エステのキャッチセールスにまんまと乗せられてしまいました【体験談】

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巧みな話術で利用者を勧誘。高額エステの実態に迫る!

「1,000円のお試しコースを受けたら、総額60万円のコースを営業されて契約しちゃいました・・・ 後悔しています・・・」

「お試しでエステサロンに行ったら、『効果が出るまでにはもうちょっとだけ通わないとね!』としつこいセールスを受けました・・・」

「無料体験に行ったら、それから電話とメールで営業の嵐です・・・」

女たるもの、やっぱり自分の体への悩みは尽きないですよね。

ネットで評判の美容機器を調べてみたり、テレビで特集されているトレーニングをしてみたり、いろいろ試行錯誤してしまうものです。

そんな中でもひときわ魅力を感じるのが、エステではないでしょうか。

興味がないという方は少数派だと思います。
ただ、お値段は張るんですよね・・・。
だからなかなか通えないという方が多いはず。

しかし、そんな高額エステが格安、もしくは無料で受けられる・・・。

そんな広告をみたら、思わず受けたくなっちゃいますよね。

たとえそれが強引なセールスとセットだとしても・・・。

こんにちは。
今回、当サイト、ファイグーで5人のエステ利用者と2人のエステサロンスタッフに取材したさすらいの女性編集者、内田です。

あなたは、エステにどんな印象をお持ちですか?

やはりプロが施術してくれるだけあって、効果があるという声がある一方で、「騙された!」「値段が高い!」「コスパが悪い!」という印象をお持ちの方も多いと思います。

こういう声が増えてしまう理由のひとつに、エステ業界の強引なセールスがあります。

サロンスタッフの強気な営業に根負けして、必要以上に高額なコースを契約してしまったり、勧められるがまま化粧品や美容機器を購入してしまったりするケースが多いんですね。

エステの勧誘って強引なだけじゃなくて、すごく巧妙です。

私も経験者なので、断れない気持ちはよくわかります。

でも、断れなかった結果、エステ費用が数十万円、さらには数百万円になってしまったら、「断れなかったんだから仕方ない」では済まされません。

今回ご紹介する野上さんもそのひとり。

野上さんは、エステのキャッチセールスがきっかけで、なんと150万円もの借金をつくってしまいます。

野上さんには、大変な思いをした当時の様子をお話いただきました。

さらに今回は、4名のエステ利用者と2名のエステサロンスタッフにインタビュー実施。

「サロンではどんなやり取りがあるのか?」「どのようにお客さんに商品を買わせるのか?」を詳しくお話いただきました。

記事の後半では、『上手にエステの勧誘を断る方法』も載せています。

エステは女性を美しくしてくれるメソッドです。

ストレスなく受けなければ意味がありません。

だからこそ、エステに通いたいと思っている方、通う予定のある方、エステに通っていて困っていることがある方は、ぜひこの記事をご覧になってみてくださいね。

この記事のアドバイザー情報

  • 内田 恵子 編集者

    内田 恵子編集者

    東京生まれ。アラフィフ。出版社勤務の後独立。編集・ライター歴30年。ファイグーでは「わかりにくいお金の話を、わかりやすくお伝えすること」「少しでも役に立つ情報をお届けすること」をモットーに、より具体的で、身近に感じていただける記事を目指しています。猫派で今は元ノラを多頭飼い中。日々癒してもらってます。

  • ささき 英雄 編集者

    ささき 英雄編集者

    七夕生まれ、編集・ライティング歴10年。前職ではグルメ雑誌の制作に携わっていましたが、30歳の誕生日をきっかけに独立しました。ファイグーでは「自分の仕事は書くことではなく伝えること」という意識で記事に取組んでいます。担当記事は、利息や審査などライバル記事だらけのテーマが多いです。そのため、「他のどの記事よりも正しい」のは当然として、さらに「どうすれば読みやすくなるか」を日々追求しています。

