はじめてお金を借りる時に読むべき元消費者金融社員の審査の話

「キャッシングの審査に通るにはどうしたらいいの?」
「以前、審査に落ちてしまったけど、何が理由だったのだろう?」

キャッシングの申込み審査を受ける時、結果が出るまで不安。

しかも、審査に落ちた経験がある人は、「どうしたら審査に通るのか?」そのコツを知りたいでしょう。

そこで今回は大手消費者金融に勤めていたという元社員の方に、「どんな人が審査に有利・不利なのか」について詳しく答えていただきました。

まずは消費者金融の審査で聞かれる項目、「年齢」「勤務形態」「収入」などについて、どんな状態だと審査に通りやすいかを細かく分析。

さらに、
「在籍確認は省略可能か?」
「他社でどれくらい借金をかかえているとNGなのか?」
についてもお答えいただいています。

また職業別の予想限度額も詳しく伺いましたので、審査をこれから受ける人、審査結果を待ってドキドキしている人は是非参考にしてください。

  • 目次
  • 消費者金融の元社員が明かす「審査に有利な人・不利な人」
  • これが審査の一部始終
  • ステップ1:スコアリング
    • 独身の若者より不利な、独身の高齢者
    • 住むなら「家族所有の家」がいい理由
    • あなたの会社は「帝国データバンク」に載っているか?
    • 希望限度額を増やせば限度額も増える
  • ステップ2:信用情報の照会
    • 結婚して名前が変わると、信用情報が消える!?
  • ステップ3:在籍確認
  • ステップ4:本人確認書類の確認
  • ステップ5:決裁者の最終判断
    • 審査に落ちるのはこんな人
    • あなたの予想限度額は?
  • インタビューを終えて

今回インタビューに答えてくれたのは...

名前:高橋 和夫(仮名)
性別:男性
勤めていた金融機関:大手消費者金融A社
勤めていた期間:1997年~2013年頃
仕事内容:主に審査、債権回収

消費者金融の元社員が明かす「審査に有利な人・不利な人」

「消費者金融の審査に通る人、限度額をたくさんもらえるのはどんな人か?」

それらを明らかにするため、今回は大手消費者金融A社に16年勤務していたという高橋和夫さん(仮名)にインタビューを行いました。

高橋さんは金融業界のベテラン。審査の現場をとても詳しく知る人物です。

そんな高橋さんに一番聞いてみたいのは「自分は審査に通るのか?」ということですよね。

しかし申込者によって、条件(属性)は全く異なります。

職業、年収、他社の借入額などは人によってバラバラですから、審査結果が出るまでは本当のところは分かりません。

そこをあえて掘り下げ、どんな人が審査に有利・不利なのかをできる限り明らかにしてみよう!というのが今回のインタビューです。

これが審査の一部始終

― 高橋さんはA社でどんなお仕事をしていたのですか?

私は、1997年に入社し、2013年に退職するまでA社に16年間勤めました。

最初は首都圏のある店舗で勤務されていて、審査や債権回収などを担当しています。

その後、全国に2ヶ所しかないセンターに移り、債権回収業務を担当していました。

現場で審査業務を行っていたのは最初の頃だけですが、その後も社内の基準を把握していたので、審査のことはよくわかっています。

― では早速、申込み審査についてうかがっていきたいと思います。最近(2014年現在)はインターネットから申込む方が多いのでしょうか?

そうですね。
A社の申込方法は、以下の方法があります。

  • インターネット
  • 電話
  • 店舗窓口
  • 自動契約機
  • 郵送

この中でもっとも多いのは、インターネットと電話です。次に多いのが自動契約機ですね。

― インターネットや電話、自動契約機から申込むと、審査はどこで行われるのですか?

審査はすべて、全国に2ヶ所あるセンターで行われています。

― 審査ではどのようなことを行っているのですか?

審査は以下のような流れで行われます。

  • 1顧客が申告した「職業」や「収入」などの各項目をもとにスコアリング
  • 2信用情報の照会
  • 3勤務先に在籍確認(本人の携帯に確認電話)
  • 4本人確認書類の確認
  • 5決裁者(融資を決める担当者)が最終判断

顧客が申告した情報をもとに、コンピューターがいくらまでなら貸せるという「限度額」をはじき出します(スコアリング)。それをもとに人間が決済するのです。

― そもそも、「これをクリアしていなかったら絶対審査に通らない」申込み基準のようなものはありますか?

あります。
年齢制限と、収入ですね。

そもそも本人に安定した収入がない場合はダメです。

ただし、正社員でなくてもOKなので、パート・アルバイト・派遣・自営業でも問題ありません。

たとえば主婦や学生もアルバイトをしていれば大丈夫です。

ステップ1:スコアリング

― 「スコアリング」とはどのようなものでしょうか?

コンピューターが、顧客の情報をもとに行う自動審査です。

簡単に言うと、職業や収入、住居形態など申告の項目に点数を配分し、その点数の合計から限度額を決めるシステムです。高得点な方ほど、高限度額が与えられるようになっています。

― 収入が安定していれば、スコアリングで高得点になるのでしょうか?

スコアリングのシステムはそんな単純なものではありません。

その人の状況から、回収リスク...つまり「貸したお金を回収できなくなる確率」を分析するんです。

「こういう人は回収できなかった」「こういう人は全額回収できた」という過去の事例を積み重ねたデータから、それが分かるようになっています。

たとえば同じ高収入の人でも、一流企業に勤める人と、自営業の人では扱いが違います。

一般的には「自営業の方が、回収リスクが大きい(つまり、貸したお金を回収できなくなる確率が高い)」と出るようになっています。

そして、回収リスクが小さいほど、スコアリングの点数は高くなるのです。

以前はこうしたリスクを支店長など経験豊富な社員が判断していました。しかし、最近はそれをコンピューターが教えてくれるんです。

独身の若者より不利な、独身の高齢者

― それでは、審査項目の中で、スコアリングで高得点になりそうな項目を教えてください。A社のホームページにある、申込みフォームに沿って見ていきましょう。

最初は、「お客さま情報」として以下のような項目を書きますね。

  • 氏名
  • 旧姓の有無
  • 生年月日
  • 性別・独身/既婚
  • メールアドレス

生年月日(年齢)

― 年齢によって審査に有利・不利はありますか?

