更新日:2018/09/06
違法金融業者にハマる人のお決まりパターンと騙されやすい人の特徴
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評価を設定してください ×キャッシングやクレジットカードでお金を借りすぎてしまい、もうどこも貸してくれない...
そんなとき、あなたに甘い言葉をささやくのが違法金融業者です。
返済日が迫っているのに、お金がないと、そんな違法業者の言葉が天使の言葉に聞こえてしまうかもしれません。
でも、ちょっと待って下さい!
違法業者は絶対に利用してはいけませんよ!
彼らはお金を「貸している」のではなく、騙し取っているだけです。
貸金業者というより、ただの詐欺ですね。
一度でも手を出してしまったら、彼らもプロ。
しぼれるだけしぼってくるでしょう。
では、違法業者からお金を借りると、具体的にどんな目に遭っているのでしょうか?
今回は、ある消費者金融の元社員に違法業者の実態についてうかがいました。
「自分はそんなところから借りるはずない」と思っている人も、まず読んでみてください。
今回インタビューにご協力いただいたのは...
名前:新見 聡(仮名)
性別:男性
勤めていた金融機関:中堅消費者金融E社
勤めていた期間:2008年~2013年頃
仕事内容:窓口業務、債権回収業務、貸付け相談
- 目次
- 元社員が語る!違法業者の実態
- 法外な金利と嫌がらせが基本!自宅に救急車を呼ばれることも...?
- なぜ違法業者に手を出してしまうのか?
- だまされやすいのはこんなタイプ
- 違法業者の利用経験を正規の業者に知られると どうなる?
- 人の弱みにつけこむ悪徳弁護士の存在
- インタビューを終えて
元社員が語る!違法業者の実態
今回、お話をうかがったのは、中堅の消費者金融E社に勤めていたという新見聡さん(仮名)。
前回の新見さんへのインタビューでは中堅消費者金融の審査についてお話をうかがいました。
このインタビューのなかで新見さんがたびたび話題にしていたのが、違法金融業者のこと。
違法金融業者とは、その名の通り違法な手法でお金を貸す業者のことです。
金融庁に届け出をせず、勝手に貸金業を営んでいます。
法外な金利でお金を貸付け、お客さんを追い込むことで一時は社会問題にもなりました。
もちろん、新見さんが勤めていた消費者金融は、違法業者ではなく正規の業者です。
しかし、お金を借りにくるお客さんのなかには、違法業者の利用者がたくさんいたそうです。
しかも、そのほとんどが「違法業者とは知らずに利用していた」とのこと。
今回は、プロの目から見た違法業者の実態を紹介したいと思います。
法外な金利と嫌がらせが基本!自宅に救急車を呼ばれることも...?
― 新見さんがお勤めだった消費者金融はどのような会社ですか?
中堅の消費者金融です。
もちろん違法業者ではありません。
金融庁に登録しているれっきとした金融機関です。
でも、ウチにお金を借りにくるお客さんは、すでに消費者金融2~3社以上で借入れがあるような人が多かったのですが、なかには違法業者に手を出している人もいたんです。
そのような人たちの相談に乗ることも多かったので、その手口や恐ろしさはイヤというほど知っています。
― 違法業者はどんなところがコワいのでしょうか?
違法業者には主に2つの特徴があります。
まず、法外な金利で貸付けを行うこと。
貸金業者がお金を貸すときの金利は、「最大でも年率20%以下にしなければならない」と法律で決められていますが、違法業者はそれをはるかに超える金利でお金を貸し付けます。
年率100%以上は普通です。
なかには1,000%以上の暴利をむさぼる業者もあります。
人間 せっぱつまっていると、金利のことなんて気にせず借りてしまうのですね。
「他はどこも貸してくれないし、すぐにお金が必要だから借りてしまおう」と考えてしまうようです。
また、違法業者からお金を借りて返せなくなると、「取り立て」と称してひどい嫌がらせをされます。
救急車を呼ばれたり、大量の出前を注文されたり、突然墓石が届いたりすることもあるようです。
また、怒鳴られたり、脅迫されることもあります。
こうした取り立てに耐えられなくなってしまう人も多いですね。
なぜ違法業者に手を出してしまうのか?
