現役弁護士が語る!これから過払い請求するときに気をつけること

ここでは、これから過払い金請求をする方向けに、知らないと損してしまうことをまとめて紹介していきます。

具体的には、次のようなことです。

  • 過払い金を回収できない「3つのケース」
  • お金をだましとる悪徳弁護士・司法書士の手口と見分け方
  • 弁護士・司法書士の報酬の相場

過払い金請求には時効があるので、時効を過ぎてしまったら取り返すことができません。

そうならないために、まずはあなたの借金が時効を迎えていないかどうかの調べ方をご紹介します。

また、過払い金請求は弁護士や司法書士(※1)などの専門家に依頼する方が多いですよね。

しかし、なかには過払い金の金額をごまかして着服するような悪質な弁護士がいますので、注意が必要です。

彼らの手口や見分け方のテクニックについても詳しく解説していきますね。

さらに、一般的な弁護士・司法書士の報酬の相場についても紹介していますので、過払い金請求を検討しているのなら、とても参考になる内容になっていると思います。

※1
編集の都合上、弁護士、司法書士を「弁護士」で統一しますが、債務整理は司法書士に依頼することもできます。

過払い金を回収できない3つのケースとは?

そもそも過払い金請求ってなに?

まず、過払い金請求とはなんなのか、ここで簡単に説明しましょう。

現在、お金を貸出すときの金利の上限は、利息制限法という法律で定められています。

借入れた元金 上限金利(年率)
10万円未満 20%
10万円以上100万円未満 18%
100万円以上 15%

これらの上限金利を上回る利率でお金を貸出すことはできません。

もしあなたが上限金利を超えた利率で借入れ、返済していた場合、そのとき支払った利息を取り返すことができます。

つまり、払い過ぎた利息を取り返せるのです。

より正確にいうと、払い過ぎた利息が元金(残高)を上回る場合は、その分を取り返すことができます。

これを、過払い金請求とよびます(払い過ぎた利息-元金の残高=過払い金)。

まとめると、このような感じです。

金利 払い過ぎた利息-元金(残高) 過払い金
上限金利の範囲内 発生せず
上限金利を超えた利率 元金(残高) ≧ 払い過ぎた利息 発生せず
元金(残高) < 払い過ぎた利息 発生

仮に、元金(残高)が10万円、払い過ぎの利息が50万円だった場合、

50万円-10万円=40万円

過払い金は40万円となるので、この分を返還請求できるのです。

過払い金を回収できない「3つのケース」とは?

もし、上限金利を超えた利率で返済していたことがあるなら、ぜひ過払い金請求を検討してください。

そして、過払い金請求をするなら、弁護士に依頼して任せてしまうのが一番です。

素人が請求する場合、かなり労力・時間がかかりますし、やっとの思いで請求しても相手にしてもらえない可能性があります。

ただし、弁護士に依頼しても過払い金を取り返せないケースがあるので、ここでは過払い金を回収できない3つの原因を紹介しましょう。

時効になってしまった

過払い金請求には時効があります。

最後に取引をした日から10年以内に請求しないと、請求権が消滅してしまうのです。

最後に取引した日とは、すなわち完済日のことですね。

例)
2005年1月1日に完済した場合、2015年1月1日に時効となる

時効になってしまった後に過払い金請求をすることは非常に困難です。

完済後に再び借入れした場合はどうなる?

完済後に再び同じ業者から借入れる人は少なくないですよね。

この場合、時効はいつから計算されるのでしょうか?