A社では、20~25歳までを「若年」、また35~65歳までを「高齢」と呼んでいます。この「若年」と「高齢」は、大雑把に言うと審査に不利とされているんです。

若年の方は社会的信用も低く、勤続年数も浅いですから、収入がそれほど多くありません。

高齢の方は年齢が上がるほど不利です。返済は何年もかかるものなので、返す前に死なれてしまっては困るからです。

それ以外の20代後半~30代前半までが、もっとも貸しやすい年齢ですね。

もちろん収入その他からも判断されるので、一概には言えません。そして年齢と同時にポイントになるのが結婚しているかどうかです。

既婚/独身

― 「既婚/独身」は限度額を決める上で、なぜ重要なのでしょうか?

それについては、年齢と合わせて考えているようです。

たとえば、高齢の独身は審査に不利になります。

家族という守るべきものがないので、逃げようと思えば逃げられます。したがって、(既婚にくらべて)貸し倒れの確率が高いとみます。

― 若い独身者はどうですか?

20~25歳までの若年の独身は、高齢の独身者よりは高評価です。一方、20代後半~30歳前半の独身は、一番高い評価がでます。

― では若い既婚者はどうですか?

20~25歳、20代後半~30代前半の既婚者も不利ではありません。「結婚していれば、家族のためにも借金を踏み倒すことはないだろう」と判断されます。

― 高齢の既婚者はどうでしょうか?

30代後半~60歳までの既婚者も問題ないでしょう。

たいていの方は60歳くらいまで勤めますし。

高齢といっても、50歳過ぎで現役の方は給料をたくさんもらいますからね。

他社からの借入れがなかったら、50万円くらいの限度額は出ると思います。

また、高齢でも退職間近なら退職金もありますよね。そうすると、貸しやすくなります。

しかし、60歳以上で現役の方の場合は、少し慎重になります。他の要素を含めて慎重に判断するでしょう。

融資が難しい年齢

― 年齢で区切るとしたら、融資を行わないのは65歳以上ですか?

A社では基本的には65歳までしか融資しません。

60歳を過ぎた人には、最大で10万円くらいなら貸していたと思います。

ただし、60歳を過ぎた年金生活者の場合は、お断りすることがありました。

― 年金生活者が審査に通るかどうかは、年金の支給額によるのですか?

そもそも最初から年金収入のみの方はお断りしていたように思います。

ただ、過去にA社で借りたことがあって、途中から年金暮らしになった方には融資していました。

ちなみに年金生活者の場合、返済方法を年金専用のサイクルに変更できます。年金は毎月支給されるのではなく、2ヶ月に一度ですから、返済日も2ヶ月に一度の期日にすることができるのです。

― ちなみにA社は学生にも貸しますか?

未成年者はダメですが、20歳以上の学生なら問題ないです。

20歳以上の大学生のなかには、アルバイトをしている人もいます。20歳以上のフリーターも同じ扱いになりますね。

ただし、学生の場合、限度額は多くても10万円くらいでしょう。

― 年齢と既婚/独身を審査に有利な順にまとめるとすると、どうなるでしょうか?

かなり強引ですが、有利な順にまとめると以下のようなかんじでしょうか。

順位 年齢・既婚/独身
1 20代後半~30代前半・独身
2 20代後半~30代前半・既婚
3 30代後半~60歳・既婚
4 20~25歳・既婚
5 20~25歳・独身
6 30代後半~60歳・独身
× 65歳以上

3位の「30代後半~60歳・既婚」、4位の「20~25歳・既婚」のあたりは、本人の収入や勤続年数などを見て検討するので一概には言えません。

しかし、1位の「20代後半~30代前半・独身」は一番有利ですし、6位の「30代後半~60歳・独身」は一番不利です。

65歳以上は、既婚も独身も融資自体を行いません。

このように年齢(生年月日)と既婚/独身は、審査では非常に大事な項目です。

それと同じような視点で見ると、独身者の場合は「実家があるかどうか」も重要です。

実家の連絡先

― 「実家の連絡先」の項目は申込みフォームにないようですが?

今(2014年現在)は、実家の連絡先を聞かない消費者金融が多いようですね。私が審査を担当していた時代は必ず書いてもらっていました。

ただ、現在も独身で一人暮らしの方には、実家の連絡先を電話などで聞いている可能性があります。運転免許証の本籍地から判断できることもありますが・・・。

ホームページの申込みフォームにないのは、今は実家に取り立ての電話をすることが法律で禁じられているからです。

ただ、取り立てはできなくても、「本人と連絡を取る」目的で実家に電話することはできます(A社の社名を名乗らず、借金のことは言わないことが前提)。

返済が遅れていて、本人の携帯などに連絡しても一切連絡が取れない場合は、実家に電話することもあるかもしれません。

― では独身者は実家の連絡先を伝えた方が、審査に有利でしょうか?

勤務形態が不安定、勤続年数が短いなど他の条件が弱い場合は、実家の連絡先を聞いて補強することもあるでしょう。

たとえば、アルバイトで一人暮らしの独身者、なおかつ携帯電話しか連絡先がない方なら、実家の連絡先を教えてもらえないと、融資を断るかもしれませんね。

住むなら「家族所有の家」がいい理由

― つづいて申込みフォームでは、「ご自宅情報」とありますが、ここではどのような項目を記入するのでしょうか?

