更新日:2020/02/12
借り換えで借金は減ると思ってました。でも逆に増えてしまったんです【体験談】
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評価を設定してください ×「銀行や消費者金融からの450万の借金があります。返しても返しても元本が減らないため、返済が苦しいです。借入先を1社にまとめれば楽になりますか?」
「消費者ローンで110万円、クレジットカードのキャッシングで50万円、銀行カードローンで100万円の借入れがあります。この260万円をひとつにまとめたいのですが、審査に通りません。どうすればいいですか?」
なかなか減らない借金・・・。
もう自分ではどうしていいかわからなくなって、自暴自棄になりがちですよね。
そんなときに借り換えローンやおまとめローンの広告を目にすると、思わず申込みたくなるかもしれません。
最近は少し減りましたが、以前はテレビCMで借り換えローンの宣伝がバンバン流れていましたし、ちょっとネットを検索するだけでもたくさんのページがヒットします。
ですから、「借り換えをすれば、確実に借金の返済は楽になる!」と思ってしまう方の気持ちはよくわかります。
しかし、そのような宣伝をみて、申込みしようとしているのなら、一度この記事を読んでみてください。
今回インタビューしたのは、借り換えをしたせいで、なんと逆に借金が増えてしまったからです・・・。
こんにちは。
今回は、借金の返済を楽にするために借り換えをおこなった方にインタビューをおこないました、当サイト・ファイグー編集担当の内田です。
この記事をご覧になっているということは、なかなか減らない借金に困っていて、借金生活から抜け出すための方法を探しているのだと思います。
あるいは、借金の借り換えを検討中で、借り換えにオススメのローンを調べているのかもしれませんね。
そんなあなたにまずお伝えしたいのは、『返済に困っている=借り換え』と考えるはとても危険だということ。
今回お話を伺った小田さん(仮名)は、SMBCモビットから借りた170万円の返済に困り、より金利の低い楽天銀行のカードローンへ借り換えをおこなったのですが・・・。
返済は楽になるどころか、逆に借金が470万円に膨れ上がってしまったんです・・・。
小田さんには当時の状況を思い出しながら、返済の負担を軽くするための借り換えで借金が増えてしまった経緯をお話いただきました。
さらに今回は、借金問題を解決するポイントをお伝えするため、弁護士の寺林先生にも取材をおこないました。
結論からいいますと、寺林先生は「借金の返済で困ったら、借り換えではなく債務整理をするべき」と仰っています。
なぜなら、債務整理には『借金そのものを減額または帳消しにできる』という、借り換えにはないメリットがあるからです。
しかし、債務整理と聞いて、なんとなく抵抗を覚える方もいらっしゃいますよね。
そこで、『どうしても借り換えをしたい人が利用するべきローン』も寺林先生に紹介していただき、記事の後半でまとめています。
『借り換えで実際に失敗した方の体験談』と、『数々の借金問題に携わってきた弁護士からの貴重なアドバイス』の両方をお伝えしていきますので、ぜひ最後までお付き合いください。
それでは、本編のスタートです。
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寺林 智栄弁護士
2007年より弁護士として活動しています。私の強みは、男女問題・離婚問題・セクハラ・パワハラ・借金問題など、私たちの身近にあるトラブルの相談・弁護を数多くこなしてきている点です。悩みを抱える方々のお力になれるように、法律の専門家の視点から丁寧にわかりやすくアドバイスをさせていただければと思っています。
※アドバイザーはこちらの記事の筆者ではありません。記事の途中でアドバイザーとしてコメントしております。 -
内田 恵子編集者
東京生まれ。アラフィフ。出版社勤務の後独立。編集・ライター歴30年。ファイグーでは「わかりにくいお金の話を、わかりやすくお伝えすること」「少しでも役に立つ情報をお届けすること」をモットーに、より具体的で、身近に感じていただける記事を目指しています。猫派で今は元ノラを多頭飼い中。日々癒してもらってます。
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ささき 英雄編集者
七夕生まれ、編集・ライティング歴10年。前職ではグルメ雑誌の制作に携わっていましたが、30歳の誕生日をきっかけに独立しました。ファイグーでは「自分の仕事は書くことではなく伝えること」という意識で記事に取組んでいます。担当記事は、利息や審査などライバル記事だらけのテーマが多いです。そのため、「他のどの記事よりも正しい」のは当然として、さらに「どうすれば読みやすくなるか」を日々追求しています。
返済を楽にするための借り換えで借金が300万円も増えてしまった理由
お話をうかがったのは、小田隆さん(仮名)、34歳。
明るく気さくな雰囲気の男性で、奥さんと2人のお子さんとの4人家族です。
出張先でパチンコにハマり、470万円もの借金を作ってしまいました。
小田さんがはじめてキャッシングを利用した経緯と、今も続く返済生活について詳しくうかがいました。
体験者の情報
名前:小田 隆(仮名)
性別:男
職業:会社員
当時の年齢:32歳
借入件数:銀行1件、消費者金融1件
会社名(借入先):楽天銀行、モビット
利用時期:2012年10月~2014年現在
借金の合計額:470万円
私の周りではみんな当然のようにキャッシングをしていました
― キャッシングのきっかけは?
