更新日:2015/04/14
安易なキャッシングは絶対ダメ!冷静さを失った私の任意整理【体験談】
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ほとんどの人が、そういう軽い気持ちで借入れをしてしているのかもしれません。
しかし、借金を一度すると、それが癖になり、気がつくと複数の消費者金融で借り入れを繰り返すようになってしまうのです。
体験者の情報
名前:峰川 武士(仮名)
性別:男性
職業:営業社員
当時の年齢:30歳
借入件数:7件
会社名(借入先):アイフル、レイク、アコム、モビット、ライフ、他2社
利用時期:2000年11月~2002年10月
借金の合計額:250万円
父の入院をきっかけに借金を重ねることに
私が消費者金融を使用することになったきっかけは、父が入院したため帰省することになり、その交通費を工面するためでした。
「このくらいの額なら余裕で毎月返済していける」と軽い気持ちで消費者金融を利用したのです。
しかし返済は私の思い通りには進まず、次々と債務を増やし、借金の総額は250万円に達しました。
ところが、返済額が追いつかなくなっても、私は「まだどうにかなる」とあがいていたのです。
ガスや水道が止められ、普通の生活ができなくなって、ようやく我に返り、債務整理をする決心をすることができました。
羽振りの良さを見せたいという下心
実家の父が突然の病気で倒れてしまい、入院しました。当然、様子を見に帰省しないといけません。
けれども私が一人暮らししている地域は、実家から遠く、かなり交通費がかかります。
月収は20万円ほどあるとはいえ家賃が8万円、習い事などもしていたため、私は経済的に余裕がありませんでした。
交通費を捻出しないといけないし、また久しぶりに会う両親にいい格好をしたいと思っていた時、ネットの消費者金融の広告が目に入りました。
そこには「無担保での融資が可能」と書いてあります。
消費者金融というものに若干の抵抗はありました。しかし「1件借り入れするぐらいなら、数十万円の物をローンを組んで買うのと同じだ」と思えてきて、結局借り入れすることに決めます。
今思えば、私が実の親に対していい格好をしようなどとくだらないことを考えさえしなければ、間違いは起きなかったのです。
キャッシングなどしなくても、旅費だけなら何とかなったでしょう。
しかしその時の私は、借り入れを決めただけで、もう現金を手にした気になって浮かれていまいした。
金利のことも、ちゃんと返せるのかということも何も考えておらず、本当に考えなしに行動していたのです。
そして、自宅から一番近くにあった消費者金融のアイフルへ、意気揚々と向かいました。
手軽に簡単に20万円を手にする
アイフルを選んだのは、たまたま自宅から近いという理由だけでした。
キャッシングの手続きの流れなどは事前にネットで下調べしておいたので、とりあえず免許証と給与明細、そして印鑑を持参して無人契約機の中へ入ります。
そこは銀行のATMと似たような雰囲気ですが、銀行のものよりもかなり広めになっています。
機械の前に座ると画面にいろいろと表示され、自動アナウンスを聞きながら手続きを進めるようになっていますので、確かに初めてでもさほど戸惑うことはなくできました。
ただ、免許証をスキャニングする際に私が若干手間取っていると、スピーカーから突然店員さんの声で指示があり驚きました。
考えてみれば当然のことなのですが、無人契約機といっても常に店員さんからは見られているのです。
その後申し込み書への記入捺印を済ませ、審査を待ちました。
申し込み書に記入したのは他社での借り入れの有無や、勤務先等の個人情報です。私は借金をしたことがなかったので、もちろん何も聞かれませんでした。
そして20分ほどで無事審査を通り、簡単にキャッシング用のカードが発行されたのです。
融資限度額は30万円で、私はその場で20万円を借りて帰りました。
金利なんて問題ではない!?
こうしてお金を持って帰省した私は、高価な果物を買って父の病院に行くなど、虚飾の羽振りの良さを見せていました。
この時すでに、借りているお金だという認識が、早くも薄れつつあったのです。
借りた20万円は、実家までの交通費約6万円と見舞いの果物、そして家族に食事をごちそうしたり、さらには残ったお金で旧友と遊びに出かけたりと、自分のお金のような感覚で散財しました。
当然、実家から自宅へ戻ってきた時には、20万円を使い果たしていたのです。
そして1週間経たないうちに限度額内で残っている10万円を、追加で借りに行ってしまいました。
この時はもう完全に、自分のお金を下ろすかのような感覚です。
頭の片隅では気がとがめるのですが、同時に「まだ、このぐらいの金額なら」という甘い考えもあり、危機感もありませんでした。
ただし2度目の借り入れの時には、金利のことを少し考えました。当時はまだ金利が高く、20%を超えていたのです。
しかし私は「金利なんて月々にしたら微々たるものだし、借りてるのは一社だけだから別に問題ない!」などと高をくくっていました。
今振り返ると、情けないほど愚かです。
狂い始める歯車
1度目の借り入れが20万円。2度目が追加融資10万円。
契約からわずか3週間で、限度額いっぱいになりました。
2度目の10万円も自分のお金だと錯覚してしまい、あっという間に使い切ってしまいます。
それでも私は「まだ1社から借りただけだ」と楽観視していました。
お金を使いながらほんの少し不安が頭をもたげても、「これは給料を前借りしているのと同じだ」と無理やり自分を納得させていたのです。
こうして、私は2社目の消費者金融に手を出してしまいます。
1社だけなら、少々大きな額でもたいていの人は何とか返済できるでしょう。しかし2社目に借りた辺りから、堰を切ったように次々と手を出してしまうのです。
2社目というのは、運命の分かれ道だと思います。
ネットで申し込みできることを知った私は、より手軽に借り入れが出来る事からレイク、アコム、モビット...と歯止めが利かなくなっていきました。
そして気がつけば、最初の借り入れからわずか1年で、債務は150万円にまで膨れ上がっていたのです。
そうなると大手の業者に借りに行っても断られるので、新聞広告に載っているような怪しい業者までも利用するようになりました。
右から左へのまさに自転車操業!