具体例でご説明します。

佐藤さんは、2000年8月1日にC社でローンを組み、2001年8月1日に完済しました

これを「取引A」とします

佐藤さんは、2002年1月1日に再びC社でローンを組み、2005年1月1日に完済しました

これを「取引B」とします

本来なら、取引Aの時効は2011年8月1日、取引Bの時効は2015年1月1日です。

しかし、この事例では、取引AとBの間隔があまり空いていないので、「AとBは継続した一連の取引である」と主張できるのです。

もし一連の取引であることが認められれば、取引AとBの時効は、いずれも2015年1月1日となります。

では、2つの取引が「一連のものであるかどうか」はどのように判断されるのでしょうか。

まずは、取引の間隔が重要です。
間隔が何年も空いてしまうと難しくなる確率が高まります。

また、契約書やカードが同じものを使っていることも大切です。

2つの取引に同じ契約書、同じカードが使われていたら、「一連の取引である」と主張しやすくなりますよね。

ただし、実際にはその他の条件で含めて判断されるため、一概に「これなら大丈夫」という条件をお伝えすることはできません。

ケースバイケースなので、必ず弁護士に相談するようにしましょう。

業者が倒産してしまった

過払い金を請求したくても、請求先が倒産してしまっていたら元も子もないですよね。

消費者金融のなかには、経営がうまくいかず、倒産してしまう業者が少なくありません。

例)
大手消費者金融の武富士は2010年に事実上倒産

業者が倒産する原因はそれぞれですが、ここではよくある倒産の原因を2つ紹介します。

総量規制

総量規制(※2)により、貸金業者(※3)は、借り手の年収の3分の1を超える金額を貸出せなくなりました。

そのため、規制前に比べ、トータルの貸付額が減少してしまったのです。

貸付額が減少すれば、当然、利息収入も減ってしまいます。

その結果、経営が苦しくなり倒産してしまうのです。

※2
総量規制は、改正貸金業法のなかで定められた規制です。改正貸金業法は、2010年6月18日に施行されました。

※3
貸金業者とは、主に消費者金融やクレジットカード会社のことを指します。銀行は含みません。

過払い金請求が殺到

過払い金請求も原因のひとつと言われています。

過払い金請求が増えすぎた結果、お金がなくなり倒産してしまったケースですね。

違法業者からの回収はまず不可

過払い金請求ができるのは、あくまで相手が正規の業者である場合です。

相手が違法業者では、過払い金を回収するのはまず不可能でしょう。

違法業者は、利息制限法の上限金利など守りません。

平気で法外な金利をつきつけてきますし、そもそも実態がつかめません(違法業者の手口や見分け方を解説しているので、こちらもあわせて読んでみてください)。

社名や担当者名、住所もデタラメ。
唯一の手がかりである携帯電話は、他人名義のものを使っていることが多いです。

相手の名前や住所がわからないかぎり、過払い金を請求することはできません。

そのため、違法業者からの借入れは過払い金発生の可能性が高いものの、回収は難しいのです。

被害に遭う人は意外に多い!悪徳弁護士の手口とは?

さきほど、「過払い金請求をするなら、弁護士に依頼して任せてしまうのが一番」とお伝えしましたが、なかには、過払い金の金額をごまかして自分の懐に入れてしまうような悪質な弁護士がいるので注意しましょう。

ここからは、過払い金請求にまつわる悪徳弁護士の具体的な手口を紹介していきます。

金額をごまかして着服

還ってきた過払い金より少ない金額を依頼者に渡すケースです。

たとえば、50万円の過払い金があったのに、依頼者に「20万円の過払い金がありました」と説明し、残りの30万円を着服してしまいます。

「返済が必要」と偽って着服

冒頭でも説明した通り、払い過ぎの利息があった場合、元金が残っているならまずは元金の返済にあてられます。

その結果、元金(残高)より払い過ぎた利息が大きい場合に、はじめて過払い金が発生するのです。

つまり、過払い金が発生した時点でその借入先への返済はゼロということになりますね。

にもかかわらず、「D社から過払い金50万円が還ってきたので、そこからD社に30万円返済し、残りの20万円をお渡しします」などと話す悪徳弁護士がいます。

必要のない返済を捏造し、過払い金(今回の例では30万円)を着服するケースですね。

返済すべき借金を放置

複数社からお金を借りている場合、過払い金が発生する業者と発生しない業者とで分かれることがあります。

具体的に例をあげてみましょう。

借入先 過払い金 元金(残高)
E社 30万円 なし
F社 10万円 なし
G社 なし 50万円

この場合、通常の弁護士は、E社とF社に過払い金請求を行い、回収した40万円をG社の返済にあてます。

その結果、

50万円-40万円=10万円

G社へ10万円の返済が残ってしまうので、それをどう返済していくかG社と交渉することになります。

ところが、なかには過払い金請求だけして、残りの借金を放置する悪徳弁護士がいます(詳しい説明は割愛しますが、手間が省け、弁護士報酬が高くなるためです)。

今回の例でいうと、E社とF社に過払い金請求をして、還ってきた40万円を依頼者に渡しますが、G社の借金は放置したままです。

過払い金が還ってきた時点で、依頼者は「すべての借金がなくなった」と思ってしまいますよね。

しかし、実際のところ、G社の借金は放置されているので、利息が増え続けて大変なことになってしまいます。

残った借金を放置する手口は、弁護士会・司法書士会が注意を呼びかけるほど頻発しました。

被害に遭われている方が少なくないので、よく注意しましょう。

悪徳弁護士を見分けるためのテクニック

では、悪徳弁護士にだまされないためには、どのようなことに気をつければいいのでしょうか?

