生活保護費の計算方法を初心者向けに解説!あなたはいくらもらえる?

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生活保護費って実際いくらもらえるの?

『生活保護費』の計算って、ちょっと小難しいイメージがありませんか?

厚生労働省のホームページを読んでも、なかなか理解できない人が多いと思います。

私もその一人でした。

もはや、わざと難しく説明して、申請者を減らそうとしているんじゃないかと疑ってしまいますよね。

そこで、今回は生活保護費の計算方法を一から徹底してわかりやすく解説してみることにしました!

これだけ読めば、自分で簡単に生活保護費を計算できるようになるので、あなたがいくらもらえるのかがハッキリします。

生活保護を受けることは決して恥ずかしいことではありません。

生活保護は国民の権利として保障されているものです。

「病気をして仕事ができなくなって貯金が尽きそう・・・」

「リストラされて収入がなくなって、もうにっちもさっちもいかない・・・」

そんなときは、勇気をもって生活保護を申請しましょう!

ちなみに、今回は無収入の世帯を前提に話を進めていきます(年金収入・給与収入・事業収入などがわずかにある場合は、収入を差し引いた分を支給)。

それではまいりましょう!

この記事の編集者情報

  • 木村 澪子私が編集者です!

    テレビ・雑誌等の取材歴15年。ファイグーではお金の話をわかりやすく、よりリアルにお伝えするために、背景や当事者の気持ちに寄り添う取材を心がけています。銀行マン、証券マン、利用者などからぶっちゃけたお話を聞くにつけ、「消費者も賢くならなければ…」と痛感する日々です。家族は夫・娘・ザリガニ2匹。

生活保護費(受給額)の内訳を教えて!

生活保護費は、世帯(※1)単位での支給です。

では、生活保護費は総額でいくら支給されるのでしょうか?

支給額を知るためには、まず保護費の内訳を理解しなければなりません。

※1
家および家計をともにしている集団のこと。

生活保護費の内訳は?

生活保護で支給されるお金のことを扶助と呼びます。

ここで、主な扶助の種類をあげてみましょう。

  種類 対象者 内容 支給方法
基本の扶助 生活扶助 全員 日常生活に最低限必要な費用(食費、被服費、光熱費など) 毎月規定額が支給される
住宅扶助 ほぼ全員
(※2)
アパートなどの家賃
加算 母子加算 母子家庭
児童養育加算 中学生以下の子どもがいる世帯
妊産婦加算 妊娠中または産後6ヶ月以内の産婦がいる世帯
障害加算 障害者がいる世帯
そのほかの扶助 教育扶助 小学生以上中学生以下の子どもがいる世帯 義務教育を受けるために必要な費用
生業扶助 高校生の子どもがいる世帯 高校に通うための費用
必要に応じて 小規模な事業資金、技能習得費、就職支度費 必要なときに、限度額の範囲内で支給される
出産扶助 必要に応じて 出産費用
葬祭扶助 必要に応じて 葬祭費用
一時扶助 必要に応じて
(※3)
  • 被服費(布団、衣類など)
  • 家具什器費(鍋、炊飯器、食器、包丁など)
  • 小学校、中学校、高校などの入学準備金
  • その他(配電設備費、上下水道設備費、家財処分料、妊婦定期検診料、不動産鑑定費用など)
医療扶助 必要に応じて 医療サービスの費用 支給ではなく、支払いが免除になる
介護扶助 必要に応じて 介護サービスの費用

※2
住宅扶助の対象者は基本的に全員ですが、もともと家賃の支払いが不要な方や、入院している方などは除きます。

※3
必要に応じて支給されます。ただし、自治体に認められないと支給不可になることもあるので、注意してください。

毎月支給されるのは?

毎月支給されるのは、

生活扶助+住宅扶助+加算+教育扶助+生業扶助(※4)の合計です。

たとえば、母子家庭で子どもが中学生の場合は、

生活扶助+住宅扶助+母子加算+児童養育加算+教育扶助の合計額が支給されます。

※4
ここでの『生業扶助』は、高校生の子どもがいる世帯を対象にした扶助を指します。

必要に応じて支給されるのは?