― お客さんたちは、どんなきっかけで違法業者を利用したのでしょうか?
返済に困って手を出す人が多いですね。
こういう人にはお決まりのパターンがあります。
複数のクレジットカードのキャッシング枠で借金
↓
その返済のため、複数の大手消費者金融で借金
↓
それらの返済のために、複数の中堅消費者金融から借金
ここまではすべて 正規の業者から借りているので問題ありません。
問題はこのあとです。
まともなところからお金を借りられなくなると、違法業者の誘い文句に惹かれて、つい手を出してしまうのです。
― 違法業者をどうやって見つけるのですか?
違法業者は正規業者と同じように、インターネット上でホームページや広告を出しています。
名前も「○○クレジット」「△△キャッシング」などそれらしい名前なので、違法業者かどうか見わけがつきません。
こうして気づかないうちに違法業者へ申込んでしまうのです。
なかには、金融庁に問い合わせて「正規の業者かどうか」確認する人もいるかもしれませんが、そこまでする人はまれでしょう。
― 借りるときは違法業者の店舗に行くのですか?
街金のように店舗を構えているところもありますが、最近は少ないですね。
インターネットと電話だけでやりとりするところがほとんどです。店舗は持っていません。
この場合、貸付けも返済もすべて振込みでおこなわれます。
違法業者の人間に直接会うことはほとんどありません。
― お客さんは何件の違法業者を利用していることが多いですか?
10~20件くらい利用していた人もいましたね。
一度、違法業者から借りると、そこから他の業者に個人情報が漏れるので、漏れた先から勧誘され、どんどん借金が増えてしまうようです。
怖いですよね。
だまされやすいのはこんなタイプ
― 違法業者で借りてしまうのはどんなタイプですか?
普通の人が多いですが、なかには大企業のお偉いさんや、市役所の職員、市議会議員なんかもいました。
見た目ではわかりません。
ただ、性格によって違法業者にだまされやすいタイプがあるように思いましたね。
タイプ1:相手を信じこんでしまう人
― 違法業者にハマってしまうのは、どんなタイプが多いのですか?
もっとも多いのは、相手を信じこんでしまう人ですね。
「お金が借りられる!」と思って、相手の言うことを無防備に信じてしまうのです。
事例をあげてみましょう。
「50万円融資可能」の文句に誘われ、違法業者に連絡したAさん。
借入れを申込んだところ承諾されましたが、Aさんの口座に振込まれたのは たった5,000円。
担当者は、「1週間後に2万円を返してください。そうしたら実績ができるので50万円の融資ができます」と言ってきました。
Aさんは、言われたとおり1週間後に2万円を返済しましたが、業者が振込んできたのはまたも5,000円のみ。
業者は、「実績が足りないので、1週間後に2万円返済してください」と再び要求してきました。
こんなことが5回も繰り返され、結局Aさんは2万5000万円を借りるために合計10万円も支払ってしまいました。
もちろん業者が50万円融資を行うことはありませんでした。
これは、高額融資をちらつかせてお金を騙し取る詐欺ですね。
Aさんのように、だまされていることに気づかず何度もお金を支払ってしまうケースは少なくありません。
「ウマい話には裏がある」ということを忘れないでください。
タイプ2:良い人
― 他にはどんなタイプの人が多いですか?
