奨学金の返済を最長10年間も延長できる!返還期限猶予制度とは?

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奨学金の返済を延期できる?

「生活が苦しくて奨学金の返済ができない・・・」

「失業して収入がなくなった・・・」

奨学金の返済は長期戦ですから、途中で返済が難しくなることもありますよね。

そんなときに便利なのが、返還期限猶予制度

一言で説明すると、奨学金の返済期限を延ばすことができる制度なんですが、なんと最長1~10年間も返済期限を伸ばすことができるんです!

さらにスゴいのは、返還期限猶予制度はすでに返済を延滞してしまっている方でも利用可能な点!

今まさに奨学金の返済に困っている人のための制度というわけですね。

ということで今回は、返還期限猶予制度の利用条件や申請方法、必要書類について、くわしく解説していきます!

日本学生支援機構の公式ホームページにも説明はありますが、正直わかりにくい・・・

ですから、本記事ではできるだけわかりやすく、中学生でも理解できるようにまとめてみました!

奨学金の返済に苦しんでいる方、すでに返済が遅れてしまっている方は必見の内容です。

※返還期限猶予制度には、「一般猶予」と「猶予年限特例又は所得連動返還型無利子奨学金の返還猶予」の2種類がありますが、今回は「一般猶予」について解説しています。

この記事の編集者情報

  • 田中 靖子私が編集者です!

    編集・ライター歴20年。読み手にわかりやすく、正確・誠実に情報を伝えることをモットーにしています。ファイグーでは読み手が求める情報をいかに適切に把握し、発信できるかを日々模索中。ささやかでも生活に役立つヒントをお届けできたら幸いです!現在は保育士とのダブルワーク中。高校球児の母。朝5時起きで白飯大盛弁当づくりが日課です。

奨学金の返済期限を延期できる!返還期限猶予制度とは?

返還期限猶予制度は、奨学金の返済が難しい方向けの救済制度です。

一旦審査に通れば、1年間は返済期限が延期されます(猶予されます)。

最長で何年延期できる?

継続して猶予を希望する場合は、1年毎に申請が必要です。

毎年申請して審査に通れば、最長で10年間 返済期限が延期されます(※1)

ただし、延期すると完済までの期間も延びてしまうので、その点はご注意ください。

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※1
「返済が難しい理由」によっては、10年以上の延期も可能です。たとえば、病気やケガで働けない場合、生活保護を受けている場合は、10年以上返済を延期することもできます(毎年申請を行い、審査に通ることが前提)。

返済総額は増える?

猶予期間中は、利息・延滞金・保証料等が増えることはありません。

つまり、当初の返済総額と変わらないので、安心して利用できますね。

返還期限猶予制度を利用できるのはどんな人?

返還期限猶予制度を利用できるのは、下記の条件にあてはまる人です。

返済が難しい理由 詳しい状況 収入の条件
(※4)
給与所得者
(税込年収)
給与所得者以外
(必要経費等控除後の年間所得)
経済困難 働いていない、もしくは収入が低い 300万円以下
(※5)
200万円以下
(※5)
傷病
(無職)
病気やケガのため無職になった
傷病
(就労中)
病気やケガをしており、働いているが低収入 200万円以下
(※6)
130万円以下
(※6)
傷病
(休職中)
病気やケガのため、休職中 200万円以下
(※6)
130万円以下
(※6)
生活保護受給中 生活保護受給中
失業中 失業中で、失業した月の翌月から半年以内に猶予を開始する(希望する)
(※2)
新卒等 平成28年(2016年)12月以降に卒業・退学し、卒業・退学の翌年6月までに申請する
(※3)
300万円以下
(※5)
200万円以下
(※5)
産前休業・産後休業・育児休業 産前休業・産後休業・育児休業により低収入、もしくは無収入 300万円以下 200万円以下
災害
(1年以内)
災害から1年以内に猶予を開始する(希望する)場合
災害
(1年超)
災害から1年経過後に猶予を開始する(希望する)場合 300万円以下
(※5)
200万円以下
(※5)

たとえば、給与所得者で税込年収が300万円以下なら、猶予の対象となります。

このほか、

  • 入学準備中(大学・大学院への入学準備中)
  • 海外居住(海外に住んでいて収入が低い)
  • 今年海外から帰国(元旦の時点で国内に住民票がない)
  • 外国の学校へ留学中

