社長が知られたくない給料前借りのルール。一度は読んでおこう!

「給料の前借りってできるのかな?」

「だれも言い出したことなさそうだから、お願いしづらいなぁ・・・」

冠婚葬祭や病気での入院...
金欠のときにかぎって、まとまったお金が必要になるものですよね。

そんなときに便利なのが、給料の前払い。

あまり知られていませんが、一定の条件を満たせば、会社に給料の前払いを請求することができます。

請求された会社は、原則これを拒むことができません。

給料の前払いの請求は、法律で認められた従業員の「権利」なのです。

それでは、一定の条件とは何でしょうか?

今回は、給料の前払いをうけるための条件にはじまり、

  • いくらまで前払いしてもらえるのか?
  • パートやアルバイトも請求可能なのか?
  • 利息や手数料はかかるのか?

これらの気になる点をマルっとまとめて、解説しました。

「とにかく急ぎでお金を必要だけど、カードローンは使いたくない!」

今回の記事はそんな方にオススメです。

身近で遠い存在の給料の前借り。

今日からは思い切って利用できるようになりましょう!

この記事のアドバイザー・編集者情報

  • 田所 伸吾弁護士・司法書士

    京都大学法科大学院を修了後、司法試験に合格。
    宮崎県にて弁護士として活動中。
    得意分野は、債務整理、債務整理。中小企業支援などにも取り組んでいます。

  • 井上 通夫行政書士

    現在福岡市内で、行政書士事務所を開業しています。
    専門業務は、民事法務(契約書作成、離婚協議書作成など)、相続業務をはじめとして、許認可業務、公益法人業務まで幅広く対応しています。

  • 松田 一郎私が編集者です!

    博多生まれ横浜育ち。アラフィフの3児の父。出版社に12年勤務後、フリーランスに。結婚後、住宅ローンに教育費、生命保険に国民年金などなど、否応なしにかさんでいく家計を少しでも節約すべく、お金の勉強をはじめました。自分の体験や節約術が、同じような悩みを抱えている方々のお役に立てばという思いを込めて、ファイグーの記事制作にいそしんでいます。フィナンシャルプランナー2級技能士。日本サッカー協会公認D級指導員。

一定の条件を満たせば給料を前払いしてもらえる!

一定の条件を満たせば、会社に給料(給与)の前払いを請求することができます。

その根拠になっているのは、労働基準法の第25条です。

25条には、次のような内容が記されています。

労働者が、出産、疾病、災害等の非常の場合の費用に充てるために請求する場合は、賃金支払期日前であっても、使用者は、既に行われた労働に対する賃金を支払わなければならない

厚生労働省「労働基準法第25条(非常時払)について」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001aune.html

つまり、

  • 従業員は、非常時に賃金(すでに働いた分)の前払いを会社に請求できる
  • 会社側は、この請求に応じなければならない(※1)

ということですね。

※1
会社側が支払いを拒んだ場合、30万円以下の罰金が課せられることもあります。

「非常時」にあてはまるのは?

では、「非常時」とは具体的にどのような場合でしょうか?

労働基準法施行規則の第9条によれば、「非常時」について、具体的に次のようなケースが挙げられています。

  • 出産
  • 病気
  • 災害
  • 結婚
  • 死亡
  • やむを得ない事情による1週間以上の帰郷

また、対象者は従業員本人に限定されるわけではありません。

その従業員の給料によって養われている家族も対象になるため、下記のようなケースも「非常時」と認められます。

例)

  • 妻(夫)が病気にかかって入院した
  • 同居していた母親が死亡した

ただし、一般的に「非常時」といえないようなケースは、認められない可能性もありますね。

例)

  • 結婚したため新婚旅行の費用が必要
  • (特別な理由はなく)帰郷するための費用が必要

いくらまで前払いしてもらえるの?

労働基準法の「非常時払」では、すでに働いた分の賃金のみ請求可能です。

たとえば、8月10日の終業後に申請する場合、8月1日~10日までの賃金を請求することができます(月末締めの前提です)。

基本給以外(残業代、各種手当、賞与、退職金など)を請求できるかどうかは、会社に対応が分かれるので注意してください。

いつまでに払ってもらえるの?

法律で決められていないので、会社次第です。

「非常時払」を申請してもすぐに前払いしてもらえるとは限らないので、注意してください。

パート・アルバイトでも請求可能

「非常時払」を利用できるのは正社員だけではありません。

パート・アルバイト、派遣社員、契約社員など、いわゆる非正規雇用者でも利用できます。

一方、下記の職業・勤務先は労働基準法の適用外なので、「非常時払」の利用は不可です。

  • 従業員が同居の親族のみの会社
  • 家事使用人、お手伝いさん
  • 公務員
  • 船員

利息や手数料はかかるの?