必要に応じて、生業扶助(※5)、出産扶助、葬祭扶助、一時扶助が支給されます。

そして、医療費や介護費用の負担はありません(※6)

病院にかかったときに支払う医療費は全額免除です。

また、要介護・要支援の方が介護サービスを受ける場合の費用も全額免除されます。

※5
ここでの『生業扶助』は、小規模な事業資金、技能習得費、就職支度費のいずれかに対する扶助を指します。

※6
余談ですが、生活保護受給中は以下の支払いも免除されます。
・所得税、住民税などの税金
・国民年金保険料
・国民健康保険料
・NHKの受信料

級地がわからないと生活保護費を計算できない!

生活保護費を知りたいなら、あなたがお住まいの市区町村が、『どの級地(※7)にあたるか』を確認しなければなりません。

例)

級地 主な市区町村
1級地-1 東京23区、八王子市、横浜市、さいたま市、川崎市、相模原市、大阪市、堺市、京都市、神戸市、名古屋市、東大阪市、西宮市、尼崎市、枚方市、豊中市、高槻市
1級地-2 札幌市、仙台市、千葉市、青梅市、武蔵村山市、船橋市、横須賀市、大津市、倉敷市、福山市、姫路市、岡山市、呉市、倉敷市、広島市、福岡市、北九州市
2級地-1 旭川市、函館市、青森市、秋田市、山形市、福島市、盛岡市、水戸市、宇都宮市、柏市、高崎市、川越市、前橋市、越谷市、新潟市、金沢市、福井市、甲府市、富山市、豊田市、岐阜市、岡崎市、長野市、豊橋市、浜松市、静岡市、津市、鳥取市、松江市、山口市、徳島市、和歌山市、奈良市、下関市、松山市、高松市、高知市、鹿児島市、大分市、佐賀市、長崎市、宮崎市、久留米市、熊本市、那覇市
2級地-2 夕張市、塩竃市、日立市、足利市、長岡市、諏訪市、多治見市、安城市、松阪市、加古川市、櫃原市、三原市、防府市、大牟田市、佐世保市
3級地-1 北見市、稚内市、弘前市、八戸市、宮古市、石巻市、能代市、米沢市、いわき市、郡山市、石岡市、栃木市、伊勢崎市、行田市、秩父市
3級地-2 銚子市、西多摩郡日の出町、足柄上郡中井町、三条市、魚津市、七尾市、敦賀市、富士吉田市、飯田市、須坂市、高山氏、富士宮市、半田市、津島市、伊勢市

たとえば、東京都23区なら『1級地-1』ですね。

あなたがお住まいの市区町村が上の表に載っていない場合は、下記のページで確認してください。

厚生労働省『生活保護制度』
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/seikatuhogo/index.html
こちらのページの、『お住まいの地域の級地を確認』より確認可能

厚生労働省『お住まいの地域の級地を確認』
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12000000-Shakaiengokyoku-Shakai/29kyuchi.pdf

※7
場所によって必要な生活費も異なるため、生活保護では全国の市区町村を級地と呼ばれる6つのランクに分けています。

生活保護って月いくらもらえるの?一覧表(2017年度版)

実際のところ、生活保護は毎月いくら支給されるのでしょうか?

いくつかの場合別に、生活保護費の金額(月額)を計算してみました。

単身世帯の場合

単身世帯の生活保護費を計算してみました(加算なし、そのほかの扶助なし、住宅扶助除くという前提)。

世帯員の年齢 級地
1級地-1 1級地-2 2級地-1 2級地-2 3級地-1 3級地-2
20~40歳 7万9,230円 7万5,840円 7万1,620円 6万9,960円 6万6,840円 6万4,030円
41~59歳 8万160円 7万6,720円 7万2,450円 7万0,770円 6万7,630円 6万4,780円
60~69歳 7万9,790円 7万6,370円 7万2,110円 7万450円 6万7,310円 6万4,480円
70歳以上 7万4,630円 7万1,430円 6万7,460円 6万5,900円 6万2,960円 6万0,310円

