【特定調停の実例集】必要書類と裁判所の手続きの注意点

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後半では、特定調停に必要な書類や裁判所での実際の手続き、特定調停をしたその後について書いていきたいと思います。

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>>>300万の借金を抱えた私が任意整理ではなく特定調停を選んだ理由

特定調停で必要な書類

特定調停では「特定調停申立書」を裁判所に提出し、調停委員の方に調停をお願いする形になります。申立書は裁判所にいけばもらえます。(私の場合、司法書士さんにご用意頂き、自分で記入を行いました)

【1】表紙
申立人(借金している方本人)の住所、氏名、押印

【2】1ページ目
相手方一覧表
(特定調停を行いたい債権者を記入します。私の場合B社1件でしたので1件のみの記入です。その際、残元金の欄には正しい金利で計算された額を記入しています)

【3】2ページ目
特定債務者であることを明らかにする資料
(申立人の資産状況、生活状況を記入します)

【4】3ページ目
家計収支表、添付書類
(見たままで、家計をさらして返済可能額を提示します)

【5】4ページ目
申立外関係管理者一覧表
(調停を申し立てない債権者を記入します。私の場合C社の自動車ローンを記入しています)

注意して頂きたいのは【3】の家計収支表、添付書類です。家計収支表については、できる限り実情に即した内容を記入した上で、「月々これだけなら返済可能です」ということを明記します。

なぜなら、この調停はあくまで「返済」する事を前提とした手続きであり、「放棄」するわけではないからです。「債務整理の種類、メリットデメリット」のところで書いたとおり、特定調停は「裁判所お墨付き」の和解となります。

それは自分自身の返済にもいえる事で、もし滞るようなことがあれば、最悪 強制執行なんて事も・・・。ですから、十分に精査した数字を記入して下さい

続いて、添付書類ですが、特定調停申立書の内容を証明する為の資料を添付します。
私が用意したのは、

1:給与明細書
家計収支表の給与欄の根拠となります

2:B社の取引履歴(残高計算書)
これは司法書士さんにおまかせしました

3:前年の源泉徴収表
数字自体は使いませんでしたが(必要なのは所得税の課税対象額ではなく、手取り収入ですから)勤務先の証明になりました

4:住民票
役所に行く暇がなければ、最悪裁判所に行く朝に取ってもなんとかなります

5:預金通帳
上記【3】「特定債務者であることを明らかにする資料」で、資産状況を証明する根拠となります

6:家の賃貸借契約書
同上です

7:自動車保険証券
家計収支表で支出金額を証明する根拠となります

8:自動車の車検証
上記【5】「申立外関係管理者一覧表」で自動車ローンC社をなぜ調停対象としないかの根拠として提出しました

(所有権留保によりC社所有の車両となっており、調停すると車両を取り上げられ、日常の生活に支障が出る可能性がある為。という説明を調停委員にしました)

9:公共料金明細
家計収支表で支出金額を証明する根拠となります

以上9つでした。
いざ裁判所で「足りない!!」とならない様に、事前に弁護士さん司法書士さんと打ち合わせておきましょう。(裁判所に行く回数が増える=会社を休む回数が増える、ですからね)

裁判所での手続き

前述しましたが、裁判所には2回行かなければなりません。1回目では、調停委員との話し合いで調停内容を決定します。

調停委員の方に、「これならちゃんと返済できるな」と、納得して頂けないと先に進まず、数字の見直し→再度調停委員と話し合いとなり、裁判所に行く回数がどんどん増えて行きます

そうならない様、事前にしっかりと弁護士さん、司法書士さんと打ち合わせて下さい。あくまで、申立者自身(ここでは私ですね)と調停委員との間で行われるものですから、提出する資料は100%説明できる位にしてください。(私の場合、司法書士さんの同席は認められましたが、他の地域ではどうなんでしょうか?)

なぜなら、私の当たった調停委員の方が「源泉徴収表の数字の意味」を理解しておらず、「源泉徴収表と、家計収支表の金額が合ってない!」と言い出し、あわや再提出になるところでした(笑)

前述しましたが、源泉徴収表に書かれているのは「総収入」と「総収入の内、所得税の課税対象額」であり、「手取り収入額」ではないので、数字が違うのは当たり前です・・・。

2回目では、債権者、調停委員、申立者が集まり、調停内容について協議します。私の場合は、債権者が出廷せず、調停委員と電話でやり取りしておりました。

金利再計算の上で返済」というスタンスでしたので、債権者もあまり目くじらを立てておらず、「申立書通りでいいですよー」というノリで、あっさり終了。(多分30分掛かっていなかったです)正直拍子抜けでした(笑)

特定調停後の生活、再びローンを組めるまで

調停終了後に、裁判所から「決定書」が送られてきます。その名の通り、調停の決定事項が裁判官の名前入りで書かれています。決定書に書かれた月日から、返済義務が発生しますので、忘れずに返済しましょう。

万が一内容がおかしければ、2週間以内に異議の申立ができますので、決定書はしっかりチェックしましょう。

気になるローンが再び組めるまでですが、私の場合「返済完了から半年後に保証人(妻)付きで250万の自動車ローンが組めた」としか言えません(笑)

どんなローンを組むか、保証人を立てられるのか、担保はあるのか・・・・などなど条件があると思うので、一概にはいえません。私の場合、少し正直に「昔、カード会社とひと悶着あってブラックリストに載った事がある」と言って営業の方に相談しました。

特定調停をしたおかげで借金が圧縮され、月々の生活に余裕ができるようになりました。返済しながら貯金する余裕もでき、返済が終わった時点で、当時の彼女と結婚。今ではそれなりに幸せな家庭を築けております。

特定調停しないままだと、どうなっていたか・・・。
そう考えるとぞっとします。

今、消費者金融の高い金利で苦しんでいる方々、是非とも債務整理を行い、正しい金利で再計算してみてください。そこから、借金地獄から脱出できる糸口が見えてくると思います。今までの生活をリセットしたい方、是非、お近くの法テラスで相談なさってください。

もしくは、自分でやるのは面倒という場合、弁護士や司法書士さんにお願いするのも手です。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
少しでも、借金で苦しむ方の助けになれば幸いです。

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