下記のような項目です。

  • 郵便番号・住所
  • 電話番号
  • 住居種類
  • 入居年月
  • 家賃もしくは住宅ローンの金額(月額と、年間ボーナス加算)
  • 家族人数(同一家計の人数)

住居種類

― 「住居種類」にはどのような選択肢がありますか?

13個の選択肢があります。

  • 自己所有一戸建て
  • 自己所有マンション
  • 家族所有一戸建て
  • 家族所有マンション
  • 賃貸一戸建て
  • 賃貸マンション
  • 賃貸アパート
  • 賃貸公団住宅
  • 賃貸公営住宅
  • 社宅一戸建て
  • 社宅マンション
  • 社宅アパート
  • 社宅寮

― この中で、審査にもっとも有利なのはどれでしょうか?

家賃やローンの支払いがない状態が有利です。

このなかでは、家族所有(一戸建て、マンション)が有利ですね。家族所有なら家賃がほとんどかからないでしょうから。

一方、自己所有(一戸建て、マンション)は、ローンを抱えている可能性がありますよね。

賃貸も家賃がかかります。家賃やローンの支払いがある人は、金額を記入する項目がありますから、そこをチェックすることになるでしょう。

ただし、賃貸よりも自己所有の方が有利です。回収の面からみると、ローンを抱えている人は逃げないでしょうから。

― 「社宅」は家賃がほとんどかからないと思いますが、有利でしょうか?

社宅は会社を辞めたら出なくてはなりません。そこは勤続年数なども見て判断することになるでしょう。

たとえば、勤続年数が長くて、奥さんも子どももいるなら、会社を辞める可能性が低いので問題ありません。

もし会社を辞めるとしても、長年勤めていれば退職金が出るから大丈夫でしょう。

しかし、勤続年数が短くて社宅に住んでいる方は、「回収できないリスクがある」と見なされます。

入居年月(居住年数)

― 現在の住居にいつから住んでいるかも記入します。居住年数は長い方がいいでしょうか?

もちろん、長く住んでいる方がやや有利と考えられますが、短いからといって不利になることはありません。新規の審査では、あまり重要な項目ではないと思います。

ただし「田舎から出てきて、就職したばかり」と言っているのに、「入居年数5年」と矛盾したことを言っていると、かなり突っ込まれることになるでしょう。辻褄が合っているかどうかが大事ですね。

家賃・住宅ローンの金額

― 「家賃もしくは住宅ローン」は月単位、年単位の支払金額を記入することになっています。これはもちろん金額の少ない方が有利ですよね?

はい。

住宅ローンや家賃の毎月の負担額が多いと、不利です。収入に見合った金額でないと、審査が厳しくなるでしょう。

「月々の手取りから家賃(もしくは住宅ローン)と生活費を差し引いた金額」を入力することになっていますが、残るお金がわずかなら当然貸せません。

家族の人数

― 「家族人数(同一家計の人数)」を記入しますが、大人数だと不利でしょうか?

家族の人数は多過ぎない方がいいですね。

「その人の給料で何人が養われているか」を見ているので、扶養している人数はせいぜい1~2人くらいが望ましいのではないでしょうか。

扶養家族が4~5人となると、いろいろ突っ込んで聞くかもしれません。

あなたの会社は「帝国データバンク」に載っているか?

― つづいて申込みフォームでは、「お勤め先情報」とありますが、ここではどのような項目を記入するのでしょうか?

下記の項目を入力していきます。

  • 会社名
  • 所属部署
  • 勤務先住所
  • 勤務先電話番号
  • 社員数
  • 事業内容
  • 入社年月
  • 勤務形態
  • 職種
  • 収入形態
  • 収入(税込)
  • 収支(月々の手取りから家賃やローン、生活費を差し引いた金額)
  • 給料日
  • 保険証種類
  • 保険証区分
  • 休日

会社名、勤務先住所、勤務先電話番号、社員数

― 「会社名」などを書くことになっていますが、会社の規模を見ているのでしょうか?

会社名については、日本のあらゆる会社を登録している信用調査会社「帝国データバンク」のデータベースで検索します。

名前を聞いたことがないような会社でも、帝国データバンクで社員数や業種などがわかります。

ですから、社員数を書くところがありますが、ここはほとんど見ていません。帝国データバンクで検索すれば、勝手に社員数まで出ますから。

会社の規模よりも、帝国データバンクに登録されているかどうかが重要です。登録があれば審査は有利に進みます。

― 帝国データバンクに登録がない会社は、審査に不利ということですか?

帝国データバンクに登録されてない会社は、ズバリ不利ですね。登録がないということは、「会社が小さい」「会社ができたばかりでまだ儲けが出ていない」と考えられますから。

特に中小企業は登録されていないことがあるので不利でしょう。

帝国データバンクに登録がない会社は、存在の有無をしっかり確認することになります。

― それはどのように調べるのですか?

まずは住宅地図に会社名が載っているかをみます。

また、電話帳登録も利用して調べます。電話帳に社名と電話番号が掲載されていると、かなり説得力がありますね。

それでも確認できない場合は、近隣に聞きます。

― そうすると、審査にかなり時間がかかりませんか?

いいえ。

いろいろ調べることになっても、審査時間は40分程度です(帝国データバンクで勤務先を確認できた場合は30分くらいしかかかりません)。

自動契約機でもオペレーターが対応している間に、裏方のスタッフに情報を回して手分けして調べますから、それほど時間はかかりません。

― 会社の存在が確認できない場合はどうなりますか?

