奨学金破産をして実際に何がツラかったのかを体験者にインタビュー取材してきました

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奨学金破産の実態・悪影響とは?経験者に聞いてみた

「奨学金の借金も自己破産できますか?卒業後の返済が滞っていて、裁判所から郵便が届きました・・・」

「奨学金を返さないでいると事故者リストに載って、就職や結婚ができなくなると聞きましたが、本当ですか?」

「もう返済したくありません。裏技を使って奨学金の債務をチャラにしたいです。どうすればいいでしょうか?」

20歳にも満たない子供が数百万円ものお金を借りることになる奨学金制度。

卒業後にどんな仕事をするのかわからない状態で大きな負債を背負うわけですから、返済が難しくなるのも当然ですよね。

とはいえ、奨学金はれっきとした借金。
自動車ローンやキャッシングと同じように返済していかなければなりません。

仮に返済を滞納してしまうと、最終的に給与などの財産を差し押さえられてしまう可能性があります。

自己破産という最終手段もありますが、破産すると、代わりに連帯保証人・保証人が返済していくことになるため、両親や親戚に大きな迷惑をかけることになるんですよね。

こういったデメリットについてよく知らず、安易に自己破産してしまうのは、実はとてもコワいことなんです・・・。

こんにちは。
当サイト、ファイグーの取材で日本学生支援機構や金融機関の担当者に何度も取材してきた編集部の田中です。

また、私は大学生の息子を持つ母でもあり、ご多分に漏れず、わが家も奨学金を利用中です。

ですから、この記事をご覧になっているあなたのお気持ちはよくわかっているつもりです。

私も、息子が今後数十年にわたって返済生活をすることについて、少なからず不安や後悔を感じていますから・・・。

最初にお伝えしたとおり、奨学金はまぎれもなく借金です。

返済しなければ、裁判所からの支払督促はもちろん、最終的に財産を差し押さえられる可能性もあります。

「でも、返済が苦しくてどうしようもない・・・」

「もう八方塞がりな状態になってしまった・・・」

この記事をご覧になっているということは、もしかするとそんな状況なのかもしれませんね。

そんなときに頭をよぎるのが、自己破産ではないでしょうか。

破産することで奨学金の債務がなくなる。

つまり、これ以上返済を続ける必要がなくなるわけです。

日々大変な思いで返済している身からすると、地獄で仏に会ったような、まさに救いの手に見えますよね。

でも、自己破産のいい面ばかりを考えて安易に破産してしまうのはオススメできないので、事前によくメリット・デメリットを知る必要があります。

ということで、今回私たちファイグー編集部は、破産を経験した元奨学金ユーザー3名の方にインタビューを実施しました。

「どうして破産にいたってしまったのか?」

「なにか困っていることや後悔していることはないのか?」

このような質問をぶつけてきました。

自己破産に興味はあるけれど、今後の人生にどんなマイナスがあるのか気になっている・・・。

この記事は、そんな不安を持つ方に最適の内容になっているはずです。

たとえば、破産後は最低でも5年~10年間、ローンやクレジットカードを使えないって知っていましたか?

将来にわたって車や住宅を買えないのはツラいですよね・・・。

また今回は、日本学生支援機構の元職員にも取材を行い、「契約者本人が破産したら連帯保証人にどのように請求がいくのか(一括返済しなければならないのか)」についても聞いています。

