成功哲学の甘い罠。高額セミナーに参加し続けた挙句...【体験談】

自分に自信が無かった私は、セールスマンの誘いに乗って、200万円もする自己啓発商材を購入しました。

しかしその借金を返済するために、また次々とお金儲けの情報商材や高額セミナーを購入するという負のスパイラルに陥ってしまいます。

でもそれは現実逃避を続けていただけでした。

「次は稼げるはず」と猛進しますが、給料が手取り15万円しかないのに、いつの間にか月々の支払いは10万円に。

最終的には自己破産することになりました。

体験者の情報

名前:望月 隆(仮名)
性別:男性
当時の職業:サービス業など
当時の年齢:22歳
借入件数:消費者金融2件、クレジットカード4件、銀行1件、料金滞納1件
会社名(借入先):アコム、オリックス、楽天クレジット、日本信販、ライフカード、ジャックスカード、ろうきん、NTT
借金の合計額:400万円
債務整理方法:自己破産
債務整理をしていた時期:2012年8月~2013年10月
かかった費用:35万円 (一時金20万円、分割15万円)

将来への不安から、自己啓発商材を購入

2004年、私は婚約者と一緒に派遣社員として、故郷長崎から愛知県の工場へ出稼ぎに来ました。

月々のお給料は2人合わせて手取り25万円程度。そこから家賃が差し引かれるので、決して裕福ではありません。

ただし、質素な生活をしていたので、経済的に苦しいというほどではなく、月に数万円は貯金もしていました。

しかし私はこの派遣の仕事に、「これからどうして生きていけばいいのか」と先々の不安ばかりがよぎっていました。

思い悩んでいた時、古本屋で「成功する!」「年収が上がる」などと書かれた自己啓発書を見つけます。

その言葉に惹かれて、本に挟まっていた資料請求のハガキを送ると、カタログと教材のサンプルCDが送られてきました。

私はそのCDや資料を見るうちにとても気分が高揚し「私の将来は開かれた」と変な自信がついてします。

しかもその後、この教材購入の勧誘電話が頻繁にかかってくるようになったのです。

派遣社員でも200万円の審査に通過

勧誘電話のセールスマンは、私に熱心に教材をすすめてきました。

しかし教材価格は200万円。そんなお金などあるわけありません。

すると「ローンで購入しましょう」とセールスマンがたたみ込んできました。そして、「決断が大事ですよ」と自己啓発書に書かれていた言葉と同じセリフを言ってきたのです。

私はそれに乗せられて、教材を購入することにし、「学研クレジット」という会社のローンに申し込んでしまいました。

審査では、給与明細の提出、職場の情報、他社での借入の有無、家は持ち家か?賃貸か?などについて聞かれたと思います。

そして、申し込みから1ヶ月もしないうちに、審査に通ってしまったのです。保証人もいなかったので、今考えるとなぜ審査に通ったのかはよく分かりません。

こうして金利10%を含めると、総額260万円のローンを、5年間かけて支払うことになったのです。

しかも私はボーナスが無いにもかかわらず、ボーナス払いを選択していました。月々の支払い額をボーナス月の返済分も含めて、4万5,000円にしてしまったのです。

雇用期間が限られている派遣社員という立場で、この返済額は大き過ぎました。

でも私は担当のセールスマンに言われた「この商品を使えば、年収が上がらないほうがおかしいですからね。ローンなんてすぐ返済できますよ」という言葉を信じてしまったのです。