エステをきっかけに9年かけても返しきれない借金を抱えた野上さん

野上さんは、20代だったのころ、路上でエステサロンの店員に声を掛けられます。

いわゆるエステのキャッチセールスです。

おだてられるうちに、なんの効果もない高額な化粧品とエステのチケットを買わされてしまいました。

エステだけにとどまらず、その後もアメリカ旅行の費用をカードローンで借入れ。

さらに、広がった借入れ枠を自分のお金と錯覚してしまい、返済額は総額220万円にまで増えてしまいます。

9年を超える返済生活に疲れ、結局は親に泣きつくしかありませんでした。

体験者の情報

名前:野上 さなえ(仮名)
性別:女性
当時の職業:会社員
当時の年齢:27~34歳
借金の合計額:220万円
会社名(借入先):ライフ、ジャックス、三洋信販、地元のクレジット会社
借入件数:銀行系カードローン1件、クレジットカードキャッシング2件、消費者金融1件
利用時期:1993年3月~2002年7月

社会人2年目で2つのローンを契約

当時、私は社会人2年目の会社員でした。

短大卒の2年目なので、手取りはわずか11万円ほど。

収入がそれだけなのに、私はこのときすでに2つのローンを抱えていました。

ひとつは銀行系のライフで組んだマイカーローン。
総額60万円です。

このローンは給与振込み用口座の銀行で作ったので、申込書を書いてから源泉徴収を提出し、3~4日ほどですぐに融資してもらえました。

もうひとつは英会話スクールで、30万円のローンです。

こちらは地元のクレジット会社のローンで、やはり申込書を書いて、職場に在籍確認の電話がなったくらいで数日後にはすぐに融資してもらっています。

2つのローンを合わせると、総額90万円。

それぞれの支払いは、車が月々2万円弱、英会話が1万円強で、合計で月々3万3,000円ほどでした。

言葉巧みな勧誘に騙され会社帰りにサロンに入店

ある日、会社帰りに近くのショッピングアーケードを歩いていた私の目の前に、突然、見ず知らずの女性が立ちふさがりました。

年齢は40代ほどでしょうか。

「おめでとう!あなたみたいな人を探してたのよ!」

こう勢いよく声を掛けてきたその女性の左手には、ファッション雑誌のCanCamが握られていました。

その女性は表紙のモデルを指差して、「見て!今日はこの子みたいにジーンズとブーツが似合う子を探してたんだけれど、今のあなたの雰囲気とすごく感じが似てない?」とまくし立てるように話します。

私は「いやいや、ただブーツの形が似てるだけじゃん・・・」と思いましたが、当時人気のあったファッション雑誌の表紙のモデルに似てるといわれて、嫌な気分になるはずがありません。

ついその女性の話に耳を貸してしまいました。

「おしゃれなOLさんたちの自分磨きをお手伝いする仕事をしてるんだけど、おしゃれ意識の高い人たちに聞いて欲しい話があるの。ちょっと時間ある?」と、私をおだてまくるその女性。

その日は早帰りで時間のあった私は、ついついその女性に付いていってしまい、アーケードを入った雑居ビルの一室に足を踏み入れてしまいます・・・。

総額50万円の化粧品とエステをキャッシングで支払い

そこは個人経営の美容エステでした。

開業したばかりで、これから器具を増やしていくのだというその店は、エステサロンという割には薄汚れていて、ソファやテーブルも垢抜けない中古品のようです。

ちょうど若い女性が一人、理髪店のお下がりのような洗髪用チェアに横たわってフェイスマッサージを受けていましたが、かなり胡散臭い・・・。

しかし、先ほどの女性からお肌や美容の話を聞いているうちに、気がつくと私は、美白化粧品5点セット1年分と30回分のエステチケット、しめて50万円のコースを契約してしまったのです・・・!

しかも、そのエステローンの申込書には金利20%の文字が!