借入れを始めて1年後には、生活がすっかり破綻していました。
この頃の毎月の支払い額は総額で15万円。特に無名の業者は、金利は大手と変わりませんが、月々の返済額が多いのです。
しかし給料をもらっても家賃を差し引くと、すでに返済額を下回っていました。
そこで、これまでに返済してきて空きの出ていた融資枠を、片っぱしから限度枠一杯まで利用していき、返済や生活費に充てるということを繰り返していました。
つまり、絵に描いたような自転車操業です。時には延滞もして、督促まで来るようになりました。
中でも大手の金融業者は借りる時は親切丁寧でしたが、延滞するようになってからの督促は、厳しく冷たい印象でした。
ここまでくるともうどうにもなりません。それなのに、冷静な判断力を失っていた私は「まだ立ち直れる」と思い込んでいたのです。
しかし私の願望とは裏腹に、事態は悪化していくばかりです。
やがて業者が自宅まで来るようになり、私は居留守を使うことが多くなりました。
おそらく職場にも電話が来ていたと思いますが、当時勤めていた会社は「在籍確認についてはあらかじめこちらから伝えておかなければ、対応しない」という決まりだったので、取り次がれることはありませんでした。
行き着いた先は債務整理
督促に怯え、居留守を使いながらも、まだ「何とかならないか」とあがいていた私でしたが、とうとうライフラインである電気やガスを止められてしまいます。
こうした公共料金を支払えなくなっていたのです。
暗闇の中でカセットコンロを使って質素な食事をしながら、私はようやく「もうどうにもならない」と悟りました。最初の借金から2年が経った頃です。
私は自治体がやっている「悩みごと相談」に行き、解決方法はないか相談しました。
そこで債務整理というものがあることを知り、弁護士事務所へ相談に行きます。
そこで弁護士さんから提案されたのは任意整理という方法でした。
弁護士さんの交渉により債権者と和解して利息をカットし、無理なく払っていける金額へ返済計画を新たに組み直すというものです。
すっかり疲れ果てていた私は弁護士さんに言われるままその方法を受け入れ、任意整理を依頼しました。
そして債権者との交渉の結果、250万円の債務が180万円にまで減額されたのです。
こうして債務の返済と弁護士費用の25万円を合わせ、月々6万円を、弁護士事務所の口座へと振り込むことになりました。
そこから弁護士さんが各債権者への返済を管理するのです。
月6万円でも厳しい出費ですが、これまでのことを思えば、とても楽になりました。
たまに贅沢もしたくなりましたが、暗闇の中で電気もガスもない生活をしたことを思い出せば、「二度とあんな思いはしたくない」と我慢することができたのです。
何よりも、督促に怯える必要のない生活は、私にとってはとてもかけがえのないものでした。
そしてこれまでに利用した消費者金融のカードは全て、弁護士さん立ち会いの元でハサミを入れて廃棄し、金融業者とは決別することにしたのです。
自分のお金と勘違いしないで
こうしてそれから3年強の期間をかけて、何とか全額返済することができました。
3年間でついに全ての債務を完済した時、私の中に湧いた気持ちは返し終えたという喜びよりも、これでもう消費者金融に関わらなくて済む、という安堵感でした。
もう二度と借金はしたくありません。今は以前に比べれば、お金の管理をきちんとするようになり、余分な買い物をすることが減りました。
しかし私は今でも、消費者金融が必ずしも悪いものだとは思っていません。
本人さえしっかりと自己管理し、きちんと返済していける範囲内で利用すれば、困った時に非常に頼りになる便利なものだと思います。
ただ注意するべき点は、借りるのは1社だけにすることと、自分のお金だと錯覚しないこと。
当たり前のことだと私も思っていましたが、いざ自分が借金をするとどうしても認識が甘くなります。
何事もそうですが、自分をしっかりとコントロールするということが一番大切なことではないでしょうか。
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