。その代わり消費者金融は給与明細で借りることもできたんです。しかも完済している実績があるものだから、限度額も上がっていて。

それでプロミスから50万円、武富士から100万円、レイクから30万円と、どれも限度額いっぱいを最初から借りて、クレジットカードの返済が遅れている分を払いました。

そんなことを続けていると、2年ぐらいで借金の総額が400万円にもなってしまって。もうさすがに無理だと思って債務整理のことを考えるようになりました。

意外と安かった弁護士費用

― 債務整理のことはどのように知ったのですか?

もう借金生活はこりごりだと思って、ネットで色々と調べているうちに、NPO法人が「債務整理したい人の勉強会」を開いていることを知りました。

そこで月に2千円くらいの会費を払って「特定調停」「過払い請求」「違法業者対策」について学びました。「私以外にも返済に困っている人がたくさんいるんだな」と思いましたね。

それから東京の簡易裁判所で特定調停を申し立てました。

具体的には「今の返済額では払っていけないので、生活しながら払っていける金額に計算しなおしてください」という申請書を裁判所に提出しました。

そこから債権者宛に連絡が行って、調停員に調整してもらっていたのですが、金額の面で折り合いがつかなくって。

こちらの申し出は「1社につき月々の返済額は5千~1万円、全部合わせても6万円以内に抑えられるように」というものだったのですが、債権者からは「話にならない」と。

― どのようにして解決したのでしょうか?

結局、この特定調停が5ヶ月経っても解決しなくて、調停員さんから弁護士に依頼することを勧められました。

それまでは弁護士や司法書士に債務整理を頼むと「お金が掛かるから」と敬遠していたんですけど、まず無料の法テラスで相談をして、そこで紹介していただいた弁護士さんに依頼することになりました。

最初は個人再生を希望していたんですけど、弁護士さんから「状況も厳しいし、時間も掛かるから」と自己破産を勧められました。自己破産をしたら実家を差し押さえられる、なんて思い込みもあったので最初の1ヶ月くらいは渋りましたね。

でもそういうことにはならないと弁護士さんにも諭されて、最終的には自己破産に切り替えました。

それからの決着は早かったです。申請して3ヶ月くらいで、免責が下りました。2008年のことです。

自己破産手続きが完了すると、弁護士費用をお支払いしましたが、ほとんどお金はかかりませんでした。すでに過払い請求で帰ってきた7万円を支払っていましたし、法テラスを通していたのでいくらか割引もあったんです。

私が支払ったのは7万円でしたが、月々1万円の分割払いだったので、費用が高いとは思いませんでした。

すべて終わった時には本当にすっきりしましたね。

買い物はしたいが、カードは作れない

― 自己破産をして生活は変わりましたか?

もちろんしばらくはカードも使えないしローンも組めないけれど、生活そのものは変わりませんでした。2010年には結婚したので、今は主人のカードで買い物もできますし。

でもやっぱり給料日前なんかは不便を感じますね。

主人のカードにはキャッシング機能が付いていないので、現金が必要な時には大変だな、と思うこともあります。

自己破産する少し前に母は亡くなってしまいましたが、お金に困っている時は父が助けてくれます。実は自己破産した後に、それまで内緒にしていた父にも、すべてを打ち明けたんですよね。

― 今後はカードやキャッシングとどのように付き合っていくつもりですか?

現在は主婦として安定した生活を送っている南条さん

今は主人が家計を管理しているし、カードを作ることもできません。でもボーナスの後なんかは買い物をしたくなりますね。

私自身は今もクレジットカードの審査には通りません。先日もドコモのDCMXというカードに申し込んだのですが、やっぱりダメでした。

まだ自己破産から5年経過していないからなのでしょうけど、信用情報が消えたら「限度額10万円くらいの自分のカードを持ちたいな」とは考えています。もちろん買い過ぎないように自分をコントロールしないといけませんが

― 当時の自分に言いたいことはありますか?

買い物って、買う瞬間は楽しいんですけど、お店を出たら「来月の支払いが大変だな」と罪悪感が訪れるんです。そして「買い物しちゃったというストレスを、また買い物で発散する」という、すごい悪循環に陥るんですよね。そのことを当時の自分にも伝えたいですね。

あと「クレジットカードは何枚も作っちゃだめ」「借金のある男とは付き合うな」とも言いたいですね・・・。

インタビューを終えて

最期まで明るい語り口でお答え下さった南条さん。過去の経験を教訓に、現在は堅実な生活をされているようです。

南条さんのように、クレジットカードの返済額が膨らみ、その返済のために消費者金融を利用するというケースはよく見られます。

しかし「返済のための借入れ」は、すでに自身の返済能力に限界が来ているということを認識した方がいいでしょう。

南条さんの場合、「返済のための借入れ」が危ない橋と分かっていながら、「旅行」「親の入院費」など、別の理由を挙げて消費者金融から借入れを行っています。業者側が「返済のための借入れ」を審査で認めていないのは、このような利用者への警告なのです。

さらに南条さんは、金策を焦る余り、ネットワークビジネスにまで手を出し、更なる負債を抱えてしまいました。

返済は利用者の義務ですが、返済が困難な状況に陥った時はまず冷静になり、家族や専門家に相談することをおすすめいたします。

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