車を担保にお金を借りられるという自動車担保ローンの広告に騙されました

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「自動車担保ローン業者」を利用して現金を借りた体験を語ってくれた安曇さん

「今月の生活費がなく、もう借金もできない状態です・・・。車金融というのがあるらしいのですが、安全でしょうか?」

「車に乗ったままお金を借りられる!即日融資!保証人不要!という広告をみかけました。車を担保にお金を借りられるということですか?」

キャッシングやクレジットカードで限度額いっぱい借りてしまい、返済もできない。

でも、次の返済日を乗り切るためにどうにかしなくちゃいけない。

こんな状況になると、もうどうしていいのかわからなくなってしまいますよね・・・。

そんなとき、『車でお金』『車に乗ったまま融資』という看板を見つけたら、九死に一生を得た気持ちになるかもしれません。

このような車を担保にお金を借りられるサービスのことを一般的に車金融自動車担保ローンと呼んだりしますが、こういった商品は非常にグレーゾーンで、借金に苦しむ人の足元をみて悪質な商売をしている可能性がありますので、絶対に利用してはいけません。

優しそうなおじさんやおばさんが窓口でも、簡単に信用しないようにしましょう。

こんにちは。
当サイト、ファイグーでローン関係の記事を担当して早5年になる編集部の木村です。

借金の返済で苦しんでいるとき、車を担保にしてカンタンにお金を借りられるなら、利用してみたくなる気持ちはよくわかります。

「すぐに返済できるから、ちょっとだけ・・・」

そう思うのは自然なことです。

しかし、先ほどもお伝えしたとおり、自動車担保ローンのなかには、法外な手数料を請求する悪質な業者も存在します。

たとえば、「金利とは別に一律7万円の手数料が必要」というめちゃくちゃな条件を突きつけてくる業者もあるんです。

しかも、悪質な自動車担保ローン業者は、一見、合法な業者を装っています。

でも、フタを開けてみたら「悪質な業者だった」というケースが多いんですね。

今回、インタビューにご協力いただいた安曇健一さん(43歳・仮名)も悪質な自動車担保ローンに騙されたうちのひとり。

借金で苦しんでいるときに自動車担保ローンを利用してしまい、法外な手数料を支払うことになってしまったそうです。

安曇さんは、総額500万円の借金を抱えており、どうにかして返済用のお金を用意しなければならないという事情がありました。

安曇さんのような借金に苦しむ人を食い物にする商売は許せませんよね。

そこで今回は、5年にわたり、何十人もの多重債務者や金融機関の元社員にインタビューをしてきた私こと木村が、自動車担保ローンの危険やデメリットをお伝えしていきたいと思います。

元弁護士の猿間先生にもアドバイスをいただいているので、読むだけで借金問題解決のヒントになるはずです。

また、借金のことを無料で相談できる機関も紹介していきますので、ぜひ最後までお付き合いくださいね。

身から出たサビとはいえ、もうこれ以上借金のことで苦しむ必要はありません。

この記事がきっかけになり、ひとりでも多くの方が借金から開放されることを願っております。

それでは、まず安曇さんのインタビューからご覧ください。

この記事のアドバイザー情報

  • 木村 澪子 編集者

    木村 澪子編集者

    テレビ・雑誌等の取材歴15年。ファイグーではお金の話をわかりやすく、よりリアルにお伝えするために、背景や当事者の気持ちに寄り添う取材を心がけています。銀行マン、証券マン、利用者などからぶっちゃけたお話を聞くにつけ、「消費者も賢くならなければ...」と痛感する日々です。家族は夫・娘・ザリガニ2匹。

