妻が勝手に自分名義のローンで借金!500万の負債を抱えることに【体験談】

(0)

この記事を評価する

評価を設定してください
×

妻の借金、夫に支払義務はあるか?

「本当に困っています。妻に多額の借金があることがわかりました。しかも、一部は夫である私名義になっています・・・」

「ある日突然、消費者金融から身に覚えがない借金の督促。実は嫁が勝手に自分(旦那)の名義でカードを作っていました・・・。自分に返済義務はあるのでしょうか?」

信用するパートナーがまさか自分に隠れて借金しているなんて・・・。

心を許している相手からの裏切りです。まさに怒り心頭ですよね。

しかもその借金の一部があなた名義になっていて、その返済まで肩代わりさせられるなんてとんでもない話です。

最近は、インターネットでかんたんに契約できるキャッシング・カードローンが増えたせいか、こういった家庭内詐欺のような事件が少なくありません。

実際に被害に遭ってしまった場合は、どのように対応すればいいのでしょうか?

こんにちは。

「月旅行に行けるぐらいお金が余っていて、ポケットマネーでぽんと1億円のお年玉をくれる夫と結婚したかったわ」

・・・と、妻につぶやかれた編集部の松田です。

もし配偶者があなた名義で勝手に借金していた場合、あなたが返済義務を負うことはあるのでしょうか?

まずは結論からお伝えしますね

このケースですと、原則としてあなたに返済義務はありません。安心してくださいね。

ただ、すでにあなたが持っているカード(クレジットカードやローンカード)を勝手に使われた場合はこのかぎりではありません。

カードの契約者があなた本人である以上、家族に不正利用された場合でも返済義務を負うことになります。

家庭内といえど、カード類はきちんと管理しなければなりません。

とはいえ、勝手につくられた借金をあなたが返済しなければならないなんて理不尽な話ですよね?

どうにかする方法はないのでしょうか?

そこで今回は、借金問題に強い元弁護士の猿間先生にアドバイスをいただきつつ、配偶者が勝手に借金した場合の対処法について、くわしく解説していきます。

たとえば、さきほどの「勝手にカードを使われたケース」でも、状況によっては返済額が一部、ないしは全額が免除される可能性があるんですよ。

あきらめるのは法律の専門家の話を聞いてからでも遅くないはずです。

配偶者に一矢報いてやりましょう!

また、「無断で人の名前を使ったり、借金をしたりする嫁なんかとは今すぐ離婚だ!」とお考えの方のために、「妻の借金を理由に離婚できるのか」についても、猿間弁護士にうかがっています。

一度きりの人生です。

とんでもないパートナーのせいで、あなたの人生を棒に振る必要はありません。

因果応報じゃありませんが、ときには突き放すのもやさしさです。

今回の記事がきっかけとなり、パートナーの借金問題で悩む方がひとりでも少なくなればうれしいです!

それでは本編に入りたいと思いますが、その前にある男性の体験談を紹介させてください。

妻が勝手に500万近い借金を抱えてしまい、家庭崩壊、一時は自殺未遂をするまで追いつめられてしまった男性による体験談です。

これがまた本当にかわいそうな話なんです・・・。

この記事のアドバイザー情報

  • 松田 一郎 編集者

    松田 一郎編集者

    博多生まれ横浜育ち。アラフィフの3児の父。出版社に12年勤務後、フリーランスに。結婚後、住宅ローンに教育費、生命保険に国民年金などなど、否応なしにかさんでいく家計を少しでも節約すべく、お金の勉強をはじめました。自分の体験や節約術が、同じような悩みを抱えている方々のお役に立てばという思いを込めて、ファイグーの記事制作にいそしんでいます。フィナンシャルプランナー2級技能士。日本サッカー協会公認D級指導員。

  • 猿間 トシヒロ 勤務社労士・元弁護士

    猿間 トシヒロ勤務社労士・元弁護士

    元弁護士。弁護士として5年間法律事務所に勤務。法律用語が素人に難解な文章で書かれていることに常日頃から疑問を感じており、ウェブコンテンツを通じて、法律をわかりやすく説明することを目指しています。現在は、東京都社会保険労務士会に所属し都内の企業において勤務社労士として勤務するかたわら、法律系コンテンツの作成を手掛けています。
    ※ アドバイザーはこちらの記事の筆者ではありません。記事の途中でアドバイザーとしてコメントしております。