破産することで、代わりに連帯保証人・保証人に請求がされますが、そこから保証人がどのような返済義務を課せられるのかも気になりますよね。

まだこれから何十年と続くあなたの人生です。

場合によっては、自己破産もやむなしという結論になるかもしれませんが、その前に自己破産のデメリットについてきちんと理解しておいて損はないはず。

どんな選択になるにせよ、後悔することがないようにしてほしい。

この記事はそんな思いで執筆しました。

奨学金の返済で悩むすべての方にご覧いただければうれしいです。

それでは本編へまいりましょう。

今回の奨学金破産のインタビューにご協力いただいたみなさん

項目 慶松さん 広川さん 増谷さん
奨学金の貸与期間 2000年4月~2004年3月 2009年6月~2011年2月 1999年5月~2000年8月
奨学金の貸与総額 528万円 240万円 103万円
連帯保証人・保証人 あり あり あり
奨学金の返済額(月額) 約2万円 1万5,000円 8,780円
破産申し立て当時の債務総額 奨学金:約550万円
消費者金融:約200万円
奨学金:約120万円
銀行カードローン:約500万円
奨学金:約100万円
消費者金融:約270万円
破産を申し立てた時期 2017年7月 2017年12月 2007年8月

この記事のアドバイザー情報

  • 田中 靖子 編集者

    田中 靖子編集者

    編集・ライター歴20年。読み手にわかりやすく、正確・誠実に情報を伝えることをモットーにしています。ファイグーでは読み手が求める情報をいかに適切に把握し、発信できるかを日々模索中。ささやかでも生活に役立つヒントをお届けできたら幸いです!現在は保育士とのダブルワーク中。高校球児の母。朝5時起きで白飯大盛弁当づくりが日課です。

  • 山西 太郎(ペンネーム)

    山西 太郎(ペンネーム)日本学生支援機構元職員

    日本学生支援機構に4年間勤務。奨学金滞納者への法的措置や、奨学金の配分業務などを担当。
    ※ アドバイザーはこちらの記事の筆者ではありません。記事の途中でアドバイザーとしてコメントしております。

毎月の数千円~2万円の返済が難しくなるのが奨学金

にゃんきち

まずは、当時利用していた日本学生支援機構(奨学金)の貸与条件について、内訳を聞いてみました!

結果は下の一覧表にまとめています。

項目 慶松さん 広川さん 増谷さん
学校の種類 4年制大学
(卒業)
専門学校
(卒業)
専門学校
(中退)
貸与期間 2000年4月~2004年3月 2009年6月~2011年2月 1999年5月~2000年8月
奨学金の種類
  • 第一種
  • 第二種
第二種 第二種
貸与月額
  • 第一種:3万円
  • 第二種:8万円
10万円 5万円
貸与総額 528万円 240万円 103万円
保証制度
(※1)
人的保証 人的保証 人的保証
連帯保証人
(※2)
母 父 父
保証人
(※3)
叔母 叔父 叔母
にゃんきち

また、奨学金の返済条件についてもくわしく聞いてみました!

こちらも表にまとめています。

項目 慶松さん 広川さん 増谷さん
返還方法
(※4)
毎月払い 毎月払い 毎月払い
返済月額 約2万円 1万5,000円 8,780円
利率
(※5)
覚えていない 1.4% 2%
にゃんきち

なるほど。
毎月数千円~2万円程度の返済なら、「がんばればなんとかなりそう」と思うのが普通ですよね。

では、なぜみなさんは毎月数千円~2万円の返済を滞納するようになってしまうのでしょうか?

※1
奨学金への申込時に保証制度を選択します。人的保証を選択した場合、連帯保証人と保証人の両方設定しなければなりません。一方、機関保証の場合、専門の保証機関が連帯保証するため、保証人等の設定は不要です。ただし、この場合は、保証料を払わなければなりません(毎月貸与される奨学金から差し引かれます)。

※2
連帯保証人は、契約者本人と同等の返済義務を負います。

※3
保証人は、契約者本人・連帯保証人が返済できない状況に陥った場合に返済義務を負います。

※4
『毎月払い(月賦)』と、『毎月払いと半年払いの併用(月賦・半年賦併用)』があり、利用者がどちらかを選びます。後者はいわゆるボーナス払いのようなものです。

※5
第一種は無利子です。第二種は、貸与(借入)終了月によって利率が変わります。ちなみに、平成30年度(2018年度)3月に貸与終了した場合の利率は0.01~0.34%です。

返済を阻むのはいつだって低収入

にゃんきち

奨学金の返済は、貸与終了の翌月から数えて7ヶ月目にスタートしますよね(※6)。

みなさん、どうして奨学金を滞納するようになったのでしょうか?