今から考えるととんでもない高金利ですよね・・・。

一度も施術を受けることなくエステは閉店

契約終了後、「今度の日曜日にエステの予約を入れたい」というと、「予約は2週間先まで一杯なのよ。なにせ2人でやってるもんだから」といわれ、仕方なく予約表には2週間後の日曜日に自分の名前を書き込みました。

そして2週間後、「50万円も払ったんだから、その分、目一杯きれいにならなくちゃ」と思いながら、意気揚々とそのエステに赴きました。

しかし、店のドアは閉まったまま。

「予約したのに!」と怒って電話しても留守電のままです。

それから1週間、毎日仕事帰りにその店をのぞいてみましたが、店のドアが開くことはありません。

そして、とうとう契約から3週間後には、そのエステの店舗はもぬけの殻になっていました・・・。

「エステサロンの詐欺の手口だったのか・・・」と途方に暮れていると、翌日、同期の女性から内線がかかってきました。

彼女も同じようにアーケードで声を掛けられ、「同じ会社の野上さんも契約したのよ」といわれて私と同じ化粧品を買ったそうなんです。

私と違い、彼女は一度だけエステサロンで施術を受けられたようですが・・・。

2人でこれからどうしようかと話し合ったものの、解決策はみつかりません。

契約書をよく読むと、「化粧品のセットの購入に、サービスオプションとしてフェイシャルエステのチケットが付く」と書かれており、実はエステはおまけに過ぎないことがわかりました。

化粧品だけでもクーリングオフと思いましたが、2人とも化粧品のボックスをすでに開封しているうえに、クーリングオフの期間も過ぎていました。

そのため、消費者センターにも連絡できません。

結局、私はフェイスエステなるものを一度も受けられず、効果のない美白化粧品1年分をみじめな気持ちで使い続けたのです。

カードの返済は月々1万円です・・・。

2年後のうっかり延滞で親にばれたキャッシング

それから2年くらいキャッシングの返済を続けていましたが、あるとき会社が忙しく、連日帰りが遅くなる時期がありました。

そのため、ついカードの引き落とし口座に返済分のお金を入金するのを忘れてしまったんです。

その後、引き落とし日から3週間ほど経ったときでしょうか。

ある日、ヘトヘトに疲れて家に帰ると、鬼の形相の母親が仁王立ちしています。

「あんた!キャッシングして、そのお金払ってないらしいじゃない!」と怒鳴られました。

どうも何度か自宅に電話して私と連絡がつかなかったので、(当時は携帯電話を持っていなかった)督促連絡担当の女性が電話に出た私の母親に、引き落とし不能の事実を伝えたようなのです。

母にこっぴどく叱られた私は、すぐさま担当者に連絡して、「どうして親に話すんですか!私個人の借入れなのに!」と怒りを抑えた口調で怒りました。

すると、その女性から「お客さまが延滞なさらなかったら私も話しませんよ!」と強くいわれてしまいます。

これでは言い返す言葉がありません。

翌日、すぐに返済分の1万円と延滞金の数百円を銀行口座に振り込みました。

新たな借金50万円を金利29.8%で契約

その後、まだエステの返済が終わっていないのにも関わらず、仲のよい友達からアメリカのミネアポリスへ旅行に行こうと誘われます。

大学でホームステイして以来、アメリカが大好きな私は「もう一度アメリカに行きたい」と思っていました。

それから「借入れをしてでも行こう!」と私が決意するのに時間はかかりませんでした。

ボーナスも近かったため、すぐ返せると思ってしまったんです。

そうなれば善は急げ。
私の足はキャッシングの店舗へ向いていました。

最初はドキドキしていましたが、ドアを開けたとたん「いらっしゃいませ~!」とハツラツとした声で、従業員から声を掛けられます。

店内はとても小綺麗で、かわいらしい金魚の置物などが飾られていました。

「お借入れですか?」と、にこやかに窓口に通され、感じのよい若い女性スタッフから冷たい麦茶をおしゃれなグラスで出されます。

この親切な対応のせいで、借金をしに来た私の緊張は一気にほどけます。

そして、その女性スタッフから使用目的や希望借り入れ金額を聞かれ、申込書に丁寧に記入しました。

前もって免許証・印鑑・源泉徴収書を持参していたので、受付けはすんなり終了。

その後、私の自宅と勤務先に電話がされたようです。
いわゆる在籍確認ですね。

こうして受付けからわずか30分ほどでしょうか?

