「私は二度も騙された!」消費者金融詐欺の手口【体験談】

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100万円の脳開発教材を購入した私。その支払いのために「おまとめローン」に手を出して、「サラ金詐欺」にあってしまいます。

それから「借りては返す」を繰り返し、借金の合計は300万円にまで膨れ上がました。

「いつか宝くじが当たったら、まとめて返す」そんな夢みたいなことを思って・・・

体験者の情報

名前:大河 智美(仮名)
性別:女性
職業:会社員
現在の年齢:38歳
借入件数:5件
会社名(借入先):武富士、プロミス、レイク、三和ファイナンス、消費者金融A
利用時期:1995年11月〜2003年6月
借金の合計額:300万円以上

きっかけは100万円の脳開発教材

私は20代の頃、300万円以上の借金を抱えてしまった経験があります。

最初は教材購入のローンを組んだだけでしたが、ファッションやエステ・旅行などに浪費を重ね、さらに2回もおまとめローン詐欺に遭ってしまったため、借金が増え続けしまったのです。

どうしようもなくなってしまってから、親に相談し、債務整理をするまでの8年間の苦しい体験をまとめました。

キャッシングが必要になった経緯

当時の私は20歳、広告代理店に勤めていました。

収入は残業代も含め、手取り13万円ぐらいで、家に3万円を入れた残り10万円は自由に使えるお金でした。

その中から毎月必要なガソリン代・交際費・化粧品代などを払っても、まだ5万円ほど余裕があったので、自分磨きのために「脳開発教材」を100万円ほどで購入しました。

これは非常に高額な買い物でしたが、今後仕事をしていく上で有利になると確信したのです。分割にすれば払っていけると思い、購入を決めました。

このローンの毎月の支払い額が2万5千円、ボーナス月は5万円だったと思います。この時ローンを組んだ会社の名前は覚えていませんが、教材を購入した会社から指定された業者でした。

当初は毎月順調に支払っていました。しかし数ヶ月すると、会社の付き合いやファッション、エステ、旅行などの出費もかさんで、教材費のローンはだんだん負担になっていきます。