地図にも電話帳にもまったく載っていない場合は、基本的には貸せませんが、在籍確認ができれば通ることもあります。

ただ、在籍確認は友だちに頼んで、電話番してもらえれば済ませてしまいますからね...。

この場合、限度額はせいぜい10万円まででしょう。

事業内容

― 会社の「事業内容」も記入すると思います。どのような選択肢がありますか?

このような選択肢があります。

  • 農林水産・鉱業
  • 建築
  • 製造
  • 卸売・小売・飲食店
  • 金融・証券・保険・不動産
  • 交通・運輸・通信
  • 電気・ガス・水道
  • サービス
  • 出版・印刷
  • 教育・医療・公務員
  • その他法人・その他団体
  • 不明

― これは審査に影響がありますか?

審査には直接影響しないと思います。

帝国データバンクに登録している会社は、業種が違うけれど同じような社名が多いので、それを判別するために選んでもらっている項目です。

勤続年数

― 「勤続年数」を書く項目があります。何年以上勤めているのが望ましいでしょうか?

勤続年数が長ければ長いほど、回収リスクが小さくなるので、有利になります。どんな勤務形態でも、最低半年は働いていたほうがいいですね。

公務員と一部上場企業に勤めている方なら、入社半年以内でも限度額50万円はでます(他社借入なしの場合)。

でもそれ以外の方は、勤続年数が半年以内だと、限度額はかなり低くなります。限度額を上げたいなら、3年は働いていないと難しいでしょう。

― 派遣社員やアルバイトも長い勤続年数の方が高評価ですか?

派遣社員やアルバイトはそもそも高限度額を出せませんが、やはり勤続年数は長い方が有利ですね。「気合いの入ったアルバイトだ」ということがわかりますから。

もしスコアリングの結果「限度額10万円」だったとしても勤続年数が長ければ、決裁者によっては限度額を上げてくれるかもしれません。

「しっかりしたアルバイトみたいだから、そのうち社員になりそうだ。じゃあ、20万円ぐらいいいんじゃないの?」というかんじで。

― 自営業も勤続年数は長い方がいいですか?

長い方がいいですが、サラリーマンほど年数は影響しないですね。自営業という時点で、どんなに長くても不利なんです。

勤務形態

― 「勤務形態」という項目について伺います。こちらにはどんな選択肢がありますか?

下記のような選択肢があります。

  • 正社員
  • 自営
  • 嘱託・派遣
  • アルバイト(パート)
  • 季節・期間雇用

正社員には公務員も含まれます。

― やはり正社員は有利ですか?

正社員や公務員は、回収のリスクという点からみても、解雇にならない限り返済してくれるので、高限度額が出やすいです。

もちろん正社員は、帝国データバンクに勤務先の会社が登録されていることが第一条件です。

― 自営業の審査はどんなところを見るのでしょうか?

自営業はサラリーマンに比べると不利ですが、それは会社によって幅があります。

自営業でも帝国データバンクに登録があれば、審査は有利に進みます。登録がない会社は、会社の存在を確認することが大事ですね。

でも、会社の存在を証明するもの(例:会社のパンフレット)や収入証明の提出は必須ではありません。

どうしても存在が確認できない場合は、収入証明として青色申告書などの提出を求めることはあると思いますが...。

― 「嘱託・派遣」「パート・アルバイト」「季節・期間雇用」の人たちの審査はどうでしょうか?

これら3つは正社員よりも下の部類になり、最初から回収リスクが大きいとみなされています。

そのなかでも3つに分けられているのは、回収リスクが小さい順に分類されているのです。

こういう人たちは派遣会社に登録しているだけで、実際は仕事をしていないというケースもあります。だから勤務先への在籍確認が重要になります。

― これらの勤務形態を審査に有利な順にまとめるとどうなるでしょうか?

強引に順位につけるとするとこんなかんじでしょうか?

順位 勤務形態
1 公務員・正社員(帝国データバンクに登録あり)
2 正社員(帝国データバンクに登録なし)
3 自営業
4 嘱託・派遣
5 アルバイト・パート
6 季節・期間雇用

ただし、自営業に関しては幅が広いので、一概には言えません。

おまけ:自衛隊員の審査はちょっと特殊

― 自衛隊員は公務員ですが、高評価の部類に入るでしょうか?

自衛隊員は公務員(正社員)ですが、少し扱いが異なります。自衛隊は「嘱託・派遣」を入り口として審査します。「正社員」には入れません。

申込時、勤務先を「○○自衛隊」と記入されていて、そして「正社員」を選択しても、こちらで「嘱託・派遣」に修正してしまいます。

なぜかと言うと、自衛隊の人は長期でどこかへ行ってしまったりするので、在籍確認が難しいのです。

― では融資も難しいのでしょうか?

自衛隊員は辞める人も多いですから、こちら側からしてみたら「嘱託・派遣」みたいなものです。

もちろん収入はあるので、貸せないわけではありません。在籍確認さえできれば、限度額は最大で50万円出ると思います(他社借入なしの場合)。

― 自衛隊の方はどうしたら借入の手続きがしやすくなりますか?

在籍確認のとれないような部署だったら、最初に自衛隊員の身分証明や、収入証明を持って行った方がいいかもしれません。あとは決裁者次第ですね。

職種

― 「職種」にはどのような選択肢がありますか?

下記の選択肢があります。

  • 事務
  • 営業
  • 販売
  • 労務
  • 運転手
  • 技能
  • 技術
  • 個人経営
  • 法人経営
  • 接客サービス

― 職種によって有利・不利というのはあるでしょうか?