  • 猿間 トシヒロ 勤務社労士・元弁護士

    猿間 トシヒロ勤務社労士・元弁護士

    元弁護士。弁護士として5年間法律事務所に勤務。
    法律用語が素人に難解な文章で書かれていることに常日頃から疑問を感じており、ウェブコンテンツを通じて、法律をわかりやすく説明することを目指しています。
    現在は、東京都社会保険労務士会に所属し都内の企業において勤務社労士として勤務するかたわら、法律系コンテンツの作成を手掛けています。
    ※アドバイザーはこちらの記事の筆者ではありません。記事の途中でアドバイザーとしてコメントしております。

20万円の借入れで手数料が7万円!超高利息の自動車担保ローン(体験談)

今回、インタビューに協力してくれたのは、安曇健一さん(43歳・仮名)。

安曇さんは、学生時代から20年以上にわたり、総額500万円の借金を抱えてきました。

自転車操業を繰り返した安曇さんは、とうとうどこからも借入れできなくなり、返済用のお金を手に入れるため、自動車担保ローンに手を出してしまいます。

安曇さんには、その当時のことを赤裸々にお話いただきました。

体験者の情報

名前:安曇 健一(仮名)
性別:男
当時の職業:自営業
当時の年齢:43歳
借入件数:消費者金融10社、クレジットカード20社以上(累計)
借金の合計額:およそ500万円(住宅ローンや教育ローンをのぞく)

街で見かけた『車でお金』の看板

― 自動車担保ローンを利用しようと思ったのはなぜですか?

40代とうかがいましたが60歳以上に見える安曇さん

昨年、会社をやめて自営業を始めた頃、お金が必要になりました。

すでに消費者金融もクレジットカードのキャッシングも満額まで借りていたので、どこからも借りられなくなってしまって・・・。

そこで、「車を担保にすれば審査なしで借りられる」という、自動車担保ローンを利用することにしたのです。

― どこで自動車担保ローンの存在を知ったのですか?

以前から自動車担保ローンの看板を街で見かけることがありました。

「よく駐車場に『車で融資』『車でお金』などと書かれた看板が出ていますよね?」あれです。

ややこしい自動車担保ローンの仕組み

― 自動車担保ローンの仕組みを教えてください。

私が利用した業者での借入れまでの流れはこんなかんじでした。

自動車担保ローン業者に車を売り、名義を変更する(私名義業者名義に変更)

業者から代金を受取る

私がその車を買い戻す

支払いはローンにする(毎月業者に返済していく)

完済したら名義を元に戻す(業者名義私名義に変更)

このように、一旦車を売り、買い戻すためにローンを組むという手法なんですよね。

― ずいぶんとややこしい仕組みですね。

そうですね・・・。

なぜこんなにややこしい仕組みになっているのか、私にもよくわかりません。

おそらく合法にするためだと思いますが・・・。

― 車は手放さなくてもいいのですか?

はい。

名義変更後も、手放さないでそのまま乗り続けることができます。

ただし、毎月の返済が滞ったら手放さなければなりません。

車はすでに業者名義になっていますからね。

車を質に入れるようなイメージでしょうか。

― この仕組みは違法ではないのですか?

うーん。私は専門家ではないのでくわしくはわかりませんが、違法じゃないと思います・・・。

法律の穴をうまくついている仕組みなんじゃないでしょうか。

ごく普通の事務所と親切そうな従業員

― 自動車担保ローンの業者はどんな雰囲気でしたか?

自動車担保ローンをまったく危険だと思っていない安曇さん

普通の事務所のような雰囲気です。

「危ないところではないか?」というイメージがあるかもしれませんが、意外と普通でした。

― 従業員はどのような方でしたか?

50歳ぐらいの男性と、身内と思われる2人の女性が事務をやっていました。

みなさん親切で、とくにあやしいところはなかったですね。

10年前に購入した外車で20万円を借入れ

― 安曇さんが担保にしたのはどんな車ですか?

10年前に新車で購入した外車です。

当時は200万円ほどしましたが、査定の結果、「売っても50万円ほどの価値しかない」と伝えられました。

― 自動車担保ローン業者での買取り額(融資額)はいくらだったのですか?

