更新日:2018/09/25
小規模個人再生の流れと返済時に絶対守っておきたいこと(体験談)
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評価を設定してください ×「どうしても破産は避けたい・・・。小規模個人再生でなんとかならないだろうか・・・?」
「個人再生(民事再生)で失敗したくない・・・。成功した人の体験談を知りたい・・・」
「小規模個人再生の具体的な流れを知りたいのですが・・・」
小規模個人再生。
あまり聞き慣れない言葉ですよね。
「破産や債務整理は聞いたことあるけど、小規模個人再生ってなに?」
という方が多いと思います。
小規模個人再生というのは、債務整理方法のひとつです。
一言で説明すると、裁判所へ申し立てることで借金を最大10分の1に減額できる制度。
しかも、家などの財産を手放す必要はありません。
こんにちは。
当サイト『ファイグー』の取材で、債務整理の経験者や金融機関の担当者に日々取材をしている編集部の田中です。
借金の問題って、とても深刻ですよね。
私がお話を聞いた方のなかにも、借金がもとで自殺を考えた方や、うつ病になってしまった方がいらっしゃいました・・・。
こういう話を聞くと本当にいたたまれない気持ちになります。
でもその一方で、思い切って債務整理をした結果、借金の悩みから開放され、毎日元気に過ごされている方にもたくさん出会ってきました。
つまり、今がどんなに大変な状況でも、必ず解決法はある・・・ということだと思うんです。
それなら、すでに借金問題を解決した方の体験を、現在進行系で悩んでいる方に伝えることで、助かる人がいるのでは・・・?
私はそう考えました。
ということで今回は、実際に小規模個人再生をされたおふたりにインタビューを行い、どのような流れで借金問題を解決していったのか徹底取材しようと思います。
この小規模個人再生、実はちょっと複雑な制度なんですよね。
公式ホームページの説明を読んでもさっぱりという方が多んじゃないかと思います。
ですから、今回は小規模個人再生を体験したお2人に、
- 借金が増えてしまった経緯
- 手続きの流れ
- 用意したもの
- かかった費用
- 小規模個人再生後の生活
これらのことを詳しくお話してもらおうと思います!
とくに、羽鳥さんは弁護士に頼らず、独学で小規模個人再生に成功しています。
弁護士費用の支払いが難しい方に、ぜひご覧になってほしい内容です。
この記事を通して私が伝えたいのは、借金問題は必ず解決できるということ。
そして、それは早ければ早いほうがいいということです。
この記事がきっかけでひとりでも多くの方に小規模個人再生のことが広まればと思っています。
それではまいりましょう。
-
田中 靖子編集者
編集・ライター歴20年。読み手にわかりやすく、正確・誠実に情報を伝えることをモットーにしています。ファイグーでは読み手が求める情報をいかに適切に把握し、発信できるかを日々模索中。ささやかでも生活に役立つヒントをお届けできたら幸いです!現在は保育士とのダブルワーク中。高校球児の母。朝5時起きで白飯大盛弁当づくりが日課です。
- 目次
- 小規模個人再生ってどんな制度?借金の減額幅・メリット・デメリットをおさらい
- なぜ債務整理をすることになったのか?
- 私が法律事務所を選んだ決め手
- 初回相談から契約までの具体的な流れ
- 小規模個人再生を選んだ理由は借金の減額幅が大きいこと
- 小規模個人再生に必要な書類
- いざ裁判所への申し立て!
- 緊張感あふれる個人再生委員との面接
- きちんと返済できるかを確認する履行可能性テスト
- 再生計画案に反対する業者は基本的にいない
- 個人再生後の返済は認可翌月から開始
- 費用はいくらかかる?
- 個人再生後の生活
小規模個人再生ってどんな制度?メリット・デメリットをおさらい
実際の体験者にお話を聞く前に、まずは小規模個人再生の基本情報を簡単に確認しておきましょう!
小規模個人再生ってどんな制度?
小規模個人再生とは、地方裁判所に申立てをして認められれば借金額を大幅に減額できる制度です。
減額後の借金は原則3年で返済するのが決まりです。
どんな人が利用できる?
小規模個人再生(小規模民事再生)を申請するためには、次の条件を満たす必要があります。
借金の総額が5,000万円以下
小規模個人再生を申請できるのは、借金の総額が5,000万円以下の場合です。
ただし、住宅ローンは除外できます。
住宅ローン以外の借金総額が5,000万円以下のときに申請可能です。
継続的で安定した収入がある
小規模個人再生は、減額した借金を原則3年で返済する方法です。
破産のように借金の返済が免除されるわけではありません。
そのため、継続した安定収入がないと利用できません。
どれくらい減額できる?