良い人、義理堅い人です。
最近の違法業者は、対応が親切・丁寧なことも特徴です。
そういう業者と関係を作ってしまうと、人が良いお客さんは「裏切るのは悪い」と思って、手を切れなくなってしまいます。
裏切られているのは自分なんですがね...。
これも事例をあげてみましょう。
10件の違法業者からお金を借りてしまったBさん。
返せる見込みもないので、仕方なく警察に相談に行くことにしました。
ところが、警察に説明したのは10件のうち9件だけ。
残り1件の業者(X社にとします)については何も言いませんでした。
なぜなら、X社だけはBさんに優しく、親身になってくれたからです。
Bさんいわく、「金利も安くしてくれたし、付き合いも長いので、X社だけは裏切りたくない。夜中に不安になって電話したときも出てくれたし、キツイときに親身になってくれた」とのこと。
X社から借りたお金は全額自力で返すことにしたそうです。
違法業者といっても、脅したり怒鳴ったりする業者ばかりではありません。
なかには親切なところもあります。
しかし、それは「恩を売ってウチの分だけは払わせよう」という相手の作戦です。
親身なフリをして法外な金利を要求する悪徳業者に違いありません。
タイプ3:面倒くさがりの人
― 他にはどんなタイプの人が多いですか?
面倒くさがりの人です。
利用者のなかには、「大手の消費者金融でも借りられるけれど、手っ取り早く貸してくれる違法業者の方がいい」という、とんでもない人もいます。
こちらも例をあげてみましょう。
違法業者をよく利用するというCさん。
「月利10%で5万円借りている」と笑いながら話すので、「それは違法な金利だけど大丈夫ですか?」と指摘しましたが、まったく気にしていない様子です。
Cさんいわく、「大手の消費者金融で借りると、いちいち職業や収入のことを聞かれるから面倒くさい。違法業者は電話一本ですぐ貸してくれるから簡単でいい」とのこと。
それどころか、「あの業者(違法業者)の担当者が好きなんだ。面白いヤツだから」と言って、違法業者を利用し続けるCさんでした。
繰り返しになってしまいますが、違法業者は法外な高金利を取っています。
Cさんは「違法業者は手っ取り早くていい」と思っているようですが、わずかな手間を惜しむために法外な利息を支払っていることに気づいているのでしょうかね...。
※編集より補足
月利10%は、年率に換算すると120%です。
違法業者の利用経験を正規の業者に知られると どうなる?
― 違法業者の利用者が、E社(新見さんがお勤めだった消費者金融)に申込みされることはありましたか?
はい。
― 違法業者の利用者をどうやって見分けるのですか?
信用情報に載っている情報と、お客さんの話が合わないことで発覚したりします。
※編集より補足
信用情報とは、簡単にいえば ローンやクレジットカードの利用記録のことです。正規の業者でお金を借りたら、借入れ・返済などの情報がすべて記録されます。
消費者金融などの貸金業者は、審査時、必ずお客さんの信用情報をチェックします。
たとえば、あるお客さんが「すでに10社から借りている」とおっしゃったとしましょう。
しかし、その人の信用情報から確認できたのは、1社の借入記録のみ。
この場合、残り9社はすべて違法業者の可能性があります。
違法業者での借入れ情報は、信用情報に記録されません。
そのため、お客さんの申告と信用情報にズレが生じてしまうのです。
― あやしい人にはどう対応するのですか?
「今のうちに正直に話してください」と説得していました。
ただ、違法業者を利用している後ろめたさがあるのか、正直に話してくれる人は少なかったですね。
また、違法業者の返済に追われていると、何も信用できず、精神的に不安定になってしまう人もいます。
ですから、こちらがカンを働かせて探るしかないのです。
― 違法業者を利用中の人には貸しませんよね?
もし貸したら、貸したお金がそのまま違法業者に流れるだけですよね。
当然貸せません。
違法業者から借りているとわかった時点で断ります。
ただ、いくつかアドバイスはしますね。
まず、違法業者からの借金に返済義務はないこと。
そして、弁護士や警察に相談して、違法業者からの借り入れを整理すべきということ。
「そうしないと人生が台無しになってしまいますよ!」といって背中を押していました。
ただ、何も知識がない人は、弁護士や警察に相談することを怖がります。
違法業者からの報復や、身内に知られることが怖いんですね。
なかには弁護士にすら本当のことを言わない人もいるそうです。
たしかに、返済が途絶えると身内に電話をかけまくる違法業者もありますが、そこを覚悟して1回キレイにしないと、もっと恐ろしいことになってしまします。
― すでにE社で借りている人が違法業者に手を出すこともあるのですか?
