費用が半分で済むと聞いたので、一人で過払い金請求をしました【体験談】

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弁護士に頼むより「費用が半分で済む」と聞いたので、ネットを参考に、一人で過払い請求をした事を語ってくれた佐藤さん

2010年に貸金業法が改正されましたが、それ以前は多くの業者が「グレーゾーン金利」で貸出しを行っていました。

グレーゾーン金利とは、利息制限法で定められた上限金利を超える金利のこと。

そして現在は、利用者が「支払い済みのグレーゾーン金利」を業者から取り返すことができるのです。

これがいわゆる「過払い金請求」ですね。

過払い金請求は、弁護士や司法書士などに依頼するのが一般的ですが、こうした専門家に依頼すると費用が発生します。

なかには、法律家に頼らず、自力で過払い金請求を行う人もいるのです。

今回は、自分一人で過払い金請求を行い、無事過払い金を取り返すことができたという女性から話を聞くことができました。

体験者の情報

名前:佐藤 かな(仮名)
性別:女性
当時の職業:アルバイト
当時の年齢:21歳~
借金の合計額:合計100万円
会社名(借入先):アコム、レイク、マルイ
借入件数:消費者金融2件、クレジットカード1件
利用時期:2007年~2011年

弁護士に頼らず過払い金請求はできる?

まだ赤ちゃんのお子さんを見ながらインタビューに応じてくれた、物腰柔らかな印象の佐藤さん

お話をうかがったのは、現在子育て中の専業主婦、佐藤かな(仮名)さん33歳。

とても家庭的で真面目な印象の女性ですが、過去にはキャバクラで働きながら、遊ぶお金のために複数の消費者金融から多額の借金をしていたことがありました(詳しくは前編をごらんください)。

また当時は貸金業法が改正される前で、佐藤さんの借入れにも「グレーゾーン金利」と言われる、非常に高い金利が適用されていました。

借金の返済中、彼女は自身が過払い金請求の対象になることを知り、過払い金請求を行うことを決意します。しかも弁護士や司法書士を頼らずに、自身の手で行うことにしたのです。

今回は、たった一人でどのように過払い金請求を行ったのか、また請求先の業者に対してどのような印象を持ったのか、当時を振り返りながら語っていただきました。

結婚を機に完済を決意するが...

― 当時の借入総額、金利、月々の返済額はどのくらいでしたか?

最終的な借入額は、アコムから50万円、レイクで30万円、マルイのクレジットカードのキャッシングも含めると、100万円近くの借金でした。

アコムとレイクの金利は当時の上限の29%です。返済額はアコムが1万5千円、レイクが1万3千円で、マルイは8千円、毎月4万円近く払っていたと思います。

でも返済しては、枠が空くとまた借りるの繰り返し、金利も高かったので、なかなか元金が減りませんでした。

― 本腰を入れて返そうと思ったきっかけは?

主人との結婚話が出てきたことがきっかけですね。借金があることは言ってなかったんです(笑)。

だから結婚までになんとか返してしまいたくて。

主人と付き合うようになってから、昼の仕事もするようになっていたのですが、夜のキャバクラの仕事も隠れて続けていました。

それこそ昼も夜も返済のために働いて、繰上げ返済も頑張りました。多い月だと10万円くらいは返済に充てていましたね。

でも結局レイクだけ完済に至らないうちに、結婚することになったんです。

主人にもすべてを打ち明けて、「ちゃんと自分で払うから」と説明はしていましたが。

一人で過払い請求をする方法とは?

― 弁護士に依頼せず、自分で過払い請求をしようと思ったのはなぜですか?

結婚後しばらくして、過払い請求がメディアで盛んに取り上げられるようになって、私の借金もその対象になることを知りました。

だから過払い金請求をすれば、これ以上返済しなくても済むのかもしれないと思って。

それで2ちゃんねるとか、インターネットで過払い請求の方法について色々調べてみました。

すると「やる気さえあれば、自分でも過払い請求ができる」と書いてあって。

しかも弁護士さんに頼むと、自分でやるより倍くらい費用がかかるそうです。特に大手の弁護士事務所に依頼すると、お金も時間も必要みたいですね。

それに、中には対応の悪い弁護士事務所もあるということも分かりました。

だから「弁護士費用をぼったくられたら嫌だな」と思って(笑)。

別に地方に住んでいる訳ではないし、東京の簡易裁判所も近くにあるから、自分で過払い請求をやってみようと思ったんです。

― どのような手順で過払い請求を行ったのでしょうか?