借金の減額幅は、借金額によって以下のように異なります。
借金の総額 | 小規模個人再生による減額後の金額 (最低弁済額) |
---|---|
100万円未満 | 減額なし |
100万円以上500万円以下 | 借金は100万円になる |
500万円超1500万円以下 | 借金は5分の1になる |
1500万円超3000万円以下 | 借金は300万円になる |
3000万円超5000万円以下 | 借金は10分の1になる |
上の表のように、借金額を最大で10分の1に減額することが可能です。
ただし、財産(※1)を持っている場合は、その価格(清算価値)と最低弁済額のいずれか大きいほうを返済することになります。
たとえば、借金額が500万円で清算価値が50万円の場合、
清算価値 < 最低弁済額
となるので、返済額は100万円に減額されます。
※1
主に下記のものは除外されます。
・99万円以下の現金
・20万円以下の預金・貯金
・20万円以下の解約返戻金
・20万円以下の車(購入時ではなく現在の価値)
・住宅ローンを抱えている持ち家(現在の価値より住宅ローン残高が多いという前提)
・家財道具
小規模個人再生のメリット
まず、小規模個人再生のメリットを確認しましょう。
- 借金総額に応じて、最大で10分の1まで、借金を大幅に減額できます。
- 小規模個人再生には住宅資金特別条項(住宅ローン特則)があるので、住宅ローンは対象から除外できます。この場合、住宅ローンは今まで通り返済を続けることになりますが、マイホームを手放さずに済みます。
小規模個人再生のデメリット
小規模個人再生には以下のようなデメリットもあります。
- 個人再生後、10年間は新しいクレジットカード・ローンを契約できない
- 小規模個人再生を申立て、認可に向けて手続きが始まると、国が発行する広報誌『官報』に名前や住所などが掲載される(一般の人が官報を目にする機会はほとんどないが、あやしい金融業者等から勧誘が届く可能性あり)
- 債権者(借入先)の半数以上が反対したら手続きできない(※2)
※2
債権者の半数以上、および、借入額の半数以上の債権者が反対したら小規模個人再生は不可となります。ただし、民間の金融業者が反対することはほとんどないので、債権者が民間の銀行・消費者金融・クレジットカード会社等の場合はほとんど問題ないと思ってください。
なぜ債務整理をすることになったのか?
今回はご協力ありがとうございます!
まずは、年齢・性別と、借金がふくらんだ経緯、当時の借金総額を教えてください。
野崎さん
40代後半、男です。
借金がふくらんだ原因は、ひとことでいうと給料カットですね。
8年間で三度も給料カットがあり、ボーナスも出なくなったので、生活費と教育費を補てんするために借入れを増やしていきました。
借金の総額は約630万円、毎月の返済額は計10万~11万円ほど。
ちなみに債権者は、ニコスカード・楽天カード・ライフカード・ジャックスカードです。
羽鳥さん
40代の女です。
うちの場合、もともと生活費や教育費でカツカツだったのに、旦那が職場で震災に遭って精神を病んでしまいました。
収入が激減し、あちこちで「借りては返す」を繰り返すようになったのです。
借金総額は約180万円、毎月の返済額は計7万5,000円。
債権者は、プロミス・アイフル・アコム・イオン銀行・楽天銀行・三井住友カード・イオンカード・楽天カード、岩手商工(現在は『アーク』)の9社です。
なるほど・・・。
多くの借金をかかえて返済がままならなくなり、債務整理を検討するようになったのですか?
野崎さん
はい。もう日々の生活が限界でした・・・。
夫婦関係もギクシャクしていたので、「このままでは生活が崩壊する」と思った私は、妻とよく話し合いました。
その結果、「債務整理をして再スタートを切ろう」という話でまとまったのです。
羽鳥さん
私も、今のまま生活を続けるのはムリだと思い、債務整理を決意しました。
なかなか減らない借金のことでいつも頭いっぱいでしたし、仕事にも支障をきたすようになったので・・・。
ふむふむ。
やむを得ない決断だと思います。
私が法律事務所を選んだ決め手
お2人とも、まずは弁護士さんに相談されたんですよね?