単身世帯の生活保護費の支給額の平均は、6万7,747円です。

ただし、こちらは住宅扶助を含んでいない金額なので、実際は上の表の金額に住宅扶助が加算されます。

2人世帯の場合

2人世帯の生活保護費を計算してみました(加算なし、そのほかの扶助なし、住宅扶助除くという前提)。

世帯員の年齢 級地
1級地-1 1級地-2 2級地-1 2級地-2 3級地-1 3級地-2
20~40歳+20~40歳 11万9,110円 11万3,760円 10万8,390円 10万4,370円 9万9,730円 9万5,530円
20~40歳+41~59歳 11万9,030円 11万3,930円 10万7,590円 10万5,090円 10万430円 9万6,190円
41~59歳+41~59歳 11万9,850円 11万4,710円 10万8,320円 10万5,800円 10万1,130円 9万6,860円
20~40歳+60~69歳 11万8,700円 11万3,620円 10万7,290円 10万4,800円 10万140円 9万5,930円
41~59歳+60~69歳 11万9,520円 11万4,400円 10万8,020円 10万5,520円 10万840円 9万6,590円
60~69歳+60~69歳 11万9,200円 11万4,090円 10万7,720円 10万5,240円 10万560円 9万6,330円
20~40歳+70歳以上 11万4,140円 10万9,250円 10万3,170円 10万780円 9万6,290円 9万2,240円
41~59歳+70歳以上 11万4,960円 11万030円 10万3,910円 10万1,490円 9万6,990円 9万2,900円
60~69歳+70歳以上 11万4,630円 10万9,720円 10万3,610円 10万1,210円 9万6,710円 9万2,640円
70歳以上+70歳以上 11万60円 10万5,350円 9万9,490円 9万7,180円 9万2,860円 8万8,950円

たとえば、夫婦2人暮らしで生活保護を受給する場合、生活保護費の平均金額は、10万5,115円です。

ただし、こちらは住宅扶助を含んでいない金額なので、実際は上の表の金額に住宅扶助が加算されます。

母子家庭(15歳以下の子ども1人)の場合

『シングルマザー(20代~60歳未満)+子ども(15歳以下)』の世帯が生活保護を受給する場合、いくらもらえるのでしょうか?

ここでは、生活扶助+母子加算+児童養育加算+教育扶助(※8)の金額を紹介していきます。

親の年齢 子どもの年齢 級地
1級地-1 1級地-2 2級地-1 2級地-2 3級地-1 3級地-2
20~40歳 0~2歳 14万5,580円 14万970円 13万3,640円 13万1,380円 12万5,560円 12万1,730円
20~40歳 3~5歳 14万3,510円 13万8,770円 13万1,280円 12万8,970円 12万3,040円 11万9,100円
20~40歳 6~11歳 15万2,930円 14万8,030円 14万330円 13万7,920円 13万1,840円 12万7,770円
20~40歳 12~15歳 16万3,060円 15万7,650円 15万600円 14万5,640円 13万9,390円 13万5,160円
41~59歳 0~2歳 14万6,400円 14万1,750円 13万4,370円 13万2,090円 12万6,260円 12万2,400円
41~59歳 3~5歳 14万4,330円 13万9,550円 13万2,020円 12万9,690円 12万3,740円 11万9,760円
41~59歳 6~11歳 15万3,750円 14万8,810円 14万1,070円 13万8,640円 13万2,540円 12万8,430円
41~59歳 12~15歳 16万1,960円 15万6,840円 14万8,870円 14万6,350円 14万090円 13万5,830円