労務、個人経営、法人経営、接客サービスは不利ですね。

労務の仕事は、工場勤務や工事現場など、派遣や季節・期間雇用が多いですから、限度額は低いでしょう。

個人経営、法人経営は自営業ですから、やはりちょっと落ちます。

接客サービスのお店は、帝国データバンクに登録されていないことがほとんどですから、不利になるでしょう。

収入形態

― 「収入形態」には 固定給・一部歩合給・完全歩合給 がありますが、審査に有利なのはどれでしょうか?

固定給が一番有利、完全歩合給が一番不利です。

サラリーマンは基本的に固定給ですよね。

また、保険会社勤務や自動車販売ディーラーなど、基本給にプラスして、成果に応じて一部歩合制になっているような人も、固定給に分類されます。

芸能人やスポーツ選手は完全歩合給ですから、いくら収入が多くても不利ですね。

収入(月収・年収)

― 月収や年収を書き込む欄があります。これは顧客が申告した金額を信じるのですか?

A社には年収を検索するシステムがあります。ある程度有名な会社の正社員なら、年齢・入社年月日によって「予想年収」が表示されます。

しかし、派遣社員や自営業、中小企業に勤める人の年収まではわかりません。「申告してもらった金額を信じるしかない」ですね。

ただし、自営業は多めに申告すると、限度額が上がるかもしれません。もちろんハデな嘘はいけませんよ。年収300万円なのに、「年収3,000万円」と書いてもすぐにわかりますから。

たとえば、年収500万円のところを「700万円の見込み」としておくのは、きちんとした説明ができれば有利に働くでしょう。

自営業で年収500万円以上なら、限度額も高くなると思います。

― 派遣社員や中小企業、自営業の方が限度額を上げるためには、収入証明を出した方がいいでしょうか?

収入が多いなら、収入証明書を出した方が有利ですね(少ない場合は意味がありませんが)。

現在、総量規制で利用者の年収の3分の1までしか貸すことができません。ですから、基本的に年収が多いほど、限度額も上がります。

ただし、A社での限度額50万円、他社借入と合わせて100万円以内なら、こちらから収入証明書の提出を求めることはありません。

― それ以外の状況で、収入証明の提出を求めることはありますか?

基本的にはありません。「収入証明は不要」と広告宣伝でうたっていますから、こちらから求めることはほとんどないでしょう。

「収入証明不要とうたっていたのになぜ出させるんだ!」と顧客からクレームがくることがありますから。顧客には弱いんですよ(笑)

収支(月々の手取りから家賃やローン、生活費を差し引いた金額)

― 「収支(月々の手取りから家賃やローン、生活費を差し引いた金額)」を入力する欄があります。これも審査に影響がありますか?

もちろん、金額が多いと審査に有利になります。

収支のバランスをみて、「これだけしか残っていないなら、返済できないな」と判断されれば、貸さないでしょう。

給料日

― 「給料日」を記入するのは何のためですか?

これは審査に関係ないですね。回収のために記入してもらう項目です。給料日がわかっていれば取り立てしやすいですよね。

保険証種類

― 健康保険証の種類にはどんなものがありますか?

このようなものがあります。

  • 社会保険
  • 組合保険
  • 共済保険
  • 日雇保険
  • 船員保険
  • 国民健康保険
  • 社名入国保

― どの保険証が限度額を上げるのに有利ですか?

やはり企業の正社員や公務員が保有している、社会保険、組合保険、共済保険が有利ですね。この線引がもっともハッキリしています。

自営業や派遣社員、アルバイト・パートは国民健康保険になりますから、限度額はあまり上がらないでしょう。

日雇保険、船員保険、社名入国保も国民健康保険と同じような扱いになります。

保険証区分

― 「保険証区分」には、本人・被扶養(配偶者)・被扶養(配偶者以外)があります。これはどうでしょうか?

被扶養(配偶者)、被扶養(配偶者以外)の場合は融資をお断りするか、融資するとしても限度額はかなり少なくなります。

休日

― 休日は何のために確認するのですか?

審査には大きな影響はありませんが、回収の際に重要な情報になりますね。

もし顧客が返済を延滞した場合、「今日は休みだから連絡がつきそうだ」ということがわかりますから。

また情報に矛盾がないかどうかを確認する意味もあります。「公務員」と書いているのに、「不定休」となっていたら、ツッコミますよね。

希望限度額・他社借入件数

希望限度額

― 自分がいくら借りたいか「希望限度額」を申告する欄があります。限度額を高めるコツはありますか?

A社側としては必要以上の金額を申告してもらった方が、限度額を上げやすいです。

たとえば、審査で「限度額50万円」という結果が出ても、「希望限度額30万円」という申告なら30万円しか貸せません。希望以上の融資は過剰融資とみなされるからです。

もちろん、審査ではじき出した限度額が希望限度額よりも低かった場合は、それ以上になることはありません。審査で「限度額10万円」と出たならば、「希望限度額20万円」と申告されていたとしても、最大20万円です。

他社借入

― 申込みフォームには、他社の「借入件数」と「借入総額」を確認する項目もあります。これは正確に記入した方がいいでしょうか?

これは参考程度に書いてもらうだけです。複数の業者で借入れがある方のほとんどは正確に記入しません。

正確な他社借入件数と金額については、必ず信用情報の照会を行います(詳しくは後述)。

ここまで申込みフォームを元に、顧客が入力する個人情報についてみてきました。社員はひとつひとつ項目を確認しながら、A社の顧客データに入力していきます。

そこまで終わると、次は信用情報の照会を行うのです。

ステップ2:信用情報の照会

― 「信用情報の照会」とは何でしょうか?

