パチンコ依存症の怖さ。ギャンブルでの借金は絶対にダメ!【体験談】

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パチンコ依存症は本当に怖い

「使っちゃいけないお金ということは十分にわかっています。でもパチンコを目の前にするとブレーキが効かないんです・・・」

「旦那の借金グセが発覚しました。原因はパチスロです。なんとしかしたいのですがもうムリ・・・。憔悴しています・・・」

「パチンコを辞める方法を教えてください。たぶん私は依存症なので、自分ではどうしようもないんです・・・」

自分ではどうにかしてやめたいと思っているのにやめられない。

ギャンブル依存症がコワいのはここですよね。

なんとかしなければならない・・・という自覚があっても、自分の力ではどうしようもない。

しかし、そのまま放っておくと借金を抱えてしまうかもしれませんし、最悪の場合、犯罪に手を染めてしまう可能性さえあります。

そうなったら最期。
もう後戻りはできません。

これからの人生を棒に振ることにもなりかねないのです・・・。

こんにちは。
朝イチ激アツの言葉に体が反応してしまう生粋のパチンカー、編集者の小林です。

過去7年間にわたりパチンコ雑誌の編集に携わり、自身もパチプロ生活に足を踏み入れた経験があります。

パチンコに長く関わってきた人間として強く思うのは、パチンコは娯楽の王様といわれるとおり、本当に楽しい大衆娯楽だということ。

私も元パチンカーですから、ハマってしまう人の気持ちもよくわかります。

しかし、それはあくまで上手な付き合い方をしていることが前提です。

誤った遊び方をして借金や家庭崩壊・・・私はそんな方々を何十人とみてきました。

パチンコは付き合い方を間違えると非常に凶悪なギャンブルに変貌することを忘れてはいけません。

俗に、依存症(中毒)と呼ばれる状態になると、負のスパイラルに陥り、自分で脱出するのは至難の業です。

なぜなら、依存症とは「自己でコントロールできない状態」のことを指すからです。

ギャンブル依存症の疑いがある人の数は、国民全体の3.6%、約320万人といわれています(厚生労働省2017年の調査)。

これは諸外国と比べても約3倍高い数字です。

そして、ギャンブル依存症のうち約9割がパチンコ依存症であり、ほぼすべての方が借金をしています。

なぜ、パチンコ依存症になり、借金をしてしまい、破滅の人生を歩んでしまうのでしょう?

今日はそこを紐解いていきましょう。

先ほどもお伝えしたとおり、私は仕事柄、数多くの依存症患者と接してきました。

今回取材したパチンコ依存症の高橋さん(仮名)もそのひとり。

高橋さんは典型的なパチンコ依存症で、借金をしてはパチンコを繰り返し、借金の最高額は150万円にのぼりました。

そんな高橋さんがどのようにしてパチンコ依存から抜け出したのか?

今回の取材ではそこに焦点を当ててお話してもらっています。

さらに今回は、医師の川合さんと心理士の有馬さんにも取材を行い、

  • なぜ借金するほどギャンブルに依存してしまうのか?
  • 有効なギャンブル依存症対策はなにか?

この2点を専門家の視点から解説していただきました。

とくに、ギャンブル依存症から実際に回復した方のエピソードは必見です。

また、記事の後半では、すでにかかえてしまった借金の対処法(債務整理)についても解説しています。

たとえば、「ギャンブルが原因の借金だと破産の免責がおりない」という話を聞いたことはありませんか?