母子家庭(15歳以下の子ども1人)の生活保護費の平均は13万8,321円でした。

ただし、こちらは住宅扶助を含んでいない金額なので、実際は上の表の金額に住宅扶助が加算されます。

※8
教育扶助が追加されるのは、義務教育を受けている子ども(6歳~15歳の子ども)がいる世帯だけです。

母子家庭(15歳以下の子ども2人)の場合

母子家庭で、15歳以下の子どもが2人いる世帯の生活保護費を計算してみました。

ここでは、生活扶助+母子加算+児童養育加算+教育扶助(※8)の金額を紹介していきます。

親の年齢 子どもの年齢 級地
1級地-1 1級地-2 2級地-1 2級地-2 3級地-1 3級地-2
20~40歳 0~2歳+0~2歳 19万380円 18万4,560円 17万5,630円 17万2,770円 16万5,750円 16万940円
20~40歳 0~2歳+3~5歳 18万8,140円 18万2,210円 17万3,130円 17万210円 16万3,090円 15万8,170円
20~40歳 0~2歳+6~11歳 19万7,340円 19万1,250円 18万1,980円 17万8,970円 17万1,710円 16万6,660円
20~40歳 0~2歳+12~15歳 20万5,310円 19万9,060円 18万9,560円 18万6,480円 17万9,050円 17万3,860円
20~40歳 3~5歳+3~5歳 18万5,900円 17万9,860円 17万620円 16万7,660円 16万430円 15万5,400円
20~40歳 3~5歳+6~11歳 19万5,100円 18万8,900円 17万9,470円 17万6,420円 16万9,050円 16万3,890円
20~40歳 3~5歳+12~15歳 20万4,110円 19万7,360円 18万8,910円 18万3,920円 17万6,390円 17万1,090円
20~40歳 6~11歳+6~11歳 20万5,370円 19万8,630円 19万180円 18万5,180円 17万7,660円 17万2,380円
20~40歳 6~11歳+12~15歳 21万6,770円 20万9,710円 20万910円 19万3,850円 18万5,090円 17万9,580円
20~40歳 12~15歳+12~15歳 22万8,170円 22万780円 21万1,640円 20万4,250円 19万5,160円 18万7,750円
41~59歳 0~2歳+0~2歳 19万1,150円 18万5,300円 17万6,320円 17万3,440円 16万6,410円 16万1,560円
41~59歳 0~2歳+3~5歳 18万8,920円 18万2,940円 17万3,820円 17万890円 16万3,750円 15万8,790円
41~59歳 0~2歳+6~11歳 19万8,120円 19万1,990円 18万2,670円 17万9,650円 17万2,370円 16万7,290円
41~59歳 0~2歳+12~15歳 20万6,090円 19万9,790円 19万260円 18万7,150円 17万9,710円 17万4,490円
41~59歳 3~5歳+3~5歳 18万6,680円 18万590円 17万1,320円 16万8,340円 16万1,090円 15万6,020円
41~59歳 3~5歳+6~11歳 19万5,880円 18万9,630円 18万170円 17万7,100円 16万9,710円 16万4,510円
41~59歳 3~5歳+12~15歳 20万3,850円 19万7,440円 18万7,750円 10万2,710円 17万7,050円 17万1,720円
41~59歳 6~11歳+6~11歳 20万5,080円 19万8,680円 18万9,020円 18万5,850円 17万8,320円 17万3,010円
41~59歳 6~11歳+12~15歳 21万4,840円 20万7,850円 19万9,150円 19万3,360円 18万5,670円 18万210円
41~59歳 12~15歳+12~15歳 22万6,230円 21万8,920円 20万9,880円 20万2,590円 19万3,570円 18万7,410円

母子家庭(15歳以下の子ども2人)の生活保護費の平均は、18万4,149円でした。

ただ、こちらは住宅扶助を含んでいない金額なので、実際は上記表の金額に住宅扶助が加算されます。

※8
教育扶助が追加されるのは、義務教育を受けている子ども(6歳~15歳の子ども)がいる世帯だけです。

生活保護費(月額)の計算方法を簡単に解説!