妻が私名義で抱えた借金は500万円?借金発覚から完済までの話(体験談)

今回お話しするのは、私の元妻の話です。

彼女はもともとお金にルーズでしたが、まさか私名義で勝手に500万円近い借金を抱えるとは、考えてもみませんでした・・・。

一時は借金に追い詰められ、自殺未遂もしましたが、その後なんとか生活を再建。

現在は新しい妻と息子の3人で幸せな生活を送っています。

今回は、その借金の発覚から完済にいたるまでの一部始終をお話ししたいと思います。

体験者の情報

名前:山岸 勇雄(仮名)
性別:男
当時の職業:会社員
当時の年齢:46歳
借金の合計額:470万円(住宅ローン除く)
借入件数:4件(住宅ローン除く)
借金をしていた時期:2003年~2012年頃

お金にルーズで見栄っ張りだった妻

2009年当時、私は電気制御システムの開発設計の仕事に就いていました。

妻、養護学校高等部の長男、私立中学に通う長女の4人家族で、年収は800万円ほど。

家計のことはすべて妻に任せきりでしたが、とくに相談を受けることもなかったので、「住宅ローン以外の借金とは無縁だ」と思い込んでいました。

・・・それがとんでもない間違いだったんですけどね。

もともと妻はお金にルーズな性格で、節約のたぐいは一切しないような女性でした。

あればあるだけ使ってしまうんです。

また、見栄っ張りな気質で、友人との付き合いにはお金を惜しまないタイプでした。

こうした性格が災いし、私と結婚した頃にはすでに100数十万円の借金を負っていたようです(当時の私は知りませんでしたが)。

当然、やりくりできない妻では返済が進まず、借金は増える一方。

そうこうしているうちに美容関係のネズミ講にひっかかってしまい、一気に借金がふくれ上がります。

借金によるストレスで衝動買いや酒にも溺れ、さらに借金が増えるという泥沼のサイクルを繰り返す日々を送っていました。

身に覚えのない借金の督促

ここまで、妻の借金に気づいてなかった私ですが、あるとき勤務先に督促の電話がかかってきて、異変に気づきます。

2009年3月頃のことです。

東急カードから私の勤め先に電話がありました。

「返済を滞納されているようですが、どうなさいましたか?」と聞かれ、なにも知らない私はチンプンカンプン。

身に覚えのない話をされてイラだつ私に、オペレーターが丁寧に説明してくれました。

この電話をきっかけに妻の借金が発覚したのです。

しかも、妻は私の名義を使って勝手に借りていたんです!

だから私に督促の電話がかかってきたというわけですね。

押し入れから雪崩れ落ちてきた大量の督促状

そのとき発覚した借金は70万円でした。

私は即座に妻を問い詰めましたが、つじつまの合わない答えばかりでらちが明きません。

そのため、私の稼ぎからすれば大した額ではないと大目に見ることにしてしまったんです。

私は妻に、「すぐに貯蓄から返済すること」と「今後相談なしで借金しないこと」を念押しし、この話は終わりにしました。

妻に、「他の借金はないか?」と聞いたところ「ない」という返答だったので、今回は許そうと思ったのです。

ところが、それから1ヶ月ほど経ったある日。

おそろしいことが発覚しました。

そのとき家にいた私は、家の押し入れの取手に紐がグルグル巻き付けられていることに気づきます。

不自然なほど厳重に封がしてあるのです。

不審に思って紐を解き、押し入れを開けたところ・・・

「ドサッ!ドササササーッ!」

なんと督促状が雪崩になって落ちてきました!

