パチンコの借金が原因で友人と殴り合いの喧嘩に。逮捕され全てを失う

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口論の末、熱くなりすぎて殴り合いのケンカになり、最後は警察を呼ばれ逮捕される。

そんなこと、自分に限ってはあり得ない。
自分が手錠をかけられるなんて想像もしていないと思います。

しかし、傷害の逮捕者の多くは自分には無縁のことだと思いながら、ふと気がついたら警察のお世話になっているのかもしれません。

突然の逮捕、すごく不安になりますよね?

そこで今回は、ケンカをして友人を殴ったしまったことで、現行犯逮捕されてしまった前橋さんの体験談をご紹介します。

前橋さんは、どんな経緯で逮捕されるまでにいたってしまったのか、また記事の後半では、法律事務所の元スタッフが逮捕から裁判までの流れを解説しています。

  • 逮捕されるといつまで拘束されるのか?
  • 保釈金は最低いくら必要なのか?
  • 弁護士はすぐ呼ぶことができるのか?
  • 必ず「前科あり」になってしまうのか?

このような内容を中心に説明していきます。

逮捕から裁判の流れだけを読みたい場合は、「逮捕されるとどうなっちゃうの?逮捕から裁判までの流れ(編集より補足)」からご覧ください。

体験者の情報

名前:前橋 康太(仮名)
当時の年齢:25歳
時期:平成23年6月~平成24年5月
借金総額:60万円
借金の使いみち:パチンコ代、飲み代、キャバクラ

パチンコ資金を借りたことがすべてのはじまり

私は大学を卒業後、定職に就かず毎日遊んで過ごしていました。

当時の私の日課は、中学時代からの友人2人とパチンコに行くこと。昼間はパチンコに行き、夜は飲みに行くというのがいつもの流れでした。

でも、そんな日々が長く続くはずもありません。

最初はビギナーズラックで運良く勝てていたのですが、あるときから全く勝てなくなったのです。

パチンコを始めてからたった4ヶ月で、120万円あった貯金がゼロになってしまいました。

一方、友人2人はパチンコで生活ができるほど稼いでいたため、毎日しつこくパチンコに誘ってきます。

資金のなくなった私は、だんだん誘いを断るようになりました。

そんなある日。

友人のうち1人(以降、井上とします)が、「金は貸すから来い」と言ってくれたのです。

最初は借りるつもりなどなかったのですが、せっかくの申し出ですし、私自身お金に困っているのは事実。

目の前に20万円を出されたら、断ることなどできませんでした。

お金はあるのに返さない!?

井上から借りたお金でパチンコをするようになった私は、どういうわけか勝ち続けるようになりました。

毎月の収入は、40万~70万円程度。

安定して稼げるようになると、お金の使い方も派手になっていきます。

実家暮らしだったこともあり、稼いだお金のほとんどを飲み代にあてるようになったのです。

さらに、自分は成功者だと勘違いし、キャバクラにも通うように。

その後もしばらくパチンコで稼ぐ日々は続きます(2011年6月頃~2012年2月頃まで)。

この頃は、友人からの借金の20万円を余裕で返すことができましたが、私は返そうとしませんでした。

「返さなくても問題ない。くれたようなものだ」

相手が友人だからという理由で、こんな考え方になっていたのです。

時々、井上から「そろそろ返してほしい」と言われていましたが、全く聞く耳を持っていませんでした。

ふたたび資金難に!手を差し伸べくれた友人

ところが、平成24年3月頃になると、状況が大きく変わりました。

これまでのようにパチンコで稼ぐことができなくなり、赤字になってしまったのです。

このときの私は「今はたまたま稼げないだけだ。資金があればすぐ取り戻せる」と思い込み、今度は自分から井上にお金を借りに行きました。

井上は、私の今までの稼ぎを知っていたのでこころよく貸してくれましたが、「稼いだらすぐに返すように」と念を押されました。

私は借りたお金でパチンコを続けましたが、なんと4月も赤字になってしまったのです。

資金難に陥った私は井上に頼み込み、再び20万円を借りました。

しかし、結局5月も赤字になってしまい、とうてい返済できる状態にはなりません。

ケンカの末、傷害事件で逮捕される

そんな5月のある日、いつものパチンコ仲間との飲みの席でのことです。

井上が、いつもより強く返済を求めてきました。

お酒が入っていたこともあり、私は冗談半分で、

「お前の物は俺の物だ!」

と言ってしまいました。

その言葉に井上は激怒!