成功を夢見たのだが・・・

購入した自己啓発教材は「ナポレオンヒルプログラム」といい、成功哲学を研究し、実証し、体系化したものでした。

脳を活性化させるという速聴CDと、分厚いテキストが数冊入っていました。

具体的に何かを習得するものではなく、自分が求める目標を達成するためのプログラムです。

人によっては上手に使いこなし200万円以上の収益を上げることができていたかもしれません。しかし当時の私には、それを使いこなすことができませんでした。

私はただ漠然と、「何かで成功して儲けたい」と思っていただけだったのです。

しかし例え私が起業したとしても、いきなりうまくいくわけがありません。

まず事業資金や生活費の準備をしなければいけませんから、新しいことを始めるためにはある程度の時間もかかります。

そこで生活費のために、とりあえずはどこかに就職するしかありませんでした。

悪質な企業で現実を突きつけられる

私はまず、教材プログラムに「成功できる」と書かれていた、セールスの仕事をしようと思い立ちました。

そこで地元の長崎に帰り、住宅リフォーム会社の飛び込み営業として就職します。月収は18万円くらいでした。

しかし、この会社は朝8時に出社して深夜1時までの勤務、上司からの罵声といった典型的な悪質企業だったのです。

そこを1年ほどで辞めて、次に生命保険会社に3年ほど勤めました。

この頃は平均して15万円の収入でしたが、経費は自分持ちでしたので、ガソリン代や携帯代などを差し引くと、手取り7万円という時期もあり、厳しい生活が続きました。

もちろん、こうした仕事をしている間も、私の「成功」への夢は消えていません。

そして成績を伸ばすセールス法やテレアポノウハウ、またビジネスに関係のない英会話教材など、単価が10万円以下の教材を複数購入し続けていました。

もちろん現金はありませんので、支払いはクレジットカードの分割払いです。

この時、使ったカードは、前職の会社で作るように言われた日本信販のものでした。申込書に書くだけの簡単な手続きで、受け取ったカードです。

返済に苦しみ、おまとめローンを利用

一方、この頃の私はアコムやオリックスクレジットなどの消費者金融でも、借入れをするようになりました。理由は現金が手元にないためです。

手続きは簡単で、基本は免許証と収入証明(給与明細)を店頭で提出すればOKでした。

金利は12%程度で、借入額は月に1万円~2万円ほどでした。この頃はまだ借金に恐怖心があり、少額に留めてはいたのです。

しかしその後、日本信販と学研クレジットの返済額が増えて、支払いは1ヶ月の総額が8万円になってしまいました。

返済に苦しんだ私は、抱えていたすべての借金を、長崎県民信用金庫でおまとめをすることにします。

この時の審査では、現状の経済状態のヒアリングがあり、収入証明も提出しました。

さらに連帯保証人も必要だったので、実家の母親に泣きついて頼みます。

こうして支払いは月々4万円ぐらいに抑えることができたのですが、その後も私の借金癖が治ることはありませんでした。

情報ビジネスでさらなる借金

保険会社で思うように稼ぐことができなかった私は、インターネットの「情報販売」というビジネスに目を向け始めました。

インターネットを使って情報を販売し、大金を稼ぐというコンセプトのビジネスです。

私が購入した「ナポレオンヒルプログラム」や「セールス上達法」なども情報商材の一つでしたが、もっと身近な一般人が自分たちの成功ノウハウを教えるという内容です。

例えば「私はこの方法で○○万円稼ぎました」と言ったもので、その経験を専門家とタイアップして売り込むというのが主流でした。

私がこのビジネスに飛びついたのは、借金を今すぐにでも完済したいという焦りからでした。

今のままでは、まとめたローンの返済にあと7年近くかかるのです。そこで今度は情報の売り手になって儲けようと考えました。

私はこのビジネスのために、1回当たり40万円の高額のセミナーに参加することにします。

しかしセミナーは東京で開催されるので、交通費や宿泊費も必要でした。

そこでその捻出するために、一括して完済していたオリックスクレジットにまた手を出してしまったのです。

結局、オリックスだけで借り入れ総額が50万円近くになってしまいました。

上京後は遅延・滞納

セミナーを受講してから3ヶ月後、そのセミナーを開催していた会社に就職することになりました。

2008年の春先のことで、妻を長崎に残し、単身上京したのです。

この時も、交通費や新しい住居を構えるために費用がかかり、結局、アコムから少しずつ借り入れてしまいました。

そして最終的にアコムの借金も、合計で50万円になってしまいます。

こうした私の言動を見て、新しい社長はまず「これ以上、情報商材を買い漁るのはやめろ」と言いました。

「まずは借金をどうにかしないといけないし、これ以上、負債を増やさないように」と注意してくれたんです。

しかし忠告されても、すでに私は情報商材の購入をやめられなくなっていました

「月数万円儲かるアフィリエイト」などの1~2万円の商材や、それに伴う月額3000円位のニュースレター、こうした教材の数々を私は購読し続けていたのです。

一方、東京に来てからの収入は、30万円ほどありました。

しかし1~2か月に一度は必ず長崎に帰省すると妻と約束していたので、帰省費用がかかります。

また起業家の集まりで飲み会に繰り出したりなど、支出も多くなりました。

こうして収入の範囲内で生活することが困難になり、返済が遅れだしたのです。

私は返済どころか、日々の生活も立ちゆかなくなりました。この頃、公共料金が支払えず、電気、ガス、水道が止められたこともあります。

カード会社への返済も遅れ、担当者に返済を待ってもらうようにお願いしたこともありました。

