教育ローンの審査担当者12名に話を聞いて審査に通らない原因を解説します

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教育ローンの審査に落ちるのは、どんな人?

教育ローンで学費をまかなうつもりでいたのに、

「審査に落ちて入金に間に合わなかった!」

なんてことになったら大変ですよね。

最悪の場合、せっかく合格した学校の入学を断念せざるをえない・・・なんてことになりかねません。

そうならないためにも、教育ローンの審査基準についてきちんと知っておくことが大切です。

でも、公開されているのは差し障りのない情報ばかりで、具体的にどんな基準なのかよくわかりませんよね。

そこで今回は、

「教育ローンの審査に落ちる原因」について、金融機関の元審査担当者12名にお話をうかがいました!

メガバンクはもちろん、地銀、ネット銀行、JAまで、幅広い金融機関の元社員にご協力いただいています。

この記事を読めば、今の教育ローンのリアルな審査基準がわかるはずです!

それではどうぞ!

この記事の編集者情報

  • 松田 一郎私が編集者です!

    博多生まれ横浜育ち。アラフィフの3児の父。出版社に12年勤務後、フリーランスに。結婚後、住宅ローンに教育費、生命保険に国民年金などなど、否応なしにかさんでいく家計を少しでも節約すべく、お金の勉強をはじめました。自分の体験や節約術が、同じような悩みを抱えている方々のお役に立てばという思いを込めて、ファイグーの記事制作にいそしんでいます。フィナンシャルプランナー2級技能士。日本サッカー協会公認D級指導員。

過去に金融事故を起こしていると審査に落ちる

ローン、キャッシング、クレジットカード、割賦支払いの支払途中で延滞などの問題を起こすと、俗に「金融事故を起こした」と呼ばれます。

金融事故・・・なじみのない言葉ですよね。

たとえば、長期的に支払いを延滞したり、債務整理を行ったりすると金融事故として扱われます。

主な金融事故を下記にあげてみましょう。

金融事故の種類 内容
長期延滞 2~3ヵ月以上、支払いが遅れること
債務整理 任意整理、特定調停、個人再生、破産等の方法で支払いを減額したり無くしたりすること
強制解約 金融業者側から強制的に契約を解除されること
代位弁済 支払いできなくなった借金を保証会社に肩代わりしてもらうこと

銀行などの金融機関がローンの審査を行うとき、「申込者が金融事故を起こしているかどうか」を必ず確認します。

具体的には、信用情報機関を通して申込者の信用情報を調べるんですね(※1)

もし申込者の信用情報に金融事故の記録が残っていたら、審査に通らない可能性が高いでしょう。

金融事故の種類 信用情報機関に記録が残る期間
長期延滞 延滞解消もしくは完済から5年間
債務整理
  • 任意整理、特定調停が行われてから5年間
  • 個人再生が行われてから5年~10年間
  • 破産を申し立てた日から5年~10年間
強制解約 強制解約が行われてから5年間
代位弁済 代位弁済が行われてから5年間

ズバリ、元担当者12名にも聞いてみましたが、いずれの方も「金融事故の記録が残っていたら審査に通らない」という回答でした・・・!

ただし、金融事故が長期延滞のみの場合は、ギリギリセーフになるケースもあるようです。

そこについて突っ込んで聞いていますので、ご覧ください。。

A信用組合の元担当者談

長期延滞の理由が入院等のやむをえない理由で、なおかつ延滞解消から2年以上経っていれば検討しますね。

C信用組合の元担当者談

長期延滞については、すでに3~4年経過しており、総合的に見て問題がなければ審査に通過する可能性もあります。

E銀行(ネット銀行)の元担当者談

やむをえない理由で長期延滞した場合は即審査落ちにならず、理由などを聞いたうえで検討します。

I銀行(地銀)の元担当者談

長期延滞が1社のみならそれだけで審査に落ちることはありません。

しかし、2社以上長期延滞の記録があると、すでに延滞を解消していたとしても、審査に落ちる可能性は高くなります。

L銀行(JA)の元担当者談

延滞解消から3年以上経過しており、その後、支払いが滞っていない場合は審査に通る可能性があります。

※1
過去にローン、キャッシング、クレジットカード、割賦支払いを利用したことがあれば、その記録はすべて信用情報機関に残ります。記録される情報の種類は、申込み、契約、利用、支払いに関する情報と金融事故の有無です。なお、信用情報について詳しい説明はこちら金融事故について詳しい説明はこちらをごらんください。