慶松さん

卒業後もなかなか定職に就くことができず、アルバイトや契約社員をしたり、ふたたび学校に通ったりしていたので、返済する余裕がありませんでした。

とくに結婚して子どもができてからは、出費が多くて余計難しくなってしまいましたね・・・。

広川さん

私は無事就職できたので、しばらくは順調に返済していました。

しかし、転職をきっかけに病気になり、働けなくなってしまったんです。

それまで、あまり気にせず散財していたので貯蓄もなく、返済が難しくなりました。

増谷さん

私の場合、奨学金を借りても経済的に厳しく、専門学校も1年で退学してしまったんです。

そのため、なかなか正社員になれずアルバイトや契約社員として働いていました。

とてもじゃないですが、余裕がなくて返済できませんでしたね・・・。

途中で契約社員の雇い止めに遭ったり、うつ病を発症してからはさらに厳しなり、とても返せる状態じゃなかったです。

にゃんきち

みなさん、「(非正規雇用などで)収入が少ない」「病気で働けない」といった切実な理由なんですね・・・。

※6
在学中に貸与終了となった場合は、『在学猶予』を届け出ることができます。これにより、在学中は返済を待ってもらえるのです。

督促は月に一度!無視すると保証人にも郵便が届く

にゃんきち

奨学金の返済を滞納している間、日本学生支援機構から督促はありましたか?

慶松さん

月に一度、電話と手紙で督促がありました。

内容は、「支払いが確認できていない」「一度連絡がほしい」というものがほとんどだったと思います。

広川さん

私も同じです。

加えて、「期日までに支払いがないと信用情報機関に登録する(※7)」みたいなことが書かれていたと思います。

増谷さん

私も電話と郵便で督促を受けました。

はじめは優しく支払いをうながす内容でしたが、途中から字面が厳しくなっていきましたね。

「一括返済を請求する」「連帯保証人に請求する」といった内容に変わっていきました。

にゃんきち

実際に連帯保証人や保証人の方への督促はありましたか?

慶松さん

はい。
連帯保証人(母)・保証人(叔母)両方にハガキ・電話の督促があったようです。

広川さん

うちも同様です。

ただ、電話はなく郵便のみだったみたいですが・・・。

増谷さん

うちの場合もそうです。

郵便のみでした。

にゃんきち

日本学生支援機構からの督促を無視していると、保証人・連帯保証人にも連絡がいってしまうのですね。

ちなみに、公式ホームページには、以下のように記載されています。

  • 2ヶ月以上滞納・・・連帯保証人に郵便が届く
  • 3ヶ月以上滞納・・・連帯保証人・保証人に郵便が届く

※7
信用情報とは、クレジットカードやローンに関する利用情報・支払情報をまとめたものです(信用情報機関で管理されています)。
奨学金の滞納が3ヶ月以上続くと、延滞の情報が信用情報機関に登録されます。登録されてしまうと、しばらくはローンやクレジットカードの審査に通らない可能性が高いです(延滞解消後も1年~5年は厳しい状況が続きます)。

最大10年の返済猶予の『返還期限猶予制度』を利用したとしても・・・

にゃんきち

日本学生支援機構は、経済的に困窮している方のために返還期限猶予制度(※8)などの救済策を用意していますが、知っていましたか?

慶松さん

知っていましたが、実際に申請したのは滞納し始めて6年ほど経った頃です。

ふたたび学校に通うことになったので、申請しました。

増谷さん

滞納し始めて4年ほど経った頃、一括返済を要求する督促があったので、あわてて日本学生支援機構に連絡しました。

そこで「病気のこと・働けないこと」を話したら、職員の方が返還期限猶予制度を勧めてくれたので、申請することにしたんです。

にゃんきち

なるほど。

返還期限猶予制度なら、毎年申請すれば、最長10年間返還の猶予を受けられますよね(※9)。

おふたりはどのくらいの期間を猶予してもらったのでしょうか?