といった理由で申請できることもありますので、詳しくは下記を参考にしてください。

独立行政法人 日本学生支援機構「一般猶予」
http://www.jasso.go.jp/shogakukin/henkan_konnan/yuyo/ippan/index.html

※2
次回の返済期日からみて、7ヶ月以上前に失業している場合は「経済困難」か「新卒等」で申請してください。

※3
卒業・退学の翌年7月以降に申請する場合は「経済困難」で申請してください。

※4
収入の見方がわからない場合は、下記を参考にしてください。
独立行政法人 日本学生支援機構「収入・所得を確認する際の注意点」
http://www.jasso.go.jp/shogakukin/henkan_konnan/yuyo/shotoku_chui.html

※5
被扶養者がいる場合などは、決められた金額が控除されます。
例)
・被扶養者がいる場合・・・1人につき38万円の控除
・親(収入が一定以下)の生活費を援助している場合・・・実費を控除(1世帯につき最大38万円)
・本人が病気やケガをしており、治療期間が半年以上の場合・・・医療費の実費を控除(最大月8万円、年間96万円)
・被扶養者が病気やケガをしており、治療期間が2週間以上の場合・・・医療費の実費を控除(最大で月8万円、年間96万円)
・災害に遭った場合・・・本人が支払った災害にかかわる支出(家の修理費、車の購入費、生活用品の購入費など)の実費を控除
詳しくは下記を参考にしてください。
独立行政法人 日本学生支援機構「収入基準を超える場合に認められる控除」
http://www.jasso.go.jp/shogakukin/henkan_konnan/yuyo/ippan/keikon/koujo/index.html

※6
「傷病」の「収入の条件」を超えてしまうが、「経済困難」の「収入の条件」を満たす場合は後者を理由にして申請可能です。

返還期限猶予制度の申請方法は?

必要書類をそろえて、下記の住所に郵送してください。

〒162-8412
東京都新宿区市谷本村町10-7
独立行政法人日本学生支援機構 返還部 返還猶予課

必要な書類

申請には下記の書類が必要です。

  • 返還期限猶予願&チェックシート
  • 返済困難な状況を示す証明書

返還期限猶予願&チェックシート

返還期限猶予願&チェックシートは日本学生支援機構のホームページからダウンロードできます。

独立行政法人 日本学生支援機構「返還期限猶予」
http://www.jasso.go.jp/shogakukin/henkan/todokede/yuyo.html

同じページにある「猶予願 記入例」も参考にしてみてくださいね。

また、下記では、猶予願記入時の注意点について紹介されています。

独立行政法人 日本学生支援機構「奨学金返還期限猶予願の記入」
http://www.jasso.go.jp/shogakukin/henkan_konnan/yuyo/yuyonegai.html

なにを記入するの?

猶予願には、名前、住所、電話番号、勤務先などの個人情報に加え、希望猶予期間、返済が難しい事情、今後の見通しなどを記入します。

ここで、実際に返還期限猶予制度を申請した数名の方にインタビューし、猶予願にどのようなことを記入したのか聞いてみました。

利用者Aさん談

「収入が少なく、返済にまわす余裕がありません」というようなことを記入したと思います。

利用者Bさん談

失業中で収入がないこと、毎月の収支、就職活動の状況などを記入しましたね。

利用者Cさん談

「妊娠、出産、子育て中で無職のため収入がありません」というようなことを書いたと思います。

利用者Dさん談

「自律神経失調症のため、休養が必要だと医師から言われており、じゅうぶんに働けません。年収が90万円程度で生活が苦しいです。誠に申し訳ありませんが、返還の猶予をご検討願います」と記載しました。

「返済困難な状況を示す証明書」とは?

