借金の保証人になったがために最後は500万を肩代わりすること【体験談】

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体験者が赤裸々に語る連帯保証人の恐ろしさ

「借金の保証人には、絶対になってはいけないよ!」

「連帯保証人を頼まれました。もし仮に受ける場合、責任の範囲はどこまでおよぶのでしょうか?」

最近は、借金の保証人連帯保証人にかなり悪いイメージがつきました。

そのため、先ほどのように両親や友人からクギを刺されたり、保証人になる前にネットで調べる人が増えています。

その結果、昔のようにだまされて保証人になってしまうケースはだいぶ減ってきたのではないでしょうか。

こんにちは。
当サイト、ファイグーの編集者として約2年、キャッシングの利用者や元消費者金融の社員へインタビューを行っている内田です。

借金の保証人を一言で説明すると、

もし借主が借金を返済できなくなった場合、その借金を保証人であるあなたが肩代わりしなければならなくなる。

つまり、あなたに返済義務が生じるということです。

保証人と連帯保証人で少し責任の範囲が異なりますので、詳しい説明は以下の記事をご覧ください。

かいつまんでいってしまうと、連帯保証人は、あなたの人生をメチャメチャにしてしまう危うさをはらんだ制度ということです。

ここまでご覧になって、「これからは積極的に保証人になろう!」なんていう方は、ほぼゼロだと思います。

でも、実際には連帯保証人を引き受けて借金を肩代わりさせられる人がいるんですね・・・。

なぜ、それほど危険な保証人を引き受けてしまうのでしょうか?

そこで今回は、実際に連帯保証人になったことがある3名の方にご協力いただき、インタビューを実施しました。

  • 保証人を引き受けてしまった経緯
  • いくらの借金の保証人になったのか?
  • どんな督促が受けたのか?
  • どのように返済していったのか?
  • 借り主との人間関係はどうなったのか?
  • 現在の状況

これらの点を中心に話をうかがっています。

大切な人生です。
軽い気持ちで引き受けた保証人がきっかけで人生を狂わせるようなことにしてほしくありません。

今回のインタビューを反面教師にして、安易な気持ちで保証人を引き受けることがないようにしてください。

この記事のアドバイザー情報

  • 内田 恵子 編集者

    内田 恵子編集者

    東京生まれ。アラフィフ。出版社勤務の後独立。編集・ライター歴30年。ファイグーでは「わかりにくいお金の話を、わかりやすくお伝えすること」「少しでも役に立つ情報をお届けすること」をモットーに、より具体的で、身近に感じていただける記事を目指しています。猫派で今は元ノラを多頭飼い中。日々癒してもらってます。

  • ささき 英雄 編集者

    ささき 英雄編集者

    七夕生まれ、編集・ライティング歴10年。前職ではグルメ雑誌の制作に携わっていましたが、30歳の誕生日をきっかけに独立しました。ファイグーでは「自分の仕事は書くことではなく伝えること」という意識で記事に取組んでいます。担当記事は、利息や審査などライバル記事だらけのテーマが多いです。そのため、「他のどの記事よりも正しい」のは当然として、さらに「どうすれば読みやすくなるか」を日々追求しています。

社長就任からわずか2年!私が2,300万円の借金を背負うことになった理由(体験談)

知り合いの社長から、会社の経営を託された安達さん(仮名)。

しかし、安達さんを待っていたのは経営者としての順風満帆な生活ではなく、総額2,300万円の借金でした。

そして、その返済は今も終わっていません。

なぜ安達さんは連帯保証人となり、多額の借金を背負うことになってしまったのでしょうか?

当時の状況を、ご本人に振り返っていただきました。

懇意にしていた社長から引き受けた経営者のポスト

私には、A社・B社の2社を経営している若村さん(仮名)という知人がいました。

その若村さんから「B社の社長になってくれないか?」と頼まれたのは、2005年の年末のことです。

もちろん即答できるほど軽い話ではありませんし、そのときは丁重に断りました。

しかし、その後も若村さんは熱心に私を誘ってくれます。

B社の決算書や財務諸表も見せてもらいましたが、まったく問題ありません。

経営者という仕事には魅力を感じる。
でも、安請け合いはできない。

ずっと揺れていたのですが、2006年の春。

「やってみて難しいと思ったら、いつ辞めてもいいから!」という若村さんの鶴の一声で、私はB社の経営にチャレンジすることにしたのです。

法人契約トータル2,300万円の連帯保証人に!