私は機械メーカーで営業や工事の仕事をしています。
この仕事は1~2ヶ月の長期の出張が多いのですが、出張先では時間を持て余すので、パチンコや飲みに行くことが多くて・・・。
すると自分の小遣いだけでは足りなくて、2012年の12月にはじめてキャッシングを利用しました。
― 収入はいくらでしたか?
給料は手取りで30万円ほどです。
それにボーナスを合わせると、年収は500万円以上ありました。
妻もパートに出て、月4~5万円は稼いでいます。
でも、小学校と幼稚園の子供が2人いるので、常にカツカツの生活でした。
賃貸住まいなので家賃が必要ですし、下の子の幼稚園の月謝が3万5千円もかかるので、やりくりが大変でしたよ・・・。
だから、私の小遣いはたった3万円。
煙草代や昼食代を払うと、手元にはほとんど残りません。
― 奥さんに「お小遣いがもっと欲しい」と頼まなかったのですか?
「飲み代やパチンコに使うから、小遣いを増やしてくれ」とはいえません(笑)。
もちろん、キャッシングすることも妻には話しませんでした。
― キャッシングを利用することに抵抗はなかったでしょうか?
会社の同僚やお客さんに消費者金融を利用している人も多かったので、抵抗はなかったです。
借金していることを、フランクに話す人が多いんですよ。
みんなパチンコ代を借りているみたいですが(笑)。
「借金生活になるのでは?」という不安も少しはありました。
でもそのときは「まぁいいか・・・」と思ってしまったんです。
― 「どの業者がいいか」周りに相談しましたか?
とくにしませんでしたが、周りの人たちは「どこもだいたい同じ」と話していましたね。
みんなアコムやレイクのような大手の消費者金融を使っているみたいでした。
申込みは10分で完了!提示された利用限度額は170万円
― どのようにキャッシングの業者を選びましたか?
とりあえず、インターネットで『消費者金融』と検索しました。
すると、一番にSMBCモビットが表示されたので、そのまま申し込んでしまいましたね。
― 申し込みの手続きはどこでしましたか?
会社のパソコンからです。
入力フォームに、名前や住所などの個人情報、家族構成、勤め先と年収、あと希望借入額を入力。
それから、収入証明書として前年度の源泉徴収票をスキャナで取り込んで添付しました。
勤め先なので、スキャナが使えたんです。
インターネットの手続きにかかった時間は10分程度でした。
― その後、SMBCモビットから確認の電話はありましたか?
ネットで申し込みをしたのが夜の10時過ぎでした。
ですから、その日のうちには連絡はなく、翌日の午前中にSMBCモビットから携帯に電話がかかってきました。
まずフォームに入力した項目の最終的な確認をされましたね。
そして、限度額の説明がありました。
自分は『借り入れ希望額』を100万円と書いていましたが、「170万円まで借りられますがどうしますか?」と聞かれたんです。
もちろん、そのままOKしましたよ。
― こちらからはなにか質問しましたか?