「返済困難な状況を示す証明書」は、その理由によって異なります。

主なものを表にまとめてみました。

返済が難しい理由 返済困難な状況を示す証明書
経済困難
  • 住民税非課税証明書(原本)
  • 所得証明書(原本)
  • 市・県民税(所得・課税)証明書(原本)・・・収入もしくは所得が記載されているもの
傷病(無職) 診断書(原本)・・・2ヵ月以内に発行されたもの。仕事をするのが難しい旨、治療開始時期、発症時期の記載があるもの
傷病(就労中) 診断書(原本)
「経済困難」の証明書、もしくは「新卒等」の証明書
傷病(休職中) 診断書(原本)
「経済困難」の証明書、もしくは「新卒等」の証明書
休職証明書(原本)
生活保護受給中
  • 生活保護受給証明書(原本)・・・2ヶ月以内に発行されたもの
  • 民生委員の証明書(原本)・・・2ヶ月以内に発行されたもの
失業中
  • 雇用保険受給資格者証(コピー)・・・求職活動記録を含む
  • 雇用保険被保険者離職票(コピー)
  • 失業者退職手当受給資格証(コピー)
  • 雇用保険被保険者資格喪失確認通知書(コピー)・・・離職したこと、離職した日付が確認できるもの
新卒等
  • 国民健康保険以外の健康保険証の被扶養者欄(コピー)
  • 給与明細(コピー)か給与明細書(原本)・・・勤務先、氏名、金額、支給時期について明記されているもの。直近の連続3ヶ月分が必要
  • 収入がわかる帳簿(コピー)・・・社名が記載されており、会計の規則にのっとったもの。直近の連続3ヶ月分が必要
  • 求職活動中もしくは無職の証明書(原本)・・・卒業(退学)した学校の教員が3ヶ月以内に発行したもの。発行日、職名、署名、押印があるもの
産前休業・産後休業・育児休業 「経済困難」の証明書、もしくは「新卒等」の証明書
休業証明書(原本)
災害(1年以内) 罹災証明書(原本)
災害(1年超) 「経済困難」の証明書、もしくは「新卒等」の証明書
罹災証明書(原本)・・・家などの不動産に損害があったことがわかるもの

複数ある場合は、いずれかを提出すればOKです。

ただし、『』ではじまるものは両方必要になりますので、注意してくださいね。

例)
「産前休業・産後休業・育児休業」を理由に申請する場合は、下記の両方が必要です。

  • 「経済困難」の証明書、もしくは「新卒等」の証明書
  • 休業証明書(原本)

「経済困難」で猶予開始(希望)月が4月から9月の場合は追加の書類が必要!

「経済困難」を理由に申請する場合、猶予開始(希望)月が4月~9月だと、追加で別の書類が必要になります。

タイプ 猶予開始(希望)月が4月~9月の場合 必要な書類
(複数ある場合はいずれかでOK)
給与所得者の場合
  • 源泉徴収票(コピー)・・・前年のもの。退職日付があるものはNG、年末調整が済んでいないものはNG、乙欄に「*」「◯」等があるものはNG
  • 給与明細(コピー)か給与明細書(原本)・・・勤務先、氏名、金額、支給時期について明記されているもの。直近の連続3ヶ月分が必要
  • 確定申告書(第一表)の控え(コピー)・・・前年のもの。税務署で受付済のもの
  • 都道府県住民税申告書の控え(コピー)・・・前年のもの。税務署で受付済のもの
給与所得者以外の場合
  • 確定申告書(第一表)の控え(コピー)・・・前年のもの。税務署で受付済のもの
  • 都道府県住民税申告書の控え(コピー)・・・前年のもの。税務署で受付済のもの
無職の場合
  • 国民健康保険以外の保険証の被扶養者欄(コピー)
  • ハローワークカード(コピー)・・・4ヵ月以内に発行されたもの
  • 求職中であることがわかる書類(コピー)・・・4ヵ月以内に発行されたもの
  • 求職活動中もしくは無職であることがわかる証明書(原本)・・・民生委員が2ヵ月以内に発行したもの

ただし、今年度の「住民税非課税証明書」「所得証明書」「市・県民税(所得・課税)証明書」がすでに発行されている場合、上記の書類は不要です。

「新卒等」で1月から6月に申請する場合、追加の書類が必要!

