絶対にこんな証券会社で口座を作るな!S証券のあくどい営業の実態

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今回は、信じられない営業をしている証券会社、S証券のリテール営業員にインタビューを実施し、絶対に口座を作ってはいけない証券会社の特徴をお伝えしていきます。

S証券の営業実態がどのぐらいひどいのかというと、、、

  • 社員は金融商品に全く精通しておらず、日経新聞すら読んでいない
  • 顧客に利益のある商品ではなく、会社や営業員の利益となる商品を勧める
  • 顧客にだまって勝手に商品の売り買いをする

にわかに信じられませんよね?

今回のインタビューにご協力いただいた矢口さん(仮名)は、このS社で3年にわたりリテール営業をされていました。

S社のなかでは、まさに「顧客はカモ扱い」だったとのこと。

今回は、矢口さんにS社の悪どい営業実態について詳しく証言していただきました。

また、悪質な営業員の見分け方や、投資をする上での注意点もうかがっていますので、これから投資をしてみたいと考えている方はぜひ参考にしてください。

今回インタビューにご協力いただいたのは...

名前:矢口 花子(仮名)
お勤めだった金融機関:証券会社のS社
お勤めの期間:2010~2013年
主な仕事内容:リテール営業

金融庁から何度も注意を受ける証券会社

― 矢口さんがお勤めだったのは、どのような証券会社ですか?

私が勤務していたのは、証券会社のS社です。

全国展開している比較的大きめの証券会社ですが、実態はひどいものでした。

金融庁から何度も注意を受けていましたし、新聞で悪どい営業実態が取り上げられたこともあります。

― 矢口さんはS社でどんなお仕事をされていたのですか?

私はリテール営業を担当していました。

― リテール営業とは、どんなお仕事ですか?

リテール営業は、個人顧客に資産運用のアドバイスをしながら、金融商品を勧める仕事です。

投資をはじめたい顧客のなかには、「何を買っていいのかわからない」方も非常に多いので、営業員が「いつどの商品を買う(売る)といいのか」を顧客に提案するのです。

― 顧客が好きなときに好きな商品を売り買いすることもできますよね?

はい。ご自身の判断で取引する方もいらっしゃいます。

S証券のホームページにログインすれば、好きに売り買いできますからね。

しかし、パソコン操作が苦手な方や投資に関する知識がない方も多くいらっしゃいます。

そういった方に営業員がアドバイスをするのです。

― どのように商品を提案するのですか?

手段は主に、電話・手紙・自宅訪問です。

「こちらの商品がお得なので、持ち替えませんか?」「株価が下がっているので買い増しをしませんか?」など、いろいろなアドバイスをします。

その上で、顧客が売買を希望すれば、営業員が金融商品の売買手続きを行います。

― 顧客層を教えてください。

私がS社で担当していたのは、ごくありふれた一般家庭の方々でした。

預貯金でいうと、1,000~2,000万円くらいです。

なかには、200~300万円の方もいましたね。

一方、1億円以上の資産を持つような顧客はごくわずかです。

年齢は、40~50代の現役世代から、60~80代のリタイア世代までさまざまです。

― ずばり、S社の営業の何が問題だったのでしょうか?

いろいろ問題はありましたが、特にひどいと思える点は3つですね。

  • 日経平均株価もわからない営業員がいる
  • 顧客ではなく営業員が儲かる商品を勧める
  • ときには違法行為をはたらくこともある

日経平均株価もわからない営業員がいる

― S社の営業員は投資のプロなのですか?

いいえ。まったく。

本来、証券会社の営業員には、豊富な知識や経験が求められます。

日頃から、国内外の株価・経済指標・為替レート・商品価格などをチェックし、常に勉強しなくてはなりません。

しかし、S社の営業員の多くは知識もなく、勉強もしていませんでした。

ですから、「プロに任せておけば安心」ということは絶対にないです。

― 証券会社の営業員になるための資格は?

金融商品を扱う営業員は、全員、外務員一種という資格を持っていました。

これがなければリテール営業を行うことはできません。

しかし、外務員一種の資格を取るのは簡単ですし、資格を持っているからといって投資に詳しいということにはなりません。

― 知識や相場観がなくても営業できるのでしょうか?

はい。

S社のなかでは、営業員は「投資のプロ」というより、「ホストやホステス」という認識でしたね。

金融知識や経験よりも、顧客を口説くテクニックやセールストークが重視されていました。

事実、私も上司から、「難しいことなんてわからなくていいから、笑って客に媚びを売ってくればいんだ」と言われていましたし...。

また、営業成績上位者のほとんどは、日経新聞すら購読していませんでしたよ。

― 顧客から知識不足を指摘されることはないのでしょうか?

あります。

たとえば、ある顧客からはこんな指摘がありました。

「S社が勧めてくるのは他の証券会社では『もう売却したほうがいい』と言われて手放した商品ばかりだ!」

目の肥えた顧客には、営業員のずさんさをすぐ見抜かれてしまうので、こちらからはあまり近づきません。

― では、主にどういった顧客に営業していたのでしょうか?

