株の負けを取り返そうと信用取引と追証にお金をつぎ込んだ結果【体験談】

私は当時勤めていた会社が株式上場し、株式取引にはまってしまいました。

取引を始めてから最初の3年ほどは利益を順調に出していましたが、4年目に起きたライブドア・ショックで大損を出してしまいます。

それまで大損をした経験がなく、負ける事に慣れていなかった私は、すっかり正常な判断力を失くし、以前に契約していたカードローンで借金して株を購入します。

しかし株式での損失は拡大し続け、借金も増え続け、ついには。。。

体験者の情報

名前:井上 雄二(仮名)
性別:男性
当時の職業:会社員
当時の年齢:35歳
借金の合計額:500万円
会社名(借入先):モビット、オリックスクレジット、あおぞら銀行、キャッシュワン、オリコ
借入件数:5件
利用時期:2006年3月~2009年3月

順風満帆の会社員生活

私が当時籍を置いていた会社は、IT系のシステム開発会社でした。

大手企業との直接取引のみを手がけており、従業員の平均年齢が若いにもかかわらず、平均年収は高い会社です。

私は会社設立直後から入社していたので、当時は勤続8年目。仕事は順調そのもので、それなりの役職に就いており、月収も35万円ほどありました。

家賃は駐車場込みで10万円、ほかに飲み代や友人たちとの旅行などで散財もしていましたが、貯金は500万円ほどあり、十分ゆとりある生活です。

さらに、会社の上場を経験するという、一見して勝ち組のような幸運にも恵まれました。

けれども私は、「有頂天になりすぎて友人を失わないように」と思うような、慎重な人間だったのです。

まわりの社員たちと一緒に株をはじめる

勤務先が株式上場を行うと、新株予約権(ストック・オプション)や株式の割り当てが受けられます。

いずれも株式市場より割安で株が購入できるもので、権利を持っていた従業員のほとんどが株を入手するようになりました。

部長クラスの人がこれらの権利を使って株を購入すると、自動的に1000万円ほどの利益が出たのではないでしょうか。

私も500万円あった貯金のほとんどを会社の株につぎ込み、瞬く間に180万円もの利益になりました。

会社の株式割り当てやストック・オプションの権利行使のためには、証券口座が必要です。

そのため、社員の多くがネット証券の口座を開設し、それと同時に株式取引も始めるようになりました。

私もそうやって、他社の株も買いはじめたのです。

順調すぎるからこその落とし穴

多くの従業員が株式取引を始めるということは、一人で取引を始めるより有利な点があります。それは情報交換が頻繁に行える事です。

取引している人数が多いと、それだけ情報量が増えるので、組織力で株取引に勝っているような状況になるのです。

当時は社員が顔を合わせると株の話をするほど、会社全体で株取引が流行っていました。今考えると、よく仕事に支障が出なかったものだと思います。

私自身は、最も利益が出ていた時で100万円近くになっていました。

こうして順調なまま、3年ほど経過した年の正月。

休みが明けてみんなが顔を揃えた時の話題は、当時時代の寵児と持てはやされていた堀江貴文氏のライブドア株のことでした。

私を含めて数人の社員がこのライブドア株を保有していたのです。

ところが、そのわずか数日後の2006年1月16日、証券取引法違反容疑で、東京地検特捜部がライブドアへ踏み込みました。当然、株は暴落します。

心配通り、翌日から株式市場全体が暴落した「ライブドア・ショック」が始まったのです。

それまで株取引で大きな損失を出した事がなかった私は、その晩から心配で寝付けなくなってしまいました。

1株740円ほどで手に入れていたライブドア株をやっと売却できた時には、1株130円の価値しかありません。

そして、3年間で稼いだ100万円の利益は、たった数日でほとんど吹き飛んでしまったのです。

ここで株式取引をやめていれば、プラスマイナスゼロで済みました。

しかし私は利益を失ったショックで、冷静な判断ができる状態ではありませんでした。

損失を取り返すための資金作り=キャッシング

大きな損失を出すと、今度は何が何でもそれを取り返そうとしてしまいます。

もちろん取り返せるあてなど何もありません。判断力を失うというのは、本当に恐ろしいことです。

当時、モビットで有名になった「カードローン」が、契約キャンペーンを行っていました。カードを作ると、数千円から1万円ほどのキャッシュバックが受けられたのです。

私は分割払いもローンも大嫌いだったのですが、キャッシュバック目当てに何枚かのカードを作っていました。

当時、持っていたカードは以下の5枚です。

  • モビット:限度額30万円 金利18%
  • オリックスVIPローンカード:限度額200万円 金利10%
  • あおぞら銀行マイワン:限度額150万円 金利11.8%
  • キャッシュワン:限度額100万円 金利14.8%
  • オリコ CRESTカード:限度額50万円 金利18%

申し込み方法はいずれもインターネットからの申し込みで、申し込み用紙と昨年の源泉徴収票を郵送で送るだけでした。

私はこれらの借入れを元手に、再び失った損失を取り返そうと考えたのです。

思惑は外れ、さらに損失を増やすことに...