審査では必ず信用情報の照会が行われます。

「顧客がA社以外でいくらの借金を抱えているのか?」を調べるもので、審査で一番重要な部分です。

信用情報とは、消費者金融をはじめ銀行やカード会社などが共有して見ることができる、顧客の借入情報です。

この情報をまとめているのが、信用情報機関です。
信用情報機関は調査会社で、日本には3つの信用情報機関があります。

A社はCICという信用情報機関に加盟し、そこから情報をもらっています(信用情報についてもっと詳しく!)。

― どのようにして信用情報の照会は行われるのでしょうか?

信用情報機関のデータベースに入って、名前と生年月日を入力すると、その顧客の信用情報が出てきます。たまに同姓同名で生年月日も同じという人もいますが、住所などを見れば本人にたどり着きますね。

A社の顧客データと信用情報機関のデータベースは同じパソコンで閲覧できるので、時間はかかりません。

― 信用情報には何が書かれているのですか?

信用情報は日付と記号番号で表示されるので、非常に分かりにくいのですが、主に以下のような内容が表示されます。

  • 個人情報(名前、生年月日、住所、電話番号、勤務先名、勤務先電話番号、本人確認書類番号など)
  • 申込年月日
  • 貸付年月日、貸付額、残高
  • 一番最近の返済年月日、返済額、残高
  • 他社借入総額(例:B社◯◯万円、C社△△万円)
  • 事故年月日(例:長期滞納、債務整理など)

― このなかで何に注目しているのでしょうか?

まず、他社借入総額です。

現在は総量規制があるので、年収の3分の1以上を貸し付けることはできません。

そこで「他社の借入総額が年収の3分の1を超えていないか」を確認するのです。

また、いくつの業者で借りているか、件数を見ています。現在は借入件数が6~7件以上だとお断りしています。

たとえ、借入総額が年収の3分の1以下でも、件数が6~7件以上なら融資できません。

― 借入総額とは限度額の合計ですか?それともその時点の借入額の合計でしょうか?

信用情報で表示されるのは、現時点での借入額です。その人が他社でいくらの限度額を与えられているかまではわかりません。

ですから、私たちは現在の借入額の合計を見て判断するしかないんです。

ただし、契約した顧客の信用情報は、必ず月に一度照会しなければならないことになっています。もし契約後に顧客が年収の3分の1以上の借入れをしていることがわかれば、それ以上借入れできないように制限をかけます。

― 借入総額、借入件数以外にはどんなところを見ていますか?

滞納や債務整理など、事故情報の記録があるかチェックしますね。

3ヶ月以上の長期滞納や債務整理をした記録があった場合は、まず融資しません。

― では3ヶ月以内の滞納はどう判断しますか?

3ヶ月以内の滞納についても、信用情報を見れば確認できます。

信用情報には貸付日と一番最近の返済日が表示されるので、返済が遅れていたらわかるんです。

3ヶ月以内の滞納をどう判断するかは、滞納期間と金額によりますね。1日~2日の滞納ならば見逃します。

それ以上の滞納は厳しいでしょうね。

ただし、他社の借入総額が10万円程度で、滞納期間が1ヶ月以内であれば貸してしまうかもしれません。

滞納している人に貸し付けても、法律違反にはなりませんから、営業成績のために審査に通す決裁者はいると思いますよ。

― 「過払い金請求」の記録も信用情報には掲載されますか?

過払い金請求をして、過払い金が還ってくる場合は信用情報には載りません。

ただ、過払い金請求をしても借金が残ってしまい、そのまま別の債務整理方法を取る場合は事故情報として記録が残ります。

また、A社に過払い金請求をすれば、A社の顧客データには記録が残ります。

― A社の顧客データにはどんなことが記録されているのですか?

A社と一度でも契約したことがある方は、個人情報や借入・返済履歴、債務整理や過払い金請求まで、すべての情報が残ります。

信用情報は一定期間しか記録が残りませんが、A社の顧客データは途中で解約しても半永久的に残ります。

もし過去にA社で借りて債務整理をしたならば、信用情報に記録がなくても顧客データを見ればわかってしまいます。そういう場合は、融資をお断りします。

しかし、過去にA社で滞納していたことがわかっても、それだけの理由で融資を断ることはありません。それ以外の状況を確認して判断することになると思います。

結婚して名前が変わると、信用情報が消える!?

― ちなみに「事故情報が残っていたのに、結婚して名字か変わったら審査に通った」という女性がいるようですが、名字が変わった場合、信用情報はどうなるのでしょうか?

確かに信用情報では、旧姓の情報が新しい名前とつながらないこともあるでしょう。

たとえば「山田」さんという人が、結婚後「鈴木」さんになったとします。そうすると「山田」時代の借金が、「鈴木」の名前だと確認できないこともあるのです。

これはA社だけでなく、どこの会社でもあり得ます。

ですから、名前が変わった方は、慎重に対応しています。

申込みフォームには「旧姓の有無」という項目があり、もし「旧姓あり」を選択すると、旧姓の漢字とカナを記入することになっています。

名前が変わった方は、考えうるすべての読み方を信用情報を照会します。たとえば、「山田」の場合は「ヤマダ」と「ヤマタ」で確認するなどします。

― 実際に名前が変わると、旧姓時代の信用情報は確認できなくなるのですか?

いいえ。名前が変わっても、どこかで本人を特定することはできると思います。

たとえば、過去に運転免許証を本人確認書類として提出して、借入れしていたとしましょう。こちらはその時に運転免許証の番号を控えていますし、信用情報にもこの番号は残ります。

運転免許証の番号は結婚しても変わらないものなので、姓が違っていても本人を特定することはできるのです。

また、名前が変わったことをどこか別の会社で申告していたら、信用情報も更新されます。

ステップ3:在籍確認

― つづいて審査では「在籍確認」を行いますね?在籍確認とはどのようなものでしょうか?