メインターゲットは、知識や相場観を持たない顧客です。

具体的には、70~90代の高齢者や、営業を断れない優しい性格の方ですね。

本当にひどい話なのですが、営業員の言うことを何でも聞く顧客のことを、S社内の隠語で「アリアリ」と呼んでいました。

アリアリの顧客には、「今買わないと(売らないと)損ですよ!」という強引なセールストークで、すぐに売買するよう迫っていましたね。

家族に相談するすきを与えず、営業員の思い通りに注文させるのです。

顧客ではなく営業員が儲かる商品を勧める

― 営業員は、知識がないなりに顧客のことを考えて商品を勧めるのでしょうか?

いいえ。

営業員が勧めるのは、自分にとって都合のいい商品です。

あたかも、「顧客が儲かる商品を勧めている」ように説明しますが、実際は顧客のメリットなんてほとんど考えていません。

― 「営業員にとって都合の良い商品」とは?

証券会社を通じて金融商品を売買すると、手数料がかかりますよね。

この手数料のうちの一部が担当の営業員へバックされることになっています。

そのため、営業員は「自分へのバックが大きい商品」を顧客に勧めているのです。

主要商品の売買手数料のうち、営業員にバックされる金額を下記にまとめました。

主要商品 営業員へのバック
国内株式 最低2600円程度
米国株式 取引額の約2.5%
(店頭取引の場合)
投資信託 販売手数料:約2.0~3.5%
外貨建て債券 販売手数料:約4.5%
売却手数料:約4.5%
国債 ほとんどゼロ

なかでも、外貨建て債券は、販売時・売却時ともに5%前後がバックされるので、営業員から特に好まれます。

また、米国株式も営業員にとってはオイシイ取引です。

株取引の場合、売買は同時に行うので、往復分の約5%がバックされます。

さらに、債券や投資信託と違って短期売買が可能ですから、値動きが激しい銘柄を一度に販売できれば、営業員はかなり儲かるのです。

一方、営業員へのバックがない国債は、ほとんど勧めませんね。

― 売りはどのようなタイミングで提案するのでしょうか?

営業員の都合です。

顧客の利益とは関係ないタイミングで勧めることがほとんどでしたね。

売買の回数が多いほど、S社も営業員も儲かるので、顧客に商品を長期間持たせることはありません。

たとえば、S社には「投資信託、外貨建て債券は最低1年間保有していただく」という社内ルールがありますが、1年経った途端に売却を勧めていました。

― 顧客が勝手に商品を売ってしまうことはないのですか?

ありますよ。

S社のホームページにログインすれば、自分で売買できますからね。

しかし、営業員は「ご自身で判断すると危険です」などと言って、勝手に売買しないよう促していましたね。

― 営業員の提案に従った結果、顧客の資金がショートしてしまうこともありますか?

もちろんあります。

たった半年で2,000~3,000万円の資金がゼロになった方もいましたし、借金を抱えた方もいますね。

特に危ないのは、信用取引です。

信用取引をすれば、持っている資金以上の金額を投資できますが、リスクも大きいです。

ですから、「アリアリ」の顧客が信用取引を始めると、「あとどれくらいの命だろうね」と営業員同士で噂することもありました。

― 顧客が大きな損をしたら、S社や営業員は責任を取るのですか?

いいえ。

証券会社と顧客は、はじめに下記のような内容の契約を交わしています。

  • 万が一、損失が発生しても証券会社は補填しない
  • あくまで投資は自己責任で行う

たとえ顧客が大損しても、S社や営業員は責任を負わなくていいのです。

納得できない顧客からクレームを受けることはありますが、上記の契約がある以上、基本的に「S社に非はない」ということになるのです。

違法行為にまで手を染める営業員

― 法律に違反することもあるのですか?

はい。

一部、顧客にだまって勝手に売買してしまう営業員もいましたね。

売買取引の際は、基本的に顧客本人のサインや印鑑が必要なのですが、勝手に印鑑を作って書類を偽装する悪質な営業員がいたのです。

これは明らかに違法行為ですよ。

もちろん、違法行為を行った営業員は、島流し(左遷)されましたけれどね。

― 他にも、悪質な手法はありましたか?

顧客と電話する際は、会社の固定電話か携帯電話(いずれも録音機能付き)で連絡するように営業員は義務付けられていますが、それを逆手にとった悪質な手法もありましたね。

たとえば、顧客には事前に、「売買取引了承のシナリオ」を渡しておいて、「あとから電話をかけるので、そのときに読み上げてください」と伝えておきます。

顧客が何も疑わず言うとおりにしてくれれば、さも顧客が自分から売買を希望したかのように見せかけられるのです。

また、事前に私用電話を使って顧客と連絡を取り、「私がこう言ったら、こう答えてください」と練習させている営業員もいました。

悪質な営業員の見分け方

― 悪質な営業員を見分けるポイントはありますか?