巷には多くの法律事務所がありますが、どのような基準で選んだのでしょうか?
野崎さん
法律事務所のポータルサイトで見つけた事務所に相談しました。
はじめはメール相談だったのですが、親身・丁寧に応対してもらったので好感がもてました。
良心的な料金、債務整理の実績も依頼の決め手になりましたね。
羽鳥さん
電話帳で調べたら地元の弁護士は2人だけでした。
両方相談にいきましたが、ひとつめは忙しいのか適当な印象を受けましたが、もう一方は事務員の人も笑顔だったし、弁護士さんも話やすい感じだったのでそこに決めました。
専門家にもいろいろなタイプがいるんですね。
インターネットで探すなら、個人再生の料金(費用)・事務所の立地・実績などを比較してみましょう。
ただ、実際に相談してみることも大事です。
メール・電話・対面で相談してみましょう(初回の対面相談は無料のケースが多いです)。
「ちゃんと話を聞いてくれるか」「説明は丁寧でわかりやすいか」「デメリットや注意点も説明してくれるか」などの点から、信頼できそうな事務所を探せるといいですね。
借金返済の相談先の選び方。債務整理を100件以上扱った法律家の話
初回相談から契約までの具体的な流れ
法律事務所での初回相談から契約までのことを聞かせてください。
初回相談で聞かれること・必要なもの
まずは、はじめて相談に行ったときのことを聞かせてください。
羽鳥さん
たしか、債権者・借金額・家計の収支をまとめたメモと、督促ハガキなどを持っていきました。
事務所では、はじめに、名前・住所・電話番号・家族構成・勤務先・借金額・借入件数を用紙に記入します。
弁護士さんには、借金をした経緯や、家族(旦那)が借金を知っているかどうか、希望の債務整理方法などを聞かれましたね。
野崎さん
私もだいたい似たようなかんじだったと思います。
契約(正式依頼)に必要なもの
初回相談時にそのまま正式依頼したのですか?
野崎さん
いいえ。
初回相談の翌週に再度事務所を訪ねて契約しました。
このときに、給与明細書・家の登記簿コピー・住民票・源泉徴収票を持っていったと思います。
羽鳥さん
私の場合、結局依頼しなかったんです。
実は・・・弁護士費用を払うのが難しく、分割でも厳しかったので、自分で手続きすることにしました。
弁護士さんが大変親切な方で、「自分で手続きする」といったら、必要書類や裁判所での手続きのことをできるかぎり教えてくれたんです。しかも無料でした。
なんと!羽鳥さんは自分で手続きしたんですね!(※3)
※3
小規模個人再生の手続きは非常に煩雑で、用意する書類も多く、専門的な知識も必要になるので、基本的に弁護士に依頼することをオススメします。
督促は依頼翌日から完全ストップ!
債務整理を開始すると、すぐに督促がなくなると聞いたのですが、実際はどうですか?
野崎さん
そうですね。弁護士さんに依頼した翌日から督促は一切こなくなりました。
羽鳥さん
専門家に依頼せず自分で小規模個人再生の手続きをする場合は、自分で債権者に通知を出します。
債権者が通知を受取った時点で督促はこなくなります。
小規模個人再生を選んだ理由は借金の減額幅が大きいこと
お2人とも、小規模個人再生をすると決めたのは初回相談のときなんですよね?
野崎さん
はい。
実は、はじめは任意整理をしようと考えていました。
でも、弁護士さんから「任意整理だとそこまで借金を減らせない。小規模個人再生なら630万円の借金を最大5分の1に圧縮できるし、家は手放さずに済む」と聞いて、小規模個人再生にすることにしたんです。
毎月の返済がどのくらい減るかもシミュレーションしていただいたので、わかりやすかったですね。
羽鳥さん
私は当初破産を検討していたのですが、弁護士さんから「180万円はそこまで高額ではないので破産しないほうがいいのでは?」といわれました。
小規模個人再生なら、「借金が減額されて3年で完済できる」とのことだったので、そちらに変更した次第です。
「借りたお金は少しでも返さなきゃ・・・」という思いもありました。
借金の大幅減額は魅力的ですよね。
でも、小規模個人再生にはデメリットもあります。
そちらについては認識していましたか?
野崎さん
はい。
「一定期間、クレジットカードやローンの契約ができなくなること」「官報に名前が載ること」は弁護士さんに説明してもらいました。
羽鳥さん
私も弁護士さんから同様の説明を受けました。
住宅ローン特則を利用すれば家を手放さなずに済む!
