「300万円まで借入れ可!」まさか融資詐欺とは思いませんでした【体験談】

(0)

この記事を評価する

評価を設定してください
×

「融資詐欺」に騙された体験を語ってくれた中野さん

「知らない会社から電話があり、無審査で200万円融資できるといわれました。こんな話って本当にあるんですか?」

「他社で落ちた方でも借入可能という金融業者をネット掲示板で見つけて申込んだところ、審査通過しました。ただ、この会社からの直接融資ではなく、提携している2社から50万円ずつ借りてくるようにいわれまして・・・」

「ポストに身に覚えのない消費者金融?からのDMが入っていて、初回でも100万円借入可能とか、都合のいいことばかり書いてあって怪しいです。この会社を調べる方法はありますか?」

とにかくお金に困っていて、今月の生活もどうなるかわからない・・・。

しかも、すでにたくさんのクレジットカードや消費者金融から借金をしていて、もうどの金融業者もお金を貸してくれない状況で、

「300万円までなら無条件で借入可能!」

「他社で審査に落ちた方にも融資可能です!」

こんな言葉をかけられたらついつい頼りたくなってしまいますよね。

その気持ちはよくわかるのですが、こういった宣伝をしている業者に手を出すのは絶対にやめてください。

なぜなら、これらは典型的な融資詐欺の誘い文句だからです。

そして、融資詐欺に手を出してしまうと、結局はあなたの借金が膨らむことにしかなりません。

こんにちは。
今回、お金に困っている人をターゲットにおこなわれる悪質な融資詐欺の実態と対策をお伝えするために実際に融資詐欺の被害に遭ってしまった被害者の方と元警察関係者に取材をおこなった、当サイト・ファイグー編集部のささきです。

この記事をご覧になっているということは、聞いたこともない会社から融資の勧誘を受け、不安はありつつもお金を貸してくれるなら申込みたいと思っているのではないでしょうか。。

あるいは、すでに融資詐欺に手を出してしまい、被害額を取り戻すための方法を探しているのかもしれませんね。

この記事では、まず実際に融資詐欺に手を出してしまった中野さん(仮名)にインタビューをおこない、融資詐欺の被害にあってしまった経緯や詐欺の手口を探っていきます。

詐欺業者の指示で2社から25万円ずつを借りてくるようにいわれ、手数料として20万円を詐欺業者に支払った中野さん。

たしかに中野さんは30万円を手にすることができたのですが、これは融資詐欺業者のおかげでもなんてもなく、『中野さんの名義で新たに借金をさせられ、さらに20万円をだまし取られただけ』なわけです。

典型的な融資詐欺の手口ですね。

ただ、金銭的に追い詰められると、人間は冷静な判断ができなくなりますから、そこに融資詐欺業者はつけ込む隙きがあるのです。

正常な判断力が残っているうちは、だれでも自分は大丈夫と思います。

しかし、経済的に困窮してしまうと、人間は正常な意思決定ができなくなります。

そうなってしまうと、だれにでもこの詐欺に引っかかる可能性があるのです。

自分だけは大丈夫と思いこむのはとっても危険なんですね。

では、どうすれば融資詐欺に引っかからずに済むのでしょうか。

そこで大切なのは、やはり専門家からきちんとした対策を学んでおくことです。
正しい知識で武装しておきましょう。

ということで、今回は元警察関係者の方にも取材をおこない、【融資詐欺の被害に遭わないためのポイント】を教えてもらいました。

さらに、【融資詐欺に遭ってしまった後の対応策】についても解説していただき、記事の後半でまとめています。

もし、あなたが融資詐欺の被害にあったばかりなら、まだそのお金は取り戻せるかもしれません!

実際に被害にあった人の体験談と、犯罪の専門家である元警察関係者からのアドバイス。

当事者だからこそわかる貴重な内容が詰まった記事になっていますので、ぜひ最後までお付き合いいただければと思います。

それでは、まず中野さんの体験談からみていきましょう。

この記事のアドバイザー情報

  • ささき 英雄 編集者

    ささき 英雄編集者

    七夕生まれ、編集・ライティング歴10年。前職ではグルメ雑誌の制作に携わっていましたが、30歳の誕生日をきっかけに独立しました。ファイグーでは「自分の仕事は書くことではなく伝えること」という意識で記事に取組んでいます。担当記事は、利息や審査などライバル記事だらけのテーマが多いです。そのため、「他のどの記事よりも正しい」のは当然として、さらに「どうすれば読みやすくなるか」を日々追求しています。

