パチンコが原因で月5万円の支払いへ。自転車操業からの自己破産体験

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体験者が語る破産の真実!ギャンブルの借金も免除可能

「法テラスへ多重債務の相談に行ったら、ギャンブルの借金で破産は認められないといわれました・・・」

「ギャンブルが原因だと、破産ってできないんですか?借金が免除されないなら、ムダに弁護士費用なんて払いたくないんですけど・・・」

「旦那にパチンコで作った借金があることが発覚しました。返済したいのですが、どうにもならない金額で困っています・・・」

破産とは、裁判所が認めることで債務を免除してもらえる、借金問題解決の最終手段です。

つまり、どんなに借金を背負ってしまった人でも、最期は破産によって救済されるということです。

しかし、実は借金をした理由によっては、破産の申立てをしても借金の返済を免除してもらえないことがあるんです・・・。

ご存知の方も多いかもしれません。

そう、ギャンブルです。

ギャンブルが原因でできた借金は、原則的に破産が認められません。

たしかにギャンブルによって作った借金まで免除してしまうのは虫がよすぎるような気もしますよね。

ただ、今日お伝えしたいことはその原則のお話ではなく、例外のお話。

実は、ギャンブルによる破産が認められないというのはあくまで建前上のお話なんです。

実際には認められてしまうんですよ。

ということで今回は、ギャンブルで多額の借金を背負ったにも関わらず、返済を免除してもらった方の体験談をご紹介したいと思います。

こんにちは。
今回、「実際にギャンブルによる借金を免除してもらった人」と弁護士に取材を行ったファイグー編集者の喜多沢です。

この記事をご覧になっているということは、これから自己破産の申立てをしようとしているのかもしれません。

もしくは、家族の借金に悩まされているのかもしれませんね。

先ほどお伝えしたとおり、基本的にギャンブルの借金で破産は認められません。

破産法の条文にも弁護士事務所のホームページにも、そう書いてありますね。

しかし、実際にはギャンブルでつくった借金の返済を免除してもらった人がたくさんいるんです。

今回、ご自身の体験談をお話してくれた伊藤さん(仮名)もそのひとり。

パチンコが原因で伊藤さんが消費者金融から借りた金額は総額300万円。

返済不能となって弁護士に相談したところ、勧められたのは破産の手続きです。

「ギャンブルの借金だと破産は認められないのでは?」

伊藤さん自身もそう思っていましたが、結果的に借金はゼロになりました。

「たまたま、伊藤さんの場合は免責が認められただけなのでは?」

そう思いますよね?

そこで、弁護士の寺林先生にも追加で取材を実施。

その回答はなんと、

たとえ借金の原因がギャンブルでも、ある条件を満たしていれば、まず間違いなく返済を免除してもらえるとのことです。

ちょっと驚きですよね。

免除になる人がいるどころか、ほとんどの人が免除になるというんです。

それなら、自己破産ができないと思いこんでいる方に対し、どのようにすれば免責が下りるのかを伝えれば、借金で苦しむ人が減るのでは?

ギャンブル依存症の家族を持つ方にこのノウハウを共有すれば、救われる人が増えるのでは?

そう思いました。

ということで今回は、「実際にギャンブルによる借金を免除してもらった体験者」と「弁護士の寺林先生」、そして借金問題を専門に扱う編集者の私こと喜多沢がスクラムを組み、ギャンブルでも自己破産できる方法をお教えしていきたいと思います!

また、自己破産をしてしまうと、すべての財産を差し出す必要があると思っている方もいますが、原則的に、99万円以下の現金は借金の返済にあてることなく保持することができます。

このような自己破産に対する誤解も今回の記事で解いていきたいと思いますので、ぜひ最後までお付き合いくださいね。

ギャンブルで返済しきれないほどの借金を抱えてしまっている方。

ギャンブルで借金をしてしまうのは、決して褒められたことではありませんが、もしかするとあなたはギャンブル依存症という病気かもしれません。

それなら、ひとりですべてを背負い込む必要はないですよ!

周りのサポートを得ながら、一緒に解決していきましょう!

