更新日:2021/07/10
マルチ商法、ネズミ講の被害事例・手口。被害に遭った時の対応
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「来週の日曜日、すごい人が話をしてくれるんだよ!来なきゃ絶対に損だと思うんだけどな・・・」
「将来に不安はない?収入が今勤めている会社からだけって、とても不安定だと思うんだけど・・・」
知り合いからこんな話をされたことはありませんか?
それ、もしかするとマルチ商法やネズミ講の勧誘かもしれません。
マルチ商法は非常に失うものが多いビジネスモデルです。
お金は時間はもちろん、最後は友達さえ失ってしまう危険をはらんでいます。
もし安易な気持ちではじめようとしているなら、絶対にやめておきましょう。
一度失った友人関係は、二度と元通りにはならないのですから・・・。
こんにちは。
今回、当サイト、ファイグーで4人のマルチ商法経験者に取材したさすらいの女性編集者、内田です。
この記事をご覧になっているということは、「マルチ商法の勧誘を受けて断れない・・・」と悩んでいるのかもしれません。
ないしは、マルチ商法とネズミ講の違いを知りたいと思っているのかもしれませんね。
先ほどお伝えしたとおり、マルチ商法はお金・時間・友人のすべてを失う危険があるビジネスです。
つまり、ほとんどいいとこなし。
手を出してはいけません。
それなのになぜ、こんなにもたくさんの人がマルチ商法に手を染めてしまうのでしょうか?
その理由は、マルチ商法勧誘の手口にあります。
人の話を間接的に聞いているのと、実際に自分が勧誘を受けるのとでは大きな違いがあるんですね。
そこで今回は、4人のマルチ商法経験者にインタビューを実施。
『勧誘から契約までの経緯』や『会員としての活動の実態』についてくわしくお話をしてもらいました。
先にこの4人の末路をお話しますと、4人が4人とも収支マイナス。
なかには数百万円単位の借金を抱えた人もいました。
そして、みなさん口を揃えて「マルチなんてやらなければよかった・・・」そうおっしゃいます。
私は今回の記事を通して、マルチ商法の恐ろしさを一人でも多くの人に伝えたいと思っています。
ですから、「勧誘を受けたけど、どうしようかな・・・」そう思っている人は、ぜひ一度ご覧になっておいてください。
マルチ商法のダークサイドをすべて詰め込んだつもりです。
また、「すでに契約してしまったけど辞めたい」と思っている人が取るべき対策についても、インタビューを受けた4人の方にお話いただいています。
月並みですが、簡単にお金がもうかるなんていう甘い話はありません。
大切なお金や時間、そして友達をマルチ商法によって失わないでください。
-
内田 恵子編集者
東京生まれ。アラフィフ。出版社勤務の後独立。編集・ライター歴30年。ファイグーでは「わかりにくいお金の話を、わかりやすくお伝えすること」「少しでも役に立つ情報をお届けすること」をモットーに、より具体的で、身近に感じていただける記事を目指しています。猫派で今は元ノラを多頭飼い中。日々癒してもらってます。
-
ささき 英雄編集者
七夕生まれ、編集・ライティング歴10年。前職ではグルメ雑誌の制作に携わっていましたが、30歳の誕生日をきっかけに独立しました。ファイグーでは「自分の仕事は書くことではなく伝えること」という意識で記事に取組んでいます。担当記事は、利息や審査などライバル記事だらけのテーマが多いです。そのため、「他のどの記事よりも正しい」のは当然として、さらに「どうすれば読みやすくなるか」を日々追求しています。
マルチ商法とネズミ講の違い
マルチ商法もネズミ講も、親会員から子会員へ、子会員から孫会員へとピラミッド状に組織を作っていく点は同じです。
しかし、両者には決定的な違いがあります。
まずはその違いから説明していきますね。
マルチ商法の特徴は「商品が流通する」
マルチ商法は、MLM(Multi Level Marketing)やネットワークビジネスと呼ばれることもあるビジネス形態です。
もう少し平たくいうと、マルチ商法は「クチコミで商品やサービスを売る」という販売方法を意味しています。
- 1まずAさんがメーカーと契約・入会して、商品やサービスを購入
- 2次に、AさんがBさんとCさんを勧誘。BさんもCさんも・入会し、商品やサービスを購入
