口座には残り数十円。帰りの電車賃がなくて交番に頼み込んだところ・・

今回は、私が金銭的に本当に困窮していた頃、出張先で帰りの電車賃がなくなってしまい、その地元の交番の警官にお金を借りて無事会社に戻れた時のことをお話したいと思います。

体験者の情報

名前(仮名):真坂 和雄(まさか かずお)
性別:男性
お金に困った理由:会社の経営難等で手持ちのお金がなかった
何を滞納したのか:電車代
滞納金額:1,000円
当時の職業:会社役員
当時の年齢:30歳
当時の借金の合計額:1,000円
会社名:警察(交番)

電車賃すらないという極限状況

出張先での仕事が終わり、さて会社に帰ろうと、私は千葉某所の駅の券売機で、路線図を見ながら切符代を確認していました。

そして、切符を買おうとお財布を見た途端、目を疑いました。

帰りの電車代に十分なお金がありません。というか全く足りていません。それまで私の中では、一枚だけ千円札を持っている記憶がありました。しかし、そのあるはずの千円がありません。おそらくあると勘違いしていただけなのでしょう。

これでは歩くほかありません。
しかし、ここは千葉の奥、東京の会社まで歩くなんて現実的に不可能です。

行ける所まで手持ちのお金で電車に乗って行き、そこから歩く、としても、路線図で切符代を確認すると、おおよそ千葉から出られませんし、やはり現実的に歩ける距離ではありません。

私は途方に暮れました。
銀行のATMに行ってお金を降ろせばいいじゃないかと思われるかもしれませんが、恥ずかしながら、この頃の私の口座には数十円しかありませんでした。しかも、私はクレジットカードなども所持していません。

そもそも、なぜこんなにもお金がないのか?
読まれている方はそう思うかもしれませんね。

私は知人と会社を興し、そのまま会社役員になったのですが、当時、まだ経営が安定しておらず、汲々の中、会社経営をしていました。事務所の家賃も滞り気味、果ては従業員のみなさんの給与も。

売り上げがなく、従業員の方々に給与を待っていただいているにも関わらず、私たち役員がのうのうと役員報酬をいただくわけにはいきません。私はほぼ「手弁当」で、仕事をしていました。

といっても、個人のお金には当然限界があります。消費者金融などで借り入れたこともあります(これが返せなかったため、いまだにカード類が作れずにいる)が、それでもやはりお金が全く足りませんでした。このときはその最たるときで、手元には数百円、数十円しか残っていなかったのです。

どうしよう。
会社はおろか、これではうちにすら帰れません

交番で借りるしか無い?!

しばらくその駅の周りをうろうろしていました。
しかし、どうしようもありません。

思い切って歩く、とも考えましたが、千葉は土地勘もないですし、路線図で再度確認しても、どう考えても歩ける距離ではありません。

しばらくうろうろしたり、タバコを吸ったりしながら考えていたと思います。

「あっ」
私はふと思い出したことがありました。
小学生の頃、私は似た経験をしたことがあるのです。

1人であるところに出かけたときに、どこかで財布を落としたかで電車に乗れず、家に帰れず、駅前で困っていたところを駅員に話しかけられ、交番に行くよう勧められました。

その交番で事情を話すと、警察官は親切に話を聞いてくれ、私が財布を落とした可能性があるところを、私の話を聞きながら一緒に探してくれました。

たしか、結局財布は出てこなかったと思います。
しかし警察官はそのとき電車賃を貸してくれて...。

そうか。
電車代くらいなら交番で借りられるはずだ。
私はふと思いました。

しかし、「お金がありません。電車代がありませんから貸してください」では借りられないでしょう。第一、警察官は貸す義務もないですし、また警察は、困ったときにお金が借りられる機関でも何でもありません。

ただ、お財布落としてやむなく...、というのであればあのときのように貸してくれるのではないでしょうか

私はそれに賭けてみることにしました。

財布は「落とした」

財布は「落とした」。
だから交番に行こう。
私は自分にこう言い聞かせ、交番に向かうことにしました。

しかし、その前に会社に電話することにしました。
「落し物」をしたならたぶん紛失届を書かされるはずです。そのとき会社にも問い合わせが行くに違いありません。会社の人間には話をしておく必要があります。