ここからは、生活保護費の計算方法についてくわしく解説していきます。

まずは、世帯に支給される保護費の内訳を再確認しましょう。

生活保護費(月額)=【A】生活扶助+【B】住宅扶助+【C】加算+【D】そのほかの扶助

【A】【B】【C】【D】がどのように算出されるか、順番に解説します。

【A】生活扶助の計算方法を解説

まずは、生活扶助の計算方法を解説しましょう。

1.生活扶助基準①を計算する

それでは、生活扶助基準①の計算方法の説明です。

生活扶助基準①=(★×▲)+■

(1)★を求めよう

以下の表のうち、世帯員にあてはまる金額を合計し、これを★とします。

世帯員の年齢 級地
1級地-1 1級地-2 2級地-1 2級地-2 3級地-1 3級地-2
0~2歳 2万1,510円 2万540円 1万9,570円 1万8,600円 1万7,640円 1万6,670円
3~5歳 2万7,110円 2万5,890円 2万4,680円 2万3,450円 2万2,240円 2万1,010円
6~11歳 3万5,060円 3万3,480円 3万1,900円 3万320円 2万8,750円 2万7,170円
12~19歳 4万3,300円 4万1,360円 3万9,400円 3万7,460円 3万5,510円 3万3,560円
20~40歳 4万1,440円 3万9,580円 3万7,710円 3万5,840円 3万3,980円 3万2,120円
41~59歳 3万9,290円 3万7,520円 3万5,750円 3万3,990円 3万2,220円 3万450円
60~69歳 3万7,150円 3万5,480円 3万3,800円 3万2,140円 3万460円 2万8,790円
70歳以上 3万3,280円 3万2,020円 3万280円 2万9,120円 2万7,290円 2万6,250円

例)

『1級地-1』に住む夫婦2人世帯(どちらも65歳)なら、

37,150+37,150=74,300

★は7万4,300円となる

(2)▲を求めよう

以下の表のうち、自分の世帯にあてはまる逓減率(ていげんりつ)を確認し、これを▲とします。

世帯の人数 級地
1級地-1 1級地-2 2級地-1 2級地-2 3級地-1 3級地-2
1人 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0
2人 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0
3人 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0
4人 0.950 0.950 0.950 0.950 0.950 0.950
5人 0.950 0.950 0.950 0.950 0.950 0.950

例)

『1級地-1』に住む2人世帯なら1.0

▲は1.0となる

(3)■を求めよう

以下の表のうち、自分の世帯にあてはまる金額を確認し、これを■とします。

世帯の人数 級地
1級地-1 1級地-2 2級地-1 2級地-2 3級地-1 3級地-2
1人 4万4,690円 4万2,680円 4万670円 3万8,660円 3万6,640円 3万4,640円
2人 4万9,460円 4万7,240円 4万5,010円 4万2,790円 4万560円 3万8,330円
3人 5万4,840円 5万2,370円 4万9,900円 4万7,440円 4万4,970円 4万2,500円
4人 5万6,760円 5万4,210円 5万1,660円 4万9,090円 4万6,540円 4万3,990円
5人 5万7,210円 5万4,660円 5万2,070円 4万9,510円 4万6,910円 4万4,360円

例)

『1級地-1』に住む2人世帯なら49,460

■は4万9,460円となる

(4)生活扶助基準①を求めよう

生活扶助基準①=(★×▲)+■

(★×▲)+■を計算してみましょう。

例)

(74,300×1.0)+49,460=123,760

この場合の生活扶助基準①は、12万3,760円となる

2.生活扶助基準②を計算する

つづいて、生活扶助基準②を計算します。

生活扶助基準②=(☆×△)+□

(1)☆を求めよう

以下の表のうち、世帯員にあてはまる金額をすべて合計し、これを☆とします。

世帯員の年齢 級地
1級地-1 1級地-2 2級地-1 2級地-2 3級地-1 3級地-2
0~2歳 2万6,660円 2万5,520円 2万4,100円 2万3,540円 2万2,490円 2万1,550円
3~5歳 2万9,970円 2万8,690円 2万7,090円 2万6,470円 2万5,290円 2万4,220円
6~11歳 3万4,390円 3万2,920円 3万1,090円 3万360円 2万9,010円 2万7,790円
12~19歳 3万9,170円 3万7,500円 3万5,410円 3万4,580円 3万3,040円 3万1,650円
20~40歳 3万8,430円 3万6,790円 3万4,740円 3万3,930円 3万2,420円 3万1,060円
41~59歳 3万9,360円 3万7,670円 3万5,570円 3万4,740円 3万3,210円 3万1,810円
60~69歳 3万8,990円 3万7,320円 3万5,230円 3万4,420円 3万2,890円 3万1,510円
70歳以上 3万3,830円 3万2,380円 3万580円 2万9,870円 2万8,540円 2万7,340円