- 3さらに、BさんもCさんも2人ずつ勧誘。それぞれ入会して商品やサービスを購入
このような流れで、勧誘・入会・商品の購入を繰り返していくのがマルチ商法です。
ちなみに、勧誘した相手が入会して商品・サービスを購入すると、勧誘者には紹介料と売上のマージン(紹介料)が入ります。
上の図でいうと、BさんとCさんは、それぞれ2名分の紹介料と売上のマージンをもらえるということです。
そして、Aさんには、直接勧誘をしたBさんとCさんの分だけでなく、Dさん・Eさん・Fさん・Gさんも含めた計6名分の紹介料やマージンが入ります。
つまり、自分から下に広がっていくピラミッドが大きい人ほど、たくさんのお金がもらえるわけです。
そのため、会員は自分の下の会員を増やそうと、熱心に勧誘をおこないます。
その結果、メーカーは広告費や流通コストをかけずに済むので、商品を安く提供できるというわけです。
ネズミ講の特徴は「お金だけが動く」
一方、ネズミ講はというと、
- 1ネズミ講の参加者は、会員の勧誘をおこなう
- 2会員は自分より上位の会員にお金を払い、自分より下位の会員からお金を徴収する
一見、マルチ商法と同じように見えますよね。
会員は勧誘活動をおこなうことでピラミッド型の組織をつくり、大きなピラミッドをつくった人ほどたくさんのお金をもらえます。
しかし、決定的に違うのは、お金しか動いていないという点です。
マルチ商法は合法!ネズミ講は違法!
マルチ商法とネズミ講に共通しているのは、いずれ新規会員がいなくなるということです。
ネズミ講という言葉の元となっているのは、ネズミ算という計算方法なんですが、
「1匹のネズミが10匹の子供を産む」 ➡ 「次の月に、その10匹の子供がそれぞれ10匹ずつ子供を産む」 ➡ 「次の月に・・・」
といった調子で計算していくと、7ヶ月目で1億匹を超えます。
つまり、ネズミ講で一人が毎月10人の会員を勧誘し続けると、たった7ヶ月で会員数は日本の総人口に到達してしまうんです。
こうなると、会員になるのが遅い人ほど新規会員を勧誘するのが難しく、最終的には「お金を払うだけでもらえない人」が生まれますよね。
しかし、健全に運営されているマルチ商法の場合、これは問題視されません。
なぜなら、マルチ商法の目的はあくまでも商品の購入であり、バックマージンは副次的なものに過ぎないからです。
購入した商品がきちんと手元に届いてさえいれば、法律的には問題ないということですね。
しかし、ネズミ講は違います。
動いているのがお金だけですから、いつか会員数に限界がくるのであれば、必ずだれかが損をすることになります。
そのため、ネズミ講は、無限連鎖講の防止に関する法律の取り締まりの対象となっているんです。
過去最大級のネズミ講問題として知られる『天下一家の会」事件では、1980年に破綻を迎えた段階で被害者数112万人、被害総額は1,900億円にものぼりました。
合法だからといってオススメできない!マルチ商法の実態
では、合法だからマルチ商法はなんの問題もないかというと、そんなことはありません。
事実、国民生活センターに寄せられるマルチ商法関連の相談件数は、年々減少傾向にこそあるものの、年間1万件以上にのぼっています。
そして、多くの人が、解約や返金を求めているんです。
その原因は、以下の悪徳なマルチ商法にあります。
- 名目上の商品はあるものの、お金を稼ぐことが目的
- 「必ず儲かる」などといったウソをいう
- 金銭的・精神的なリスクがあることをいわない
- 解約を申し出ると、様々な妨害をして応じない
- 人の目に触れない場所で勧誘し、強引に契約させる
- 契約に当たって、書面を交わさない
ここからは、実際にマルチ商法の勧誘を受けた経験のある4名にインタビューをしながら、マルチ商法の実態にせまっていきたいと思います。
「とにかく稼げる!」をアピールする勧誘
マルチ商法の勧誘で特徴的なのは、友人や家族など身近な人から攻めていく点です。
名前 | 誰から勧誘された? |
---|---|
加藤さん | アルバイト先の先輩 |
木村さん | 友人 |
工藤さん | 友人 |
近藤さん | 友人 |
今回インタビューをした4名とも、先輩や友人など、親しい人間関係にあたる人から勧誘を受けています。
もちろん、身近な人を勧誘することは問題ありません。
しかし、稼げることを強調する勧誘は、悪徳マルチの特徴です。
加藤さん談
