【悪徳金融相談】その手口とその撃退法

最近はマスコミ報道で大きく取り上げられることはあまりありませんが、悪徳金融業者の被害は後を絶ちません。

マスコミ報道の扱いが小さくなったのは、暴力による取り立てが減少し、目に見える形での被害が少なくなっているからです。

しかし、一方で悪徳金融業者の手口は巧妙化し、一般的なサラリーマンや主婦までがターゲットとなっています。(証拠が残らないような、巧妙な手口での被害も出てきています。)

そこで今回は、昔からある悪徳金融の手口+最新の手口について解説し、泣き寝入りしないための対策法について紹介して行きたいと思います。

夕刊紙に広告を出す悪徳金融業者

かつて大きな社会問題になったときの悪徳金融の主な特徴といえば・・・

・ 「トイチ」の利子
(10日で1割の利子。貸金業法や出資法の上限金利を遥かに超えている。複利計算をすると、返済方法によっては年率10万%を超える法外な利子)

・ 暴力的な取り立て
現在もこのような業者は存在するのでしょうか?

暴力的な取り立ては即座に暴行傷害や脅迫罪、恐喝罪などが適用されるため、証拠に残るところで行われることはほとんどなくなりましたが、「トイチ」の利子は生き残っています。今でも「トイチ」業者の広告はサラリーマンが読むような夕刊紙に広告を出しているのです。

駅の売店などで夕刊紙を購入してみてください。楯1センチ、横3センチほどに区切られた広告枠の中に業者の名前がズラリと並んだページが存在しますよね。この業者の中で都(1)という免許番号が書かれていたら、その業者は悪徳金融の可能性があります。(もちろん全てがそうだというわけではありません。)

都(1)というのは東京都知事免許の貸金業者免許番号で、(1)が意味するのは、免許を取得してから一度も更新していない、この3年のうちに登録された貸金業者だということです。

試しに「電話のみで振込可」となっている業者に電話を入れてみます。
すると、名前と生年月日、職業を聞かれた上で、
「一度、ご来店なさってもらいませんか?」の返事。

すでにこの時点で、広告の内容と違います。
それもそのはず、日本で賃貸借契約をする場合、直筆での署名と捺印が必要になるからです。

店舗に行くと、クレジットカードの買い物枠がいくら残っているかをまず聞かれ、30万円分の買い物枠が残っていることを告げると、

「まずは、この時計店に行って30万円弱のブランド高級時計を買ってきてくれますか?」と指示されます。

売価の半額、15万円程度で買い取るというのです。

つまり、最初にクレジットカードの現金化の手口を使ってくるのですが、「それだけでは足りない」といった時点から悪徳金融の手法に切り替わります。

「いくら足りないんですか?」
「あと10万円ほど・・・」

と答えると、「仕方がないなあ」と書類を出してきて、「じゃあ、これにサインして、一週間後の次の給料日までに返済するって約束してください」とサインを強要します。

その書類を良く読むと「○年○月○日に金拾弐万円を賃借いたしました。この金拾弐万円は○年○月○日までに返済いたします」と書いてあります。書類上は金利0%で金銭の賃借をしたことになり、これは法的にも有効な文書になるのです。

業者側は買い取った高級時計で10万円以上の利益を上げることを確定させているので、ノーリスクで金銭を巻き上げる合法的な契約を締結したことになります。

もしも返済日に10万円が用意できないとなると、金利分として2万円だけは返済するように告げられます。そして、翌月までに10万円を一括返済する新たな賃貸借契約書を結ぶように強制されるのです。

こうやって、毎月同一の人物から2万円ずつ巻き上げていくわけです。こういった「顧客」を数百人集めれば、全くリスクを取ることのない極めて効率的な違法稼業が成り立ってしまうのです。ちなみに、この場合は月利が20%ですが年利に直すと240%です。