慶松さん

在学中の3年間です。

その後も状況は変わらず厳しかったのですが、督促がなかったのでついつい申請を失念していました・・・。

増谷さん

私は2年ほど猶予を受けていましたね。

私も状況は改善していなかったのですが、申請を忘れてしまったのだと思います。

にゃんきち

なんと・・・!
おふたりとも、途中から申請そのものをしていなかったのですね。

おそらくおふたりなら、その後も猶予を受けられたハズなので、もったいない・・・。

慶松さん

実は、抱えていた借金は奨学金だけじゃなかったんです。

だから、奨学金のことは後回しになってしまって・・・。

にゃんきち

なっ、なるほど!

そのことはこの次でくわしく聞かせてください!

※8
たとえば、『年収300万円以下の給与所得者』『病気やケガのため無職になった方』などが対象になります。

※9
一度申請して審査に通ると、その後1年間は猶予を受けられます。毎年申請すれば、最長10年間猶予を受けられるというわけですね。

奨学金だけが理由で破産する人は少ない

にゃんきち

破産は、すべての返済義務がなくなる最終手段ですよね(※10)。

ズバリ、今回破産にいたった経緯を教えてください。

慶松さん

直接の原因は奨学金じゃなくて、他の借金なんです。

私は、奨学金の返済を滞納していた13年の間に、消費者金融でも借金を重ねていました。

生活のために借りたお金は約200万円。

その返済も5年ほど滞納していたため、とうとう消費者金融から訴えを起こされてしまいます。

結果、給与を差し押さえられそうになり困り果てた私は弁護士事務所に駆け込みました。

そこで弁護士に破産を勧められたんです。

広川さん

私も奨学金のほか、銀行カードローンで計500万円ほどの借金を抱えていました。

病気で働けなかったため、今後の支払いはどう考えても難しいと思い、法テラス(※11)に相談したんです。

そのとき対応してくれた弁護士に破産をすすめられました。

増谷さん

私も奨学金を滞納していた5年半のあいだに別の借金をしてしまいました。

生活費のため、消費者金融で借入れたのは270万円ほど。

こちらの返済も滞納していたので、毎日のようにかかってくる督促電話に神経がおかしくなり、ついには幻聴まで聞こえるようになりました。

「とうとうヤバイな・・・」と思い、法テラスから紹介された弁護士事務所に相談することにします。

当時、私はうつ病で働くこともままならなかったので、そのまま破産を勧められました。

にゃんきち

みなさん、奨学金以外にも借金を抱えていたんですね。

どちらかというと、奨学金以外の借金が原因で、破産にいたっているようにも思います。

たしかに、消費者金融や銀行カードローンの利率は奨学金にくらべてはるかに高いですし(14~18%程度)、返済を猶予する制度などもありません。

どうしても返済が難しい場合は、破産などの債務整理(※12)を検討するほかないんですね・・・。

※10
裁判所に破産を申し立てると、持っている財産のうち、必要最低限のもの以外は処分され、債務(借金)の支払いにあてられます。それでも支払いきれなかった分に関しては、裁判所が免責を許可することで、支払いの義務がなくなります。

※11
法テラス(日本司法支援センター)には、弁護士・司法書士などの専門家に無料で相談できるサービスがあります。収入・資産が一定以下だと利用できるサービスです。 法テラス「無料の法律相談を受けたい」
https://www.houterasu.or.jp/madoguchi_info/faq/faq_2/index.html