在籍確認は「勤務先で本当に働いているかどうか?」を確認するものです。在籍確認は審査において必須です。

勤務先の電話番号に「山田と申しますが、鈴木さんいらっしゃいますか?」というように、知り合いを装って電話をかけます。A社の社名は名乗りません。

もし本人がその場にいなくても、「鈴木は席を外しております」「ただいま外出しています」という返事が返ってくれば、在籍確認が取れたことになります。

― 在籍確認を行うタイミングは?

基本的に在籍確認は審査の最中に行ってしまいますが、後回しにすることもありますね。

たとえば勤務先が休みだった場合は、先にロックをかけたカードを発行し、改めて営業日に在籍確認をします。在籍確認が取れればロックを解除して、カードを使えるようにするんです。

夜の仕事の方も昼間に在籍確認ができませんから、その日のうちに審査が終わらないこともあります。

― 「どうしても在籍確認はしないで欲しい」と言われたらどうするでしょうか?

勤務先の同僚などに在籍確認を知られるのがイヤな場合は、あらかじめ日時を指定してもらって、本人に電話を取ってもらうこともあります。

たとえば「○時○分に勤務先に電話をかけるから、絶対に出てください」と約束して在籍確認を行えば、確認がとれないということはまずありません。

― 「◯◯保険の営業マンを名乗ってかけてきてほしい」などの要望に応じることはできますか?

昔はできましたが、貸金業法が改正されてからは難しくなりました。

なぜかというと、取り立ての際に偽名や嘘の肩書を用いて周囲に連絡をすることは、法律で禁止されているからです。

在籍確認に関しては禁じられていませんが、A社では念のために偽名や嘘の肩書で電話をかけないことにしています。

― 在籍確認できなくても融資を行うことはありますか?

実は例外はちょこちょこあります。

たとえば大きな会社や工場などに電話をかけると、「在籍確認はお断りしています」というところも多いのです。

こういう場合は、社員証(顔写真入りならベスト)や源泉徴収票など、会社に勤めていることを証明できるものを出してもらい、泣く泣く貸すこともあるみたいです。限度額はかなり少額になりますが。

ただし、これはあくまで例外中の例外です。

― 決済者によって、在籍確認なしでOKの場合もあるということですか?

あるようです。決裁者としては、貸したら営業成績が上がりますから、在籍確認をスルーしてしまう人もいるでしょう。

でも、在籍確認を省略した結果、回収できなくなったということになれば、決裁者には大きなペナルティがあるでしょうね。

― 派遣社員の在籍確認は、派遣先と派遣元、どちらにかけますか?

派遣先にかけます。派遣元にかけても、ほとんど確認を拒否されてしまいますから。

― 実際には勤務していないのに、働いているように装って在籍確認に対応する「偽装会社」を使う人もいるようですが?

A社には偽装会社をリストアップしたものがあります。

ただし、あくまでこれまでの事例を蓄積したものなので、新規の業者まではわかりません。

ですから「在籍確認だけではあやしい」と思った時は、一度本人に出勤してもらって、直接電話をかけて確認することもあります。

― 在籍確認は勤務先以外にかけることもありますか?

在籍確認とはまた別に、本人の携帯電話にもかけます。

自動契約機ではその場で携帯電話にかけ、着信したとわかればOK。インターネットからの申込みでは、本人の携帯電話に確認の電話を入れます。

ちなみに、在籍確認で聞かれることや会社にバレた事例も参考になると思います。

ステップ4:本人確認書類の確認

― 審査では本人確認書類の提出が必要だと思います。書類によって審査に有利・不利はありますか?

特に優劣はありませんが、私の考えでは運転免許証が一番有利です。

「顔写真が付いている」「住所が印刷されている」という点で、信用度が高いですね。

パスポートも写真が付いていますが、住所が手書きです。手書きだと何とでも書けてしまいますから、悪用する人もいるかもしれません。

健康保険証は顔写真が付いていないうえに住所も手書きです(役所で発行している小さい健康保険証は住所が印刷になっていますが)。

その点、運転免許証には必ず「住民票があるところ」が印刷されていますから信頼できます。

― 顔写真が付いていることも重要なのですね?

店頭での申込みなら問題ないですが、今はインターネットや電話、自動契約機での申込みが主流なので、本人の顔を直接見ることがありません。

顔写真があるなら、自動契約機の場合は、カメラに映る顔と顔写真を見比べて、「ちょっと顔が違う」ときに慎重に対応できますからね。

しかし、健康保険証の場合は、顔写真がないので本人かどうか判別できません。あやしいと思ったら、勤務先のことを根掘り葉掘り聞くなどして、見破るしかないでしょう。

電話申込みでは「若いか、年配か」など、声のトーンに敏感になるぐらいですかね。

― 実際に嘘の申込みをしたらわかりますか?

他人から奪った本人確認書類で契約しようとしたら、ほぼわかりますね。こういう人は挙動不審だったり、言っていることが矛盾しているので、あやしいんです。

しかし、実際には父親が息子になりすますなど家族の本人確認書類を使うことが多いです。

これは一度契約が通ってしまうと、なかなか見抜けません。もし支払いが遅れて自宅に取り立ての電話をかけても、2人ともいますし・・・。

― 偽の本人確認書類だとわかったら、どうするのですか?

警察沙汰になることもあります。

たとえば、盗んだ運転免許証で申込みをしようとした場合、自動契約機で顔が一致しなければ、契約機内に閉じ込めてその間に警察に通報してしまいます。

― 嘘の申告を見抜くための対策はあるのですか?