複数の借金に苦しむ人をターゲットにする「貸します詐欺」

最近は一般のサラリーマンや主婦をターゲットにした悪徳金融が登場していますが、相変わらず複数の借金に苦しむ人に狙いを定めている業者もあります。

複数の借金に苦しんでいるような人は、新たな借入先を探すため様々な金融業者に連絡を入れます。その際、個人情報が抜き取られ、名簿が悪徳金融業界に流れてしまいます。(名簿を作成するだけでもお金を稼げるので、名簿を作るためだけに広告を出している業者もあるとのこと)

一旦、悪徳金融業界に個人情報が流れてしまうと、怪しいダイレクトメールが次々と郵送されてくることになります。また、自己破産者は官報に住所と名前が掲載されるので、その情報を元にダイレクトメールが作成されます。

郵送されてくるダイレクトメールの内容は、「あなたは弊社の審査に通りました。100万円までご融資可能です。」といったようなもの。

「少しでもいいから融資してもらいたい」と考える人は、その業者と連絡をとってしまいます。そして「もう少し審査が必要なことになってしまいました。保証会社の保証が得られれば審査も通りやすくなりますよ」と、1万円ほどの審査料金あるいは保証料金を請求されます。

結局、「審査には通りませんでした」の一言で片付けられて、審査料金(保証料金)がだまし取られます。被害額が少額なので警察に駆け込む人もほとんどいないそうです。悪徳金融の一部は詐欺犯罪として形を変えて残ることになってしまっています。

悪徳金融業者内の個人貸し

さらに、悪徳金融のひとつの形として摘発が相次いだ「090金融」も復活しています。

「090金融」とは、携帯電話の番号だけを連絡先として、事務所を持たない悪徳金融業者。どこに存在するのかを判別するのが難しいため、摘発に時間を要しましたが、電柱などに貼られている広告に警察が連絡を入れ、業者が現れたところを摘発するというような形で撲滅されたかに見えました。

しかし、悪徳金融業者の内部で働いている人物が、店舗に連絡を入れてくる人に個人的に連絡を入れ、個人業者として090金融業を開始しているのです。これは警察当局が広告をチェックすることも出来ないので、摘発が難しいのだそうです。

ただ、このやり方はある意味裏切り行為。悪徳金融業者の中では、重大な掟破りの手法なので、仲間に知られないためにも派手な営業ができず、大きな被害が出ていないことが救いですが...。

録音して悪徳金融対策法で告訴すれば一発逮捕

以上のような手口が理解できたのなら、似たような気配の業者には一切近づかないのが賢明です。

もしも悪徳金融業者に引っかかってしまうようなことがあったのなら、電話などで相手にやり口や回収の方法を語らせて、それを録音することです。書類上で証拠を残すようなことはよほど間抜けな業者でなければやってきません。

ただし、店頭で録音機器を隠し持って、証拠を押さえようなどとは考えないこと。悪徳金融業者はウラに暴力団の下部組織か、暴力団が必ず付いています。もし見つかった場合には、何をされるかわかりません。

電話で録音が取れた場合は、それを持って警察に行くことです。

場合によっては警察が即座に動いてくれるので、悪徳金融の被害に遭っている人は苦しい立場から解放されることになります。

「悪徳金融への対策法が成立しました」金融庁
http://www.fsa.go.jp/ordinary/yamikin/index.html

また、悪徳金融に関しては、『違法金融業者の特徴と見分け方』でも特集しています。あわせて読んでみてください。

【この記事の筆者】
針野 信司(仮名)
1963年生まれ。
大学在学中よりフリーランスで「週刊プレイボーイ」「月刊プレイボーイ」「BART」「SOHOコンピューティング」「マネージャパン」「ネットマネー」「WebStrategy」などの雑誌に寄稿。著書に「モノの原価がわかる本」「【お金】最強の法則」(青春出版社、共著)、書籍プロデュースに「極道ワルヂエ教科書」(廉価版コミック、徳間書店刊)ほか。1998年から2000年まで日本全土を揺るがした経済事件捜査の発端となる会社の取締役を務めていた経歴もあり(事件とは直接関係なし)。

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