※12
借金を合法的に減額したり、支払いを免除してもらうこと。破産も債務整理の一種です。

破産にかかった費用と期間

にゃんきち

みなさんには、破産にかかった費用・期間についてもうかがいました。

回答は表にまとめています。

項目 慶松さん 広川さん 増谷さん
当時の債務額 奨学金:約550万円 消費者金融:約200万円 奨学金:約120万円
銀行カードローン:約500万円
奨学金:約100万円 消費者金融:約270万円
裁判所に破産を申立てた時期 2017年7月 2017年12月 2007年8月
裁判所から免責許可が下りた時期 2017年10月 2018年5月 2007年10月
弁護士費用・実費
(※13)
弁護士費用:32万4,000円
諸経費:1万5,000円
弁護士費用:約20万円 弁護士費用:約10万円
にゃんきち

裁判所に破産を申立ててから免責許可が下りるまで、2ヶ月~半年ほどかかってしまうんですね。

慶松さん

そうですね。

また、弁護士に依頼してから裁判所に申し立てるまでの準備期間も2~3ヶ月かかります。

この期間中に、弁護士に指定された書類を用意したり作成したりするんです。

にゃんきち

なるほど。
では、その間取り立てはずっと止まないのでしょうか・・・?

増谷さん

いいえ。
弁護士に破産の件を正式依頼した後は、数日以内に取り立てが止みましたよ(※14)。

にゃんきち

ふむふむ。
取り立てに悩んでいる方は多いと思うので、それはありがたいですね。

※13
弁護士に破産手続きの代行をお願いした場合の費用相場は、20万円~80万円程度です(弁護士費用・実費含む)。財産がほとんどないような場合は、費用が安くなります。

※14
弁護士が債務整理の依頼を引き受けたら、各債権者に受任通知を送ります。それ以降、債権者は取り立てを行うことができなくなります(法律で禁止されています)。

あなたの破産は連帯保証人にとっての悪夢

にゃんきち

契約者本人が破産したら、本人と同等の返済義務を負う連帯保証人へ請求がいきますよね?

慶松さん

はい。
連帯保証人は母だったので、破産するときに連絡したのですが、「いくらの請求がくるの!?」と心配していましたね・・・。

無責任かもしれませんが、その後は連絡を取っていないので、実際どうなったのかはわかりません。

広川さん

連帯保証人は父なので、父に請求が届きました。

父は、現在も分割で返済を続けています・・・。

私は1日も早く生活を立て直せるよう、努めている最中です。

増谷さん

破産後に、連帯保証人の父が一括返済してくれました。

父は私の病状をわかっていたので、しぶしぶ肩代わりしてくれたんです。

にゃんきち

奨学金への申込時に人的保証を選択した場合、契約者が破産したら、その債務は連帯保証人に引き継がれてしまうんですね。

また、連帯保証人も返済できない状況なら、今度は保証人に債務が引き継がれます(※15)。

親や親戚に迷惑をかけたくない方は、人に頼る人的保証ではなく、保証機関が連帯保証する機関保証を選択するようにしましょう。

ただ、この場合、毎月借りる奨学金の一部が保証料としてマイナスされた形で振り込まれます(※16)。

※15
保証人が請求を受けた場合、返済金額を総額の半額に減額することができます(ただし、日本学生支援機構への申し出が必要)。

※16
たとえば、下記の条件で貸与を受ける場合、毎月の貸与額から5,369円ずつ差し引かれることになります。4年間で合計すると、25万7,712 円です。
・第二種奨学金
・貸与月額は月10万円
・貸与期間は2019年4月から4年間
・利率は0.14%

破産することによってあなたは何ができなくなるのか?