私は過払い請求に関する色々な情報を、インターネットから集めました。

その中に、過払い金を計算するエクセルのフリーソフトがあったので、それをダウンロードしたんです。

それは日付や金利、残高を入力するだけで、過払い金がどれくらいになるのかを勝手に計算してくれるというものでした。

そこですでに完済していたアコムから、今までの履歴を取り寄せて、正確な数値を入力して過払い金の額を調べました。

エクセルは仕事でも使っていたから、難しい作業ではなかったです。

するとアコムからの過払い金は25万円くらいになることが分かりました。一番長く利用していたのがアコムだったので、それくらいになったのでしょう。

それがあればレイクの残りもすぐに返せるなと思いました。

それでその書類を、裁判所用、業者用、自分用と何部か作りました。

また、ワードでアコムへの訴状「これこれこうなので、過払い金を請求します」みたいな文書も作ってみたんです。

この裁判用の訴状もネットに書式があったので、それを参考にしました。

― ご自分で裁判所にも行ったんですか?

はい。それらの書類を持って裁判所に出向き、アコムを相手に過払い金返還請求の手続きをしました。

ただし、アコムの担当者が実際に裁判所に来る訳ではありません。すべて文書のやりとりなんです。

しばらくすると裁判所から連絡が来て、「アコムから25万円の返還金の提示が来た」と言われました。その金額に不服がなかったので、そのまま和解が成立しました。

私が実際に裁判所に足を運んだのは2回で済みました。

出廷代に4千円くらいかかったことと、裁判所に出す切手代に思ったよりお金かかったことは気になりましたが、そこまで大変だとは思いませんでした。

結局、手続き開始から2ヶ月くらいで、返還金の25万円がアコムから直接自分の口座に振込まれて、すべてが終わりました。

過払い請求をしてよかった

― 自分で過払い請求を行った感想をお聞かせください

自力で過払い金請求、そして完済をした、とてもしっかりした女性という印象の佐藤さん

一般的に、過払い請求をすると業者は難色を示すことが多いと言われているようですが、アコムの対応は良かったと思います。

他の業者なら過払い金の返還までにもっと時間がかかったのかもしれませんが、アコムは予想していたよりも早く、2ヶ月で決着が着きました。

返ってきた過払い金でレイクのほうもスムーズに完済できて、残りを貯金にまで回せました。

ただ自分の場合はアコム1社に絞って請求をしたから、どうにかなったのかもしれません。

会社によって対応の差が大きいらしいので、レイクに請求をしていたら違う結果になっていたかもしれませんね。

― 過払い請求を一人で行って、大変ではありませんでしたか?

もちろん手続きの煩わしさはそれなりにありましたよ。

訴状を作ったりするのも大変ですし、裁判所にも何度か足を運ぶ必要がありました。裁判所に行けば軽く2~3時間はかかってしまいます。

でも結果的に完済できたし、自分で過払い請求をして良かったと思っています。

結局、「完済する」という決意をして、2年かからないうちに100万円の借金を返すことができました。

それまではあんなに時間がかかっていたのに、こうと決めれば人間できないことはないんでしょうね(笑)。

インタビューを終えて

現在は一児の母として子育てに追われている佐藤さん。

彼女の「完済する」という揺るぎない決意と、自分で過払い金請求をした行動力には敬服させられました。

過払い請求を弁護士に依頼せず自身の手で行うということは、弁護士費用を節約できたり、手続きにかかる時間を短縮できるなど、大きなメリットがあります。

個人で過払い金請求を行う方法については『お金がない人のための過払い金請求の6ステップと便利ソフト4選』で詳しく解説しております。

実際に過払い金請求を行い、「思ったよりも簡単だった」という感想を持つ人も多いようです。

そのためには彼女のように、インターネットなどを利用して情報を集めるなど、積極的に行動することが大切です。

ただし返還請求にすんなりと応じてもらえなそう、請求する業者が複数に渡るなど、状況が複雑な場合は、専門家に頼る方がスムーズな場合もあります。

過払い金請求を考えている人は、自分の状況をよく見極めて、適切な手段を選びましょう。

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