はい。
この場合、もうウチには返済してもらえないパターンが多いですね。
さきほども話したとおり、違法業者で借りるような人は、すでに複数のところから借金しています。
それらの返済のために違法業者から借り、またその返済のために別の違法業者から借り...を繰り返していきます。
こうなると、ウチが貸しているお金を回収するのはかなり難しいですね。
連絡がとれなくなるケースも多いです。
― どのタイミングで「違法業者に手を出した」とわかるのですか?
一概に言えませんが、これまで順調に返済していたのに、突然滞納しはじめる人はあやしいですね。
― 違法業者を利用している人や、返済に困っている人に債務整理をすすめることはありますか?
利益にならないのですすめません。
これは、どこの金融機関も同じだと思います。
ただ、さきほども話したとおり、違法業者を利用している人には弁護士・警察への相談をすすめます。
その結果、すべての借金を整理されしまう可能性はあるんですよね。
そうなれば、ウチが貸しているお金は回収できずじまいです。
違法業者からの借金は整理するよう勧めますが、ウチが貸している分だけはどうにか返して欲しいというのが本音です。
ただ、お客さんが債務整理を希望してきたらそれを妨げることは当然できません。
― E社が貸した分だけ返してもらうことはできるのでしょうか?
不可能ではありません。
お客さんが弁護士よりもウチを頼りにするくらいでないとダメですけどね。
お客さんから信頼を得るには、親身になって話を聞いたり、返済計画を立ててあげたりします。
まるで弁護士のようにいろいろ尽くすのです。
そうすると、お客さんも「この業者には世話になったからちゃんと返さないと」と思うものですよ
人の弱みにつけこむ悪徳弁護士の存在
― お客さんに弁護士を紹介することもありますか?
それもありません。
みなさん自分で弁護士を探します。
ただ、弁護士のなかにも悪いやつはいますから、選ぶときは注意が必要ですね。
― 借金の整理を弁護士に頼むと、いくらくらいかかるのでしょうか?
通常1件1~2万円、もしくは無償です。
NPO法人が運営しているところなら、5,000円程度ですね。
ところが、あるお客さんは、「とある有名な弁護士事務所に行ったら、1件あたり5万円くらい取られた」と話されていました。
そのお客さんは10件の違法業者と手を切らなければならなかったので、合計50万円かかったそうです。
相場がわからないので、弁護士に言われるままの金額を支払ってしまったのでしょう。
違法業者も悪徳弁護士も、みんなお金に困っている人たちを狙っています。
だまされないためには知識が必要です。
「借金のことはよくわからない」という人は、きちんと勉強しないと痛い目に遭ってしまいますよ!
インタビューを終えて
人生台無しにしたくないなら、違法金融業者を利用するのは絶対やめましょう。
なお、違法業者の見分けがつかないという人のために、こちらで違法業者の見分け方を紹介しています。
テレビCMを流しているような大手以外を利用するときは、参考にしてください。
また、新見さんは消費者金融の本音として「ウチの分だけでも返してほしい」と話していましたが、どうしようもない状況になったら業者に気を遣わず債務整理を行ってください。
そして、整理をするときは、違法業者も含め、すべての業者からの借入れを正直に話しましょう。
「脅されるかもしれない」と隠していたら、同じことが繰り返されるだけです。
相手が違法業者だからといって、命まで奪われることはありません。
脅しはあくまでも、支払いをさせるための手口です。
勇気を出して警察や弁護士に相談してください。
最後になりましたが、借金問題の相談先の選び方や、弁護士を無料で探す方法はこちらを参考にしてください。
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