「どのくらいでカードが届くのか?」「どうやってお金を下ろすのか?」を尋ねました。
すると、「カードは1週間ほどで届きます」「お金はコンビニで引き出せます」と説明してくれました。
「金利は借入額によって変わるけど、16%前後になる」と説明も受けましたね。
― 会社に在籍確認の電話はありましたか?
はい、会社に個人名で電話がかかってきたみたいですね。
自分が電話を取った訳ではありませんが、それで在籍確認はOKだったみたいです。
毎週10万円の借入れ!わずか5ヶ月で借金は170万円に
― 最初はいくらお金を借りたのですか?
最初は3万円ほど下ろしたと思います。
カードが届いてからすぐに次の出張先で使いました。
でも、パチンコや飲み代に使っているうちに1回で下ろす額が大きくなり、下ろす回数も多くなっていきました。
― どれくらいお金を使うようになったのですか?
週末ごとに10万円ほど使っていました。
パチンコをやりはじめると、「勝てばいいんだ・・・」という気持ちになって、どんどん使ってしまうんですよね・・・。
また、出張旅費を立て替えるために、20万円引き出したこともあります。
― 月々の返済はどれくらいですか?
最初は8千円程度で済みましたが、限度額いっぱい借りたころには毎月4万円ずつ返済していました。
一ヶ月のお小遣いが3万円だったから、明らかに赤字ですよね・・・。
― 返済はできていたのですか?
枠があるうちは、そこから借りて返していました。
つまり、お金を出し入れしているだけで返済できていません。
自分のお金で返しているわけではないので、マズいことはわかっていました。
でも、目の前の返済日をやり過ごすために、ついついやってしまって・・・。
そうこうするうちに、結局、4~5か月で借入額が上限いっぱいの170万円に達してしまったんです。
借り換えローンの300万円も酒とパチンコで消え、借金は470万円に
― 限度額に達した時、どうやってSMBCモビットに返済をしたのですか?
「なんとか楽に返せないか」とインターネットで調べていたら、借り換えローンにたどり着きました。
今のローンよりも低い金利の業者に借り換えをすれば、少しは返済も楽になります。
そこで、インターネットで『借り換えローン』と検索してみます。
すると、最初のほうに表示されたのが楽天銀行のカードローンでした。
すぐに楽天銀行カードローンについてクチコミを調べてみると、金利面がいいし、限度額も高そうだったので決めてしまいましたね。
― 楽天銀行の申し込み手続きは?
やはりインターネットから申し込んだので、SMBCモビットのときとほとんど変わりません。
ただ、このときは『他社の借入れ』を入力しなければならないので、170万円借りていることを正直に書きました。
すると翌日、モビットと同じように携帯電話に連絡があり、審査結果が伝えられました。
なんと今度は「限度額300万円」といわれたんです・・・!
金利は利用額に応じて、4.9~12.5%なので、SMBCモビットよりも低金利になりました。
― 300万円と聞いてどう思いましたか?
「すごいなぁ・・・」と思いましたよ。
そんなに貸してもらえると思わなかったので驚きました。
その300万円から、まずモビットの借金170万円を一括返済すればいいわけですからね、
そうすれば、今度はモビットよりも低金利で返済することができます。
ところが、なぜか私はこのうち50万円しか返済に充てませんでした。
そして、残りはまたパチンコなどに使うようになってしまったんです・・・。
― 結局、楽天銀行から借りた残りの250万円はどうなったのですか?
実は、またしても半年ほどで限度額すべてを使い切ってしまいました。
つまり、私は1年も経たないうちに470万円の借金を抱えてしまったんです。
飲み代やパチンコに使ってしまうとあっという間ですよね。
「派手に使っているな」という自覚はあったのですが・・・自分を止められませんでした。
離婚寸前の危機!督促状が原因で妻に借金がバレる
― 返済はできていたのですか?