20万円です。

― それなら、普通の車買取業者に売ったほうがよかったのでは?

いいえ。車を手放すわけにはいかないので、本当に売ることはできません。

自動車担保ローンは、車を手放さずに借入れできる点がよかったんです。

7万円の法外な手数料

― 金利は何%でしたか?

金利は17%ぐらいだったと思います。

― それなら法律的にも問題ないですね。ほかに手数料はかかりましたか?

はい。車の名義変更に手間がかかるということで、別途手数料を取られました。

手数料は借入金額に関係なく、一律7万円です。

― 7万円!高すぎじゃないですか?

そうですね。

今思うと、この業者は手数料で儲けていたんだと思います。

手数料にしてはかなりの金額ですからね。

― 7万円は借入時に支払ったのですか?

落ち着かないようすで話す安曇さん

いいえ。

気づいたら、手数料の7万円も借入れたことになっていました。

つまり、受け取ったのは20万円ですが、27万円借りたことになっていたんです。

利息と手数料で合計10万円近く支払う

― 合計でいくら返済したのですか?

5ヶ月ほどで完済できたのですが、利息・手数料を含め合計で30万円近く支払ったことになりますね。

利息と手数料だけだと10万円弱です。

― やはり、手数料が黒に近いグレーですよね。後悔はしませんでしたか?

いろいろな手段でお金を手にしてきた安曇さんはかなり病的な雰囲気でした

いいえ。あのときはなにがなんでも現金が必要だったので、利用してよかったです。

お金はあとから入ってくる見込みがありましたし、一時的にしのげればよかったんですよ。

車さえあれば、審査なしで現金を調達できたので、とても助かりました。

安曇さん、ありがとうございました。

なお、安曇さんには、ほかにも複数のインタビューを実施しています。

「どうしてこんなに借金がふくらんでしまったのか」については、「20年以上にわたる返済。気軽に借りたつもりが総額500万に!【体験談】」をご覧ください。

また、安曇さんは悪徳金融業者も利用しています。

悪徳業者のことについては、「悪徳金融業者はまず女性に電話をかけさせます。その後 男性が出てきて...【体験談】」をご覧ください。

まとめ

最後に、今回の記事のポイントをおさらいしましょう。

自動車担保ローンを利用するとこんな危険・デメリットがある

  • 金利や手数料が異常に高額
    • 貸金業者の場合・・・金利とは別に、法外な手数料を請求される可能性がある
    • 質屋の場合・・・高額な利息を請求される可能性がある(上限金利は109.5%)
    • リース業者の場合・・・法外なレンタル料を請求される可能性がある
  • 車検証の原本を取り上げられてしまうことも(「車検証の原本は車に置いておかなければならない」と法律で決められている)
  • 自動車ローンを返済中にもかかわらず、車の売却や名義変更を行った場合、借入先の金融機関からローン残高の一括返済を求められるおそれがある
  • 返済が滞ったら、担保にした車を売られてしまう(格安で車を手放すことになる)

自動車担保ローンより債務整理を検討しよう

  • 借金問題に苦しんでいるなら、自動車担保ローンではなく債務整理を検討すること
  • 『法テラス』『日本クレジットカウンセリング協会』であれば無料で相談可能

自動車担保ローンは、一般的な金融機関で借りられなくなった方が、最後のよりどころとして利用するケースが多いです。

しかし、そんな状況で借入れを増やしても何の解決にもなりません。

返済に追い詰められているなら、速やかに債務整理を検討するようにしましょう。

万が一、自動車担保ローンを利用して返済が滞りでもしたら、格安で車を手放すことになります。

これは明らかに損です。

絶対に利用しないようにしましょう。

また、今回のインタビューとは別に、自動車担保ローン業者で働いてた女性にもインタビューを実施しましたので、内部から自動車担保ローンについて知りたい場合は、こちらの記事もぜひご覧になってみてくださいね。

今回のインタビューの様子は動画でもご覧になれます

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