実はこれ、真っ赤なウソなんです。

正しくはウソではないのですが、ギャンブルが原因の借金でも免責はおります。

安心してください。

ギャンブル依存症は、家族や恋人との不仲や職場での孤立が引き金となって患う病気です。

なかなか自分ひとりの力で治すことはできません。

風邪をひいたら病院に行くのと同じように、ギャンブル依存症にも治療が必要です。

今回の記事がきっかけとなり、ひとりでもギャンブル依存に悩む方が少なくなればうれしいです。

それではまず、パチンコのせいで10年以上借金を抱えることになった高橋さんのお話からご紹介していきますね。


本記事では、『パチンコ』という単語に『パチスロ(スロット)』の意味も含んでおります。

この記事のアドバイザー情報

  • 小林 安志 編集者

    小林 安志編集者

    北海道生まれの四十路男。編集・ライター歴15年。出版社にてペット・ギャンブル雑誌から料理・健康・金融と様々な実用ジャンル書籍の編集を経験し、フリーランスに転身しました。マネー系の実用書の編集経験や取材をもとに、皆様の役に立つ鮮度の高い情報を提供できれば幸いです。2人の男児を育てる自称イクメンでもあり、寝かしつけ途中に自分も寝てしまわない方法を日々画策中です。趣味は、せんべろ(安酒)飲み・マジック・スキーなど。

  • 有馬さとみ(ペンネーム) 心理士

    有馬さとみ(ペンネーム)心理士

    臨床心理士養成大学院を修了後、精神科病院にて依存症治療に携わる。カウンセリングや疾患教育などの治療プログラムを担当している。家族支援にて、家族間の調整や家族カウンセリングを行う。
    ※アドバイザーはこちらの記事の筆者ではありません。記事の途中でアドバイザーとしてコメントしております。

  • 川合真理(ペンネーム) 医師

    川合真理(ペンネーム)医師

    23歳で薬剤師になった翌年に医学部に入学。薬剤師として勤務しながら29歳で医師免許取得。医師として1年間研修を受けたものの、現在は家庭の事情で病院との連携業務を行っいる。産婦人科専門課程、妊婦授乳婦サポート薬剤師、スポーツファーマシストの専門課程は取得済み。
    ※アドバイザーはこちらの記事の筆者ではありません。記事の途中でアドバイザーとしてコメントしております。

  • 志村 誠(ペンネーム)

    志村 誠(ペンネーム)ギャンブル依存症者支援活動家

    青少年の抱える問題(虐待、イジメ、薬物依存など)を解決するための支援活動を行っている。具体的には、カウンセリングや疾患教育などの治療プログラムを担当している。自身も幼い頃に虐待を受けた過去を持つ。
    ※アドバイザーはこちらの記事の筆者ではありません。記事の途中でアドバイザーとしてコメントしております。

パチンコが原因で10年以上借金していた私が依存から脱却するまで(体験談)

はじめはすぐ返せると思っていた借金ですが、完全に考えが甘かったです。

わずか十数万円の借金がきっかけになり10年以上も返済生活を送ることになるとは、当時は思ってもみませんでした。

ギャンブルって本当に怖いですね。

今は依存症から脱していますが、いまだに借金の返済は続けています。

体験者の情報

名前(仮名):高橋 英司
性別:男性
職業:会社員
年齢:33歳
借入件数:3件
借入時期:1998年5月~
借金の合計額:150万円

借金のきっかけは自動融資カードローン

私が借金してパチンコをするようになったのは、銀行の自動融資カードローンがきっかけです。

当時の私は自動車ローンを組んでおり、毎月3万円の支払い、ボーナス月に20万円の支払いをしていました。

ところが、『ボーナス支給日』と『ボーナス払いの引き落とし日』をきちんと把握していなかったために、引き落とし日のほうがボーナス支給日より先にきてしまうというミスを犯します。