「新卒等」を理由に申請する場合、1月から6月に申請するなら、下記のうちいずれかが必要になります。

  • 源泉徴収票(コピー)・・・前年のもの。退職日付があるものはNG、年末調整が済んでいないものはNG、乙欄に『*』『◯』等があるものはNG
  • 確定申告書(第一表)の控え(コピー)・・・前年のもの。税務署で受付済のもの
  • 都道府県住民税申告書の控え(コピー)・・・前年のもの。税務署で受付済のもの

収入が基準を超えていると別の書類が必要!

直近の「住民税非課税証明書」「所得証明書」「市・県民税(所得・課税)証明書」に記載された収入が、下記の基準以下だった場合は、追加の書類が必要になります。

  • 給与所得者・・・税込年収300万円以下(「傷病」を理由とする場合は200万円以下)
  • 給与所得者以外・・・必要経費等控除後の年間所得が200万円以下(「傷病」を理由とする場合は130万円以下)

この場合、追加書類の種類はケースごとに異なるので、詳しくは下記のページを参考にしてくださいね。

ケース 必要な書類についての解説ページ
今年の年収(予測)が基準以下になってしまう http://www.jasso.go.jp/shogakukin/henkan_konnan/yuyo/ippan/keikon/genshu/gensyu.html
休職中のため、今年の年収(予測)が基準以下になってしまう http://www.jasso.go.jp/shogakukin/henkan_konnan/yuyo/ippan/keikon/genshu/kyushoku.html
「次回返済期日の7ヶ月以上前」に失業していて、今も失業中 http://www.jasso.go.jp/shogakukin/henkan_konnan/yuyo/ippan/keikon/genshu/shitsugyo.html
被扶養者がいる
(※7)
http://www.jasso.go.jp/shogakukin/henkan_konnan/yuyo/ippan/keikon/koujo/fuyou.html
親(収入が一定以下)の生活費を援助している
(※7)
http://www.jasso.go.jp/shogakukin/henkan_konnan/yuyo/ippan/keikon/koujo/oya.html
本人が病気やケガをしており、治療期間が半年以上
(※7)
http://www.jasso.go.jp/shogakukin/henkan_konnan/yuyo/ippan/keikon/koujo/iryouhi.html
被扶養者が病気やケガをしており、治療期間が2週間以上
(※7)
http://www.jasso.go.jp/shogakukin/henkan_konnan/yuyo/ippan/keikon/koujo/iryouhihojo.html
災害に遭ったため、自宅や車などに関して支出があった
(※8)
http://www.jasso.go.jp/shogakukin/henkan_konnan/yuyo/ippan/keikon/koujo/saigai.html

※7
申請理由が、「傷病」「産前休業・産後休業および育児休業」の場合、被扶養者控除などの控除が適用されないので注意してください。

※8
「災害」を理由に申請する場合のみです。

実際は別の書類でOKになることもある?

実際に返還期限猶予を申請したことのある方々に、どういった書類を提出したのか聞いてみました。

利用者 返還が難しい理由 返済困難な状況を示す証明書
Aさん 経済困難(税込年収150万円) 源泉徴収票
Cさん 経済困難(所得0円) 所得証明書
Dさん 傷病(就労中) 診断書、給与明細書3ヶ月分

さきほど紹介した一覧にあるものとは別の書類を提出しているケースもあるのですね。

「どの書類なら認められるか」相談したい場合は、一度日本学生支援機構に問い合わせて確認してみましょう。

いつ申請すればいいの?

猶予開始(希望)月の3ヶ月前から前々月末までに申請しましょう。

たとえば1月からの返還猶予を希望する場合は、10月~11月末までに申請しなければなりません。

申請後の流れは?

必要書類をそろえて申請(郵送)したあとは、審査が行われます。

審査で無事承認されたら、本人と連帯保証人に「奨学金返還期限猶予承認通知」が到着です。

すでに延滞している場合でも返還期限猶予制度を申請できる!