それでは本編です。

この記事のアドバイザー情報

  • 寺林 智栄 弁護士

    寺林 智栄弁護士

    2007年より弁護士として活動しています。私の強みは、男女問題・離婚問題・セクハラ・パワハラ・借金問題など、私たちの身近にあるトラブルの相談・弁護を数多くこなしてきている点です。悩みを抱える方々のお力になれるように、法律の専門家の視点から丁寧にわかりやすくアドバイスをさせていただければと思っています。
    ※こちらの記事の筆者ではありません。記事の途中でアドバイザーとしてコメントしております。

  • 喜多沢 恵 編集者

    喜多沢 恵編集者

    デジタルやデザイン関連の出版社で編集者を20年以上経験後、独立、ファイグーに参加しました。お金に関してはまだまだ勉強中の身ですが、みなさんとともにいろいろ学んでいけるよう日々奮闘中です。自分自身を含め初心者のみなさんにわかりやすく正確で面白い記事を作れるよう心がけています。埼玉県在住。アラフィフ1児(高校受験生)の父。趣味は阿波踊り(三味線担当です)。第二種電気工事士資格保有。

パチンコで抱えた300万円の借金を破産で免除してもらいました(体験談)

わるきち

あーぁ、今日もまたパチンコで5万円もすっちまった!

こうなったらさらにカネを突っ込んで一気に取り返すぜ!

ちょっと!ちょっとちょっと!

そんなことしたら、破産の道へ「ネコまっしぐら」だよ!

にゃんきち
わるきち

破産つったって、ギャンブルの借金は免除されないだろ?

それぐらいはオレでも知ってるゼィ。

それが、そうでもないんだよ。

実際、ギャンブルでできた借金の返済を免除してもらっている人はたくさんいるからね。

にゃんきち

というわけで、まずは5年間の借金生活を経て、破産にいたってしまった伊藤さんのお話を聞いていきましょう。

体験者の情報

名前:伊藤 将吾(仮名)
性別:男
借入先:マルイ・アコム・アイフル・レイク
利用期間:2002年10月~2007年10月
当時の職業:フリーター(飲食店勤務:月18万円程度)
最終借入額:270万円
債務整理方法:自己破産
費用:法テラス利用により、月5,000円分割の総額12万円

パチンコのために借金をしても危機感はゼロ

当時、私はパチンコにどっぷり浸かっていました。

給料の18万円では満足できず、毎日パチンコに行っては数万円ずつ負ける生活。

さらに軍資金が欲しかった私はCMを見て、消費者金融の店舗へ足を運びました。

まさに『無人契約機』という言葉のとおり、店側の人間と顔を合わせずに契約をすることができます。

コンピュータへ必要情報を入力し、身分証は卓上のスキャナーで読み込み、契約書は契約機に差し込むだけで機械に吸い込まれました。

はじめてなので、審査に通るかドキドキしましたが、アルバイトの私でも拍子抜けするほど簡単に審査通過。

限度額は50万円です。

・・・ビックリです。

50万円の宝くじに当たったような、銀行に入っている預金が増えたような気分。

すごく興奮したのを今でも覚えています。

でも、当時の私に危機感はまったくありませんでした。

自転車操業で重ねた借金は総額200万円!

借りたお金は、瞬く間にパチンコへと消えていきました。

わずか半年で限度額の50万円へと達してしまったんです。

しかし、もともと遊び目的で借りたお金ですし、パチンコで勝ったあぶく銭がなくなったのと大きな違いはないと思っていました。

安易に「次のカードを作ればいいか」と思い、2枚目のキャッシングカードを作ってしまったのです。

大手はどこも金利に差がなかったので、借入先は適当に決めました。

審査にも無事通り、私は再び限度額50万円を手にします。

・・・いま思い返してみると、頭がおかしかったとしか思えません。

まさに人生破滅への自転車操業に陥ろうとしているのに、危機感がなかったんです。

「少しがんばれば完済できるだろう・・・」と、根拠もなく信じていました。

パチンコで1日に数万円負け、その都度キャッシングする。

2社目の50万円は、3カ月もしないうちに使いきってしまいました。

その後、私は3枚目、4枚目と次々にカードを作ることに。

この時点で、借金総額は約200万円。
月々の返済額は4万8,000円にもなっていました。

最初は簡単に返せるだろうと思っていた借金も、徐々に私を追い詰めてきます。

しかし、このときですら「この程度の借金は本気でやれば返せるだろう・・・」そう本気で思っていました。

ようやく覚えた危機感・・・ギャンブル禁止で借金返済に奔走

4枚とも限度額いっぱいまで使い切り、5枚目のカードを作ろうと武富士に行った時、これまでと違うことが起きたのです。

『限度額20万円』

無人契約機の画面を見て凍りつく自分・・・。

呆然とする頭の中で返済や借金のことが急に現実味を帯び、恐怖を覚えました。

いつかはこうなると予想していたつもりでしたが、実際に襲ってきた現実感と不安は予想以上でしたね。

5社合計で月々5万円強の支払い。
いったい何年すれば完済できるのだろう?