そんな時に目に止まったのが新聞広告に入っていた「おまとめローン」の広告

そのチラシには、似たような「おまとめローン」を謳った広告がたくさん載っていたのを覚えています。これが、借金スパイラルの始まりでした。

おまとめローン会社に言われるがまま・・・

このおまとめローンの会社の名前は忘れてしまいましたが、確か「100万円の借り入れで、月々の返済が1万円から」というものだったと思います。

「月々の返済が1万円になるということは、月々1万5千円が浮いて、ボーナス払いの5万円が自由に使える!」 私は単純に嬉しくなりました。

「浮いたお金でもっとファッションを楽しみ、エステに頻繁に通って、旅行ももっと行ける!」

浪費癖があったので、頭の中は楽しいことでいっぱいになってしまったのです。私はすぐにこのおまとめローンの会社に電話しました。

電話に出たのは50代くらいの男性でした。こういう所に電話をするのは初めてだったので緊張していましたが、色々と事情を聞いてくれたので、優しい印象を受けました。

しかし「審査」には数分かかり、その結果、男性は私に、「お客様はまだ若くて支払い実績がないので、うちでは貸すことができません」と言われてしまいます。

ところが、その後に「関係する会社にお願いしたら融資できそうなので、そちらの会社に行き、私の言う通りに融資を受けてください」と指示されたのです。

20歳の私は何の疑いもなく、言われた通りに融資してくれるという会社に行きました。

その会社とは武富士とプロミスの2ヶ所で、その両方から50万円ずつ借りるように言われたのです。

電話で武富士とプロミスへ誘導

まず借入れしたのは武富士です。店頭で申し込むように電話で誘導され、窓口に行って融資相談をしました。

店頭は女性スタッフばかりだったので、リラックスして申込みができました。

申込書にその場で記入し、使用目的には指示された通り「旅行」と書きました。

ほとんど待たされずに審査が通り、聞かれたことは申込書の内容の確認だけです。金利は20%台だったと思います。

次に訪れたのはプロミス。こちらも店頭で申し込むように誘導され、プロミスの窓口で融資相談をしました。

武富士と同様に申込書にその場で記入し、そこでも使用目的は「旅行」と書きました。こちらもすんなり審査が通り、聞かれたことも特になく、同じく金利は20%台でした。

おまとめローンの担当者が怒鳴ったワケ

こうして両社から50万円ずつ、合計100万円借りることができたので、「これで教材費が返済できる!」と私は喜んでいました。

ところが、先ほどのおまとめローンの担当者に電話をして、私が「どちらの会社からも融資して頂きました!」とはしゃいだとたん、その男性はいきなり怒ったのです。

「頂いたんじゃない!借りたんですよ!そういう自覚がないから借金するんです!」と。

今でもよく覚えています。その時の私は「自分のためを思って怒ってくれたんだ」と男性に感謝していました。

しかし、その後男性は「では、仲介手数料7万円を振り込んでください。残りのお金で返済できるはずなので、完済したらもう借金はしないように」と言ってきたのです。

「え?仲介手数料?」と私は驚きました。

しかし、例え7万円振り込んでも、その残りで完済もできますし、さらに数万円残りそうです。私は「すぐに振り込みます。ありがとうございました」と言い、指定された口座に7万円を振り込んでしまいました。

今思うとバカだったとしか言いようがないですが、こうして私は詐欺業者にだまされてしまったのです。

しかもそれがサラ金詐欺だったと気づいたのは、しばらく経ってからでした。

そのきっかけは、ある日ネットでローンについていろいろと調べていた時に、偶然、私と全く同じような被害に遭った人のエピソードを見つけたのです。

業者名は違いましたが、私はそれを見て、自分が詐欺に遭ったことにようやく気が付きました。

しかし、その時はだまされた業者に電話をしてみようという気にはなれなくて、結局は泣き寝入りすることになりました。

月々の返済額は少なくなったが...

こうして武富士とプロミスから借り入れたお金で教材費は完済し、月々の返済は2万5千円から1万5千円(武富士1万円返済、プロミス5千円返済)になり、ボーナス払いの5万円も浮きました。

これで私は「月々1万円の負担が減ったから、楽になった」と勘違いしてしまったのです。しかしこの金銭感覚が間違いの元でした。

また金利も今に比べるととても高かったと思いますが、その時は初めての借金だったので、どれくらいの金利を支払っているのか、他社と比較検討したりすることもありません。

ただし消費者金融から借り入れしたことは、親にも友だちにも会社にも内緒だったので、どうしてもバレることは許されませんでした。

返済遅延などで、家や会社に電話が行ったら大変なことになります。私は毎月必ず給料日にATMに行き、必死で返済していました。

ところが浪費家の私は、それでも相変わらず大好きなファッションにお金をかけ、エステや旅行を楽しんでしまいました。

そしてだんだん返済が苦しくなり、借り入れをして返済するようになっていったのです。

やがては返済後すぐに借り入れ可能額を確認し、それがたとえ3千円であっても借り入れするという状態にまでなっていきました。

増額のために膨らむ借金

そんな時に武富士から、「増額できますよ」と連絡が来ます。

今思うと、断るべきだったのですが、自分があればあるだけ使ってしまうのを分かっていながら、結局は増額申請してしまいまいます。

こうして最初50万円だった限度額が、50万円増額になり100万円になりました。もちろん借入額も増えて、月々の返済は1万円から1万5千円に。

最初に借りた50万円は借り入れを繰り返し、ほとんど元金そのままで、武富士からの借入額はすぐに100万円になりました。

こうして、あればあるだけ使ってしまう生活を続け、このままではいけないと思ったのが25歳の時。借金を始めてから5年ほど経っていました。

この時、月々の収入を増やすことを考え、ネットで見つけた「在宅ワーク」に飛びつきます。

私は「自分の仕事で得たスキルを生かして副収入を得ることができれば、借金を減らせるのでは」と思い、在宅でできるワーカー募集に応募してみたのです。

すぐに連絡が来て、面談をしてから決めるということになりました。面接場所は東京です。私は地方在住で、東京までは新幹線でも4時間以上かかります。

迷いましたが、交通費を出してくれると言われたので、上京することになりました。

在宅ワークの甘い罠

しかし、東京に行くとなるとお金がかかります。

交通費は後でもらえるとしても、「せっかく東京に行くなら、大好きなブランドのショップに行きたい、良いホテルに泊まりたい、有名なエステにも行ってみたい」と私はワクワクしてしまったのです。