キャッシング総額は470万円!マイホームは差し押さえ寸前に

督促状は複数社からきており、日付も新しいものから古いものまで数年に渡っていました。

そこでようやく、借金が1社だけではないこと、私名義で複数の借金をしていることがわかったのです。

彼女は、ニコスカードで150万円(金利18%)、オリックスで180万円(金利12%)、アコムで70万円(金利17%)、東急カードで70万円(金利17%)を借りていました。

ほかにも、月々13万5,000円の住宅ローンは、4カ月延滞して差し押さえ寸前になっていました。

さらに、税金28万円、ガス代6万円、水道代1万円、子供の給食費3万円などをすべて滞納していることも発覚・・・。

すべて合わせると、560万円以上の支払いを抱えていることになります。

一方、貯蓄はたったの数万円・・・。

私は愕然としました。

結婚17年目にして、ようやくすべての事実が明るみになったのです。

多額の借金を抱えたまま解雇されてしまう

私はどうにか返済計画を立てようとしました。

しかし、ちょうどその頃勤めていた会社が赤字に転落し、残業規制がかかってしまったのです。

おかげで、手取り月収は25万円ほどに落ち込んでしまいました。

そのため、会社の他に焼肉店のバイトをかけもちし、月収を6万円くらい増やします。

それでも、31万円のうち20万円は生活費と住宅ローン返済にあててしまうので、キャッシングの返済にあてられるのは最大10万円前後。

キャッシングの総額は470万円なので、仮に月10万円を金利16%で返していくとしても、完済まで6年以上かかる計算です。

しかも、返済総額は740万円以上・・・!

税金や公共料金も滞納していましたし、発達障害の息子、進学希望の娘を抱えてこの返済を続けていくのはキツすぎます。

私は次第に自信を失っていきました。

また、悪いことはとことん重なるものですね。

返済開始から3ヶ月後、会社都合で解雇を言い渡され無職になってしまいました。

追い詰められて自殺未遂

会社からは107万円の退職金が出たので、住宅ローンの滞納分54万円を一気に返済。

とにかくマイホームだけでも守ろうとしました。

しかし、残りの退職金は、次々出てくる少額の返済にあてられ、すぐに消えてしまいます。

私は、「もう絶対に返しきれない」と思いました。

そして、今から考えると本当に愚かだったと思うのですが、私は思い詰めた挙げ句、とうとう首を吊ってしまったのです。

ドアノブにネクタイをくくりつけ、座った状態で軽く体重をかけたらスーッと意識が遠のきました。

「ああ、これで楽になれる・・・」と救われたような気持ちになったのを今でも覚えています。

結局は思い留まり未遂に終わりましたが、このときは本当に追い詰められていましたね・・・。

再就職に成功!光が見えてくる

しぶとく生きていれば活路が開けてくるものです。

あのとき死んでいなくて本当によかったと思います。

借金発覚から半年後、以前の仕事仲間から仕事を依頼されました。

単価の大きな設計開発の依頼です。

それにより200万円の臨時収入があったので、金利も金額も大きいニコスカードの返済にあてて完済。

借金が一気に減ったことでだいぶ気が楽になりました。

そして、この後転職にも成功します。

転職先では前職より優遇され、以前よりも高収入を得られるようになりました。

また、知人が部屋を貸してほしいというので、半年間、自宅の1部屋を貸すことに。

これで、月5万円の副収入になります。

ほかにも、両親から食料の差し入れがあったりして、徐々に生活が上向いてきたんです!

