「給食費を2ヶ月滞納しました...」学校側に相談した時の反応【体験談】

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給食費が払えない場合は自治体に援助してもらおう

「生活が苦しくて給食費を払えません・・・。このまま滞納していても、子どもは給食を食べさせてもらえるのでしょうか?」

「私の親が給食費を払ってくれません・・・。どうしたらいいですか?」

「給食費を免除してもらったのはいいけど、子どもが恥をかかないか心配です・・・」

子どもの発育のために不可欠な給食。
私たち親世代からすると、給食は食べられて当たり前という感覚ですよね。

しかし、ここ最近は給食費の滞納が社会問題になっており、不払いの家庭が増えてきています。

もちろん、どの親御さんも払いたいという気持ちはお持ちだと思いますが、経済的な理由で払えないご家庭が少なくありません。

でも、給食費の滞納をそのまま放置しておくと、最悪の場合、法的手続きを取られてしまうことがあるんですよ・・・。

こんにちは。
ファイグー編集部、さすらいの編集者の内田です。

今回は記事を執筆するにあたり、学校の元事務職員おひとりと給食費の支払いに困ってしまった経験のある4名の親御さんに取材をしました。

この記事をご覧になっているということは、給食費を払いたくても払えない、もしくは、給食費の支払いを免除してもらえる方法はないかと探しているのかもしれませんね。

先に結論をいってしまうと、

実は、日本にはお金に困っている家庭に対して、給食費など学校にかかる費用を支援してくれる制度があります。

就学援助制度というのですが、今回は、その『就学援助制度』について、実際に利用された経験のあるお三方にも取材を行ないました。

利用資格はもちろん、申請から給付までの流れもバッチリ聞いてきましたよ!

さらに、今回は先ほどお伝えしたとおり、学校の元事務職員の方にも取材しましたので、支払期日の延期や分割払いについても解説しています!

ちなみに、親御さんうちのほんの一部に、

「給食費は義務教育なんだから払わなくていい」

「払わなかったからといって、食べられなくなるわけではない」

こんな意見をお持ちの方もいるようです。

でも、この考え、とっても危険なんです。

たしかに、ひと昔前は給食費を滞納したところで、放っておいても問題はありませんでした。

しかし、最近は給食費の滞納によって法的措置をとられることがあるんです。

実際に裁判になっている例はすでにあります。

給食費の滞納がきっかけになり、財産を差し押さえられるケースも出てきました。

もちろん、一度ぐらい給食費を払い忘れただけで差し押さえ・・・なんてことにはなりませんが、ほうっておくと面倒なことになるかもしれません。

というわけで今回は、実際に給食費を滞納してしまった方の体験談と『就学援助制度』の解説を中心にお伝えしていきたいと思います。

毎月3,000円~4,000円はかかる小中学校の給食費。

滞納が長引くに連れて支払額はどんどん積み重なり、まとめて払うのは難しくなっていきます。

でも、ない袖は振れませんよね。

この記事は、そんなときに役立つ情報を詰め込みました!

ぜひ最後までお付き合いくださいね!

この記事のアドバイザー情報

  • 内田 恵子 編集者

    内田 恵子編集者

    東京生まれ。アラフィフ。出版社勤務の後独立。編集・ライター歴30年。ファイグーでは「わかりにくいお金の話を、わかりやすくお伝えすること」「少しでも役に立つ情報をお届けすること」をモットーに、より具体的で、身近に感じていただける記事を目指しています。猫派で今は元ノラを多頭飼い中。日々癒してもらってます。

  • ささき 英雄 編集者

    ささき 英雄編集者

    七夕生まれ、編集・ライティング歴10年。前職ではグルメ雑誌の制作に携わっていましたが、30歳の誕生日をきっかけに独立しました。ファイグーでは「自分の仕事は書くことではなく伝えること」という意識で記事に取組んでいます。担当記事は、利息や審査などライバル記事だらけのテーマが多いです。そのため、「他のどの記事よりも正しい」のは当然として、さらに「どうすれば読みやすくなるか」を日々追求しています。

東日本大震災の影響で娘の給食費が支払えなくなってしまいました(体験談)

我が家は東日本大震災で被災しました。

家や家族は無事でしたが、夫の会社が被災したことによる収入減、さらに避難生活による支出増が追い打ちをかけ、家計が逼迫(ひっぱく)。

そんな時に、娘が小学校に入学します。

当時の私たちは困窮を極めていましたから、娘が毎日楽しみに食べている給食費を支払う余裕がありません。

結局、給食費を2ヵ月間滞納してしまったわけですが、当時、私たちがこの問題にどのように対処したのかをお話いたします。

体験者の情報

名前:小野 ゆかり(仮名)
性別:女性
当時の職業:専業主婦
当時の年齢:32歳
滞納したもの:小学校の給食費
滞納した期間:2ヵ月
滞納した時期:2011年4~5月
合計金額:約9000円