にゃんきち

調べてみたところ、破産にはほかにもさまざまなデメリットがあります。

  • 所有財産のうち、必要最低限以外のもの(20万円超の預金・車・持ち家など)は手放すことになる
  • 一定期間就けない職業がある(※17)
  • 破産後5年~10年間はクレジットカード・ローンを契約できない
  • すでに持っているキャッシングカード・クレジットカードが使えなくなる
  • 官報(※18)に破産者として名前・住所が載ってしまう
  • お金や信用に関わる企業の就職試験を受ける場合、採用に不利になる可能性がある(※19)

慶松さん

クレジットカードを使えなくなったので不便に感じることもありますが、その分つつましく生活しています。

増谷さん

困ったのは、クレジットカードをつくれないことくらいですかね。

でも、「今後は借金したくない」という気持ちもあるので、これでよかったと思います。

にゃんきち

なるほど・・・。

やはりカードを使えないのは不便ですよね。

クレジットカードの代わりに、デビットカードを利用するという手もありますよ。

みなさん、今回は本当にありがとうございました!

※17
『一定期間』とは、自己破産手続開始決定から免責許可確定までの間です。『就けない職業』として代表的なのは、弁護士・司法書士・行政書士・公認会計士・税理士・貸金業者・警備員・建設業・質屋・生命保険募集人・証券業・旅行業者などです(ほかにも多数あります)。

※18
官報は、国が発行している機関紙です。ネットでは、直近30日分の官報を閲覧することができますし、国立図書館や一部の図書館では、それ以前の情報も閲覧可能です。ただ、一般的な人が官報をチェックすることはほとんどないと思っていいでしょう。

※19
一部の企業では、就職試験の際に官報(応募者の破産歴)を確認しています。その場合、採用に不利になることもあるでしょう。とくに、金融関係の企業、官公庁など、お金や信用に関わる企業は調べるところが多いといわれています。

まとめ

最後に、今回のポイントをまとめてみましょう。

  • 奨学金滞納の理由は「(非正規雇用などで)収入が少ない」「病気で働けない」など、切実なものが多い
  • 日本学生支援機構からの督促を無視していると、保証人・連帯保証人にも連絡がいく(2ヶ月以上滞納で連帯保証人に郵便、3ヶ月以上の滞納で保証人にも郵便が届く)
  • 経済的な理由や病気などで返済が難しい場合は、返還期限猶予制度などの救済制度を利用すべき
    • 「年収300万円以下の給与所得者」「病気やケガのため無職になった方」などが対象
    • 申請して審査に通ると、その後1年間は猶予を受けられる(毎年申請して審査に通れば、最長10年間の猶予を受けられる)
  • 奨学金だけでなく、ほかの借金との併用で首が回らなくなり、破産にいたるケースが多い
  • 奨学金への申込時に人的保証を選択した場合、契約者が破産すると、その債務は連帯保証人に引き継がれてしまう
    • 連帯保証人も返済できない状況なら、保証人に債務が引き継がれる
    • 基本的に一括返済を要求されるが、相談すれば分割払いも可能
  • まだまだある破産することによるデメリット
    • 持っている財産のうち必要最低限以外のもの(20万円超の預金・車・持ち家など)は手放すことになる
    • 一定期間、就けない職業がある
    • 破産後、5年~10年間はクレジットカード・ローンを契約できない
    • すでに持っているキャッシングカード・クレジットカードを使えなくなる
    • 官報に破産者として名前や住所が載ってしまう
    • お金や信用に関わる企業の就職試験を受ける場合、採用に不利になる可能性がある

今回は奨学金制度の負の側面を中心にお伝えしてきました。

今や2人に1人が利用するともいわれる奨学金。
利用しないというのはなかなか難しいですよね・・・。

もしかすると、この記事をお読みになっている方の多くは、すでに返済がはじまっているのかもしれません。

そんなときに大切なのは、まず最悪の事態を想定し、万が一返済が困難になったら、すぐに法テラスなどの公的機関へ相談することです。

そうすることで、家族や保証人にかける迷惑を最小限に抑えることができますし、破産によって与えるマイナス影響の範囲をできるだけ狭めることができます。

ほうっておくのが一番よくありません。

遠慮せずに相談するようにしましょう。

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