それまでそっけなかった先輩から、急に電話やLINEが何度もくるようになりました。
「アルバイトをしないで月100万円くらい稼いでみたくない?」
とにかく稼げることをいわれ続けましたね。
当時は知識がありませんでしたから、単純に魅力を感じてしまいました。
工藤さん談
「旅行に行くだけで収入が増える」「海外旅行にも格安で行ける」という説明でした。
そして、旅行へ行くこと自体が仕事になるともいわれました。
少しあやしいとは思いましたが、当時は生活が厳しかったこともあり、とりあえず話を聞いてみようと思ったんです。
近藤さん談
「実は最近すごい話を聞いちゃってさぁ!」「俺、来年には年収1,000万になるんだよねぇ!」
連絡を受けるや否や、友人にまくしたてられました。
そんなもうけ話があるはずはないと思いましたが、とりあえず話だけは聞いてみようと思っちゃったんです・・・。
強引にセミナーへ参加させる
「ちょっと話を聞きたかっただけなのに、気づいたらセミナーに参加させられていた!」
このような、セミナーや説明会への強引な誘導も、悪徳マルチ商法の常套手段です。
しかし、強引な勧誘は、マルチ商法について定めている連鎖販売取引法に抵触する違法行為なんですね。
加藤さん談
先輩に詳しく話を聞きたかっただけなのですが・・・。
呼び出された喫茶店へ行くと、先輩の上司にあたる人がいました。
最初は経済情勢とかの話だったんですけど、そのままの流れで商品の説明を受けました。
近藤さん談
まずファミリーレストランで会って、お茶をしながら友人に詳しい内容を教えてもらいました。
その時点で「これはマルチ商法だ」とわかったのですが、一応、もう少し話を聞いてみようと思ったんですよね。
「ちょっと場所を移動しようか?」
そういわれて連れていかれたのは、セミナー会場。
私ひとりに対してマルチ商法の会員8人が取り囲むような感じで、圧迫感がすごかったです。
強引に契約させられる
「興味のある方は、ぜひ契約してくださいね!」
そんなセミナーばかりだったら、マルチ商法が問題視されることも少ないかもしれません。
しかし、既存会員からすると、セミナー参加者は逃したくない会員予備軍です。
そのため、強引にその場で契約をさせようとするケースが多いんですね。
加藤さん談
契約書は説明を受けた当日に先輩の指示で半強制的に書かされました。
持ち帰って検討したいと伝えたのですが、「本来、契約書はそのときに自分で決断して書くものだから。持ち帰るとか、人間的なモラルに欠けるよね?」と脅されて、どうしようもなかったんです。
書面には、クーリング・オフの内容も書いてあったので、契約してしまいました。
工藤さん談
セミナーの中で、『契約書を書く時間』が設けられていました。
「とりあえず契約書にサインをしてくれ。でないと、この後の第二部と懇親会に出ることができない」
周囲をたくさんの会員に囲まれながらそういわれてしまい、サインをせずに帰れるような雰囲気ではありません。
仕方なく、その場で契約書にサインしました。
商品の購入や活動に多額のお金がかかる
マルチ商法は、会員になっただけでは終わりません。
むしろ、ここからがはじまりです。
まずは、商品を購入しなければいけません。
加藤さん談
契約時、商品の代金56万円を支払いました。
木村さん談
入会金として4,500円を支払い、さらに「最初はやっぱり扱うものを知らないといけないから」ということで、約3万円分の商品を購入させられました。
シャンプーやトリートメント、サプリなど、たしかに商品はよいと思いましたが・・・。
なかには1本1万円以上もする化粧水もあり、これはちょっと高すぎるなと思いましたね。
工藤さん談
航空券を購入しなければいけませんでした。
種類はエコノミークラスとビジネスクラスの2つです。
ただ、会員として活動をするにはビジネスクラスの購入が必要だったため、17万円ほどを現金引落しで支払いました。
近藤さん談
入会金や商品代金なども含めて、3万円ほど支払いました。
会員には『10万円の大きな契約』を勧められましたが、幸いなことにお金がなくて買えませんでした。
また、お金がかかるのは最初だけではありません。
加藤さん談
交通費、ミーティングやセミナーの費用などで、毎月4万~5万円の出費がありました。
木村さん談
会員のポジションを維持するため、毎月商品を買わなければいけません。