この場合、普通なら残高不足で引き落とし不可になりますが、当時利用していた三菱UFJ銀行には、『自動融資カードローン』というサービスがありました。

このサービスは、残高不足になってしまっても、不足分が自動的に融資される仕組みで、なかば強制的にお金を借りさせてしまうことができるわけです。

ありがた迷惑なサービスですよね。

ボーナスを全額パチンコ代に費やして借金50万円

当時の私は通帳記入をしておらず、明細書も見ていなかったので、しばらく自動融資のことに気づきませんでした。

気づいたのはしばらく経ってからです。

「もう残高がないはずなのに引き出せるんなんておかしい」と思い、通帳を記入。

そこではじめて、自分が自動融資カードローンを利用していることに気づきました。

でも、ちょうどそのときはボーナスの支給直後。

ボーナスを返済にまわせば、すぐに完済できたでしょう。

しかし、その頃の私はダメダメ人間でしたから、あろうことかボーナスをすべてパチンコ代に使ってしまったのです。

おろかな私は「やばい・・・」どころか「ラッキー!」とまで思っていたんですね・・・。

こうして20万円の借金を背負ってしまったわけですが、次のボーナスのときも同じ過ちを繰り返し、借金はあっという間に40万円に。

結局、残りの10万円もパチンコに使ってしまい、利用限度額の50万円を使い切ってしまいました。

「借金してパチンコ」「現金があればパチンコ」の悪循環

三菱UFJ銀行の自動融資カードローンを使い切ってしまった私は、もともと持っていたクレジットカードのキャッシングにも手を出すようになります。

まずは自動車ローンのボーナス払い分(20万円)をキャッシングで支払い、受け取ったボーナスはパチンコに使ってしまいます。

今から考えるとアホの極みですが、当時は「ラッキー!ボーナス分が浮いた!」と考えていたのだから救いようがありません・・・。

現金があればパチンコに使うという絵に描いたような負のサイクルを回していましたね・・・。

また、この頃になると、借金に対してまったく抵抗がなくなります。

あたかも「ATMで自分の口座からお金を引き出しているイメージ」です。

こうなってしまうと、もう自分の力では止めることができません。

しまいには、クレジットカード2枚でキャッシングし、合計100万円を借りてしまいました。

借金は3社合計で150万円です。

とんでもない金額ですが、当時はその重大さをわかっていなかったんですよね・・・。

副業と結婚資金で100万円を返済

そんな私が絶対に返済しよう!と決心したきっかけは婚約です。

20代後半になり、付き合っていた彼女(現在の妻)の結婚願望が急激に強くなりました。

しかし、問題は借金・・・。

私は「どうにか結婚までに完済しなければならない!」と必死になります。

そこで力を入れたのは副業です。

物販系のアフィリエイトやブログライターの仕事で月20万円ほどの収入を得て、3ヶ月ほどで1社目を完済。

思いのほかカンタンに返済することができたので、これまでの苦労はなんだったんだと思いましたね。

また、2社目の借金は、結婚資金として貯めてきたお金で完済しました。

妻には申し訳ないと思いましたが、背に腹は代えられません。

これでクレジットカード2社からの借金(計100万円)を完済することができました。

出張中に借金を滞納!嫁にバレる

とはいえ、結婚までに完済することはできず、三菱UFJ銀行の返済だけは残ってしまいました。

もちろん、妻には内緒。

ひっそり返済を続けていました。

でも、結婚後は小遣い制になり、お小遣いはたったの2万円・・・。

そのうち1万円は返済にまわさなければならない状況だったので、正直かなり厳しかったですね(笑)

そのうえ、海外出張がきっかけで、妻に借金がバレたのも痛かった(笑)。

1ヶ月ほど出張に行くことになり、その間の返済をすっかり忘れていました。

携帯もつながらない状況だったので、銀行から自宅に催促の電話が・・・。

妻にバレてしまったのです。

てっきりものすごいサイズの雷を落とされると思っていましたが、妻は冷静でした。

私も素直にこれまでの経緯を説明したら、完済できるようお金を貸してくれたのです!