短期の延滞でも審査に落ちることもある

信用情報機関に記録されるのは、長期延滞の記録だけではありません。

なんと、数日程度の短期延滞の記録も残ってしまうのです!

元担当者12名に、「短期延滞の記録が審査に影響するか」聞いてみたところ、全員が「影響する」という回答でした。

それだけじゃなく、短期延滞が原因で審査に落ちてしまうこともあるようです。

では、どのくらい延滞していると審査に落ちてしまうのか? 元担当者たちに聞いてみました。

D銀行(ネット銀行)・G銀行(地銀)の元担当者談

数日程度の延滞でも、過去に3回以上あった場合は審査に落ちることもあります。

D銀行(ネット銀行)の元担当者談

当行の他のローンを利用している場合、直近1年以内に2回以上延滞実績があると、審査不可となっていました。

E銀行(ネット銀行)の元担当者談

一概にはいえませんが、1年間で複数回の延滞があると厳しいですね。

F銀行(地銀)の元担当者談

過去2年以内に自行の他ローンの支払いを延滞している場合は、基本的に審査に通りません。

L銀行(JA)の元担当者談

年間5回以上延滞していれば審査に落ちる可能性が高いです。

このように各社基準はバラバラですが、過去に複数回延滞したことがあると危険ですね。

他社借入れが多いと審査に落ちる

審査では、信用情報機関を通じて申込者の他社借入状況もチェックしています。

他社でたくさん借入れている人に貸すのはリスクが高いですからね・・・。

そのため、他社借入れが一定金額以上の場合は審査に落ちることがあります。

他社借入件数3件以上で審査に落ちる?

他社借入件数が審査に影響を及ぼすかどうかは、金融機関によって判断がわかれました。

金融機関名 他社借入件数に関する審査基準 「他社借入件数」には何が含まれる?
(※2)
D銀行
(ネット銀行)
  • 2件以上は審査落ちの可能性大
  • 3件以上は審査落ち
  • フリーローン、カードローン、キャッシング
  • クレジットカードのキャッシング
  • 自動車ローン、教育ローンなどの目的別ローン(住宅ローン除く)
E銀行
(ネット銀行)
5件以上は審査落ちの可能性大
  • フリーローン、カードローン、キャッシング
  • クレジットカードのキャッシング
  • 自動車ローン、教育ローンなどの目的別ローン(住宅ローン除く)
G銀行
(地銀)
3件以上は審査落ちの可能性大 不明
J銀行
(大手)
3件以上は審査落ちの可能性大
  • フリーローン、カードローン、キャッシング
  • クレジットカードのキャッシング
  • 住宅ローン、自動車ローン、教育ローンなどの目的別ローン
  • クレジットカードのショッピング(分割・リボ)
L銀行
(JA)
3件以上は審査落ちの可能性大
  • フリーローン、カードローン、キャッシング
  • クレジットカードのキャッシング
  • 自動車ローン、教育ローン、農機ローンなどの目的別ローン(住宅ローン除く)
  • 携帯電話機種の割賦払い
  • 各種税金等の支払い
  • クレジットカードのショッピング