例)

『1級地-1』に住む夫婦2人世帯(どちらも65歳)の場合、

38,990+38,990=77,980

☆は7万7,980円となる

(2)△を求めよう

以下の表のうち、自分の世帯にあてはまる逓減率を△とします。

世帯の人数 級地
1級地-1 1級地-2 2級地-1 2級地-2 3級地-1 3級地-2
1人 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0
2人 0.8850 0.8850 0.8850 0.8850 0.8850 0.8850
3人 0.8350 0.8350 0.8350 0.8350 0.8350 0.8350
4人 0.7675 0.7675 0.7675 0.7675 0.7675 0.7675
5人 0.7140 0.7140 0.7140 0.7140 0.7140 0.7140

例)

『1級地-1』の2人世帯の場合は0.8850

△は0.8850となる

(3)□を求めよう

以下の表のうち、あなたに世帯にあてはまる金額を確認し、これを□とします。

世帯の人数 級地
1級地-1 1級地-2 2級地-1 2級地-2 3級地-1 3級地-2
1人 4万800円 3万9,050円 3万6,880円 3万6,030円 3万4,420円 3万2,970円
2人 5万180円 4万8,030円 4万8,030円 4万8,030円 4万2,340円 4万2,340円
3人 5万9,170円 5万6,630円 5万3,480円 5万3,480円 4万9,920円 4万7,810円
4人 6万1,620円 5万8,970円 5万5,690円 5万4,390円 5万1,970円 4万9,780円
5人 6万5,690円 6万2,880円 5万9,370円 5万7,990円 5万3,090円 5万3,090円

例)

『1級地-1』の2人世帯なら50,180

□は5万180円となる

(4)生活扶助基準②を求めよう

生活扶助基準②=(☆×△)+□

(☆×△)+□を計算しましょう。

例)

(77,980×0.8850)+50,180=119,192.3

10円未満の端数がある場合は切り上げるので、生活扶助基準②は11万9,200円となる

3.生活扶助基準①と②を比較する⇒生活扶助が確定

生活扶助基準①と②を以下の方法で比較し、生活扶助を確定します。

  • 生活扶助基準②<生活扶助基準①×0.9の場合・・・生活扶助=生活扶助基準①×0.9
  • 生活扶助基準②>生活扶助基準①×0.9の場合・・・生活扶助=生活扶助基準②

例)
生活扶助基準①=12万3,760円
生活扶助基準②=11万9,200円

この場合、
生活扶助基準①×0.9=123,760×0.9=11万1,384円

生活扶助基準②>生活扶助基準①×0.9となるので、

生活扶助=生活扶助基準②

つまり生活扶助は11万9,200円となる

【B】住宅扶助は最大いくら?

住宅扶助は、家賃などにあてるお金です。必要な分だけ支給されます(※9)

ただ、『家賃ならいくらでも支給される』というわけではありません。

自治体や級地ごとに限度額が決められてます。

一例をあげましょう。

自治体・級地 世帯人数や部屋の広さ
1人 2人 3人 4人 5人
6m²以下 6m²超~10m²以下
(※10)
10m²超~15m²以下
(※11)
15m²以上
東京都 1級地 3万8,000円 4万3,000円 4万8,000円 5万3,700円 6万4,000円 6万9,800円
2級地 3万2,000円 3万6,000円 4万1,000円 4万5,000円 5万4,000円 5万9,000円
3級地 2万9,000円 3万3,000円 3万7,000円 4万900円 4万9,000円 5万3,200円
大阪市
(1級地)
2万8,000円 3万2,000円 3万6,000円 4万000円 4万8,000円 5万2,000円
札幌市
(1級地)
2万5,000円 2万9,000円 3万2,000円 3万6,000円 4万3,000円 4万6,000円
横浜市
(1級地)
3万6,000円 4万2,000円 4万7,000円 5万2,000円 6万2,000円 6万8,000円 7万3,000円 8万1,000円