借金漬けの心理につけ込む融資詐欺、その手口を公開

お話をうかがったのは、現在、派遣社員としてラジオ局で働いているという中野浩一(仮名)さん。

無精ひげを生やした、爽やかで穏やかな印象の男性です。

中野は過去に遊興費や趣味のために消費者金融から借金を重ねた経験があります。

しかもカンタンに融資が受けられるという宣伝につられて、「融資詐欺」にも遭い、さらに多額の借金を背負うことになってしまったのです。

最終的には過払い金請求を行った中野さんですが、それまでの経緯について赤裸々に語ってくれました。

体験者の情報

名前:中野 浩一(仮名)
性別:男
当時の職業:アルバイト
当時の年齢:20歳
借入件数:5件
会社名(借入先):プロミス、レイク、ワイド(アペンタクル)、ニコニコクレジット、クォーク
利用時期:2003年頃
借金の合計額:250万円くらい
※体験談中に複数社への借入れに関する記述(プロミス等)がありますが、複数社へ申込み、及び利用をしますと状況によって審査に通らないことがあります。

自動車学校へ通うため初めて利用したプロミス

― 最初に借入れをされたきっかけは?

自動車学校の費用ですね。
当時はアルバイトで月に17万円ほどの収入があったのですが、携帯代以外はほとんど遊ぶお金に使っているような状態でした。

しかも実家暮らしで支出も少ないはずなのに、貯金が全然できていない有様で・・・。

そんな時、テレビで消費者金融のCMを見ました。

これは「すぐにお金が借りられるってことかな?」と思っちゃったんですよね・・・。

ちょうど実家の近くにプロミスの無人契約機があったから、なんとなく足が向いてしまったんです。

― プロミスではどのような審査を受けましたか?

無人契約機の店舗に入ると、すぐに目の前の電話が鳴ります。

電話を取ると、勝手にオペレーターが話しはじめました。

受話器越しに指示を受けながらタッチパネルを操作して、保険証などの身分証明書のコピーをとります。

あとは、書類に住所・氏名・家族構成などの個人情報と、勤め先の名前や住所、電話番号を記入するだけです。

収入額についても一応記入しましたが、とくに収入証明などは必要なかったです。

ひと通り記入を終え、書類を機械に読み込ませると『審査中』となり、そのまま20分ほど待たされました。

その後、また電話がかかってきて「融資可能です」と伝えられたと記憶しています。

金利は29.2%、限度額30万円で借入可能とのことです。

手続き開始から融資まで、トータルでかかった時間は30~40分だったと思います。

30万円を手にして、「こんなにカンタンにお金が借りられるのか・・・」と驚きましたね。

当時は若くて収入が少なかったこともあり、多額の現金を手にしたことで感覚が狂ってしまったんだと思います。

「借金をした」という事実にも、まったく抵抗を感じませんでした。

キャッシングはカンタン!さらにレイクからも30万円を借りることに・・・

無精髭を生やし、飄々とした印象の中野さん

― その後、レイクも利用されたそうですが、どのような理由で?

当時音楽をやっていたので、楽器や機材、音楽用のソフトが必要だったんです。

合計で10万円以上になったと思いますが、その購入資金をレイクから借りました。

契約はやっぱり無人契約機です。

手続きはプロミスとだいたい同じでしたが、今度は職場に在籍確認があったようで、レイクの人が保険会社を装って勤め先に電話をかけてきたみたいです。

プロミスもレイクも審査の時に収入や勤め先について聞かれはしますが、形式的な確認で、とくに深く突っ込まれることはなかったですね。

年収を100~200万円サバ読んでも問題ありませんでした。

ただ、他社からの借入れについては、嘘をいってもバレてしまうと思ったので、正直に答えました。

それでも、「カンタンに借りられるんだな」という印象でしたね。

レイクも金利は29.2%で限度額は30万円

すぐに全額下ろしてしまいました。

返済は、人目を気にしながら、わざわざ無人契約機に行っておこなっていましたね。

無人機なら、端数の出し入れや利息分だけの返済もできるので。

コンビニATMの方が手軽ですが、1万円単位しか出し入れできなくって・・・。

― 毎月の返済は順調でしたか?