希望通りの50万円を借りることができました。

金利は29.8%。

月々の返済は1万円でした。

こうして私は4つ目のローンを抱えることになったのです。

返しても返しても減らない元金

それからまた2年間ほどは、とにかくひたすらにコツコツ返済を続けました。

しかし、返済後の明細書をみると、私は驚きます。

返済した1万円のうち、7~8割は利息。
元金はほとんど返せていないのです。

とはいえ、返済するほかありません。
私は減らない貸付元金に頭を悩ませながらも、毎月、延滞することなく返し続けました。

でも、キャッシングは恐いですね・・・。

元金を返済した分は、追加で借りることができてしまうんですよ。

私は返済を滞らせることはないものの、追加された借入枠を再び利用してしまいます。

日ごろのショッピングや娯楽、レジャーによる出費が月々のお給料でまかないきれないと、キャッシングしてまかなうという悪循環にはまっていったのです。

50万円の借入れ枠が100万円にまで上がっていたので、その誘惑を振り払うのはとても難しいんですね・・・。

しかも手続きは簡単。
源泉徴収書1枚を提出しただけでした。

こうして広がった借入れ枠もあたかも自分の貯金のように使ってしまい、最終的に借入額は120万円を超えてしまいます。

親に頭を下げて借金完済

マイカーローンから始まった私の返済生活も9年あまり。

やはり、残額150万円を超える借入れの利息は本当に大きな金額で、「このままではいつ返し終われるのかわからない・・・」と切実に思いはじめました。

私はついに意を決します。
父親に頭を下げて返済を頼もうと。

当時、父は定年退職したばかりでした。

そして、私の借金の話に耳を傾けながら、震える手で150万円を渡してくれたのです。

父からは一言、
「金輪際、二度とサラ金に手を出さないと約束しろ!」でした。

父も母も涙をこぼしています。

これまで育ててくれた両親に、私はこんなツラい思いをさせてしまったのかと・・・。

本当に自己嫌悪です。

退職祝いどころか、親不孝もいいところですよね・・・。

今思い返しても、苦い苦い苦い思い出です。

あれから十数年が経ちました。

現在、私は40代。
結婚し、二児の母親です。

しかし、私が帰省すると、いまだに父親は「おまえはまた借金してるんじゃないだろうな?」「クレジットカードを作ったら許さないぞ!」と口うるさくいってきます。

一度失った信用は、社会ではもちろん、家族の中でもなかなか取り戻せるものではありません。

父は一生、私のことを心配し続けることでしょう。

キャッシングは、責任感のある社会人が、責任持って返せる金額だけ借りるべきです。

それが、私が得た教訓です。

編集より補足
貸金業法の改正により、2010年から上限金利が借入金額に応じて15%~20%に引き下げられました。
そのため、野上さんが当時契約した、金利29.8%のカードローンは、現在では違法です。

まとめ

それでは最後に、記事のポイントをおさらいしておきましょう。

高額エステに関するポイント

  • 現在は、無料体験や格安のお試しコースの直後にエステの勧誘がおこなわれる
  • サロンのスタッフは巧みな交渉術で勧誘をおこなう
    • 何気ない会話で信用させる
    • あえて高めのコースから提示する
    • 不安を煽って契約を継続させる
  • 施術だけでなく、高額な化粧品や美容機器のセールスもおこなわれる
  • 施術費用の相場は1コースあたり20~50万円

高額エステの断り方

  • とにかく断り続ける
  • 契約できない理由を添えて断る
  • できるだけお金がないように装う
  • 契約後8日以内ならクーリング・オフ可能

本来、エステサロンは癒やしの場。

心身ともにリラックスができて美しくなれるのが、エステの醍醐味です。

しかし、やりたくもないのに勧誘にのせられて契約してしまうと、気持ちも落ち込みますよね。

元を取るために通っていては、ストレスにしかなりません。

費用も高額ですから、気に入らなかったら毅然とした態度できちんと断ってくださいね。

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