例)
東京都の1級地に住む単身世帯が生活保護を受ける場合、

住宅扶助の金額は、3万8,000円~5万3,700円(部屋の大きさによって異なる)

※9
生活保護を受ける場合、基本的に持ち家を手放さなければなりません。ただし、家を売却しても大した金額にならない場合は、持ち家に住み続けることができます。この場合は家賃が不要なので住宅扶助は支給されません。また、入院している場合や、保護施設や介護施設に入居する場合も、住宅扶助は支給されません(この場合、施設基準費、介護施設入所者基本生活費が支給されます)。

※10
大阪市・札幌市・横浜市の場合、広さが7~10m²

※11
大阪市・札幌市・横浜市の場合、広さが11~15m²

【C】加算はいくら?

中学生以下の子どもがいる世帯・母子家庭・障害者がいる世帯・妊婦がいる世帯は、加算があります。

加算の種類 対象 級地
1級地 2級地 3級地
母子加算 児童1人 2万2,790円 2万1,200円 1万9,620円
児童2人 2万4,590円 2万2,890円 2万1,200円
児童3人以上
(1人につき追加される額)
920円 850円 780円
児童養育加算 第1子と第2子 3歳未満の児童 1万5,000円
3歳以上~中学卒業 1万円
第3子以降 小学校卒業前 1万5,000円
小学校卒業~中学卒業 1万円
妊婦加算 妊娠6ヶ月未満 8,960円 7,610
妊娠6ヶ月以上 1万3,530円 1万1,500
産婦加算 母乳のみで育てる場合産後6ヶ月間 8,320円 7,070円
その他の場合産後3ヶ月間
障害者加算 障害者1~2級 2万6,310円 2万4,470円 2万2,630円
障害者3級 1万7,530円 1万6,310円 1万5,090円

例)
1級地に住む母子家庭で、2歳、7歳、10歳の3人の子どもがいる場合、

  • 母子加算・・・24,590+920=25,510
  • 児童養育加算・・・15,000+10,000+10,000=35,000

25,510+35,000=60,510

毎月6万510円が加算される

【D】そのほかの扶助はいくら?

世帯の状況に応じて、その他の扶助が出る場合もあります。

教育扶助

小学生~中学生の子どもがいる場合、教育扶助が支給されます。

教育扶助には、級地による金額の差はありません。

種類 対象 1人あたりの金額(月額)
基準額 小学生 2,210円
中学生 4,290円
特別基準額 小学生 670円
中学生 750円
学習支援費 小学生 2,630円
中学生 4,450円
教材代・学校給食費・交通費など 小学生・中学生 福祉事務所から直接支払い
(もしくは実費支給)

毎月支給されるのは、基準額、特別基準額、学習支援費です。

教材代・学校給食費・交通費などは、直接学校に支払われるか、後から実費が支給されます。

例)
中学生と小学生の子どもが1人ずついる場合、

2,210+4,290+670+750+2,630+4,450=15,000

月1万5,000円の教育扶助が受けられる

生業扶助(高校に通うための費用)

高校生の子どもがいる場合、生業扶助が支給されます。

こちらも、級地による差はありません。

種類 1人あたりの金額(月額)
基本額 5,450円
学級費 1,670円
学習支援費 5,150円
授業料、教材費、交通費など 必要最低限の額を支給

毎月支給されるのは、基本額・学級費・学習支援費の合計1万2,270円です。

授業料、教材費、交通費はかかった分だけ実費で支給されます。

必要なときだけ支給される生活保護費はいくら?