ただ、「財布を落としたことにしてくれ」などというと、警察から電話がかかってきたときにかえって厄介になると思ったので、「財布を落として会社に戻れないので、とりあえず最寄りの交番に行く」とだけ言いました。この方が会社に何か問い合わせがいったとき、問題がないと考えました。

交番に行くと1人の警官がいました。

私はその警官に、先ほど駅前の公衆電話で電話をする際、電話の上に財布を置いて忘れてしまったらしいのだが、届いていないかと聞きました。

すると警官は、その財布の大きさや形状、色、中にお金がいくらと、他に何が入っていたかなどを聞きながら、交番に届いているであろう落し物や忘れ物から、その財布を丁寧に探していました。

もちろんそんな財布はそもそも存在していません。
警官が親切に探しているのを見ると、正直良心が傷みました。

やがて「ありませんねえ・・」と警官は返してきました。
ですよね。あるわけはありません。

「紛失届、出しますか?」
警官は私に尋ねてきました。

あるはずのない財布の紛失届を出してもしようがありません。第一、素性が明らかになって、その上、実際そんな財布なんて最初からないなんて知れたら大変です。そしてここでは交通費を借りることが目的です。

「いや、紛失届出したところで財布ってなかなか出てこないんですよね」

「出てきても、お金を抜かれていることが多いんですよ」

「その財布には幸いキャッシュカードとか入っていない。入っているのはカレー屋のクーポンとかですから。大事なものは一切入っていない。財布自体も大したものじゃないんです。だから、それはいいんですけどね。しかしお金が...まいったな」

私は少しもったいぶってこう言うと、遠回しに「紛失届」は出さないことを伝えました。

「いや、そこに入っているお金で、私会社に戻るつもりでしたから」

「会社はどちらですか」

「東京の○○です。歩こうにも...ねえ...」

「ちょっと歩けないですね...」

お金を借りて、何とか帰れたが...

私は本題に入ろうと思いました。

「いや、その...私も夜までには会社に戻らないと。いや...困ったな」
「...」

お財布を落としたのは事実ではありませんが、帰るお金がなくて困っているのは事実ですから、演技にもそれなりの切迫感があったと思います。

そして、
お金を貸していただけないでしょうか
真正面から切り込んでみました。

警官は最初、「お金は貸せない」と言っていましたが、こちらが食い下がると「私の懐から出す」と言ってくれました。本来は貸せないのだが、個人の良心的行為として貸すと。

さすがにこれは、気がひけました。
本当に申し訳ないという気持ちが募りました。
しかし背に腹は代えられません。
結局1,000円借りることにしました。

ここで、「何か本人と分かるものはあるか」と言われ、名刺だけ出したのですが、それで終わりでした。身分証明書の提示などは求められませんでした。(本来名刺は身分証明書類にはなりません)。

この後、無事に帰路に着きましたが・・・。

衣食が足りず、礼節を欠くことに

その後ですが、私はまだあのとき借りたお金をあの警官に返せていません。その駅が遠いこと、また、まだお金に困窮しているためです。(あの頃から、会社も私個人のお金廻りも、あまり状況は変わっていないのです。)もちろんこれは言い訳ですが。

あのときは、あの警官に本当によくしていただきました。大変感謝をしています。どこ駅の交番の誰さんだかはっきり覚えていますが、残念ながらまだお返しできていません。

ただ、これは後から知ったことですが、何でも財布を落としたりなどして交通費がない場合に交番でお金を貸してくれる(「公衆接遇弁償費」という名称。限度額は千円程度。)制度のようなものがあるみたいです。

しかし、最近ではこの制度を悪用したり、借りたお金を返さなかったりする人も多いようで、身分証明書の確認をしっかりして、慎重に貸し出しているようです。悪用して繰り返し「寸借詐欺」まがいのことをやった人は逮捕されているのだとか。

私も返していないわけですから、こんなこと言えた義理ではありませんが、人様の好意はしっかり返さないとダメですし、それを悪用したら、これは「詐欺」になります。

あの警官も、「公衆接遇弁償費」から1,000円をだして私に貸してくれたのかもしれませんが、本当にあの警官が言うように、個人の良心から貸してくれたものだとすると、私個人のことを何の保証も根拠もなく信じてくれたわけですから、本当に申し訳ない気持ちになります。

いつかきっと、返しに行きたいと思います。

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