すでに延滞している場合でも、返還期限猶予制度の申請は可能です。

この場合、下記3つのパターンに分かれます。

延滞期間中の「返済困難な状況を示す証明書」がすべて残っている

この場合は、通常通りの流れで申請可能です。

ただし、すでに何年か延滞している場合は、1年ごとの「奨学金返還期限猶予願」と「返済困難な状況を示す証明書」を提出する必要があります。

たとえば、2015年8月から2018年7月の分を申請する場合は、下記の書類が必要です。

奨学金返還期限猶予願 返済困難な状況を示す証明書
(「経済困難」で申請する場合)
1枚目:2015年8月~2016年7月分 平成28年度の所得証明書等が必要
2枚目:2016年8月~2017年7月分 平成29年度の所得証明書等が必要
3枚目:2017年8月~2018年7月分 平成29年度の所得証明書等が必要

さらにくわしく知りたい場合は、下記を参考にしてください。

独立行政法人 日本学生支援機構「一般猶予で申請」
http://www.jasso.go.jp/shogakukin/henkan_konnan/yuyo/ippan/kanendo/ippan.html

延滞期間中の「返済困難な状況を示す証明書」のうち、一部しか残っていない

この場合、「返済困難な状況を示す証明書」がない期間の分、従来とおり先に返済しなければなりません。

そのうえで、「返済困難な状況を示す証明書」がある期間について、返還期限猶予を申請します。

延滞期間中の「返済困難な状況を示す証明書」は残っていないが、返済は難しい

この場合、特定の条件にあてはまっていれば、延滞据置猶予で申請可能です。

延滞据置猶予を申請して承認されれば、1年間は返済期限が延期されます。

また、過去の延滞分・延滞金も据え置きとなるので、1年間は請求されることがありません。

最長で何年間延期できる?

1年ごとに申請し、承認されれば、最長10年間返済期限を延期できます。

猶予期間終了後は、通常の返済に加え、延滞分と延滞金を返済していかなければなりません(一括でも分割でも可能)。

利用できるのはどんな人?

下記の条件にあてはまる方は、延滞据置猶予で申請可能です。

  • すでに奨学金を延滞していて、現在も返済が難しい
  • 延滞期間中の「返済困難な状況を示す証明書」を提出することができない

「現在も返済が難しい」については、下記のうちいずれかにあてはまる方が対象です。

返済が難しい理由 詳しい状況 収入の条件
(※4)
給与所得者
(税込年収)
給与所得者以外
(必要経費等控除後の年間所得)
経済困難 働いていない、もしくは収入が低い 200万円以下
(※5)
130万円以下
(※5)
傷病
(無職)
病気やケガのため無職になった
傷病
(就労中)
病気やケガをしており、働いているが低収入 200万円以下 130万円以下
傷病
(休職中)
病気やケガのため、休職中 200万円以下 130万円以下
生活保護受給中 生活保護受給中
産前休業・産後休業・育児休業 産前休業・産後休業・育児休業により低収入、もしくは無収入 200万円以下 130万円以下
災害
(1年以内)
災害から1年以内に猶予を開始する(希望する)場合
災害
(1年超)
災害から1年経過後に猶予を開始する(希望する)場合 200万円以下
(※5)
130万円以下
(※5)

申請方法は?

必要書類を用意して郵送しましょう。

〒162-8412 東京都新宿区市谷本村町10-7
独立行政法人日本学生支援機構 返還部 返還猶予課

延滞据置猶予を申請する場合の必要書類は、下記の2つです。

  • 猶予願(延滞据置)&チェックシート
  • 返済困難な状況を示す証明書

猶予願(延滞据置)&チェックシートは、日本学生支援機構のホームページからダウンロードできます。

独立行政法人 日本学生支援機構「返還期限猶予」
http://www.jasso.go.jp/shogakukin/henkan/todokede/yuyo.html#1-3

記入例も参考にしてみてくださいね。

また、「返済困難な状況を示す証明書」は、通常通り申請する場合とほぼ同じですが、わずかな違いがあります。

詳しくは公式ページを確認してください。

返済が難しい理由 返済困難な状況を示す証明書の解説ページ
経済困難 http://www.jasso.go.jp/shogakukin/henkan_konnan/yuyo/ippan/kanendo/entaisueoki/keikon.html
傷病(無職・就労中・休職中) http://www.jasso.go.jp/shogakukin/henkan_konnan/yuyo/ippan/kanendo/entaisueoki/shoubyou.html
生活保護受給中 http://www.jasso.go.jp/shogakukin/henkan_konnan/yuyo/ippan/kanendo/entaisueoki/seikatsuhogo.html
産前休業・産後休業・育児休業 http://www.jasso.go.jp/shogakukin/henkan_konnan/yuyo/ippan/kanendo/entaisueoki/sankyu.html
災害(1年以内・1年超) http://www.jasso.go.jp/shogakukin/henkan_konnan/yuyo/ippan/kanendo/entaisueoki/saigai.html

返還期限猶予制度を利用する際に気をつけたいことは?