生活保護の受給中に、突然大きなお金が必要になることもありますよね。

状況によって、一時的に支給される扶助もあるので紹介しましょう。

生業扶助

小規模なお仕事を営むための生業費、技能や資格を取得するための技能習得費、就職準備のための就職支度費も、必要に応じて支給されます。

種類 限度額
生業費 4万6,000円以内
技能修得費 7万8,000円以内
就職支度費 3万1,000円以内

いずれも、限度額の範囲内で実費が支給されるものです。

出産扶助

出産にかかる費用が実費で支給されます。

種類 限度額
施設分べんの場合 29万3,000円以内
居宅分べんの場合 26万2,000円以内
衛生材料費 5,700円以内

葬祭扶助

葬儀にかかる費用が実費で支給されます。

亡くなった方 級地
1級地 2級地 3級地
大人 20万6,000円以内 18万300円以内
小人 16万4,800円以内 14万4,200円以内

ただし、級地や亡くなった方の年齢によって限度額が異なるので、注意してください(大人、小人の年齢の分かれ目は自治体によって異なるので、自治体に問い合わせてください)。

一時扶助

生活扶助の範囲でまかなえない下記のような費用が別途支給されることもあります。

種類 限度額
被服費 布団類(1組分) 1万9,100円以内
平常着(1人分) 1万3,800円以内
新生児衣料 5万900円以内
入学準備金 小学校 4万600円以内
中学校 4万7,400円以内
高校 6万3,200円以内
家具什器費 一般基準 2万8,700円以内
暖房器具 2万円以内
配電設備費、上下水道設備費 12万円以内
住宅維持費(年額) 12万円以内
紙おむつ代など
(※12)
月1万9,900円以内
就職活動促進費
(※13)
月5,000円

これらの一時扶助は、自治体に認められた場合のみ実費で支給されますが、ほかの扶助と比べて支給が下りにくいものだと思っておいてください。

※12
要介護者がいる世帯には期間限定で毎月おむつ代が支給されることがあります。

※13
就職活動中の人がいる世帯には、期間限定で毎月 就職活動促進費が支給されることがあります。

まとめ

最後に今回のポイントをおさらいしましょう。

  • 生活保護費は、世帯単位で支給される
  • 生活保護費は、世帯人数、住む場所(級地)、子どもの有無・年齢などによって異なる
  • 毎月支給されるのは、『生活扶助+住宅扶助+加算+教育扶助+生業扶助(※4)』の合計
    • 生活扶助・・・全員支給される
    • 住宅扶助・・・全員支給される
    • 母子加算・・・母子家庭に支給される
    • 児童養育加算・・・中学生以下の子どもがいる世帯に支給される
    • 妊産婦加算・・・妊娠中または産後6ヶ月以内の産婦がいる世帯に支給される
    • 障害加算・・・障害者がいる世帯に支給される
    • 教育扶助・・・小学生以上中学生以下の子どもがいる世帯に支給される
    • 生業扶助(※4)・・・高校生の子どもがいる世帯に支給される
  • 必要に応じて、一時的に、生業扶助(※5)、出産扶助、葬祭扶助、一時扶助が支給されることもある
  • 生活保護受給中は、医療費と介護費用の負担はなし(医療扶助・介護扶助)
  • 単身世帯の生活保護費の平均は、6万7,747円(加算なし、そのほかの扶助なし、住宅扶助を除くという前提)
  • 2人世帯の生活保護費の平均は、10万5,115円(加算なし、そのほかの扶助なし、住宅扶助を除くという前提)
  • 母子家庭(15歳以下の子ども1人)の生活保護費の平均は13万8,321円(住宅扶助除く)
  • 母子家庭(15歳以下の子ども2人)の生活保護費の平均は18万4,149円(住宅扶助除く)

いかがでしょうか?

今回の記事を参考に、『生活保護費がいくらになるか?』を計算してみてください。

最後になりましたが、他にも生活保護の特集をしていますので、あわせて参考にしてくださいね。

※4
ここでの「生業扶助」は、高校生の子どもがいる世帯を対象にした扶助を指します。

※5
ここでの「生業扶助」は、小規模な事業資金、技能習得費、就職支度費のいずれかに対する扶助を指します。

メープルシロップの買いすぎてお金がないから、生活保護を受けてるんだ~

この機会に生活を見直したほうがいいんじゃない?

(聞いてない)そだ。メープル扶助がないか調べてみよう!

いや、絶対ないから・・・

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