新しい妻と再婚&借金の完済

現在の妻と再婚したのは2012年3月頃のこと。

このとき、残っていた借金80万円を完済し、キャッシングの返済はすべて終わりました。

返済が始まってから3年目のことです。

最後の80万円は現在の妻から借りたもので、その後も毎月5万円ずつ妻に返し続けていました。

現在は、長男、新妻と3人で幸せに暮らしています。

発達障害で引きこもりがちだった長男ですが、最近成人式を終え、無事就職することもできました。

今、当時を振り返ると、「人間あがけばどうにかなるものだなぁ」としみじみ思いますね。

離婚後も奇行を続けた元妻

途中から元妻の話が抜けていましたね。

勝手に借金をつくった元妻のその後を少しだけお伝えしておきましょう。

押し入れに隠されていた大量の督促状を発見したとき、私は元妻からこんなふうに逆ギレされます。

「もう家にはお金がない、家にあんたがいると胸が苦しいから出ていって!」

怒り狂う彼女を私はこれ以上子どもたちに見せたくなかったので、妻からのこの申し出に素直にしたがうことにしました。

それから私はしばらく家に帰らず、友人・知人宅を泊まり歩く日々が続きます。

しばらくすると、家庭裁判所を通じて「離婚したい」という申し出があり、借金発覚後5ヶ月目に離婚成立。

彼女は住宅ローンの滞納を知っていたので、「もう家がなくなるなら用はない」と思っていたようです。

結局、長男は私、長女は元妻が引き取ることになります。

家を出る費用は、「夫(私)の生命保険を解約してつくった」と、家庭裁判所の担当官から聞きました。

こうして元妻に見捨てられた私ですが、今では生活も家も立て直し、幸せに暮らしています。

それが予想外で気に食わないのでしょうね。

そして、元妻は離婚後も奇行を続けています。

家にやってきては物を持ち出したり、庭からハーブを摘んでいったり、何度も不審な行動をとっているようです。

そもそも離婚しているので、不法侵入ですよね・・・。

当時部屋を貸していた知人や長男の不安も煽るので、元妻には「二度と顔を見せないように」と厳重注意しました。

その後、姿は見せなくなりましたが、意味不明な手紙をよこして金の無心をしてきます。

長女は母親についていったため、子供をダシに金を引き出そうとしているのでしょう。

しかし、ない袖は振れないですし、養育費はきちんと払っていたので、そのほかの援助に関してはきっぱり断っています。

ようやく手紙も届かなくなりましたが、また届くかもしれないと思うと気味が悪くて落ち着きませんね。

元妻との生活から反省すること

勝手に私名義で借金した元妻を訴えるかどうか、考えた時期もあります。

でも、子供たちのことを思うと、どうしてもできませんでした・・・。

また、今回の件で悪いのは当然元妻ですが、家計をまったく把握していなかった私にも反省点はあります。

自分の甘さを嫌というほど思い知りましたので、反省して今後に活かしたいと思います。

最後になりましたが、あの押し入れから雪崩れ落ちてきた督促状の山は、いまだにトラウマです。

薄い封書やハガキの郵便物をみるとヒヤッとしますし、イヤな汗がにじみますね。

※3
妻が無断で夫のカードを使い、借金した場合も含みます。

まとめ

ここで今回のポイントをおさらいしてみましょう。

妻が借金していた場合、夫にも返済義務はあるのか

  • 妻が自分名義で契約した借金・・・原則として夫に返済義務はない(日常家事債務ではないという前提)
  • 妻が勝手に夫名義で契約した借金・・・原則として夫に返済義務はない(日常家事債務ではないという前提)
  • 妻が夫のカード等を無断使用してつくった借金・・・原則として夫に返済義務がある

借金を整理する方法

  • 債務整理の種類
    • 任意整理・・・利息・遅延損害金のカット、返済額の減額などが期待できる
    • 破産・・・ほとんどすべての財産を返済にあて、それでも完済できない場合は、残りすべての返済義務がなくなる
    • 個人再生(小規模個人再生)・・・大幅に借金(住宅ローン以外)を減額できる
  • どうすればいいかわからない場合は、『法テラス』『日本クレジットカウンセリング協会』『日本貸金業協会』などの機関に相談してみること

借金を理由に離婚できるか

  • 妻が借金したことで夫婦関係が破綻した場合は、離婚事由となり得る
  • 夫にも夫婦関係破綻の原因がある場合は、慰謝料を請求される可能性がある

妻に損害賠償を請求することはできるか

  • 妻の勝手な借金により返済義務を負うことになった場合は損害賠償請求が可能(日常家事債務ではないという前提)

今回は「妻が借金していた」という想定で解説しましたが、逆のケース(夫が借金していた)でも同様です。

配偶者のせいで身に覚えのない借金に苦しんでいる方は、まず債権者に「無権代理行為であること」「日常家事債務ではないこと」を主張してみてください。

それでうまくいかない場合は、弁護士に相談することをオススメします。

また、ほかにも夫婦間の借金問題、金銭トラブルで悩んでいる方は多くいらっしゃいます。いくつか体験談を紹介しますので、もしよろしければご覧になってみてくださいね。

同じテーマのログ(記事)ランキング

人気のログ(記事)ランキング

同じテーマの記事の一覧

カテゴリ一覧

キャッシングの基礎
ローンの基礎知識
キャッシングの体験談
注目の特集
レビュアーによる検証
債務整理体験談
全国各地の自動契約機(むじんくん)の詳細情報
筆者へ質問