そのおかげで三菱UFJ銀行の借金も完済することができました。

パチンコ依存症で再び借入れを繰り返す

一度はすべての借金を完済したものの、私のパチンコ依存が治っていたわけではありませんでした・・・。

ダメとわかっていながら、パチンコへ行くことをやめられなかったのです。

ふとしたときにパチンコへ行ってしまい、ボロ負け。

熱くなって、さらにボロ負け。

終わったあとは強い自己嫌悪に陥ります。

いま思うと、完全なパチンコ依存症ですね。

もちろんお金はないわけですから、たちまちカードローンのお世話になります。

妻のおかげで一度は完済できたのに、「本当にダメだな」と自分に呆れます・・・。

子供がかわいくて依存症から脱出

そんな私が最終的にギャンブル依存から抜け出せたきっかけは、子供です。

子供がとにかく可愛いんです(笑)

一緒にいるだけで満たされるので、パチンコに行きたい気持ちがなくなってしまいました!

おかげさまで、今は健全な毎日を送っています。

でも、依存症から抜け出しても借金は消えません。

恥ずかしながら、現在も月2万円を返済中。1日も早い完済を目指しています。

もちろん、ふたたび借金していることを妻は知りません。

今度は妻にバレないよう、細心の注意をはらって返済しています。

本当に怖い依存症と借金

最近は、夫婦でマイホーム購入の話もしているのですが、私の借金の履歴が住宅ローンの審査に影響しないか心配です・・・。

もし私のせいでローンを組めなかったら、妻に申し訳が立ちません。

本当にバカなことをしたなと後悔しています。

また、今あらためてパチンコ依存と借金について振り返ると「本当に怖い」と思いますね。

依存症になってしまったら、自分の意志だけではなかなか抜け出せません。

私は子どものおかげで抜け出せましたが、子どもがいなかったらどうなっていたか・・・。

あまりにもカンタンにお金を借りられてしまう仕組みもどうかと思います。

正直、借金が150万円になるまであっというまでしたし、「150万円借りている」という実感もほぼありませんでした。

独身だったので、「どれだけ借金をしてもすぐに返せる」と甘く考えていたせいもありますが・・・。

そんな私も今や2児の父。
家族を養っていく立場の人間です。

今後は、同じような過ちを繰り返さないよう、精進していきたいと思います。

まとめ

最後に、今回の大事なポイントを整理しましょう。

パチンコ依存症への具体的な対策

  • ギャンブルについての誤った認知に気づいてもらう
  • 依存症者同士で、さまざまな話し合いを行う
  • 専門家とカウンセリング
  • 新たなストレス対処法(解消法)の習得を目指す
  • 集団で身体を動かす、運動をする
  • 生活環境を整える、必要なら行政の支援を受ける
  • 現金を持たないようにする(現金なしで生活できるよう環境を整える)
  • 同じように依存症に悩む仲間をつくる
  • ギャンブルをしてしまった場合、そのことを素直に話せる場をもうける(ギャンブルをしてしまってもとがめない)
  • ギャンブル以外で夢中になれるものを見つける

パチンコ依存症の相談先

  • 精神保健福祉センター
  • 公益社団法人ギャンブル依存症問題を考える会

借金の法的整理(債務整理)の方法

  • 任意整理・・・債権者(借入先)と交渉して、利息のカット、遅延損害金のカットなどを求める。そのうえで、返済計画を立てなおす。
  • 破産・・・破産を裁判所に申し立てると、必要最低限の財産を除いたすべてが借金の返済に当てられることになります。それでもなお借金が残る場合に、その残債の返済が免除されます(裁判所が免責を認めた場合)。

借金問題の相談先

  • 消費生活センター
  • 日本司法支援センター(法テラス)
  • 日本クレジットカウンセリング協会

いかがでしょうか。

ギャンブル依存症はあなたが考えている以上に深刻な問題です。

回復には、多大な時間・労力を要します。

でも、今回紹介したように、確実に回復に向かっている方が多くいらっしゃるのも事実です。

あなた自身や、家族・友人・恋人が苦しんでいるようなら、最寄りの精神福祉センターに問い合わせてみてください!その第一歩が大切です。

最後になりましたが、ギャンブル依存症については当サイト、ファイグー内でたくさんの体験談を掲載していますので、どうぞこちらも一緒にご覧になってみてくださいね。

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