最初は月1万2,000円ほどでしたが、最後のほうは毎月5万~10万円は商品を購入していました。
工藤さん談
リゾート施設の維持管理費に使われる毎月の会員費が1万2,500円。
さらに、交通費やグループで行く旅行代、セミナーやイベント費用なども合わせると、少なくとも毎月5万円はかかりましたね。
もちろん、勧誘が成功すれば、紹介料やマージンはもらえます。
しかし、その一方で、会員はお金を使い続けなければならないわけです。
借金をすることもある
それでも、支払いが自分の持っているお金の範囲内で済むならまだいいほう。
なかには、マルチ商法の活動のために借金をしてしまう人もいます。
加藤さん談
最初に支払った56万円ですが、もちろんそんな大金は持っていません。
そのため、消費者金融で60万円を借りて支払いました。
木村さん談
毎月の購入金額を増やしてから、クレジットカードのキャッシングや消費者金融でお金を借りるようになりました。
総額は約250万円です。
常に新規会員を勧誘し続けなければならない
さらに、マルチ商法の会員を苦しめるのが過酷な勧誘活動です。
「自分が稼げないのは自分のせいだから仕方ない」は通用しません。
なぜなら、自分が稼がないと、自分の上位にいる会員も稼げないからです。
そのため、常に上位の会員から新規会員の勧誘をするように強くいわれ続けます。
加藤さん談
週4回のミーティング、週1回のセミナーに勧誘した人や見込みのある人を連れていかなければいけませんでした。
連絡先を知っている友人の中から、興味を持ちそうな人に手当たり次第電話をかけましたね。
電話帳の人脈が尽きると、他社の説明会や投資セミナーへ実費で行き、そこで知り合った人に連絡先を聞くように指示されました。
木村さん談
月3回のセミナー参加は必須でした。
本来は新規会員候補を連れていかなければいけないのですが、私は交友関係が少なく、数少ない知り合いへの勧誘はどれも失敗。
新規の交友関係を作るために、休みの日にはほとんど毎日どこかのお茶会や勉強会などに参加していました。
とにかく連絡先を集めるためだけに動いていましたね。
工藤さん談
まず、自分の携帯のアドレス帳をすべて紙に書き起こす作業を行い、毎日、リストにある人に電話をかけたり、メールでアポを取ったりしました。
ほかの会員からは「とにかく資料を読ませろ」といわれていましたが、最初はこのレターを読ませるのも難しいんですよね。
お茶に誘ってきた相手が急にカバンから胡散臭いレポートみたいなものを取り出したら、間違いなく相手は警戒しますから。
近藤さん談
まずはリスト作りをしろといわれ、親族・友人・知人など、すべての人間関係を紙に書き出します。
そして、連絡を取りやすそうな人にドンドン連絡を取っていくのです。
「最近はなにしてるの?」という雑談からはじまり、「実は僕、最近おもしろいことはじめたんだ」という流れでした。
ほかの会員からは、「諦めない」「楽しそうにする」「愚痴や不満・弱音を吐かない」ことをアドバイスされました。
次第に人間関係は壊れていく
いかにマルチ商法が合法だとしても、どれだけ熱心に取組んだとしても、マルチ商法が胡散臭いことに変わりはありません。
飛び抜けて弁の立つ人であれば、上手く会員を増やしていけるのかもしれませんが、そんな人はごくわずか。
勧誘はなかなか成功しません。
名前 | 勧誘できた人数は? |
---|---|
加藤さん | 3人 |
木村さん | 1人 |
工藤さん | 0人 |
近藤さん | 1人 |
4名とも、新規会員の勧誘はうまくいかなかったことです。
加藤さん談
一応、3人の勧誘に成功しました。
大学の友人1人、高校の友人1人、中学の友人1人です。
ただ、3人ともすぐに辞めてしまいました。
木村さん談
入会してくれたのは同棲相手だけですね。
ただ、実際に勧誘をしたのは自分ではなく、上位の会員でした。
私が連れてきたため、私の勧誘としてカウントはされましたが、実際に自分でアプローチをして勧誘に成功した人はゼロです。
近藤さん談
勧誘をした人数は、トータル50人は超えていると思います。
でも、勧誘に成功したのは1人だけ。
当時付き合っていた女性でした。
そして、みなさんお察しのとおり、マルチ商法の勧誘は人間関係をボロボロにしてしまいます。
ここで勧誘相手にいわれたキツい言葉をまとめてみました。
- こんなことをしてお金稼いで楽しいか?