過払い金の金額を示す資料をもらっておく

まず、過払い金の金額が「いくらになるのか」示す資料をもらっておきましょう。

たとえば、業者から取り寄せた取引記録(※4)や、引直し計算書(※5)です。

怪しい弁護士は、口で説明するだけで、資料を出しません。

きちんと資料をもらっておけば、万が一、問題が起きた時に問い正す証拠になります。

弁護士としても資料を渡す以上、大胆な不正はできないはずなので、弁護士側への牽制になります。

もちろん、何かと理由をつけて資料を出さない弁護士には依頼してはいけません。

もしすでに依頼してしまっているのなら、弁護士会や司法書士会に相談してみてください。

日本弁護士連合会「全国の弁護士会の法律相談センター」
http://www.nichibenren.or.jp/contact/consultation/legal_consultation.html

日本司法書士会連合会「司法書士総合相談センター一覧」
http://www.shiho-shoshi.or.jp/activity/center_list.html

※4
取引記録とは、はじめての借入れから完済に至るまでの借入れと返済の記録のことです。取引記録をみれば、いつ、いくらを借入れたのか、もしくは返済したのかがすべてわかります。過払い金請求の際は、まず業者から取引記録を取り寄せる必要があります(弁護士に過払い金請求を依頼すると、取引記録の取り寄せも弁護士が行います)。

※5
取引記録をもとに引直し計算を行います。引直し計算とは、「払い過ぎた利息がいくらなのか」を計算することです。過払い金請求の際は必ず行います(弁護士に過払い金請求を依頼すると、引直し計算も弁護士が行います)。

必ず書面を見せてもらう

過払い金請求の経過は、逐一報告をもらいましょう。

特に、複数の借入先がある場合は、下記のようなことをくまなく確認するようにしてください。

  • どの業者でいくらの過払い金が発生しているのか
  • どの業者でいくらの借金が残るのか
  • どの業者からいくらの過払い金を回収できたのか

そして、過払い金の請求交渉が終了した業者に関しては、経過に関する書面を見せてもらいましょう。

たとえば、過払い金が返還されると、業者から、返還によって和解したことを証明する書類(和解書など)が届きます。

また、払い過ぎた利息を元金(残高)にあてても返済しきれなかった場合、その後の返済計画を弁護士や業者と話し合って決める必要があります。

双方が合意したら、合意内容(返済計画など)を書面にまとめるはずです。

このような書面も全て見せてもらいましょう。

しかし、なかには何かと理由をつけて書面をみせようとしない弁護士がいます。

相手が応じない場合は、弁護士会や司法書士会に相談ですね。

弁護士報酬の相場を知っておこう

不当に高額な報酬を要求する悪徳弁護士に注意しましょう。

特に、テレビやネットで派手に広告を出している事務所は、依頼者からの報酬で広告費を回収しなければなりません。

そのため、報酬は高めになりがちですが、著しく高額な代行報酬を払う必要はありません。

では、過払い金請求の弁護士報酬の相場はいくらぐらいなのでしょうか?

報酬の相場は?

過払い金請求を弁護士に依頼する場合の相場は、下記のとおりです。

着手金:請求額の5~8%
成功報酬:回収額の10~20%

請求額が小さいと弁護士報酬の比率が高くなり、請求額が大きいと比率が低くなります。

たとえば、10万円の過払い金請求をして、全額回収できた場合の弁護士報酬の相場は、

着手金:5,000円~8,000円
成功報酬:1万円~2万円

1万5000円~2万8000円程度です。

着手金無料の事務所もありますが、そういったところは高めの成功報酬を設定していますね。

また、最終的に借金が残った場合など、業者と話し合って債務整理をする場合は、さらに2万円程度の費用がかかります(業者1件につき)。

その上、事務手数料がかかることもあるので注意してください。

高報酬の弁護士に頼む必要はない

過払い金請求は、多くの弁護士が経験している業務ですし、手続きは簡単です。

そのため、あえて高報酬の弁護士に依頼する必要はないでしょう。

弁護士の知り合いがいなければ、法テラス(日本司法支援センター)や弁護士会、司法書士会、自治体の無料法律相談会などに相談してみましょう。

法テラス(日本司法支援センター)
http://www.houterasu.or.jp/index.html

いかがでしたか?

過払い金請求には時効があるので、はやく行動を起こすに越したことはありません。

初回相談は無料の弁護士が多いので、まずは専門家に相談してみましょう。

なお、今回の記事では弁護士に依頼することは中心に紹介しましたが、過払い金請求は自分でも行うことができます。

自分で過払い金請求を行う方法についても解説していますので、興味があればご覧ください。

また、アコムとアイフルに過払い金請求をした体験談アコムとプロミスに過払い金請求をした体験談あたりも参考になるはずです。

→債務整理の弁護士事務所を徹底比較。費用、対応地域、実績、顧客対応

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