レイクもプロミスも月々の返済額は1万5,000円のリボルビング払い。

これは最初からそう決まっていました。

当時、転職して月収が12万円になっていたので、レイクとプロミス合わせて3万円の返済はキツかったですね。

でも、実家住まいだし、払えない金額ではなかったと思います。

苦しいときには利息分だけでも入れておけばどうにかなりましたから。

でも当時の金利は29.2%もあったので、月々の返済額の1万5,000円のうち、元金は8,000円で、残りの7,000円が利息分なんです。

今だったら「完済までに何年かかるだろう・・・」ともっと真剣に考えて、借入れの時に躊躇していたかもしれませんね。

でも当時は、とくに生活が切羽詰っていた訳ではなく、ただ単に遊ぶ金が欲しかっただけだから、借入れの時も金利について深く考えていませんでした。

しかも返済をして借り入れの枠が空けば、空いた枠の分をすぐまた借りるといったことを繰り返していたので、いつまで経っても借金は減りません。

借金に対する感覚の麻痺がまねいた融資詐欺の被害

― その後、融資詐欺に巻き込まれたそうですね

プロミスとレイクからカンタンにお金を借りられたことで、借金に対する歯止めが利かなくなっていました。

「融資は自分の貯金みたいなもの」と勘違いしていたんですよね。

そんな時、漫画本などの後ろに「すぐにご融資できます!」という広告が載っているのが目について・・・。

また、たくさんの貸金業者からハガキも届くようになっていました。

「今なら300万円すぐに借りられます!みたいな内容の広告は、明らかに悪徳業者なんですが、今であればありえないことだとわかるけど、当時はそれを信じてしまって、そのうちの1社に電話をかけてしまったんです。

― 詐欺業者からどのような指示がありましたか?

最初はその業者から直接借りられると思っていたんですよね。

でも「貸すことはできるけれど、こちらのいう通りにしてもらえますか?」と最初に話をされました。

個人融資の条件として「ワイドとニコニコクレジットという消費者金融があるので、そこから25万円ずつキャッシングしてください」といわれたんです。

その申込み時に答える職業や年収、利用目的についても「こちらのいうとおりに答えるように」と具体的な指示がありました。

「こういえば絶対に借りられるから」と説明を受け、さらに「こうした指示を受けて来たことは、絶対に明かさないように」ともいわれました。

私は1日で2社を回ったのですが、ワイドは無人契約機で、ニコニコクレジットは店舗型。

指示通りの書類を出すと、すんなり審査にも通って、すぐにキャッシング用のカードが発行され、25万円ずつを借りられました。

そして、「手数料・成功報酬として、20万円振り込むように!」といわれたので、それも指示通り、その業者の口座に振込みました。

― 手数料や成功報酬に疑問を持たなかったのですか?

今なら明らかに騙されていたってわかるけど、当時は「こんな私でも借りられる方法を教えてもらえた!」と思っていました。

本当におめでたいですよね。感覚が麻痺していたのでしょう。

手数料や成功報酬も「払えっていわれるのだからそういうものかな」と。

しかし、振込んだ後に業者とは連絡がつかなくなってしまったんです。

結局、ワイドとニコニコクレジットからの借金だけが残り、月々の返済額は5~6万円にもなってしまいました。

融資詐欺だと気づいたのは半年後。もう手元にはお金がない・・・

― 詐欺だと気づいたのはいつですか?

実はすぐには気がつかなかったんです。

半年経った頃、違法な金融業者や融資詐欺がテレビで取り上げられるようになって、紹介屋というものがあることを知りました。

自分としては「業者の指示に従ったおかげで借りられた」と思い込んでいたので、それを見てびっくりしましたよ。

でも、気付いた時には手元に残った30万円も、飲食や楽器購入でなくなっていました。

― 詐欺に気づいてからもそのまま返済を続けたのですか?

そうですね、利息しか払えない月があっても、どうにか期限だけは守りました。

だから信用度が上がったようで、プロミスやレイクは利用をはじめて一年後には借入金増額の勧誘もありましたよ。

無人契約機の画面に「増額できます」と表示されるようになって、その場ですぐATMの画面を操作して、備え付けの電話でオペレーターと話しただけで増額手続きが完了しました。

それで、プロミスとレイクの限度額は50万円になりました。

ニコニコクレジットも同じように50万円になりましたが、それ以上の場合は保証人が必要でしたね。

返済が苦しくて債務整理を決断!250万円の借金がチャラに

こうして、なんとなく消費者金融から借入れをしたことが発端で、融資詐欺にまで遭い、7年間に渡って返済生活を送ることになってしまった中野さん。

返済に苦しみ、とうとう債務整理することを決意しました。

― 債務整理を決意したきっかけは?