特別な対策はありません。

社内で情報共有して、問題のある事例をどんどん蓄積していくしかないんです。あとは決済する人間が、どれくらい慎重になるかですね。

また申込時に細かく個人情報を書いてもらうのは、嘘がないかどうかを見分ける目的もあるのです。

「大企業の正社員と書いているのに、保険証が国民健康保険だった」など、矛盾が出てくることがありますから。

ステップ5:決裁者の最終判断

― 顧客情報によるスコアリング⇒信用情報の照会⇒在籍確認⇒本人確認書類の確認まで終わりました。ここまできてようやく、決裁者が審査の最終的な判断を行うのですね?

顧客情報と信用情報をもとに、スコアリングで「審査の合否」と「限度額」がはじき出されます。それを受けて、毎回必ず決裁者が最終判断を行うのです。

審査に落ちるのはこんな人

― 審査に落ちてしまう人...審査に落ちる決定打になる条件とはどのようなものでしょうか?

以下のような人は融資をお断りします。

  • 無職
  • 債務整理をしている
  • 現在3ヶ月以上の滞納がある
  • 他社借入件数が6~7件以上
  • 反社会的勢力の人
  • 偽造の本人確認書類を提出した人
  • すでに年収の3分の1以上の借入れがある人

― 年収○○○万円以下だと、融資はNGという基準はありますか?

そういう基準はありません。本人の条件によっても違いますし、決裁者によって判断が変わってきます。

ただし、年収の3分の1までしか貸せないので、年収10万円以下だと、およそ3万円しか貸せませんよね。でも3万円だけ貸すことはまずありません。

― 反社会的勢力の人かどうかはどうやって見分けるのですか?

反社会的勢力の人物をリストアップしたものはA社にありませんから、名前を見ただけでは判断できません。

しかし、A社には「要注意企業」リストがあるので、その企業の社員ということがわかれば融資しません。

あなたの予想限度額は?

― 審査に合格した場合は、限度額が出ますよね。スコアリングではじき出した限度額を変えることはありますか?

決裁者によっては「スコアリングでは20万円と出たが、この人は30万円でもいいだろう」と限度額を上げることもあります。

反対に「リスクが大きそうだから10万円に下げておこう」と判断する場合もあります。

でも、コンピューターで10万円と出た場合、よっぽどのことがなければ、さらに下の「融資お断り」になることはありません。

― 初回の限度額の最高額と最低額はいくらですか?

基本的に最高額は50万円です。ただし、もっといけると思った方には、90万円まで出すこともあります。

最低額は10万円です。

― それではこれまでのまとめとして、勤務形態別の大まかな限度額を教えていただけますでしょうか?まず帝国データバンクに登録されている会社の正社員、公務員の限度額はいくらくらいですか?

帝国データバンクに登録がある会社の正社員や公務員には、50万円出しますね(他社借入なしの場合)。

一流企業ならば、たとえ新入社員でも例外ではありません。

― 自営業の人の限度額の相場はいくらくらいでしょうか?

これは仕事の中身によるので、10万~90万円まで幅があります。

帝国データバンクに登録されていて、よさそうな会社だということがわかれば、初回は50万円、多い時は90万円まで出ることもあります。

ちなみに、100万円にしないで、90万円にするのはちょっとした裏技です。

100万円だと金利が15%に下がってしまう(※1)ので、あえて90万円にして金利18%で貸すわけです。

※1
100万円以上貸す場合は、最大でも金利15%以下にしなければならないと法律で決められています。

― 派遣・嘱託社員はどれくらいでしょうか?

だいたい10~30万円ですね。

他社の借入れがなければ最初から20万円は出ると思います。
勤続年数が長いならば、30万円に上がるでしょう。

― 「アルバイト・パート」「季節・期間雇用」はどうでしょうか?

アルバイト・パートは基本的に10万円。

しっかりしたアルバイトだと判断されたり、勤続年数が長ければ20万~30万円まで出すこともあるでしょう。

季節・期間雇用は10万円まででしょうね。

― 初回の限度額をまとめるとこのようなかんじでしょうか?

順位 勤務形態 初回限度額
1 公務員・正社員(帝国データバンクに登録あり) 50万円
2 正社員(帝国データバンクに登録なし) 20~50万円
3 自営業 10~90万円
4 嘱託・派遣 20~30万円
5 アルバイト・パート 10~30万円
6 季節・期間雇用 10万円

いずれも、他社借入なしの場合。初回だとこれくらいは出るでしょうね。あんまり限度額を少なめにすると、「もっと貸せないのか?」と上司から怒られるんですよ(笑)

インタビューを終えて

大手消費者金融で行われている審査の内情を、最近まで現場にいた高橋さんにうかがうことができました。

ご覧頂いたように、「審査は給料が多ければ有利」という単純なものではありません。

細かい審査項目と信用情報の結果を総合し、そこから「回収のリスク」がどれくらいかを見て判断されます。

そして、最終的な判断を人間が行うことによって、より厳正な審査結果が出るようになっているのです。

ただし、高橋さんにうかがったところ、「最近はコンピューター審査結果をそのまま採用することが多い」そう。

昔はコンピューターに頼らずに、経験豊富な支店長が顧客を見極めて決済していたとのことでした。

しかし、近年のA社は店舗をどんどん閉鎖し、審査を中央のセンターでまとめて行うようになったので、現場で審査を経験した社員が減っています。

人を見る目を養うには時間がかかるため、今はコンピューターに頼らざるをえなくなっているという内情もあるようです。

消費者金融の審査では、高度なシステムがあなたを審査しているのです。

嘘や矛盾があれば、融資を断られてしまうかもしれません。申込みの際にはウソをついたりせず、正直に申告しましょう。

さてつづきのインタビューでは、高橋さんに債権回収(つまり取り立て)のお話をうかがっています。

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