私がはじめて連帯保証人となったのは、2006年6月です。

その内訳は、B社で使用するコピー機(150万円)や社用車4台(計850万円)のリース契約でした。

法人名義で契約をおこなう場合、経営者が連帯保証人になるのは当たり前のことです。

それに、連帯保証人を引き受けるにあたって、若村さんからも「迷惑はかけないから」といわれていたので、とくに気にはしていませんでした。

ただ、その1年後。
ふたたび、連帯保証人として契約する機会が訪れます。

「今後のB社の実績づくりのために、銀行から事業性融資を受けてみたらどうだ?」

若村さんにそういわれたのです・・・。

正直なところ、銀行から融資を受ける理由が自分にはわかりませんでした。

なぜなら、B社は無借金で問題なく経営できていましたし、融資金の使いみちとして思い当たるものが私にはなかったからです。

ただ、結果的には運転資金という名目で、計1,300万円(銀行から800万円、信用金庫から500万円)を借入れ、私がその連帯保証人になりました。

「なにかあったときにために、多少の利息を払いながら金融業者と付き合っておくことも大事なのでは?」

そう思ったからです。

こうして、事業融資を受けたのが2007年の5月。

そして、その3ヶ月後の2007年8月、若村さんが自殺しました

社長就任要請の裏にあった若村さんの計画

「え?どういうこと?」

いったいなにが起きたのか、私には状況がまったく理解できませんでした。

それは、若村さんが経営していたA社の取締役も同じだったようです。

葬儀を終えたあと、私はA社の取締役とともにA社の今後について話合うことになったのですが・・・。

そこでわかったのは、想像を超えるA社の惨状。
そして、若村さんの『計画』でした。

まずA社ですが、私がB社の社長に就任するずっと前(2004年頃)から赤字経営が続いていたんです。

若村さんが粉飾決算によりそれを隠蔽していたため、私はもちろんA社の取締役でさえその状況を知りませんでした。

若村さんはA社のマイナスを補填するため、新たにB社を設立。

B社名義で銀行へ融資をかけあったものの、若村さんの連帯保証額が限度額を超えていたために、融資を受けられなかったそうです。

もうおわかりですよね?

