更新日:2018/12/24
6年間、返済を続けても減らなかった借金が過払い金請求で0に【体験談】
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評価を設定してください ×「グレーゾーン金利(※)」が存在したころ、金融機関でお金を借り入れると、今よりも高い金利を払う必要がありました。
当時は20~29%の高金利で貸し出している業者がほとんどで、返済に苦しんだ人も多かったようです。
今回はグレーゾーン金利が適用されていた時代に、複数の消費者金融から借り入れを重ね、後に過払い請求をして借金を完済したという男性から話を聞くことができました。
※ グレーゾーン金利とは、利息制限法の上限金利(15~20%)と、出資法の旧上限金利(29.2%)の間の金利のこと。2010年の改正貸金業法施行により、出資法の上限金利が利息制限法の上限金利と同じ金利まで下がったおかげで、グレーゾーン金利は撤廃された。
体験者の情報
名前:谷村 哲(仮名)
性別:男
職業:会社員
当時の年齢:23歳~30歳
借入件数:3件
会社名(借入先):アコム、レイク、プロミス
利用時期:2000年~2007年
借金の合計額:約150万円
借金の理由:車のパーツ・生活費等
※体験談中に複数社への借入れに関する記述(プロミス等)がありますが、複数社へ申込み、及び利用をしますと状況によって審査に通らないことがあります。
複数の消費者金融からの借り入れと過払い請求
今回お話をうかがったのは谷村哲さん(仮名)36歳。とても話しやすく、気さくな印象の男性です。
現在地元京都の会社に勤めているという谷村さんは、就職したばかりの頃、複数の消費者金融で借り入れを重ねていたことがありました。
当時はまだグレーゾーン金利が適応されていた時代で、彼は返済時に高い金利に悩まされることになりました。
谷村さんが消費者金融を利用した経緯と、過払い請求から完済までの経緯を語ってくださいました。
一人暮らしの開放感で贅沢をしてしまった
― はじめて消費者金融を利用したきっかけは?
2000年に大学を卒業し、社会人1年目の僕が最初に配属されたのは北陸のとある県で、22歳にして初めての一人暮らしをすることになりました。
新生活のために家具や家電を揃える必要があったのですが、初任給が出るまでに少し間が空いてしまって。
車を買ったことで貯金も使い果たしていたので、必要なものを買うためにアコムから初めての借り入れをしました。
その時は「お給料が入ったら返せばいいや」という軽い気持ちで、わざわざ両親に借りるまでもないと思ったんです。
― なぜアコムを選んだのですか?
家から程近い国道に、アコムの自動契約機(むじんくん)があったからです。
大きなロゴの看板が立っているのが目に付いて。テレビのCMもたくさんやってるじゃないですか?確かそんな理由だったと思います。
もちろん、人目は気になりますよ。だから街中にある店舗よりも、大きな道沿いにあるほうが人目に付かないかなって。
― 審査の際にはどのようなことを聞かれましたか?
特に変わったことは聞かれませんでした。収入や勤め先のこと、実家が持ち家かどうか、とかですね。
勤め先が大手の上場企業だったので、勤続年数が浅いことも特に問題なかったみたいです。
収入は手取りで20万円くらいだったので勤続1年目にしてはそう悪くはなかったと思います。
― 金利や限度額はどのくらいでしたか?
限度額が50万円で金利は20%代だったと思います。
実は当時はっきりとした金利は分かっていませんでした。最初は20%くらいと思っていたのですが、実際はそれ以上あったようです。
そういうことも後になって知りました。
私はどちらかというと、金利よりも月々の返済額のほうを重視していました。
― 借りたお金は何に使ったのですか?
最初のうちは新生活に必要な物を買い揃えるための借り入れでした。
家賃は会社持ちなので、実質必要なものは食費や光熱費等の生活費だけだったのですが、初めての一人暮らしの開放感で、だんだん贅沢な使い方をするようになってしまって。
入社と同時に中古のゴルフを購入していたのですが、そのカスタムパーツやカーナビを購入するのにもけっこう使いましたね。一度に10万円くらい使ったこともあります。
それと社会人になって飲みに行く機会も増えたりして、そうした交際費にも使いました。
しかも当時は地元の京都に彼女が居て、いわゆる遠距離恋愛だったのですが、デート代や交通費で2~3万円ぐらいはすぐに使ってしまって。
それが積み重なって、けっこう大きな金額になっていたと思います。
こうなると完全に返すペースより借りるペースのほうが上回っていましたね。
お金が必要になるとその都度借りる、ということを繰り返していたら、半年くらいで限度額の50万円に達してしまいました。
なかなか減らない元金
― 次にプロミスから借り入れをされたのはいつでしょうか?
社会人2年目になっても、お金の使い方は相変わらずで。
1年目の冬にボーナスが30万円くらい入ったのですが、それでもお金が足りなくなってしまって。
それで次はプロミスから借りることにしました。
アコムと同じように限度額50万円の金利20%くらい。そして同じように半年くらいで限度額まで使い切ってしまいました。
― 順調に返済できていたのですか?