激しい口論になったのです。

店員が仲裁に入りますが、焼け石に水です。

激しい口論はおさまることがなく、とうとう殴り合いに発展。

熱くなった私は、井上の鼻を力一杯殴りました。

さらにマウントポジションになり、井上を一方的にボコボコにしてしまったのです。

気がつくと井上の顔は血だらけに...!

私は店員が呼んだ警察に取り押さえられました。

そして、そのまま警察署に連行され、取調べを受けることになったのです。

反省しても もう遅い!すべてはあとの祭り

逮捕後、私は20日間ほど拘束され、警察と検察から取り調べを受けました。

そして、起訴されたのです。

起訴後は、若手の国選弁護人が付きましたが、彼に今回の経緯を話しているうちに、大きな罪悪感におそわれました。

冷静に振り返ってみると、「私の態度がどれだけ友人に嫌な思いをさせていたか」徐々にわかってきたのです。

また、母親の言葉も反省のきっかけとなりました。

一度 両親が面会に来てくれたのですが、いたたまれなくなった私は「ごめんなさい」と謝罪。

それを聞いた母親は、「私たちではなく、相手に言いなさい」と言い残し、その場を去りました。

この一言で、私は自分がしてしまったことの重大さを改めて実感したのです。

そして、井上に心から謝りたいという思いが芽生え、そのことを弁護士に伝えました。

しかし、今さら謝って許してもらおうなんて虫がよすぎですね。

井上は一切聞く耳を持たず、骨折してしまった鼻の治療費として200万円を請求してきました。

その後も、なんとか井上に謝罪の気持ちを伝えたいと思い、弁護士を通して謝罪文を送りましたが、反応はなし。

弁護士から聞いた話によると、一緒にいたもう1人の友人も私に対して悪い感情を抱いており、証言するのは私に不利なことばかりだったそうです。

結局、井上とはコンタクトを取れないままでしたが、両親が200万円の保釈金を支払ってくれたおかげで私は拘置所を出ることができました。

※編集より補足
起訴、国選弁護人、保釈金などの用語に関しては、後ほど「逮捕されるとどうなっちゃうの?逮捕から裁判までの流れ(編集より補足)」でくわしく説明しています。

私はすべてを失ってしまった

井上から借りた60万円と、治療費200万円は両親が支払ってくれたため、事件は一件落着となりました。

しかし、その後も井上たちと連絡をとることはありません。

また、両親の失望も相当なもので、家全体の雰囲気が暗くなりました。

私は全てを失ったような気分で毎日を過ごしています。

激しい後悔を感じながら、二度と同じようなことをしでかさないように、日々自分をいましめています。

友人間のお金の貸し借りは慎重に

今回の件で私に非があった部分は数えきれませんが、もっとも悪かったのは「友人からの借金を甘く考えていたこと」だと思います。

お金の問題はシビアです。

返済をいい加減に考えていると、私のように一生の友人を失うかもしれません。

大げさかもしれませんが、お金の貸し借りをするときは、たとえ友人間であっても簡単な書面(借用書)を取り交わしましょう。

借りた日、借りた金額、毎月の返済額と返済日などを記しておくといいと思います。

法律上は、口頭でも契約成立しますが、書面にしておけば、後々トラブルになったときに役立ちます。

書面を取り交わしたら、そこに書いてあるとおり、きちんと返済しましょう。

※編集より補足
法的に効力を持った借用書の書き方の解説はこちらです。あわせてご確認ください。

いかがでしたか?

お金のトラブルって本当にコワいですよね...。

お金のせいで人間関係が壊れてしまうこともまれではありません。

親しき仲にも礼儀あり。

お金の貸し借りをするなら、特に借り手がきちんと約束を守るようにしましょう。

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