「非常時払」の場合、利息や手数料はかかりませんし、後日返済する必要はありません。

ただし、本来の給料日に前払い分を差し引いた給料が支給されることになります。

誰に申し出ればいいの?

一概にいえませんが、

パート・アルバイトなら勤務先の社員や店長に、

派遣社員なら派遣会社の担当者に、

契約社員・正社員なら、所属している部署の責任者や経理部の担当者に相談してみましょう。

会社から給料を前借りできる?

前借りとは、期日(給料日)より前にお金(賃金)を借りるという意味です。

では、労働基準法の「非常時払」にあてはまらない場合、会社から給料を前借りすることはできるのでしょうか?

前借りの可否は会社次第

給料の前借りに関して法律的な義務はありません。

「前借り可能かどうか」は、あくまでも会社の規則や裁量次第です。

また、下記の点も会社によって対応が分かれるので、問い合わせてみましょう。

  • どのような理由なら給料の前借りを認めるか
  • 誰が借入れ可能か(例、正社員はOK、アルバイトはNGなど)
  • 前借り可能な金額
  • 基本給以外(賞与や退職金など)の前借りは可能か
  • 返済についてのルール(返済日、返済方法など)
  • 利息

また、給料の前借りを頼む方法ですが、こちらは労働基準法の「非常時払」の場合と同じです。

パート・アルバイトなら勤務先の社員や店長に、

派遣社員なら派遣会社の担当者に、

契約社員・正社員なら、所属している部署の責任者や経理部の担当者に相談してください。

お金が必要な理由を説明して、前借りしたいと伝えてみましょう。

給料を前借りしたら利息を払わなければならないの?

「給料の前借り=会社からの借金」なので、会社によっては金利を設定しています。

つまり、前借りした金額に加えて、利息を支払わなければならないのです。

ただし、会社が自由に金利を設定できるわけではありません。

設定可能な金利については、利息制限法で制限されています。

金額 上限金利
(年利)
10万円未満 20%
10万円以上100万円未満 18%
100万円以上 15%

上記の範囲内なら設定可能です。

例)
金利10%で、10万円を30日間借りた場合の利息は、

10万円×10%÷365日×30日=約822円

給料を前借りするときの注意点

ここからは、会社から給料を前借りすることになったときの注意点を説明していきますね。

「完済まで退職できない」は違法

たとえば、「完済するまで退職はできない」といった条件を会社から突きつけられるケースがありますが、そのような要求は違法です。

気にせず断りましょう。

借金を承諾するかわりに労働に条件を付ける行為は禁止されています(労働基準法の第17条「前借金相殺の禁止」または同法第5条「強制労働の禁止」の項目で禁止)。

給料からの天引きは禁止されている

会社が、従業員の給料から、勝手に前借り分を天引きして相殺することは禁じられています(先ほどと同様に労働基準法第17条「前借金相殺の禁止」の項目で禁止)。

ただし、あらかじめ従業員と会社双方が天引きについて同意しており、同意書を作成していた場合は例外です。

トラブルを避けるために借用書を作成しよう

会社に給料の前借りを請求する場合、トラブルを避けるために借用書を用意しましょう(会社所定の書式・申請書がある場合はそちらを利用してください)。

借用書を作成する場合は、次の項目を記載します。

  • 1借用書の作成日
  • 2借入日
  • 3借入金の金額
  • 4返済方法・期限
  • 5借主の氏名・捺印
  • 6会社名、代表者名
  • 7利息について
  • 8遅延損害金について
  • 9不払いの場合の処置

1~6は必要項目ですが、7~9は会社から指示がない限り、記載不要です。

ここで借用書の見本を紹介しておきます。

※下の画像はタップで大きくなります。

借用書見本

上の借用書では返済方法を明記していませんが、多くは「給料日に直接会社に返済する」などの方法を取ることになりますね。

ただし、会社と従業員が双方同意すれば、給料の天引きによる返済も可能です。

この場合は、同意書を作成する必要があります。

下記は同意書の見本です。

※下の画像はタップで大きくなります。

同意書見本

手数料はキャッシングより高い!話題の「給料前払いサービス」に要注意!

ここ最近、民間の給料前払いサービスを利用する会社が増えています。

この給料前払いサービス、一体どんなサービスなのでしょう?

