社長が知られたくない給料前借りのルール。一度は読んでおこう!

ドラマや漫画で主人公が給料の前借りを申し出るシーンがよく出てきますが、現実世界でも「給料の前借り」は可能なのでしょうか?

漫画のように、会社の誰かが前借りを申し出るシーンを目撃することはまずないと思いますし、会社側から「給料の前借りについては...」と説明してくれることもないので、実際のところよくわかりませんよね。

今回は、

「会社は給料の前借りに応じてくれるのか?」
「いくらまで前借り可能なのか?」
「前借り時の注意点、気をつけるポイントは?」

など、給料の前借りについて詳しく検証してみました。

  • 目次
  • 会社は「給料の前借り」に応じる義務はあるの?
  • 前借りに応じてもらえるケースとは?
  • 前借りを申し出る前に知っておきたい2つのポイント
  • 後々のトラブルを防ぐ!借用書を活用しよう!
  • 本当に給料の前借りが必要なのか?

会社は「給料の前借り」に応じる義務はあるの?

労働者が給料の前借りを希望した場合、会社側は応じる必要があるのか?労働に関する法律-「労働基準法」を調べてみました。

そもそも、労働基準法における「給料の前借り」とは、

「これから働くことを前提にして給料を先渡しする」ことではなく、「これまで働いた分の給料を指定の給料日前に支払う」こと。

会社と労働者の間で合意があったとしても、前者は「強制労働」にあたり、労働基準法違反となってしまいます。

では、労働者が後者を希望した場合、会社側は応じる義務があるのでしょうか?

実は、会社側が前借りに応じなければならないという法的な義務はありません。前借りの申し出に応じるかどうかは会社の裁量次第、ということになります。

前借りに応じてもらえるケースとは?

前章で説明したとおり、給料の前借りに応じるかどうかは会社次第ですが、「前借りに応じなければならない」と法律で定められているケースもあります。

たとえば、

  • 労働者自身、もしくは労働者の妻が出産する場合
  • 労働者やその家族が急な事故や病気で入院、もしくは高額な治療を受けることになった場合
  • 地震、雪害、津波など予期せぬ自然災害で家屋などに甚大な損失を受けた場合
  • 親族に対してやむを得ない出費が必要になった場合

労働基準法第25条本文によれば、

使用者は労働者が出産、疾病、災害その他厚生労働省令で定める非常の場合の費用に充てるために請求する場合においては、支払期日前であっても、既往の労働に対する賃金を支払わなければならない。

つまり、労働者本人や労働者の収入によって生計を維持している家族が出産したり、病気になったり、災害に遭ったりした場合は、前借りに応じることが法的に義務付けられる、ということです。

ちなみに、「その他、厚生労働省令定める非常の場合」というのは、

労働者の収入によって生計を維持する人が死亡した場合や、結婚などやむを得ない事情で一週間以上帰郷する場合

とも定められていますので、親族の結婚式やお葬式などに参列しなければならない、という理由でも認められます。

もちろん、浪費による金欠など個人的な理由で前借りを申し出ることもできますが、応じてもらえるかどうかは会社の裁量次第です。

前借りを申し出る前に知っておきたい2つのポイント


前借りした給料を受け取る時期

先ほど挙げた労働基準法第25条には、

非常の場合の費用に充てるために請求する場合においては、支払期日前であっても、既往の労働に対する賃金を支払わなければならない

とありましたが、いつ支払うかまでは明記されていません

前借りを申し出ても、申し出たその日にもらえるかどうかはわからないのです。

前借りで受け取ることができる金額

前借りして受け取ることが出来るのは、あくまでも「既往の労働」で得たもののみ。つまり、既に働いた日数分の給料しか受け取れません

例)
給与算定期間 : 毎月1日~30日までの働いた日数
前借りを申し出た日時 : 15日の勤務終了時
前借りで受け取れる金額 : 1日~15日までの働いた日数分の給料

企業によっては、勤務日数に関係なく、必要な金額の前借りを提案してもらえるかもしれません。

ただしその場合、法律上は「会社-労働者間のお金の貸し借り」ではなく、「経営者個人-労働者個人間のお金の貸し借り」となります。

また、ここで仮に、「前借りをした分、来月分の給料から天引きする」などと会社側が強制的な労働を課した場合は、労働基準法17条で定められている「前借金相殺の禁止」事項にあたり、労働基準法違反となる恐れがあります。

後々のトラブルを防ぐ!借用書を活用しよう!

給料の前借りといってもしょせんはお金の貸し借りです。お互いの認識にズレが生じていた場合、後々トラブルになることも考えられます。

そういったトラブルを回避するために、「金銭借用書」を活用しましょう。

私たちが行うお金の貸し借りは「金銭消費賃貸借契約」という法律行為にあたり、「民法」が適用されます。

そしてこの「金銭消費貸借契約」は、「1万円貸して!」「いいよ!」などのような口約束でも契約として成立するのです。

しかし、口契約では曖昧になってしまう部分も多いですよね。

お互いの認識がズレていると、「給料日に金額が少ないとクレームを受けた」「返済期日になっても返済されない」など、何らかのトラブルを引き起こしかねません。

そういったトラブルを避けるために役立つのが「金銭借用書」です。

金銭借用書があれば、お互いが同意した契約内容を形に残すことが出来るので、認識違いによるトラブルを防ぐことができます。

市販品や、インターネットから手軽にダウンロードできるテンプレートも存在しますが、会社で既定のものがあれば使用すると良いでしょう。

「金銭借用書」に記入する主な内容は、

  • 金額
  • 日時
  • 借主名、貸主名(会社から借りる場合は社長名になることが多い)
  • 返済期限
  • 返済方法

ただし、金銭借用書に法的な拘束力はありません

そのため、拘束力を高めるためには法的な執行力を持つ「公正証書」を使用する事をお勧めします。

借用書については、『【保存版】法的に効力を持たせる借用書の書き方(個人間の場合)』にて詳しく解説しています。

本当に給料の前借りが必要なのか?

ここまで、前借りが可能な場合や前借り時の注意点を紹介してきましたが、最後にひとつだけ。

「本当に前借りしなくてはならない状況なのか?」よく考えましょう。

安易に前借りすると、周囲の評価や印象が悪くなることも考えられますし、場合によっては今後の出世にも関わってきます。

緊急の場合でも、例えば自分が積み立てていた貯金を崩したり、家族や友人に支援をお願いすることもできるはずです。

もしあなたが前借りを検討しているのであれば、自分と会社にとって最善の方法は何なのか、見定めてから決断するようにしてくださいね。

この記事の筆者

七沢 七瀬(ななさわ ななせ)
学生時代より放送業界にて経験を積み、広告・宣伝、雑誌の編集などをへてフリーランスに。英語講師の資格を持ち、海外での体験を活かしながらさまざまな媒体の広報を務めている。映画鑑賞、お菓子作りが趣味。現在第一子の出産を控えており、育児生活に向けて奮闘中。

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