その後、7~8年はずっと借りたり返したりの繰り返しで・・・。

「返済が遅れると、厳しい取立てがあるんじゃないかな・・・」という恐怖が常にありました。

そんな時に電車やテレビで債務整理の広告を見かけるようになって、まずは債務整理や過払い金請求に強い法律事務所に相談してみることにしたんです。

はじめて相談へ行ったとき、「弁護士が入ると、返済がすべてストップします」といわれました。

もう返済することに疲れていたので、すぐに「ぜひお願いします・・・」ということになったんです。

その後の過払い金請求などは、すべて弁護士さんにお任せしましたね。

― 過払い金はどれくらい返還されたのですか?

過払い金請求をおこなった結果、どの業者も「過払い金を払わない代わりに、返済もチャラにするから」というスタンスで、250万円の借金がほとんどチャラになりました。

実際に戻ってきた過払い金は、ニコニコクレジットで8千円、レイクは3~4万円です。

ただワイドという業者だけはアペンタクルという会社に変わっていて、ちょっと揉めました。

弁護士の協力もあってなんとか借金を完済

― 過払い金の返還請求に対し、アペンタクルはどのような反応だったのでしょうか?

とてもソフトな話しぶりで、さわやかな印象の中野さん

「過払い金なんて許されない。そちらには返済する義務がある」とごねられましたね。

「アペンタクルは過払い金請求に応じない!」とネットでも話題になっていました。

ただ、弁護士さんががんばってくださったおかげで、私が借りていた50万円を最終的に15万円まで圧縮することができたんです。

でも、「この15万円の返済は分割を認めない。一括ですぐに支払え!」としつこく迫ってきて・・・。

そこで弁護士さんが、「これ以上アペンタクルと関わってもしょうがない」と見切りをつけ、一旦、15万円を弁護士事務所に肩代わりしてもらって解決しました。

もちろん、肩代わりしてもらった15万円は分割で返済しました。

こうして、ようやくすべてが丸く収まったわけです。

まとめ

いかがでしたか?

それでは最後に、記事のポイントをおさらいしましょう。

融資詐欺の被害にあわないためのポイント

  • だれにでも無条件でお金が借してくれるような、甘い言葉を信じない
    • 200万円融資します
    • 他社で断られた方でも融資できます
  • 聞いたことのない金融業者の社名は検索してみる
    • インターネットで検索して評判を確認する
    • 金融庁のホームページで正規の金融業者かどうかを確認する
      • 金融庁のデータベースに登録されていない会社は違法業者

融資詐欺の被害にあったときにやるべきこと

  • 振込みをおこなった金融機関で組戻し(振込みの中止手続き)の申請をする
  • 警察へ相談して振込先口座を凍結する
    • 振込み手続き完了前に振込先の口座を凍結できれば、その口座への入金はできなくなるため組戻しが認められる
    • 振込み手続き完了後でも、凍結した相手の口座にお金が残っていれば被害額を取り戻すことができる
  • 融資詐欺に気づくのが遅れた場合も警察に相談を
    • 相談に必要な情報
      • 相手の電話番号
      • 口座情報(振込みの明細書や履歴)
      • 詐欺広告が掲載されていた媒体(SNS・雑誌など)

融資詐欺をはたらく業者は、お金に困っている人にとって都合のいい言葉ばかりを並べて勧誘をおこないます。

しかし、その実態は『あなたの名義で借金をさせられるだけ』であり、あなたの借金がさらに膨らむ結果にしかなりません。

相手が詐欺業者かどうかは、インターネットで少し調べればわかることですから、わずかな手間を惜しまないようにしましょう。

また、詐欺にあったと気づいたら、なるべく早く警察へ相談してください。

なお、当サイト・ファイグーでは、他にもお金に困っている人をターゲットにした詐欺の特集記事があります。

たとえば、口座売買

口座売買とは、口座を譲渡する代わりに報酬を受取れるアルバイト?のようなものですが、れっきとした犯罪です。

「口座を作って渡すだけなら・・・」と安易に手を出してしまう人も少なくないものの、この口座売買に手を出してしまったせいで、詐欺の加害者として逮捕されてしまうこともあります。

絶対に手を出してはいけませんよ。
くわしくは以下の記事でまとめていますので、こちらもぜひご覧になってみてくださいね。

同じテーマのログ(記事)ランキング

人気のログ(記事)ランキング

同じテーマの記事の一覧

カテゴリ一覧

キャッシングの基礎
ローンの基礎知識
キャッシングの体験談
注目の特集
レビュアーによる検証
債務整理体験談
全国各地の自動契約機(むじんくん)の詳細情報
筆者へ質問