ポイントは下記の4つです。

  • 勤めている会社と、給料前払いサービスを提供する会社が提携していることが前提条件
  • 従業員は、パソコン、スマートフォンで前払いの申込み可能(会社や上司の承認は一切不要)
  • 前払いの給料は口座に入金される
  • 前払いした分は、次回の給料から差し引かれる(このとき、振込手数料や利用手数料も差し引かれる)

従業員としては、「手軽に前払いしてもらえる」というメリットがありますし、

会社としては、「負担なしで給料の前払い制度をはじめめられる」「前払い制度があると求人応募が増える」

などのメリットがあるようです。

手数料はキャッシングより高い!

いいことづくめに思える給料前払いサービスですが、大きな落とし穴があります。

給料から前払い分が差し引かれる際、手数料も一緒に引かれるのですが、この手数料が異常に高いのです。

ここで、代表的な前払いサービス会社の手数料をチェックしてみましょう。

サービス名 手数料
E社 前払い金額の6%+100円
A社 前払い金額の6%+振込手数料
C社 ATM手数料のみ
M社 前払い金額の6%+324円

会社によって異なりますが、一部の業者は前払い金額に対して「6%+α」の手数料を徴収します。

例)
前払いで10万円を受け取った場合、
10万円×6%=6,000円
この場合、次回の給料から6,000円が手数料として差し引かれます。

次回の給料日まで1ヵ月と仮定すると、月利6%。

これを年利に換算すると、なんと72%です!

この金利は、一般的な消費者金融や銀行カードローンと比べて3倍以上高い手数料になるんです!

キャッシング・カードローン 金利手数料(年利)
アコム 3.0~18.0%
プロミス 4.5~17.8%
モビット 3.0~18.0%
三菱東京UFJ銀行カードローン バンクイック 1.8~14.6%
三井住友銀行カードローン 4.0~14.5%
みずほ銀行カードローン 2.0~14.0%

民間の給料前払いサービスを利用する際は、あらかじめ手数料がいくらかかるのか、よく確認しておきましょう。

また、高額の手数料を取られる場合はむやみに利用しないようにしてください。

まとめ

最後に今回のポイントをまとめていきましょう。

一定の条件を満たせば給料を前払いしてもらえる!

  • 従業員がすでに働いた分の賃金を会社に請求した場合、会社側は、非常時に限りこの請求に応じなければならない
  • 「非常時」とは?
    • 出産
    • 病気
    • 災害
    • 結婚
    • 死亡
    • やむを得ない事情による1週間以上の帰郷
  • すでに働いた分の賃金のみ請求可能
  • 正社員だけでなく、パート・アルバイト、派遣社員、契約社員など、いわゆる非正規雇用者でも請求可能
  • 利息や手数料はかからず、後日返済する必要もない
  • 次回の給料日に前払い分を天引きされる

会社から給料を前借りできる?

  • 労働基準法で認められた「非常時」にあてはまらない場合、「前借りするかどうか」は、会社ごとの規則や裁量次第
  • 前借りが認められる理由、対象者、借入可能な金額、返済についてのルール、利息などの条件は会社によって異なる(設定可能な金利の上限については、利息制限法で制限されている)
  • 会社側が、借金を承諾するかわりに、労働に関して条件を付けることは禁止されている
  • 会社が、従業員の給料から、勝手に前借り分を天引きして相殺することは禁じられている(あらかじめ従業員と会社の双方が天引きについて同意していた場合は例外)
  • 後々のトラブルを避けるために借用書を用意したほうがいい
  • 返済方法を「給料からの天引き」とする場合は同意書を用意する必要がある

最近話題の「給料前払いサービス」に要注意!

  • 勤めている会社と民間の給料前払いサービスが提携している場合は利用可能
  • パソコンやスマートフォンから前払いの申込みができる(会社内での申告は一切不要)
  • 前払いした給料は、口座に入金される
  • 前払いした分の給料は、次回の給料から差し引かれる(このとき振込手数料や利用手数料も差し引かれる)
  • 給料前払いサービスによっては、月6%の高額な手数料がかかることもあるので要注意(年利に換算すると72%)

いかがでしたか。

本当に困ったときは給料の先払い・前借りを利用する手もありますが、繰り返し利用するようになると自転車操業状態になってしまう危険をはらんでいます。

今はよくとも、あとで必ずツケが回ってくることを忘れないようにしましょう。

最後になりましたが、お金に困ったときに相談できる機関や、お金を用立てる方法についても紹介していますので、興味があれば読んでみてください。

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