若村さんが私をB社の社長に就任させたのは、銀行からお金を引っ張るためだったんです。

事実、私が連帯保証人となっているB社への融資総額1,300万円は、若村さんが亡くなる2週間前にA社の口座へとうつっていました。

とはいえ、若村さんは自分で責任を取るつもりだったんだと思います。

実は若村さん、約2.5億円の生命保険に入っていました。

おそらく、その保険金で債務を帳消しにするつもりだったんだんでしょう。

若村さんにとって誤算だったのは、自殺では保険金がおりないということ。

こうして、完全に経営が破綻したA社と、私が連帯保証人となっている債務2,300万円が残りました。

今も終わらない!連帯保証人として債務を返済する日々

A社の顧問弁護士に相談した結果、A社を破産させ、B社もたたむことに。

ただし、B社の債務2,300万円は連帯保証人である私が返済しなければいけません。

全面的に弁護士に依頼したい気持ちは山々でしたが、経費は1円でもカットしたい状況です。

そのため、やむを得ずA社の顧問弁護士からアドバイスだけ受けながら、自分自身で債権者と交渉し、少しずつ返済をしていくことになりました。

銀行への返済はなんとか完了

銀行から借入れた800万円については、次のような形で和解し、返済を終えました。

  • 月額1万円の返済を2年間おこなう
  • 2年間、24万円の返済完了後、200万円を一括で返済する
  • 銀行はその後の債権を放棄する

信用金庫への返済は継続中

500万円を借入れていた信用金庫からは、次のような打診がありました。

  • 自己破産だけは避けてほしい
  • 利息は放棄するので、元金は返済してほしい

この提案を受諾し、毎月2万円ずつ現在も返済しています。

コピー機のリース代は債権が放棄される

コピー機のリース代金150万円については、「一括返済ができなければ財産を差し押さえる」との封書が届きました。

数週間後、地方裁判所の担当者が自宅へ差し押さえの調査にきたのですが・・・。

差し押さえられる財産がないと判断され、債権は放棄されました。

社用車のリース代は3台分を現在も返済中

社用車のリース代金850万円については、『毎月1万数千円×7年』でなんとか1台分は完済できました。

ただし、残り3台分については、現在も毎月1万円ずつの返済が続いています。

半年ごとに一括返済を要求する書類が届くのですが、あいにくまとまったお金がありません。

信用金庫の借入分を完済した後で、あらためて相談に行ければと思っています。

最悪の事態を想定せず連帯保証人になってはいけない

連帯保証人になったことを、私は後悔していません。

ただし、「法人の連帯保証人になった場合、会社が倒産すれば債務はすべて自分がかぶる」ということは、事前にきちんと想定しておくべきだったと思います。

もし「連帯保証人になってくれないか?」とお願いされたら、相手ではなく自分と向き合ってください。

相手が本当に信用できるかなんて、結局のところわかりません。

考えるべきなのは、自分に「最悪の事態を受け入れる覚悟があるか」です。

その覚悟がないなら、たとえ人間関係が悪化するとしても、しっかり断るべきだと思います。

連帯保証人なんてこりごり!友人の借金の大半は私が返済しました(体験談)

よかれと思って友人の連帯保証人を引き受けた馬場さん(仮名)。

しかし、待っていたのは信頼していた友人の裏切りでした。

「連帯保証人になんて、なるべきじゃない!!」

そう叫びたくなるほど追い詰められてしまった馬場さんに、いったい何があったのかをみていきましょう。

借入額は770万円!住宅ローンの連帯保証人に

「どうしても連帯保証人になってもらいたい」

私に連帯保証人を頼んできたのは、幼馴染です。

私にはノンバンクに勤務していた経験もあり、保証人になることには非常に抵抗がありました。

「友人が支払いを滞れば、債務が自分に振りかかってくる」

家庭のある私にとって、そのリスクは大きすぎます。

もちろん妻にも相談はしましたが、案の定、猛烈に反対されました。

友人には悪いと思いつつ、頼まれるたびに何度も断ったのですが・・・。

「あなたしかいない」と何度も頼み込まれ、ついに私は連帯保証人を引き受けることに。

友人が大手企業に勤めていたため、まず間違いはないだろうとは思っていました。

さらに、その友人とは幼い頃から高校まで仲がよく、同じ学校に通い、同じ部活に入っていた間柄です。

連帯保証人を引き受けたのは、そんな友人を信用していたからだと思います。

友人がお金を借りていたのは、宮崎銀行の住宅ローン。

借入額は770万円で、当初の予定では10年間で完済することになっていました。

なぜ私のところに督促の電話がかかってくる?

「住宅ローンの支払いについてなのですが・・・」

宮崎銀行から私のところへ督促の電話がきたときは、血の気が引くような思いでした。

連帯保証人になっている以上、もちろん私に請求がくる可能性はあります。

それは理解していましたが、まさか本当に自分がそんな目に遭うとは思ってもいませんでした。

すぐ友人に電話してみましたが、やはり連絡はつきません。

共通の知り合いもあたってみましたが、どうやら友人は地元にも帰っていない様子でした。

友人が私になんの相談もなく行方知れずになってしまったことに衝撃を受けつつも、宮崎銀行へ。

融資担当から伝えられたのは、

  • 支払いが滞ったため、再三にわたり借主へ連絡したがつながらなかった
  • 銀行としては、連帯保証人に残金の支払いを請求せざるをえない
  • 遅延が発生しているため、支払いは一括でお願いしたい