月々の返済額はモビットが3万円、楽天が4万円で、合計7万円です。
どう考えても無理がありました。
その後、返済が滞ってしまい、会社に催促の電話がかかってきたことがあります。
さらに、20日以上滞納して、『親展』と書かれたハガキが自宅に届きました。
督促の郵便です。
ハガキは中身が見えないようにシール式になっていたのですが、それを妻が開けてしまったんですよね。
それにより、妻にも借金がバレてしまったんです・・・。
― 奥様の反応はいかがでしたか?
めっちゃくちゃに怒られました(笑)。
この世のものとはおもえない形相で叱られました(笑)
あと一歩で離婚されるところでしたね・・・。
470万円の借金は今も少しずつ返済中
― 今は地道に返済されているのでしょうか?
カードはすべて妻に取り上げられて、月々の返済も妻が管理しています。
返済のためにパートをがんばってくれているので、妻には本当に頭が上がりません。
日々の生活はキツいですが、ボーナスが出たら一括返済していく予定です。
おそらく2年程度で完済できるのではないでしょうか。
― 今でもパチンコに行きたくなってしまいませんか?
もちろん、ときどきは行きたくなります。
でも、小遣いも1万円に減らされてしまったし、自由に使えるお金なんて1円もありません。
お昼ごはんも、今は自宅から弁当を持参しています(笑)。
今回のことで夫婦喧嘩も散々やりましたから、これ以上怒られるようなことはできませんよ・・・。
まとめ
いかがでしたか?
それでは最後に、この記事のポイントをおさらいしましょう。
借金が返せなくて困っている場合は債務整理を検討する
- 債務整理なら借金が減額または免除される
- 任意整理・特定調停・個人再生・・・借金の減額ができる
- 破産・・・借金の返済が免除される(ただし財産は処分される)
- キャッシングやローンが利用できなくなる
- 債務整理の履歴は5~10年、信用情報に記録される
- 債務整理の記録がある限り、キャッシングやローンの審査には通らない
- 強制的に借金ができない状況になるため、借金問題の解決につながる
- 弁護士費用がかかっても債務整理のほうが金銭負担は少ない
- 弁護士費用の負担額よりも、債務整理によって減額・免除される借金の金額のほうが大きい
借り換えをするなら消費者金融の借り換え・おまとめ専用ローンを選ぶ
- 追加借入れができない借り換えローンを選ぶ
- 借入れが可能なのは契約時のみで、以降は追加借入れができない
- そこから返済をするだけなので、着実に残高を減らすことができる
- 借入先への返済を代行してくれる借り換えローンを選ぶ
- 契約者本人にはお金を渡さない
- 借入先への返済は金融業者が直接おこなう
- 借入れたお金を返済以外の用途で使ってしまうリスクを避けられる
- オススメの借り換えローン
- アコム 貸金業法に基づく借り換え専用ローン
- プロミス おまとめローン
- 新生パーソナルローン おまとめローン
「借り換えをすれば借金の返済は楽になる!」
なんとなくそんなイメージを抱いていた方も多いと思うのですが、借り換えをしても借金は減らないどころか、さらに借金を重ねてしまう危険をはらんでいることがわかりましたね。
借金問題を解決するには、『借金そのものを減らすこと』と『それ以上の借金をしないこと』が重要なので、この2つを満たす債務整理がベストです。
ただし、どうしても債務整理に抵抗がある場合は、『追加借入れができず、借入先への返済を代行してくれる借り換えローン』を利用して、今よりも借金が増えないようにしてください。
なお、【借り換えローンと債務整理のどちらを選ぶべきか】については、以前に寺林先生とは別の弁護士の方にも取材をおこない、以下の記事にまとめています。
こちらは、より客観的な視点で借り換えローンと債務整理それぞれのメリットについて解説した内容になっていますので、ぜひ参考にしてください。
また、以下の記事では債務整理に対応している法律事務所をピックアップし、無料相談の可否や弁護士費用、対応エリアなどのデータをまとめています。
債務整理を依頼する弁護士選びに困っている方や債務整理の費用相場を知りたい方は、ぜひこちらもご活用ください。
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