では、住宅ローン特則は利用しましたか?
羽鳥さん
私は利用してません。
住宅ローンはなかったので・・・。
野崎さん
うちは利用しました。
おかげで家を手放さずに済みました。
小規模個人再生は住宅ローン特則で「住宅を残せる(住宅ローン以外の借金を減額する)」のが大きなメリットですよね。
小規模個人再生に必要な書類
野崎さんは、弁護士に依頼されたんですよね。
小規模個人再生の準備から終了までの間に、どんな書類を準備しましたか?すべて教えてください。
野崎さん
主に下記のものを法律事務所に郵送しました。
- 住民票
- 家計簿
- 各通帳
- 給与明細書
- 源泉徴収票
- 退職金見込み額証明書
- 戸籍謄本
- 家の登記簿
- 家・土地の評価額見積書
- 車の評価額見積書
また、「いつ・どこから・どんな理由でいくら借りたのか」という借金の経緯を細かく書き出しましたね。
弁護士さんからは「これが家計簿と同じくらい重要」といわれました。
では、ご自身で手続きされた羽鳥さんは、どういった書類を準備したのでしょうか?
羽鳥さん
主に下記です(※4)。
- 各社との取引明細
- 住民票
- 戸籍謄本
- 収入証明書
- 資産がないことを証明する書類
- 債権者の住所や電話番号がわかるもの
- 各通帳
私の場合、家や車などの財産がなかったので少し少ないかもしれません。
あとは、申立書・陳述書・家計の収支書・債権者一覧表は自分で記入して作成しました(※5)。
2人ともすごい種類・・・。
書類をそろえるだけで大変そうですね。
※4
切手・収入証紙・封筒も必要です。
※5
これらの書類は合計数十枚にもおよびます。
いざ裁判所への申し立て!
ここからは、小規模個人再生を行う場合の実際の手続きについて聞いていきます。
かなり煩雑なので、メインの手続きのみ取り上げていきますね。
まずはじめに、地方裁判所への申し立てについて聞いていきましょう。
申し立てまでの期間
申し立てを行うまで、どのくらいの日数がかかりましたか?
野崎さん
法律事務所へ初回相談に行ったのが2015年3月で、裁判所に申し立てを行ったのが2016年4月です。
結局、10ヶ月以上かかっていますね・・・。
申し立てのための書類集めにも半年ほどかかりましたが、あとは弁護士さんや債権者側の事情もあったと思います。
羽鳥さん
2016年5月に法律事務所へ相談に行き、6月には裁判所へ申し立てを行いました。
羽鳥さん、はやい!
急ピッチで準備を進めたんですね~。
裁判所へは弁護士にお任せか自分で行くかのどちらか
申し立ての際は、裁判所に行きましたか?
野崎さん
いいえ。弁護士さんが行ってくれたと思います。
私自身は一度も裁判所に行っていません。
羽鳥さん
自分で手続きしたので、当然自分で行きましたよ。
緊張感あふれる個人再生委員との面接
小規模個人再生の場合、地方裁判所によっては個人再生委員(※6)が選出されますよね(※7)。
お2人はどうでしたか?
野崎さん
私の場合はなかったみたいです。
羽鳥さん
私の場合は選出されました!
※6
個人再生委員は、申立者の財産・収入の調査、返済計画の確認などを請け負います。裁判所は、個人再生委員の話をベースに個人再生の『認可or不認可』を決定します。
※7
東京の場合は、100%、個人再生委員が選出されます。東京以外は地方によって異なりますが、弁護士を付けない場合は基本的に再生委員が選出されると思ってください。
面接での様子・聞かれること
では、羽鳥さんにお聞きします。
個人再生委員との面接はいつごろ行いましたか?
羽鳥さん
裁判所への申し立てから約1ヶ月後、2016年7月頃でしたね。
面接はどんな様子でしたか?
羽鳥さん
個人再生委員は男性2人、女性2人の計4人。
とても怖くて、話しづらい雰囲気でした。
全部で1時間半くらいでしたが、途中で緊張が限界を超えて、泣き出してしまったのを覚えています。
けっこう緊張感がある場なんですね・・・。
具体的にどんなことを聞かれましたか?できるだけくわしく教えてください。
羽鳥さん
名前と生年月日、子どもの有無、旦那の職業を確認された後、次のような受け答えがありました。
- ご主人はどんな性格ですか?