どうやら、3件以上だと審査に落ちる可能性が高いようですね。

ただし、「他社借入件数に含めるローン等の種類」は各社基準が異なるので注意しましょう。

※2
カードローン、キャッシング、クレジットカードのキャッシング等については、契約しているだけで(借入れしていなくても)「1件」とみなされるおそれがあります。

他社借入金額が多いと審査に落ちることも

では、他社借入金額についてはどうでしょうか。

一部、「他社借入金額が審査に影響する」と回答した金融機関もありました。

金融機関名 他社借入金額に関する審査基準 「他社借入金額」には何が含まれる?
(※3)
F銀行
(地銀)
税込年収以上の他社借入れがあると審査落ちの可能性大
  • フリーローン、カードローン、キャッシング
  • クレジットカードのキャッシング
  • 自動車ローン、教育ローンなどの目的別ローン(住宅ローン除く)
  • クレジットカードのショッピング(分割・リボ)
  • (個人事業主のみ)個人名での事業資金の借入れ
G銀行
(地銀)
他社借入金額が税込年収の3分の1以上だと審査落ちの可能性大 不明
L銀行
(JA)
他社借入金額が税込年収の半分以上だと審査落ちの可能性大
  • フリーローン、カードローン、キャッシング
  • クレジットカードのキャッシング
  • 自動車ローン、教育ローン、農機ローンなどの目的別ローン(住宅ローン除く)
  • 携帯電話機種の割賦払い
  • 各種税金等の支払い
  • クレジットカードのショッピング

※3
カードローン、キャッシング、クレジットカードのキャッシングについては、契約しているだけで、利用限度額=借入金額とみなされるおそれがあります。

返済負担比率が30%以上だと審査落ちの可能性大

調べられるのは他社借入件数・金額だけではありません。

ローンの審査では、基本的に返済負担比率(税込年収における年間返済額の割合)をチェックされます。

返済負担比率=年間返済額÷税込年収×100

返済負担比率が一定水準を超えると、「これ以上返済を増やすのは厳しい」と判断され、審査に落ちてしまうのです。

では、返済負担比率どこまで上がると審査に落ちやすくなるのでしょう?

また、「年間返済額」には何が含まれるのでしょうか。

元担当者たちに聞いてみました。

金融機関名 返済負担比率が何%だと審査落ち? 「年間返済額」に含める返済
(※4)
B信用組合 30%以上
  • フリーローン、カードローン、キャッシング
  • クレジットカードのキャッシング
  • 住宅ローン、自動車ローン、教育ローンなどの目的別ローン
C信用組合 30%超
  • フリーローン、カードローン、キャッシング
  • クレジットカードのキャッシング
  • 住宅ローン、自動車ローン、教育ローンなどの目的別ローン
  • クレジットカードのショッピング(一括・リボ・分割)
  • 奨学金
D銀行
(ネット銀行)
35%以上
  • フリーローン、カードローン、キャッシング
  • クレジットカードのキャッシング
  • 住宅ローン、自動車ローン、教育ローンなどの目的別ローン
  • 奨学金
E銀行
(ネット銀行)
40%以上
  • フリーローン、カードローン、キャッシング
  • クレジットカードのキャッシング
  • 自動車ローン、教育ローンなどの目的別ローン(住宅ローン除く)
F銀行
(地銀)
40%以上
  • フリーローン、カードローン、キャッシング
  • クレジットカードのキャッシング
  • 住宅ローン、自動車ローン、教育ローンなどの目的別ローン
  • (個人事業主の場合のみ)個人名での事業資金の借入れ
G銀行
(地銀)
35%超
  • フリーローン、カードローン、キャッシング
  • クレジットカードのキャッシング
  • 住宅ローン、自動車ローン、教育ローンなどの目的別ローン
  • クレジットカードのショッピング(一括・リボ・分割)
  • 携帯電話機種の割賦払い
  • 奨学金
H銀行
(地銀)
30%以上
(※5)
  • フリーローン、カードローン、キャッシング(※6)
  • クレジットカードのキャッシング(※6)
  • 住宅ローン、自動車ローン、教育ローンなどの目的別ローン
  • クレジットカードのショッピング(一括・リボ・分割)
  • 携帯電話機種の割賦払い
  • 奨学金
I銀行
(地銀)
25%以上
  • フリーローン、カードローン、キャッシング
  • クレジットカードのキャッシング
  • 住宅ローン、自動車ローン、教育ローンなどの目的別ローン
J銀行
(大手)
50%超
  • カードローン、キャッシング
  • クレジットカードのキャッシング
L銀行
(JA)
  • 住宅ローンなしの場合...35%以上
  • 住宅ローンありの場合...50%以上
  • 農業従事者以外は25~30%以上
  • フリーローン、カードローン、キャッシング
  • クレジットカードのキャッシング
  • 住宅ローン、自動車ローン、教育ローン、農機ローンなどの目的別ローン
  • 携帯電話機種の割賦払い
  • クレジットカードのショッピング