- こんな高いお金出して詐欺をやるなんてお前も落ちたな・・・
- 友達だと思ってたのに最低!もう関わらないで!
- これってネズミ講だよね?
- 二度と声をかけてこないで!
- そんなことをやるならもう友達関係は切る!
今回の4名はこのような言葉をきっかけに、マルチ商法を辞めることになります。
人間関係に溝をつくってまで頑張ったのに、結局借金だけが残ってしまうなんて切なすぎますよね・・・。
なんのためにがんばっていたのかわかりません。
マルチ商法の被害にあわないための3原則
マルチ商法の被害に遭いやすいのは、どちらかというと、人づきあいがよく、人から誘われると嫌といえないタイプの人です。
そんな気弱な人のために、被害に遭わないための心構えをお伝えしたいと思います。
悪徳マルチの合言葉「お茶しない?」に要注意!
「今度、お茶しない?」
友達から久しぶりに連絡をもらったら、会って話をしたくなるのが普通ですよね?
こういう人間の心理を利用して勧誘をおこなうのが、悪徳マルチ商法の共通点です。
加藤さん談
カフェで友達と話していたら、いきなり友達の知り合いが現れて勧誘の話に・・・というのは、典型的な勧誘の流れです。
工藤さん談
マルチ商法の人って「お茶しよう!」を多用するんですよね。
もちろん、久しぶりにあなたと会いたいと思い、誘う人も少なくないはずです。
ですから、「お茶しない?」という人をすべて疑うのは極端すぎると思いますが、「実はちょっといい話があるんだけど」という流れからの「お茶しない?」は、高確率でマルチ商法の勧誘なので注意しましょう。
ちなみに、先ほども説明しましたが、事前に目的を告げずに勧誘をおこなうのは連鎖販売取引法違反です。
会員の「誰でも稼げる」は信用しない!
マルチ商法の会員は、まるで誰でも簡単に大金を稼げるような勧誘をしますが、もちろんそんなことはありません。
木村さん談
結局、大半のマルチ商法は、会員による商品購入を求めるシステムです。
つまり、「お金をもらうためには、お金を使わなきゃいけない」
そこはきちんと認識しておくべきですね。
そして、バックマージンをたくさんもらうためには、常に新規会員を獲得していかなければいけません。
必然的に、膨大な時間をマルチ商法の活動に費やす必要があります。
工藤さん談
結果を出すには、根気も時間も必要です。
稼ぐのは、決して簡単ではありません。
さらに、友人を失う覚悟が必要です。
近藤さん談
友人関係には相当なダメージを負いますね。
勧誘を断られた相手と友人関係を継続できるケースは、まずありえません。
- 多額のお金が必要
- 膨大な時間が必要
- 友人を失う覚悟が必要
マルチ商法には、前提としてこの3つが必要です。
ただし、この3つを満たしていたとしても、稼げない人はごまんといます。
これがマルチ商法の恐ろしさ。
こんなこと、勧誘時には絶対に教えてもらえません。
相手との議論は不要!シンプルに断る
断っても断っても、しつこく勧誘をしてくるのがマルチ商法です。
「どうすれば断れるんだろう?」
「なんていったら帰らせてくれるんだろう?」
こんな状況になったら、なんとか相手をいいくるめようといろいろ考えたくなりますよね。
でも、そんな必要はありません。
シンプルに、とにかく断り続けましょう。
木村さん談
ある程度の経験を積んでいるマルチ商法の会員は、勧誘のロジックが非常に洗練されています。
「こういわれたらこう返す」というレパートリーがとても豊富なんです。
断ってやろうと議論に持ち込んでしまうと、逆に反論できなくなって納得するしかなくなることが多いんですよね。
そんな人を何人も見てきました。
口では勝てないから契約するしかない?