幸い、この時は少しずつ貯金して、何とか2ヶ月ほどで公共料金を支払うことができましたが。

信用組合から一括返済を求められる

ところが、おまとめした長崎県民信用組合の方は、とんでもないことになりました。

2009年の秋頃、返済が遅れていた時に、私と連絡がつかなかったため、県民信用組合は保証人である母親の所に通知をしました。

その結果、私が住所変更をしないまま、東京に住んでいることが知られてしまったのです。

県民信用組合のローンは、県民でなければ利用することはできません。

そして担当者から「現在、長崎県に在住していないのなら、一括してご返済下さい」と言われてしまったのです。

ローンはまだ170万円も残っていました。しかし、そんな大金は手元にありません。

しかたなく私は、また家族のところへ泣きつきました。

当然、家族で大問題になったのですが、祖父がコツコツ貯めていたゆうちょ銀行の一部を取り崩して170万円をくれたのです。

こうしてこの時は、どうにか長崎県民信用組合に一括返済することができました。

限度額が残っているカードを、懲りずに使い始める

このおかげで借金はかなり減ったものの、まだ消費者金融とクレジット会社の返済が、150万円ほど残っていました。

そしてこの頃私は、いつ作ったのか記憶にもない青山カード(ライフカード)というスーツ屋さんのカードを使い始めました。

限度額は100万円です。これもはっきりと覚えていませんが、通常のクレジットカードと同様に申込用紙に記入し、収入証明を送っただけで簡単に作れたと思います。

このカードは最終手段としてとっておいたものでした。

しかし長崎への帰省費用や引越し先の費用、当座の生活資金等にあてることで、また数万円ずつ使い始めていったのです。

とどめとなった最後の高額セミナー

その後、私は東京の会社を退職し、長崎に帰って再就職しました。

そしてリフォーム営業、ガソリンスタンド、コールセンターと2年間の間に3回、職を転々とします。当時の月収は多くても17万円です。

それでも私はまだ「成功」を諦められず、横浜で開催される50万円のセミナー「経営コンサルタント研修」に申し込みました。

これは「月収が100万円に増える」という触れ込みでした。

この時も、交通費や宿泊費で、合計して70万円くらいはかかったと思います。

もちろん、このセミナーも受けたからといって、すぐに収入につながるものではありません。

こんな状況でも持ちこたえられたのは、妻の経済的援助があったからです。彼女が我慢強く支えてくれなければ、今の私はいません。

首が回らなくなりついに弁護士へ相談

しかし2012年、私の借金がいつまでたっても完済できないこと、高額セミナーに通い続けるという行動に、とうとう妻の堪忍袋の緒が切れ離婚となりました。

今までは妻の収入で生活費が何とかなっていたのですが、これからは私1人の力で食べていかなければなりません。

妻の月給12~13万円の収入がなくなったとたん、私の家計は破綻しました。

月の返済が10万円近くあるにも関わらず、コールセンターに勤める私の手取り収入はわずか15万円だったのです。

思い返してみると、ほぼ妻に食べさせてもらっていたといっても過言ではありません。

借金と離婚で私は精神的に不安定になり、会社の業務でもミスを連発してしまいます。

そんな私を見て先輩が相談に乗ってくれて、とうとう弁護士事務所へ行くことになりました。

借金の洗い出しで自分の生き方を深く反省

弁護士事務所では、借金の洗い出しから始まりました。

私は今まで送られてくる請求書と月々の返済額だけで頭がいっぱいだったため、借金の総額すら把握していなかったのです。

一つ一つ確認していくと、私の借金総額は何と400万円を超えていました。年収の2倍以上になっていたんです。

私のしてきたことは、「楽して儲ける」ことに躍起になっていただけでした。これはもう病気としか言いようがありません。

弁護士から「だまされていたんですね」と言われましたが、当時はそれを素直に認めることができませんでした。

ただ、債権者の方々にご迷惑をおかけしたという点では、何も言い返せません。

私のこれまでの生き方は、非常に未熟でした。そして、二度と繰り返してはならないと猛省しました。

弁護士との話し合いの結果、今後の返済も不可能で完全な破産状態だということから、自己破産をすすめられました。

こうして度重なる面談と債務に関する情報を調べるため、幾度も法律事務所に足を運ぶことになります。

お金がないと、自己破産もできない

「私の借金の内容について審議したい」と破産管財人がついたことにより、20万円の料金がかかりました。

こんな状況で20万円も用意できないと途方に暮れていると、上司から話を聞いた社長が、ポケットマネーで支払ってくれました。

人に恵まれているとしか言いようがありませんし、この20万円が無ければ私は自己破産すらできなかったのです。

2013年11月、無事に自己破産の手続きが終了したと弁護士から連絡が来ました。手続きを始めて1年4ヶ月後のことです。

私は、生まれ変わった気持ちでいっぱいでした。

本当に自分でもバカだったなと思いますが、国の制度として自己破産という救済策があることに心から感謝します。

私は世間的には失敗者の烙印を押されたと思いますが、気持ちはとても前向きになりました。

多額の借金でもがいている人は1人で悩まず、ぜひ弁護士に相談してみて下さい。

今後は生活を改め、収入の範囲内で生活するというごくごく当たり前のことを実践して、人生を歩んでいきたいと思います。

→債務整理の弁護士事務所を徹底比較。費用、対応地域、実績、顧客対応

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