苦しかったですね。
アコムもプロミスもリボ払いだったのですが、利息分だけ払うようなこともけっこうありました。50万円の借入れに対して、利息は1万5千円くらいだったと思います。
なかなか元金が減らないんですよね。「いつ払い終わるのか」なんて感覚が麻痺していたからか、あまり考えることもありませんでした。
それに会社の先輩を見ていて「そのうち給料も上がるだろう」と楽観視していた面もあります。
でも実際は2年目から住民税が引かれるようになって、昇給はしていても実質の手取りは変わりませんでした。
使いたいのにお金がないといった現状に耐えられず、3件目のレイクからも借り入れをしました。
やはり限度額の50万円を、めいっぱい借入れしてしまいましたね。
この時点ではまだボーナスを当てにしていました。
でも思ったようにボーナスも上がらないし、会社の給料システムも業績によって増減するシステムに変わってしまったので、かえって下がってしまったくらいで。
それでも贅沢をする生活を変えられなくて、ひと月の支出が30万円を超えてしまうこともありました。
大手消費者金融で借り入れを断られて
― 「まずいな」と思われたのはいつごろですか?
アコム・レイク・プロミスの3社から限度額いっぱいを借りて、次に4件目の審査を申し込んだ時に「まずいことになっているな」と気が付きました。
大手の消費者金融だったのですが「他社での借り入れが多すぎる」と断られてしまったのです。
他にも数件回ったのですが同じように断られてしまいました。
この時の月々の返済額が1社につき1万5千円くらい。3社で5万円弱。
とりあえずその月は払えても、枠が空けばすぐ借りるといった状態だから、全然借金は減りませんでした。
それで生活を見直しました。
今まで買っていたものを我慢したり、飲み会の回数を減らしたり。飲み会でも1回で3~4千円は使っちゃいますからね。
でも普段の生活で特に節約というのはしてなかったですね。仕事が忙しくてあまり家に居なかったものだから、あまり意味がないと思ったのです。
それでどうにか月5万円ずつの返済を続けました。ボーナスの時や余裕がある月には繰り上げ返済なんかも。
そうした返済生活が6年以上続いたんですが、全然借金は減りませんでした。
グレーゾーン金利と過払い請求
― それで過払い請求をすることにしたんですか?
2007年頃だったと思いますが、「グレーゾーン金利」や「過払い請求」がテレビでもよく話題に上がった時期がありましたよね?
自分の場合も金利が20%で上限金利を超えているじゃないですか?
要するに利息を払いすぎている訳だから「過払い請求の対象になるのでは?」と思ったんです。
それで「払いすぎた利息のぶんを取り戻そう」と過払い請求に向けて行動を起こすことにしました。
― 弁護士さんはどうやって探したのですか?
ちょうどその頃、また転勤になって北陸から地元の京都に戻っていたので、インターネットで見つけた地元の法律事務所に、今までの借り入れの書類や、返済の履歴がわかる資料を持って行って過払い請求ができるかを相談しました。
すると弁護士さんが「払いすぎた利息分だけで、既に完済できるくらい払っていますよ」とおっしゃって。
結果的に、アコム、レイク、プロミスの3社とも、過払い金で借金の残高を相殺できるということが分かりました。
それで相談をした弁護士さんにそのまま依頼して、過払い請求の手続きを進めてもらうことになりました。
最終的には残っていた借金と、返ってきたお金で相殺されるようなかたちになって、プラスは出ませんでしたが、その年の内にすべて完済することができたので良かったです。
しかし同時にキャッシングのカード類は使えなくなってしまったので、全部破棄してしまいました。
― 完済してどう思われましたか?
なんだか疑問ばかりが残りました。
毎月苦労して払っても、全然借金が減らないなんておかしいですよね。完済できてラッキーでした。
やっぱりグレーゾーン金利に関しての知識がなかったこと対して責任があると思います。
借りている内はしょうがないのですが、ただ返済するだけの4年間は本当に辛かったです。
常に返済のことが頭の中にあって、何をしていてもすっきりしなというか、浮かない気分でしたね。
消費者金融について思うこと
― 消費者金融の良いところ、悪いところは何だと思いますか?
知人からお金を借りたりすると、トラブルになったり、人間関係がうまくいかなくなってしまうことがありますが、消費者金融はそういった心配をする必要がありませんよね。
でも返済が少しでも遅れてしまうと会社に電話が掛かってきたり、周りにバレてしまう可能性があります。
僕の場合、自動契約機で直接返済をしないといけなかったのですが、一度それを忘れてしまって会社に電話が掛かってきたことがあるんです。
掛けてくる人も名乗るわけじゃないし、愛想が良い訳でもないので、電話を取った人には思いきり怪しまれましたよ。恐らく気付かれたんじゃないかな。
― 当時を振り返って思うことは?
とにかく考えが浅かった、若くて未熟だったということですね。
アルバイトをしてお金を稼いでいた学生気分が抜けきってなかったというか、会社勤めだと景気や処遇で収入が少なくなったり、ボーナスが出なかったりすることを分かっていませんでした。
でも今は考える力もあるし、昔と違ってなんとかする力もあると思います。借金についての考え方自体も変わりましたよ。
今は普通にクレジットカードも使いますが、消費者金融から借りることはもうないと思います。
インタビューを終えて
すでに家族を持ち、現在は家計を支える立場になっている谷村さん。向こう見ずだった若いころの自分について、明るく語ってくださいました。
彼は自ら行動し、過払い請求をしたことで長年の借金返済の負担から開放されました。
2010年にグレーゾーン金利が撤廃されたことにより、利息制限法で定められた金利を上回る利息は、過払い請求をすることで返還されることもあります。
過払い金が発生しているかもしれないと思った人は、弁護士や司法書士、法テラスなどに相談してみるといいでしょう。
一方、現在の金利は20%以下と定められていますが、それでも利息の負担は大変なものです。
かつての谷村さんのように、「消費者金融に、金利をどれくらい支払っているのか知らない」という人は意外に少なくありません。
しかし知識がないまま借入れを続けると、いつの間にか借金が膨らみ返済が困難になってしまう可能性もあるので、注意が必要です。
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