あくまでも私の主観ですが、次のような営業員はおすすめできません。

基本的な質問にすら答えられない

基本的な質問に正しく答えられない営業員を信用してはいけません。

たとえば、「東証は時価総額どれくらい?」「昨日のニューヨーク市場は終値いくらだった?」「アメリカの金利はどうなってるの?」のような、基本的な質問です。

営業員なら日経新聞のマーケット欄に載っている最新の数値を把握していて当然と思っておきましょう。

月末や月初に営業してくる

このようなタイミングで営業してくる営業員は信用できません。

  • 月末や月初
  • 休日や「毎月○日」などいつも同じようなタイミング

いずれもノルマが達成できずに苦しんでいる営業員が苦し紛れに営業している可能性があります。

頻繁に売買を勧めてくる

頻繁に売買を勧めてくる営業員は、顧客よりノルマを優先している可能性があります。

「顧客に1年以上同じ商品を保有させない」「満期前の投資信託や債券の売却を勧めてくる」などは要注意ですね。

即決を迫る

「今が買い時ですから!」と顧客を焦らせ、即決を迫る営業員も要注意です。

こういう営業員は、顧客に必要な書類を読ませる時間すら与えません。

即決を迫られても、絶対にその場で決めてはいけませんよ。

売買に関する書類を見せない

売買に関する書類を見せないようにしている営業員は危険です。

S社の場合、金融商品を売買すると、その都度「売買報告書」というハガキが顧客の自宅に届くのですが、それをわざわざ回収しにくる営業員がいるのです。

なぜなら、顧客に都合の悪いことを隠したいから。

そんな営業員は絶対信用しちゃいけません。

また、日頃から自分が購入した商品、投資金額、損益等をきちんと把握しておきましょう。

ネットで取引できる証券会社なら、ホームページで確認できます。

これから投資を始める方へのアドバイス

― では、これから投資を始める方にアドバイスをお願いいたします。

次のようなことをアドバイスさせていただきたいですね。

  • ネット証券がおすすめ
  • 投資の勉強は必須
  • 投資額は1万円から

ネット証券がおすすめ

― ネット証券がおすすめなんですか?

はい。

投資額が1,000万円以下であれば、ネット証券がおすすめです。

ネット証券の場合、営業員がいないので、S社などに比べて手数料がはるかに安いですよ。

もちろん、自分で商品を選び、自分で売買しなければなりませんが、大した知識がない営業員に任せるよりマシだと思います。

投資の勉強は必須

― 自分で投資の勉強をするには、どうしたらいいですか?

株のケースでお話します。

自分の好きな会社、よく行くお店、株主優待が魅力的な会社などからひとつ選び、少額の株を購入してみましょう。

そして、下記のようなことに注目して値動きを見てみるのです。

  • その会社は、どんな事業で利益を出しているのか?
  • 社長はどのような人物で、どんなビジョンを持っているのか?
  • その会社の株は、どのタイミングで買われたり、売られたりしているのか?
  • その会社に関係する会社の株価と比較すると、値動きは自然か?

このような視点で会社を見たり、株価の動きを追いながら、株式売買の基本的なルールや経済用語を覚えていきましょう。

さらに、次のようなことを日常的にチェックするといいでしょう。

  • 日本経済新聞やYahoo!ファイナンス
  • 運用会社(「OOアセットマネジメント」「△△投信」など金融商品をつくる会社)が出しているニュースやコラム
  • ロイターやブルームバーグなど海外通信社の経済ニュース
  • 相場に関して書かれているブログ

これらに目を通すことで、相場や為替に関する感覚が徐々に備わってきます。

― 誰かに相談したい時はどうすればいいですか?

基本的にネット証券を利用し、判断に迷った時だけ窓口に話を聞けばいいと思います。

また、さまざまな金融機関で無料の投資セミナーが開催されているので、積極的に参加して情報を集めてもいいでしょう。

1人の意見を鵜呑みにするのではなく、複数の意見を聞くのです。

投資額は1万円から

― いくらから始めるのがいいですか?

株は10万~20万円から、投資信託は1万円から始められます。

積み立て感覚で始めれば、たとえ損をしても勉強代だと思って諦めがつきますね。

株式の現物取引や投資信託であれば、投資額以上に損することはありませんし。

― 投資する金額は最大いくらまで?

総資産額の3分の1までに留めるべきです。

まれに全資産をつぎ込む方がいらっしゃいますが、とても危険なので絶対に止めましょう。

インタビューを終えて

すべての証券会社の営業員がS社のような営業を行っているわけではありません。

しかし、営業員の提案通りに売買して損を出しても、証券会社や営業員の責任を問うことはできないのです。

投資はすべて自己責任。

このことを忘れないようにしましょう。

なお、今回紹介したような悪質な営業を受け、問題が生じた場合は、次のような機関に相談してみてください。

特定非営利活動法人「証券・金融商品あっせん相談センター(FINMAC)」
http://www.finmac.or.jp/

また、正規の証券会社の強引な営業ではなく、非正規の会社による明らかな投資詐欺も増えていますので、うまい儲け話にはまず疑ってかかる姿勢が大切です。

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