という内容でした。

友人の借金は一括で返済!そのかわり我が家は火の車に

宮崎銀行から請求された金額は、元金518万円

さらに、滞納4ヶ月分の遅延損害金1万2,000円です。

もちろん、手元にそんなお金はありませんので、私は銀行のフリーローンからの借入れでこれを一括で返済することにしました。

フリーローンの返済は、毎月7万円(ボーナス月8万5千円)の6年払い。

ただ、このときは私も住宅ローンで毎月6万6,000円を返済していました。

ローンの返済だけで毎月13万6,000円が消えてしまうわけですから、もちろん家計は成り立ちません。

一時期は、さらにキャッシングを利用して生活費を捻出しなければならないほど、生活は苦しくなりました。

家族のおかげで見えた希望!でも友人は借金を残して再び失踪

「このままでは、やっとの思いで購入した家を手放さなければならなくなる・・・」

不安に駆られた私は、泣く泣く両親と兄に相談。

その結果、フリーローンからの借入分は援助してもらえることになり、繰上げで完済することができました。

失踪していた友人から連絡があったのは、ちょうどこの頃だったと思います。

友人は、自分の女性問題がきっかけで離婚。

その後、慰謝料や養育費の請求を逃れるために連絡手段を断ち、県外に移住していたそうです。

このとき、友人は私が肩代わりした分を「毎月3万円ずつ返済するから」と約束してくれたのですが・・・。

振込みがあったのは、最初の5ヶ月だけ。

その後は音沙汰もなく、残りの505万円は今もなお返してもらえていません。

連帯保証人になるのは百害あって一利なし

結果的に、保証人になったことで得られたものは何もありませんでした。

友人の借金でダメージを被ったのが自分だけなら、自己責任で済ませられたかもしれません。

しかし、私の場合は、妻と両親、そして兄夫婦にまで迷惑をかけてしまいました。

それがなによりも申し訳なく、心から後悔しています。

連帯保証人を引き受けるというのは、自分が借金をするのと同じです。

もちろん、きちんと完済してくれる人もいるとは思いますが・・・。

私は、相手がどんなに信用できる人だとしても、保証人の話はしっかり断るべきだと思います。

もう顔を見たくない!連帯保証人がきっかけで破綻した人間関係(体験談)

遠藤さん(仮名)は、職場の同僚に頼まれて連帯保証人になりました。

「職場でいつでも会えるし・・・」
「たいした金額じゃないし・・・」

遠藤さんは、借金を肩代わりしたことでお金に困ったわけではありませんでした。

しかし、二度と連帯保証人は引き受けないとのことです。

同僚に頼まれて2つ返事で引き受けた連帯保証人

2008年8月のことです。

「車の免許を取りたいから、連帯保証人になってほしい」

そう私に頼んできたのは、日系ブラジル人の同僚でした。

教習所の費用を信販会社から借りたいとのこと。

私は、連帯保証人を引き受けることにしました。

正直なところ、そんなに抵抗はなかったんですよね。

それは、職場で顔を合わせられる関係というのもありますが、借入額が約20万円と少額だったためだと思います。

信販会社から督促がきた!本人とは音信不通

しかし、その数ヶ月後。

同僚は、リーマンショックの影響で派遣切りにあってしまいました。

ただ、そのときは「急な失業って大変だよな・・・」と思っただけで、自分が連帯保証人だからどうこうなんてことはまったく頭にありませんでした。

事の重大さに気づいたのは、信販会社から私へ電話がきたときです。

「もう本人とは3ヶ月以上も連絡が取れていないんです・・・」

元金・利息・遅延損害金を合わせて12万4,332円を一括返済。

それが信販会社からの要求でした。

元同僚はすでに日本にはいなかった!おさまらない怒り

たいした金額ではなかったため、信販会社への返済は要求どおり一括で済ませました。

しかし、元同僚からは相変わらず、なんの連絡もありません。

元同僚の携帯電話には、信販会社から連絡を受けた後にすぐ電話をしたのですが、つながりませんでした。

本人のアパートへも行きましたが、部屋はもぬけの殻。

会社の人間や本人の友人関係を思いつくままにあたり、ようやく元同僚の居場所をつきとめることができたものの・・・。

元同僚は連帯保証人である私になんの断りもなく、ブラジルへ帰国していました。

10万円ちょっとの出費は、私にとってなんの問題もありません。

急に職を失い、本人は大変だったのかもしれません。

でも、私が引っかかっているのは、そういうことじゃないんです。

「迷惑をかける人に対して、連絡くらいはするべきじゃないの?」

このときに芽生えた怒りの感情は、今でも残っています。

お金がきっかけの怒りは大きくて重い

元同僚が日本へと戻ってきたのは、その約1年後です。

肩代わりした分は、毎月2~3万円のペースできっちり全額返してもらいました。

しかし、借金が精算できたからといって、私の心はリセットできません。

だから、連帯保証人になったことに関しては後悔しかないですね。

『お金に関する怒り』がこんなにも大きく、こんなにも引きずるものだとは思いませんでした。

元同僚のほうからは今でも連絡があり、「会おう」と誘われるのですが、私はまったくその気にはなれません。

連帯保証人なんて、安易に引き受けるべきじゃないですよ。

まとめ

3つの連帯保証人・体験談を紹介しましたが、いかがでしたか?

なんとなく、連帯保証人にはネガティブなイメージを持つ人は多いと思いますが、今回の体験談をご覧いただいて、その思いがさらに強くなったかもしれません。

単なるお金の問題だけではなく、人間関係を崩壊させるリスクさえもあるということがよくわかる体験談だったと思います。

  • 連帯保証人になるのは、自分が借金をするのと同じ
  • 最悪の事態(借金の肩代わり)を受け入れる覚悟が必要

どうか、この2つはきちんと覚えておいてください。

そして、安易に連帯保証人を引き受けないようにしましょう。

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