ライブドア・ショックで株価が大きく下落していた当時の株式市場では、どの株もお買い得に見えました。

下落した原因はライブドア1社だけなので、他の会社の株価はすぐに再上昇すると考えたのです。

そこで、ある会社の株の信用取引に200万円をつぎ込みました。

このお金は、最も融資枠が大きくて金利の低かったオリックスVIPローンカードから借り入れたもので、200万円は融資枠の上限でした。

「信用取引」とは、普通に買う時の約3倍の株が買えるという取引方法です。

10%でも株価が上がれば、すぐに売却して20~30万円ほどの利益を手に入れ、借りた200万円はすぐ返済してしまうつもりでした。

しかし予想に反して、その後も株価は下落し続けます。

信用取引で買った株が大きく値下がりした場合には、「追証」という追加資金を証券会社に入金する必要がありました。

私が買った会社の株も、あっという間に追証が必要になってしまったのです。

そこであおぞら銀行のマイワンカードで150万円ほど借りて、追証を入金しました。

さらに信用取引には毎日利息がかかる上、株の返済期限もあります。買った日から6ヶ月経過すると、決済しなければなりません。

しかし結局、6ヶ月経っても株は買った値段まで戻る事はなく、損失が確定してしまいました。こうして350万円を投じて購入した株が、100万円ほどに目減りしてしまったのです。

このため私は「さらにカードローンで借金して株を買って、この損失を取り戻さなければ」とますます焦ってしまいました。

ジェットコースターのように増えていく損失と借金

わずか6ヶ月ほどで250万円を失ったわけですが、それでも私は目が覚めませんでした。

勝てる根拠などないのに「今からでも月に20万円ずつ勝てば、1年で借金は全て返済できる」という考えしか浮かばなかったのです。

その後も似たような失敗を繰り返しては、そのつどキャッシュワンやオリコカードにも手を出して、限度額いっぱいまで借りるという事を繰り返します。

こうして半年経つ頃には、借金は500万円に到達してしまいました。

新しく株を購入する時に借り入れをして、追証が発生したからさらに借り入れる、という悪循環の繰り返しです。

しかもネット証券は株券そのものを見る事はなく、金額は単なる数字という感覚なのです。

ですから「大きな損害を抱えてしまった」という実感も沸かないままでした。

株式投資が理由だと自己破産が認められない?

借金が350万円を超えた頃、私はExcelを使って、非常に楽観的な利益管理や利益予想などを始めました。

これは株式投資入門の本などを読んだ影響なのですが、そこに「きっちり損益管理していれば、損失もそれ以上増えない」というようなことが書かれていたのです。

しかしこれが逆に、「借金を計画的に返済しよう」と考えるきっかけになりました。

Excelで金利による元本の増加と返済による減少をグラフ化してみたら、自分の置かれた危機的状況が明らかになったのです。

この頃は、すでにカードローン会社からの毎月の返済額合計が14万円にもなっており、給料では払えないレベルに達していました。

私はようやく、「自己破産」という言葉を、現実のものとして認識したのです。

しかしいろいろ調べてみると、「株の売買で損をしたから」という理由で自己破産を申請しても、債務免除にはならないという事が分かりました。

そこで私は気持ちを切り替えて、「どうやって返済するかだけ」を考えるようになったのです。

この時は「やっとジェットコースターから降りられる」という気分でした。

おまとめローンや保険の契約者貸付を利用

こうして趣味も遊びも捨てて、給料の中から家賃・光熱費・食費・通信費を除いた月17~20万円ほどを返済に回すという生活がはじまりました。

しかしそれからは、むしろ借金が減っていくことが楽しくなっていったのです。

私は早期完済を目指して、さまざまな工夫をしました。

まず、給料日直前に「今月はこれ以上、生活費がかからない」と分かった時点で、残っているお金を全額繰り上げ返済に回しました。

カードローンはコンビニATMなどから、いつでも繰り上げ返済できるからです。

またオリコカードのクレジットカード利用明細に同封されていた「借り換えローン」に申し込みました。

これで残っていた残債200万円を、金利12%で36回払いでまとめるという契約ができたのです。

こうして毎月の返済額を合計で8万円に圧縮でき、金利負担も減らせたことは幸運でした。

実は、私はこれまで公共料金や携帯などの支払いを、全てオリコカードで行っていました。

今まで返済が遅れたこともまったくなかったので、こうした契約ができたのかもしれません。

さらに、以前かんぽ生命の養老保険に加入した際に作っていた「契約者貸付カード」を使って、貸付可能額200万円を借り、これをオリコの借り換えローン返済に回しました。

養老保険の契約者貸付は金利がわずか1%だったのです。

こうしてさらに負担を減らすことができました。

その後、賞与も全て返済に回してがんばった結果、2年ほどで全額完済する事ができたのです。

素人の株取引は慎重に

完済後、私は金利が低かったマイワンカード1枚だけを残しておいて、他のカードローンは全て解約しました。

最近はローンに対する敷居が随分と低くなったと思います。

上手く使いさえすればローンは便利ですが、私のような安易な利用は控えるべきでしょう。

また素人は「株は少しの値上がりだけで大金を儲けられる」と錯覚してしまいます。

しかし、株式取引は機械を相手に行われているわけではなく、常にこちらを負かそうとしている玄人の人間たちが相手です。

「簡単に勝ち逃げできる」と思わないことが大事だと思います。

そして毎日数兆円が動く株式取引を行っていると、だんだん「200~300万円などちっぽけなもの」と思ってしまいます。

しかし普通に働いて200~300万円を稼ぐには、大変時間がかかります。時間をかけて稼いだ大事なお金を、よく分らないものに投じるのはやめた方がいいでしょう。

→債務整理の弁護士事務所を徹底比較。費用、対応地域、実績、顧客対応

同じテーマのログ(記事)ランキング

人気のログ(記事)ランキング

同じテーマの記事の一覧

カテゴリ一覧

キャッシングの基礎
ローンの基礎知識
キャッシングの体験談
注目の特集
レビュアーによる検証
債務整理体験談
全国各地のむじんくん(自動契約機)の詳細情報