優しいですが、短気なところもあり、ほしいものをわりとすぐに買ってしまいます。
- あなたはどんな性格ですか?
明るい性格ですが、イヤなことがあると貯めてしまい、一気に爆発するときがあります。
- どうして借金を増やしてしまったのですか?
夫に先妻との子どもがおり、自分たちの子どもも2人いるので、養育費や学費にお金がかかるようになりました。
しだいに、税金や保険税など、夫婦2人の給料では払いきれないものが増え、借入れも増えていきました。
- 個人再生をすれば返済は可能ですか?
はい。
現在、月に7万5,000円を返済しているのですが、減額されれば払えます。
- 破産を選択しない理由はなんですか?
弁護士さんに相談したら、「金額が少ないので破産しないほうがいい」と勧められました。
また、借りたお金は返さなくてはならないと思ったからです。
- 個人再生後は生活していけますか?
はい、できます。
- 今考えていることを話してください。
2人で働いていれば借金は返せると思っていましたが、主人が病気になったり、無職になったりして、だんだん支払いきれなくなりました。
ただ、借りたものは返さなくてはいけないと思っています。
これからは、いつ何が起きるかわからないと考えて生活していきたいです。
なるほど・・・。
細かく教えていただきありがとうございます!
再生委員から改善を求められた点はありますか?
羽鳥さん
再生委員から携帯電話の料金が高すぎると指摘されたので、見直しました。
4台中3台を格安SIMに変えた結果、月2万円から8,000円程度に下げることができましたね。
きちんと返済できるかを確認する履行可能性テスト
裁判所によっては、実際に返済可能かを確認する履行可能性テストがありますよね。
これはどのくらいの期間、どうやって行われましたか?
野崎さん
裁判所への申し立て後、2ヶ月後くらいから履行可能性テストがはじまりました。
私の場合、返済計画と同額の4万7,000円を毎月指定された口座(法律事務所の口座)に振込む方法でしたね。
期間は4ヶ月でした。
羽鳥さん
実際に返済をするテストはありませんでした。
ただ、裁判所から、『夫婦2人の月収-(生活費+学費+養育費)』がいくらになるか確認するようにいわれました。
これは2ヶ月続けましたね。
裁判所によっていろいろなんですね!
履行可能性テストがある場合は、履行可能性テストのクリアが裁判所の認可の必要条件になるので、注意したいですね。
再生計画案に反対する業者は基本的にいない
小規模個人再生の場合、作成した再生計画案を裁判所に認めてもらわなければなりませんよね。
お2人の場合、最終的にどのような返済計画案になりましたか?
野崎さん
借金は630万円 ➡ 167万円に減額し、毎月の返済額は4万7,000円、返済期間は3年間となりました。
また、各債権者への返済額もそれぞれ載っていたと思います。
羽鳥さん
私の場合、借金は180万円 ➡ 78万円に減額、毎月の返済額は2万円、返済期間は3年間となりました。
おおー!
だいぶ減りましたね。
無事裁判所からの認可は下りましたか?
野崎さん
はい。
ありがたいことに、反対する債権者もゼロでした。
羽鳥さん
私の場合、9社中1社だけ反対されましたが、債権者数も借金額も過半数を超えなかったので問題ありませんでした。
では、認可決定の時期を教えてください!
野崎さん
2016年8月です。
申し立てから約4ヶ月後ですね。
羽鳥さん
申し立てから2ヶ月後の2016年8月です。
個人再生後の返済は認可翌月から開始
返済は認可の翌月からスタートですよね。
返済は順調ですか?
野崎さん
毎月末、債権者4社の指定口座にそれぞれ振り込んでいます。
返済3年目に入ったところですが、これまで返済が遅れことはありません。
ただ、車検など他の支払いをかぶったときはちょっと苦しいですね・・・。
羽鳥さん
毎月、それぞれの債権者の指定口座に振込みしていました。
返済が遅れたことはありません。
小規模個人再生で返済が遅れると、一括返済を要求される可能性もあります。
くれぐれも遅れることのないように注意したいですね。
繰り上げ返済も可能
羽鳥さんは繰り上げ返済して完済したんですね?
羽鳥さん
はい。2018年4月のことです。
子どもが大学に進学することになったので、親に事情を話してお金を借り、残り40万円ほどを一括返済しました。
繰上げ返済後、債権者から何かいわれたりしませんでしたか?