返還期限猶予制度を利用するうえでの注意点を説明します。

完済までの期間が延びる

猶予期間が長引くほど、完済までの期間も延びます。

10年間返済期限を延期した場合、少なくとも10年以上は完済時期が延びるわけです。

少しでも余裕があるなら、減額返還制度に切り替えるようにしましょう。

減額返還制度は、返済額を2分の1~3分の1に減額する制度です。

減額返還制度については、下記の記事で詳しく説明していますので、あわせて読んでみてください。

猶予が承認されるまで督促は止まらない

返還期限猶予の審査には、1~2ヶ月程度かかることもあります。

正式に猶予が承認されるまで、毎月の引き落としは止まりません。

また、すでに延滞している場合は、督促も止まらないので、注意してください。

奨学金滞納時の督促については、下記で解説していますので、気になる方はチェックしてくださいね。

途中で止めることも変更することもできる!

返還期限猶予の申請・承認後でも、次のような変更は可能です。

  • 返還期限猶予から減額返還へ変更
  • 通常通りの返済を再開する(猶予期間の短縮)
  • 繰上げ返済をする(全額一括返済、一部返済いずれも可能)

独立行政法人 日本学生支援機構「猶予適用期間中の変更」
http://www.jasso.go.jp/shogakukin/henkan_konnan/yuyo/henkou.html

まとめ

最後に、返還期限猶予制度のポイントをまとめましょう。

返還期限猶予制度とは?

  • 返済自体が難しい場合、1年間 返済期限を延ばすことができる
  • 1年毎に申請が必要で、承認されれば最長10年間返済猶予となる
  • 猶予期間中は、利息・延滞金・保証料等が増えることはない
  • 猶予期間の分だけ完済までの期間が延びる

利用できるのはどんな人?

  • 経済困難、傷病、失業、産休、災害などの理由により返済自体が難しい人
    • たとえば「経済困難」の場合、税込年収300万円以下の人が対象となる(給与所得でない場合は、必要経費等控除後の年間所得が200万円以下の人が対象)

申請方法は?

  • 必要書類をそろえて、所定の住所に送付する
  • 必要書類とは?
    • 返還期限猶予願&チェックシート
    • 返済困難な状況を示す証明書
  • 猶予開始(希望)月の3ヶ月前から前々月末までに申請すること
  • 審査には1ヵ月~2ヵ月かかる(この間、口座引き落としや督促は止まらない)

すでに延滞している場合も利用できる?

  • すでに延滞している場合でも、返還期限猶予制度の申請は可能
  • 延滞期間中の「返済困難な状況を示す証明書」が残っている場合は、通常通りの流れで申請可能(複数年延滞している場合は、1年ごとの「奨学金返還期限猶予願」と「返済困難な状況を示す証明書」が必要)
    • 延滞期間のうち、一部「返済困難な状況を示す証明書」がない期間に関しては、その分を先に返済しなければならない
  • 延滞期間中の「返済困難な状況を示す証明書」は残っていないが、現状返済が難しい場合、「延滞据置猶予」で申請可能
    • 延滞据置猶予を申請して承認されれば、1年間は返済期限が延期される(すでに延滞している分・延滞金の返済も据え置きとなる)
    • 1年ごとに申請し、承認されれば、最長10年間返済期限を延期できる

事情により奨学金の返済自体 難しい場合は、できるだけはやく返還期限猶予の申請をしましょう。

猶予期間中は、新たに利息・延滞金などが増えることはありませんので、安心して状況を立て直すことができます。

少額でも返済が可能になったら、通常通りの返済に戻すか、減額返還制度の利用を検討してくださいね。

ふふっ、奨学金の返還猶予が認められたぜ!

でも、猶予された年数分だけ、完済日は先になるよ

大丈夫!数年後には社長になってボロもうけするからさ

とらぬタヌキの何とやら...

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