でも、お金がない。

そこで「在宅ワークをすれば月々副収入が入るし、よし!新たにお金を借りて、副収入ですぐに返そう!」と思ってしまいます。

バカな考えでした。まだ在宅ワークに合格したわけでもないのに。

私はレイクで新たに借り入れすることにしました。ただし申し込みの際に、これまでの他社借入れについても正直に記入したので、借入できるか心配でした。

しかし結果的には何事もなく審査が通りました。金利は大体20%台だったと思います。

こうして無人のATMで、人目を気にせずに30万円を借りてしまいます。

月々の返済がきつい状況だったので、そのうち20万円は予備にとっておき、10万円の予算で東京に出かけて行きました。

しかし、世の中うまい話などありません。

在宅ワーカーを募集していた人は本なども出していて、その分野では名の知れた人だったのですが、全く予想もしていなかったことを要求してきたのです。

その男性は喫茶店で軽くあいさつをした後、「仕事の詳細な打ち合わせをするため」と言ってホテルの一室を指定するというセクハラ行為をしてきたのです!

私は迷わずその場で断り、もらえるはずだった交通費はあきらめてその場を後にしました。

「在宅ワークで稼ぎたい人の気持ちにつけ込むなんて何て卑劣なんだ!」と思いましたが、それからは在宅ワークを探すことはやめました。

借金総額が300万円以上に

東京に行ったことで新たにできたレイクの30万円の借金。武富士、プロミスと合わせると、私は合計180万円の借金を抱えることになりました。

さらにその頃、VISAカードやJCBカードもショッピングで使っていたため、借金総額は250万円以上、月々の返済は7万円以上になっていたのです。

しかしそれでも借金で借金を返す生活を繰り返し、浪費癖も直らず、借入額は増えていく一方でした。

やがて新たに三和ファイナンス、楽天カードなどにも手を出し、28歳になった頃には300万円以上の借金に膨れ上がり、月々の返済額は10万円近くなってしまいます。

一方、私の収入は手取りで15万円ほどです。実家暮らしとはいえ、やり繰りは限界にきていました。

再びサラ金詐欺に遭う

そんな時、再びネットの広告で「おまとめローン」が目に止まりました。

「おまとめローン」を謳う会社は数多くあったので会社名までは覚えていませんが、これを見てすぐに思い出したのが、8年前、20歳の時のあのサラ金詐欺です。

もちろん「もうだまされない」と一度は思ったのですが、自分の状況が限界だったため、藁にすがる思いで再び電話してしまいました。

その会社は「300万円のおまとめローンが月々3万円~」という宣伝でした。そして私は「これで300万円融資してもらえば、やり直せる!」と思ってしまったのです。

その会社でも「あなたの借り入れ状況では当社では貸せません」と言いながら、「関係する会社で50万円までなら貸せます」とすすめてきました。

もちろん冷静に考えればあの時と同じ手口ということは分かるはずですが、その時の私は正常な判断力を失っています。50万円でも、あれば当座をしのげると思ってしまったのです。

その会社に誘導されるままに行ったのは消費者金融Aでした。

心の中では「もうイヤだ」と泣きたい気持ちでしたが、どうしてもお金が必要だったので、申し込んでしまいます。こうして消費者金融Aで50万円の融資を受け、その日は帰りました。

消費者金融Aの担当者に説得され債務整理を決心

しかし数週間後に消費者金融Aの担当の方から連絡があり、「お伝えしたいことがあるので窓口まで来てほしい」と言われました。

私は何だろうとドキドキしながら窓口に行きました。

すると担当者の方は、私の他社借り入れ額が多かったため、「他社の返済のために消費者金融Aで借りたのか?」「誰かに言われて借りたのではないか?」ということをしつこいぐらいに聞いてきたのです。