金融機関によって基準は異なりますが、返済負担比率30%~40%がひとつの基準のようですね。

これを超えると審査に落ちる確率が上がります。

また、「年間返済額に含まれるローン等の種類」は、金融機関によって異なるので注意してください。

参考までに多くの金融機関で、

  • フリーローン、カードローン、キャッシング
  • クレジットカードのキャッシング
  • 住宅ローン、自動車ローン、教育ローンなどの目的別ローン

これらのローンは含まれることが多いですね。

また、金融機関によっては、下記の支払いも含まれます。

  • クレジットカードのショッピング(一括・リボ・分割)
  • 携帯電話機種の割賦払い
  • 奨学金

※4
「年間返済額」には、今回申込む予定の教育ローンの返済額も含まれるので注意してください。

※5
税込年収500万円以上、もしくは持ち家の場合、返済負担比率35%~40%でも審査に通る可能性があります。

※6
キャッシングやカードローンについては、基本的に「利用限度額をすべて借入れている前提」で返済額を計算します。しかし、過去3年間で一度も使っていなければ年間返済額には含みません。

カードローン・キャッシングを利用しているだけで審査に落ちる?

カードローン・キャッシングなど、特定のサービスを契約中・利用中なだけで審査に不利になることがあります。

12名の担当者のうち何名かが「ある」という回答でした。

金融機関名 利用中・契約中だと審査に不利になるサービス
A信用組合 消費者金融のカードローン、キャッシング
B信用組合 カードローン、キャッシング
E銀行
(ネット銀行)
  • 大手以外の消費者金融のカードローン、キャッシング
  • クレジットカードのリボ払い
  • その他利用限度額・利用可能枠が設定されているものすべて
F銀行
(地銀)
消費者金融のカードローン、キャッシング
G銀行
(地銀)
  • おまとめローン、借り換えローン
  • その他利用限度額・利用可能枠が設定されているものすべて
H銀行
(地銀)
大手以外の消費者金融のカードローン、キャッシング
I銀行
(地銀)
  • カードローン、キャッシング(2社以上)
  • その他利用限度額・利用可能枠が設定されているものすべて
J銀行
(大手)
消費者金融のカードローン、キャッシング(3社以上)
L銀行
(JA)
  • 住宅ローン(返済期間があと10年以上)
  • その他利用限度額・利用可能枠が設定されているものすべて

B信用組合の元担当者談

カードローンやキャッシングの利用限度額を持っているだけで、一切借入れしていなくても審査に影響します(不利になります)

できるなら、現在利用しているカードローン、キャッシングを完済し、契約を解除してから教育ローンに申込みましょう。

前半はここまでです。

いかがでしたか?

次回(後半)は、収入・職業に関する審査基準について解説していきます。

例)

  • アルバイトだと審査に通らない?
  • 年収◯◯◯万円以上ないと審査通過は難しい
  • 勤続年数は◯年以上ないと審査に落ちる

後半もぜひご覧くださいね!

この記事の続きはこちら(後半をご覧になりたい場合はこちらからどうぞ!)

教育ローンの元審査担当に職業別の審査通過率を教えてもらいました

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