いいえ、そんなことはありません。
口で勝てないなら、議論しなければいいんです。
マルチ商法の被害にあった場合の対処法
ここからは、すでにマルチ商法の被害にあってしまっている人のために、今からでもできることをまとめました。
クーリング・オフを利用する
『連鎖販売取引』に該当するマルチ商法は、クーリング・オフの対象です。
具体的には、契約してから20日以内であればクーリング・オフができます。
「72時間以内でなければ解約できない」といった同意書を交わしていても法律的には無効ですので、安心してください。
クーリング・オフ期間を過ぎていても契約の解除はできる
もう払ってしまったお金は戻りませんが、この先、払う予定になっているお金については、契約の解除により不要です。
また、契約後1年未満の契約解除の場合、購入してから90日未満の商品で未使用ならば、返品して返金を受けることができます。
公的機関や法律の専門家に相談する
「クーリング・オフの利用方法がわからない・・・」
「そもそも、何をすればいいのかわからない・・・」
そんなときは、公的機関や法律の専門家へ相談しましょう。
候補はいくつかありますが、無料相談ができる主要な相談先を表にまとめてみました。
相談先 | 内容 | 料金 | URL |
---|---|---|---|
消費生活センター | トラブルの解決へ向けたアドバイスを受けられる | 無料 | http://www.kokusen.go.jp/map/index.html |
法テラス | トラブルに対する法律的な相談ができる | 無料 | http://www.houterasu.or.jp/chihoujimusho/index.html |
日本司法書士会連合会 | トラブルの解決へ向けたアドバイスを受けられる | 無料 | http://www.shiho-shoshi.or.jp/association/shiho_shoshi_list.php |
警察 | トラブルへの対処に関するアドバイスを受けられる | 無料 | - |
緊急性が高い場合は、とりあえず『110』で警察へ連絡してしまって問題ありません。
相談の仕方や必要なものなど、詳細は以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧になってみてください。
これだけは知っておきたい!お金の問題を相談できる8つの公共機関
まとめ
いかがでしたでしょうか?
それでは、記事のポイントをおさらいしましょう。
マルチ商法とネズミ講の違い
- どちらもビラミッド状の組織を作っていく点は同じ
- マルチ商法
- 入会時に商品の購入が必要なため、かならず商品が流通する
- ネズミ講
- 入会時にお金を支払うため、お金だけが動く
悪徳マルチ商法の実態
- 「とにかく稼げる!」をアピールする勧誘
- 強引にセミナーへ参加させる
- 強引に契約させられる
- 商品の購入や活動に多額のお金がかかる
- 借金をすることもある
- 常に新規会員を勧誘し続けなければならない
- 次第に人間関係が壊れていく
マルチ商法の被害にあわないための3原則
- 悪徳マルチの合言葉「お茶しない?」に要注意!
- 会員の「誰でも稼げる」は信用しない!
- 相手との議論は不要!シンプルに断る
マルチ商法の被害にあった場合の対処法
- クーリング・オフを利用する
- クーリング・オフ期間を過ぎていても、契約の解除はできる
- 専門機関、専門家に相談する
今回取材をしたマルチ商法の経験者は口をそろえて、「やらなければよかった」と後悔していました。
でも、マルチ商法の被害はいまだにあとをたちません。
「世の中にウマい話はない」ということをしっかりと胸にきざみ、少しでも怪しいと感じたら毅然と断りましょう。
また、どうしたらいいかわからない場合は、できるだけ早く公的機関や専門家に相談してみてください。
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マルチ商法やネズミ講の記事は参考になりますが、一番下にあるカードローンに関する記事は、あったらいけないと思います。ネズミ講で困ってたりする人に、カードローンをさせて、また多額の借金させかねないので、読んで欲しくても、読ませられないです。