今までの金融会社とは違った対応に戸惑いながら、私は本当のことを話しました。

すると消費者金融Aの担当の方は熱心に話を聞いてくださり、「あなたのためを思って言いますが、ご両親に相談して、債務整理などの方法をとった方がいいと思います」と言ってきたのです。

私はこの8年間、必死で親にだけは隠し通してきたため、すぐに「それだけは無理」と心の中で思いました。しかし、親身になって言ってくれた消費者金融Aの方の気持ちに押されて、一大決心します。

そしてついに数日後、親に「今まで隠していてごめんなさい。どうか助けてください」と涙ながらに打ち明けたのです。

親が自分の子を見捨てるわけがありません。怒られるよりも、「どうしてこうなるまで言わなかったのか」と落胆されました。

私が今までどうしても言えなかったのは、怒られるよりも落胆されることを恐れていたんだと思います。

こうして、両親と一緒に弁護士の所へ行くことになりました。

自己破産すると損をする?!

弁護士さんに状況を説明して、最初に言われたのが「自己破産」という結論でした。

びっくりしました。私のイメージでは「自己破産」というと、一家の大黒柱が借金で首が回らなくなったり、自営業がうまくいかずに止むを得ず取る手段というイメージだったからです。

親と同居の私が「自己破産」と言われても、どういうことかピンときませんでした。

しかしその時父が「それはやめてください。他の方法でお願いします」と弁護士に頼みました。

後から調べると、自己破産すると財産を失うだけでなく、色んな所に通知が行き、会社などに知られてしまう場合もあるようです。ですからその時の父の判断には、感謝しています。

体験談などを見ると、家を失ってしまったり、会社に知られてしまい退職せざるを得なくなってしまった方もいるようです。

※校正者注:自己破産したことが、必ずまわりや世間に知られてしまうとは限りません。

結局、私は「債務整理」を選択しました。債務整理をしたのは消費者金融の武富士、プロミス、レイク、三和ファイナンス、消費者金融Aの5社で、借金総額は約250万円です。

この債務は整理後に親が一括で支払ってくれたので、それを私が毎月親に返済することになりました。

また債務整理をしなかった他のカードローン関係の残金は、VISA30万円、JCB10万円、オリックス銀行株式会社10万円で、合計50万円だったと思います

これは2~3年かかって自分で支払い、すべて完済することができました。

両親には一生償っていくつもり

実は、両親が一括で払った250万円が債務整理の結果どのくらい圧縮できたのか、また弁護士に手数料をいくら支払ったのか、私は知らされていません。

教えてもらいたいと思いましたが、両親には聞けませんでした。

現在も両親に月々返しているお金は、1万円×12ヶ月×9年です。これまでに100万円以上返しましたが、払ってもらった金額を超えても、両親が生きている間は一生払い続けていくつもりです。

私はそれまで、借金が増えても時給の高いバイトをすればいいとか、いつか宝くじが当たったら全部返せるとか、夢のようなことばかり思っていました。

でも現実には、膨らんでしまった借金は簡単に返すことはできないのです。毎朝起きるたびに、借金のことで胸が苦しくなる生活にはもう戻りたくありません。

最初は少額でも、あっという間に増えてしまうのが借金の怖いところです。

たとえ少額であっても、これに金利がつくとどのくらいの金額になるのかを把握しておくと、無駄な出費を抑える気持ちが出てくると思います。

またその場に流されず、後のことをしっかり考える、欲しい物があってもすぐにカードでは買わず積み立てをしておいて目標金額になったら購入することが大切です。

さらにローンをどうしても組まなければいけないような買い物は、金利が低いものを選んで利用するのも1つの方法だと思います。

私の浪費癖は完全には直っていませんが、こう思えるようになったのは、親に話すように勧めてくれた消費者金融Aの担当者の方、落胆しながらも力になってくれた両親のおかげです。

今、借金に悩んでいる方、流されていたらいつまでも借金はなくなりません。

まずは自分の収入に見合った生活をすることから始めて、どうしようもない場合は早めに親に相談したり、プロの力を借りることをお勧めします。

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