震災から避難するため一家で広島へ!滞在費用は30万円

私は福島県に住んでいます。
2011年3月、東日本大震災が発生したときも、私たちは福島にいました。

幸い、家も家族もみな無事ではあったのですが、主人の会社が被災したことと原発事故の影響で、一時的に家族4人で他県への避難を余儀なくされました。

向かったのは、友人がアパート暮らしをしている広島県です。

ただ、その友人宅で一家4人がお世話になるのはムリなので、友人に探してもらった安いホテルで生活することになりました。

滞在期間は約2週間。
福島・広島間の交通費を合わせると、この時点で滞在費用は合計30万円弱に。

住宅ローンや車のローンも抱えている我が家にとって、これは大きな出費でしたね。

経済的にこのまま広島での生活を続けるわけにもいかず、私たちは福島へ戻ることになりました。

震災の影響で給料が減額!それでも日々お金はかかる

主人の働く現場は、幸い地震の被害が少なくて済みました。

ですから、私はお給料も震災前と変わらないだろうと思っていたのですが・・・。

ところがどっこい、急に会社から通達が届き、「宮城県の本社の被害が甚大なので、給料はこれまでの8割に減額」になるとのこと。

主人の会社は大手とはいえず、給料は手取りで20万円前後。

それがさらに減額になるというのです。

「主人の現場は被害が少ないし、仕事量も変わらないのになぜ?」

そう思いましたが、給料の減額は会社全体で適用されるとのこと。

さらに、まだ下の子に手がかかるため、私は働きに出られません。

節約して生活していても相当の打撃になります。

真っ先に心配になったのが、月8万円ほどの住宅ローン。

2ヶ月滞納すると差し押さえられてしまうと聞いていたからです。

ただ、銀行へ相談したみたところ、震災という状況を配慮して、手数料5千円を払えば1年間は毎月の返済額を5万円弱に減額してくれることになりました。

しかし、ほかにも地震による家の修繕費・車のローンの支払い・通信費・光熱費などの生活費が私たちの背中にのしかかります。

住宅ローンが減額されても、生活が厳しいことに変わりありません。

また、このころ福島では、まだ断水が続いていました。

料理ができないので、食事はレトルトなどを購入しなければなりません。

こうした出費が重なり、貯金はほとんどなくなってしまいした。

小学校の給食費(給食代)が払えない

そんな中、長女が小学校に入学しました。

この小学校では、郵便局から給食費と諸経費が毎月引き落とされることになっています。

ところが、口座の残高不足で引き落としができず、給食費4月分が未払いになってしまいます。

とはいえ、支払うお金もなかったんですけどね・・・。

年度初めは学校の事務の方も忙しい時期のためか、とくに連絡はありまでせんでした。

長期滞納でないかぎり、そんなにうるさく請求されることはないようです。

5月になり、さすがに私も支払っていないことに気づいたのですが、相変わらず給食費を支払う余裕はありません。

「どうしよう・・・」

毎月4,000~5,000円の給食費でも、2回、3回と積もれば金額は大きくなってしまいます。

このまま黙って給食費を払わないでいるのは、楽しく学校生活を送っている長女に申し訳ないと思いました。

支払いを待ってほしい!意を決して学校へ相談

私はそれまで、なんらかの支払いを『滞納』したことがありませんでした。

ですから、5月まで小学校の給食費を滞納し、しかもそれを黙ったままでいるのが苦しかったんです。

「ここはやはり正直に学校に相談するしかない・・・」

私は意を決し、担任の先生に電話することにしました。

小野です。先生、いつもお世話になっております

いえ、こちらこそお世話になっております

先生

実は給食費の件なんですが、震災の影響で主人の会社の状況が悪化して、お給料が減ってしまったんです。

払いたいのはやまやまなんですが、ちょっと今は厳しくて・・・

そうだったんですか。それは大変でしたね。

私の方から事務には話を通しておきますが、いつくらいにお支払いの目途は立ちそうですか?

先生

先生からもっと厳しくいわれるかもしれないと思っていたので、こんなに配慮してくださったのには驚きましたね。

パート等には出られないものの、私は教材の勧誘の仕事を年に2回ほどしていて、多い時には8万円ほどの収入がありました。

このときも、6月になれば4万円ほどの収入がある見込みだったので、それを先生に伝えたところ、

「了解しました。ではそのように事務へ伝えますので、6月にまたご連絡ください」とのこと。

6月に入ってすぐ、お給料が出たタイミングで先生へ電話をかけました。

事務の方に直接持って行くようにといわれ、ようやく未払いの2カ月分の給食費を支払うことができたのです。

黙っているより学校へ一言連絡を

お金がないということは、気持ちを暗くさせてしまいます。

1日中そのことで悩んでしまうくらい切ないものです。

我が家の場合は震災の影響もあったので、とくにだったかもしれませんが、故意の滞納ではないかぎり、学校側はそれなりに柔軟な対応をしてくださいます。

私も、もっと早く学校に電話すればよかったと反省しました。

学校に支払う費用を経済的な理由で滞納してしまう人は、率直に学校へ相談しましょう。

まとめ

いかがでしたか?

最後に『給食費の滞納・未納』に関するポイントをおさらいしましょう。

  • 給食費の支払いが難しい場合は就学援助制度を利用する
    • 就学に必要な費用の一部を市町村が援助する制度
    • 利用には、利用資格を満たしていることと、それを証明する書類が必要
    • 申請の手続きは学校の事務所を通じて行う
    • 申請時期は4月(ただし年度途中での申請も可能)
    • 決定の通知が決定の通知が届くのは早くて5月中旬
    • 給食費は自治体から学校へ直接支払われる
    • 就学援助制度の利用を継続する場合は毎年申請が必要
  • 給食費の支払いが難しい場合は期日の延期や分割払いの相談をする
  • 給食費を滞納すると毎月かならず学校からの督促がある
  • 裁判所を通じて支払いを要求されることもある
  • それでも支払いに応じなかった場合、財産が差し押さえられることもある

経済的な理由で給食費が支払えないというお気持ちはとてもよくわかります。

あなたのご家庭も、就学援助制度の利用を認めてもられる可能性がありますので、まずは学校の先生か事務室に相談してみてください。

「給食費なんて払わなくても大丈夫」

そんなひと昔前の話を真に受けて、なんの断りもなく給食費を滞納し続けるのだけは危険ですよ。

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