ようやく私は安易に借金をしたことを後悔しはじめていました。

このままでは生活が破綻してしまう!
これからはギャンブルも禁止し、本気で返そう!

そう思いたったのです。

18万円の給与だけでは足りないと思い、掛け持ちのアルバイトを探し、夜中に居酒屋の仕事をはじめました。

月に300時間以上働き、手取りは33万円になったので、そのうちの20万円を返済にあてることにします。

そして、1年間がんばり続け、借金総額も半分ぐらいに減った頃でしょうか。

ここで落とし穴がありました。

ダイエットのリバウンドのように、強烈な反動が私を襲ったのです。

久々のパチンコで10万円プラス!結局もとの借金生活へ

引き金となったのはやはりパチンコでした。

借金返済中は禁止していたのですが、半分返済したことで気が緩み、パチンコを打ってしまったのです。

しかも、結果は10万円以上の大勝!

「10万円を返済にあてれば借金が100万円を切る!」

有頂天になり、返済するために無人契約機へ出向くと、画面に「ご利用可能額を100万円に増額可能です」と表示されました。

1年間の厳しい返済生活の反動でしょうか。
あの時の嬉しさ・興奮は強烈で、突然大金持ちとなった気分でした。

それから元の借金生活に戻るのに時間はかからなかったです。

今まで頑張ったのだからと掛け持ちバイトを辞め、パチンコをやり続けて借金を積み重ね続けました。

その結果、総額270万円に膨れ上がった借金は利息を払うだけで精一杯。

もはや完済する気もなく、利息だけ毎月払ってパチンコばかりしていました。

光熱費が払えない!返済ができない!ついに破産を決意

300万円近い借金を背負った私は、パチンコを辞めることができずに、毎月利息の6万円だけをなんとか支払い生活していました。

収入が増えたらまとめて返そうと考えていたのですが、ここで状況を一変させる出来事が起こります。

2006年当時、消費者金融は世間の風当たりが厳しくなっていました。

なかでも、アイフルは厳しい取立てや甘い与信で強引な貸付をおこなっていたために、業務停止命令を受けていたのです。

その影響からか、アイフルからの電話が鳴ります。

「信用状態の変化により、新たな貸出は一切できません。今後は返済のみでお願いしたします」

「返済はきちんとしているのになぜですか!?」と反論をしましたが、ムダに終わりました。

その後も立て続けに、そのほかの会社もアイフルと同じ内容の連絡をよこしてきました。

「一括返済か、それとも今までどおり返すか、どちらにしますか?」

「新たに貸付を行うことはできません!」

パチンコを辞めて返済し続ければ、完済できたのかもしれません。

しかし、返済生活に疲れ、お金に追われ続けていた私に、そんな力はもう残っていませんでした。

ついに、光熱費を滞納するようになり・・・。
さらに、借金の返済も滞りはじめ利息がドンドン増えていく始末・・・。

すべてを精算して再出発したかった私は、弁護士に依頼するため、法テラスを訪ねました。

そこで紹介された弁護士の力を借り、破産の手続きをすることにしたのです。

弁護士が教えてくれた『ギャンブルが原因の借金でも返済が免除される理由』

弁護士と最初に会ったのは、2007年の10月10日。
昨日のことのようにはっきり覚えています。

はじめに弁護士に聞かれたのは、借入先となっているすべての金融機関名。

その場でメモ紙に書いて手渡すと、弁護士はいいました。

弁護士

今から、あなたの借金の債権者であるすべての金融機関に、弁護士の介入通知を出します。以後、あなたに電話があっても私が介入していることを伝え、一切応対しないでください。

そして、次回の面会までに以下の資料を作成してくるようにいわれました。

  • 借入先一覧表
  • 現在の収入と支出の一覧表
  • 借り入れの経緯と理由

ただ、この時点で私の心の中に、ある疑問が浮かびます。

伊藤

ギャンブルが原因の借金でも破産は可能なんですか?

そう弁護士に質問すると、

弁護士

今回の事案は、大丈夫でしょう。

その理由については以下のように説明してくれました

まず、破産だけでは債務はなくならず、債務をゼロにするためには免責を受けなくてはならないこと。

そして、ギャンブルによる借金は、破産法第252条第4項の「浪費又は賭博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担した」に該当するため、免責不許可事由にあたる(つまり、免責が受けられない)こと。

しかし、免責不許可事由が存在する場合でも、裁判官の裁量で免責を受けられる場合がある(=裁量免責)こと。

それでも「免責が許可されないのでは?」と不安に思っていると、弁護士は続けてこう話してくれました。

弁護士

あなたのようにパチンコが原因の借金で自己破産する人が非常に増えています。そして、裁判所は破産に至る個人よりも、射幸心を煽るパチンコ会社や、適正な審査をしないでお金を貸す金融会社により大きな問題を感じているのです。ある意味、その犠牲となって転落してしまった人に対しては、免責の許可をする傾向が強くあるのでおそらく大丈夫でしょう。

その言葉に安心したと同時に、今までの軽率な行動を恥じ、心から後悔しました。

約半年の手続きを経てついに借金はゼロに!