羽鳥さん
いいえ。とくにありませんでしたね。
よかったです!
実は、返済を開始してからあまり経っていない時期に繰り上げ返済してしまうと、「余裕があるならどうして個人再生したんだ?」とか「財産を隠しているのでは?」などと債権者に疑われる可能性があるんです。
この点は注意したいですね。
費用はいくらかかる?
野崎さんは、法律事務所にいくら払いましたか?
野崎さん
法律事務所に払ったのは計48万円です。
だいたい10回払いで支払いました。
けっこう高い印象です。
このへんは事務所によってちがいますからね・・・。
でも、分割で払えるのは嬉しいですね。
自分で手続きした場合の費用
羽鳥さんは裁判所にいくら払いましたか?
羽鳥さん
裁判所に手数料1万円を支払い、あとは切手代と収入印紙代、コピー代などで1,500円程度かかりました。
手数料等は裁判所によって異なるみたいですね。
あと、個人再生委員への報酬も発生していますよね?
羽鳥さん
・・・そうなんですか?すみません。よくわかりません。
あれ?
通常、個人再生委員が選出された場合は、15万円~30万円程度の報酬を支払う必要があるんですけど・・・。
・・・もしかしたら何か見落としや勘違いがあるのかもしれませんね。
個人再生後の生活
小規模個人再生後の生活も気になります!
不便を感じることはないのでしょうか?
野崎さん
とくにありません。
カードをつくれなくても生きていけますし。
羽鳥さん
同じくです。
裁判所からは、「返済中、車など高価の買い物をしないでください。
ギャンブルもしないでください」といわれていましたが、もともとしていないので、まったく問題ありませんでした。
小規模個人再生をしてよかったですか?
野崎さん
はい!
大きな余裕はまだありませんが、毎月、数千円でも貯金ができるようになり、喜びを感じています。
家を手放さずに借金を減額できたことがありがたいです。
羽鳥さん
もちろんです。
完済後、裁判所から簡易書留で通知が来ました。
今は精神的に余裕が出てきて、笑顔で過ごせるようになったことがとても嬉しいです。
借金がなくなったときの開放感は、本当に生きていて良かったと思えました。
まとめ
最後に今回のポイントをおさらいしてみましょう。
小規模個人再生とは?
- 地方裁判所に申立てて認められれば借金を大幅に減額できる(最大で10分の1に減額される)
- 減額後の借金は原則3年で返済する
- 住宅ローンを除いた借金を減額可能
どんな場合に利用できる?
- 住宅ローン以外の借金額が5,000万円以下の場合
- 継続した安定収入がある場合
デメリット
- 個人再生後10年間は新しいクレジットカード・ローンを契約できない
- 国が発行する広報誌『官報』に名前や住所などが掲載される
- 債権者の半数以上、もしくは借金額の半数以上の債権者が反対したら認可されない
かかった期間
- 野崎さんのケース(弁護士に依頼)・・・準備開始から裁判所の認可が下りるまで1年5ヶ月ほど ➡ 返済期間は3年間
- 羽鳥さんのケース(自分で手続き)・・・準備開始から裁判所の認可が下りるまで3ヶ月ほど ➡ 返済期間は3年間
かかった費用
- 野崎さんのケース(弁護士に依頼)・・・48万円ほど
- 羽鳥さんのケース(自分で手続き)・・・1万1,500円(本来なら、再生委員への報酬20万円~30万円と、官報掲載費用1万2,000円も発生しているはず)
ポイント・注意点
- 必要書類に不備がないようにする(書類の不足や、記入不足・誤りなどがないようにする)
- 履行可能性テストがある場合は、きっちり忘れずに返済する
- 実現可能な返済計画を作成する
- 再生計画案認可後は、期日に絶対遅れないように返済していく
参考になったでしょうか?
今回の体験者は2人とも、小規模個人再生に成功し借金の悩みから開放されることができましたね。
ただ、借金の状況や本人の状況はケース・バイ・ケースです。
小規模個人再生を検討している方も、どうすればいいかわからないという方も、まずは一度弁護士などの専門家に相談してください。
素人が自分で最適な整理方法を選択するのは難しいので、「自分で手続きしたい」という場合でも、一度は相談することをオススメします。
借金問題や債務整理についての相談なら初回無料で対応する事務所も多いので、気軽に相談してみましょう。
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