その後、作成を頼まれた3点の書類を準備し、破産宣告の申立書を裁判所に提出。

申立後、自己破産はすんなりと認められました。

とはいえ、まだ免責は受けていないので、借金は残ったままです。

しばらくしてから、破産管財人 (※1)との面談がありました。

管財人との面談は10分程度で終了。

これまでの経緯を説明し、自身の行動に対して深く反省していることを伝えました。

次に行うのは、債権者集会です。
手続き開始から4カ月が経ったころ、裁判所よりお知らせが届きました。

債権者集会とは、債権者(消費者金融)の担当者が破産に対する異議を債務者である私に述べ、話し合いを行う会です。

しかし、行ってみると債権者側は一人も出席していません。

私は拍子抜けしてしまいましたが、債権者集会は淡々と進んでいきます。

裁判所の方、破産管財人、担当弁護士、私の4人で会は始まりました。

裁判官に書類の提出を促され、担当弁護士が書類を提出。

さらに裁判官は、管財人に調査結果(私自身や私の借金について)を尋ねました。

「賭博行為で破産にいたっていますが、本人は大変反省しています」と管財人がいうと、裁判官は続けて私に尋ねました。

裁判官

こういう経緯であなたは破産に至りましたが、反省しやりなおすつもりはありますか?

伊藤

過去の行為に対しては、大変反省しています。

こう即答すると、裁判官はいくつかの書類にハンコを押し、担当弁護士に手渡しました。

時間にして5分ほどでしょうか。

債権者からいろいろ厳しいことをいわれると想像していたので、「こんなに簡単でいいのかな?」というのが正直な感想です。

ともあれ、免責許可決定申立書もすんなりと受理いただき、債権者集会は終了。

免責許可申し立てから1カ月後。

免責許可決定の書類を裁判所からいただきました。

半年ほどの時間をかけ、晴れて借金から開放されたのです。

私の場合は、すべての元凶がパチンコでした。

今となってはなぜあんなにはまってしまったのか謎ですが、もう二度とパチンコには手を出したくないです。

※1
破産管財人とは、破産手続きを進めるために裁判所が選んだ弁護士のことです。破産決定後に破産申立人の財産の管理・調査・処分などを行います。

まとめ

いかがでしたか?

それでは最後に、記事のポイントをおさらいしましょう。

ギャンブルが原因の借金で破産申立てをした場合のポイント

  • 破産の申立てを行うと、必要最低限の財産以外はすべて借金の返済へあてられる
  • それでも借金が残った場合、裁判所が免責を認めることで、残っている借金の返済はすべて免除される
  • 特定のケースに当てはまる場合、借金の返済が免除されない可能性がある
    • 破産手続きで処分されないように財産を隠していた
    • ギャンブルや浪費が理由で借金を返済できない
    • 破産申立てから1年以内に違法な手段(書類偽造等)によってお金を借りたことがある
    • 破産手続きにおいて虚偽の申告・説明をした
  • ギャンブルが原因の借金でも、1回目の破産申立てなら免責を認めてもらえる
    • ギャンブルが原因の破産申立てが2回目以降の場合、免責は認められない

借金問題の無料相談ができる機関

  • 国民生活センター(消費生活センター)
  • 日本弁護士連合会
  • 日本司法書士会連合会
  • 日本司法支援センター 法テラス
  • 日本クレジットカウンセリング協会
  • 日本貸金業協会

「パチンコなどのギャンブルが原因の借金でも、破産・免責が認められる」

どうしても借金が返済できなくて悩んでいる方にとっては、これがひとつの解決策になると思います。

ただし、借金を免除してもらえるのは、最初の1回目だけです。

油断して、ギャンブルで安易に借金を作ったら、二度目はありませんよ!

ちなみに、伊藤さんにもみられた以下のような傾向は、ギャンブル依存症の人によくみられます。

  • ギャンブルのためにどんどん借金をしてしまう
  • ギャンブルをやめたくてもやめられない

これはギャンブル依存症という病気の可能性が高いので、もし同じような状態で悩んでいる人がいましたら、以下の記事を参考に対策を立ててみてください。

きっとよい方向へ進んでいくと思います。

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