家族に内緒の自己破産がいつの間にバレてしまう3つのパターン【体験談】

この体験談について

軽い気持ちで組んだエステのローンが、全ての始まりでした。その後医療や生活のための借金を重ね、借入額は積もり積もって260万円。給料の3分の2が返済に消える事態に、とうとう自己破産を決意しました。

前回までのあらすじ

浪費を重ねるうちに借金が膨らみ、やがて医療費や生活のためにまでカードローンするようになった私。借入総額は260万円になり、法テラスで弁護士に相談し、民事再生の手続きをすることに。最終手段の自己破産を選ばなかったのは、自分にはなりたい職業があったからでした。

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>>>自己破産?民事再生?クレジットカード使いすぎ派遣社員の債務整理【体験談】

民事再生を開始

弁護士事務所に足を運び、いよいよ本格的に債務整理がスタート......と思いきや、弁護士から次の点を再度確認されました。

「本当に、両親や親戚の方に助けてもらうことはできませんか?費用もかかりますし、法的手段に訴えずに済むのが一番ですから」とのことでした。

しかし私は、自分の儲けを度外視した弁護士の言葉を聞き、逆に安心して任せようという気持ちになったのです。

私は両親に迷惑をかけたくない気持ちがあったので、民事再生で進めてもらうことになりました。また家族にばれないように手続きを進めたかったので、その希望も伝えたのです。

手続きに必要な費用は、法テラスの立て替え制度を利用することにしました。

民事再生では、まず「民事再生の申し立て」が裁判所に認められなければ、この方法で債務整理を進めることはできません。

裁判所が判断するポイントは、「この債務者は、減額した借金を本当に3年間払い続けて完済できるか?」というところ。

途中で返済が滞れば、債務額はまた元に戻ってしまいます。

その点で私の、契約社員という立場は不利でした。1年ごとの有期契約ですから、厳密に言えば3年間の収入は保証されていないことになります。

そのため「契約更新のためのノルマ等はなく、よっぽどの不祥事を起こさなければ社員でいられる」「既に何度も契約を更新しており、周りの先輩を見る限り、次回の更新で正社員になれるはず」

など、支払い継続能力を認めてもらえるような事実をたくさん集めるしかありませんでした。

債務整理がバレてしまう3つのパターン

すでに弁護士にも伝えたとおり、私はなるべく周りに知られずに債務整理したいと考えていました。秘密が漏れてしまうパターンとしては、大きく3つあるそうです。

弁護士事務所とのやり取りからばれる

これについては、私は親元から離れて住んでいたので、まず大丈夫だろうということになりました。

親と同居している人の場合、やり取りをメールだけにしたり、弁護士事務所の電話番号を架空の友人名で携帯に登録してもらったりして、配慮するそうです。

いずれにせよ家族等に内緒で手続きしたいと考えているなら、その希望を最初にしっかりと弁護士に伝えておく必要があります。

裁判所へ出向いた時に見つかる

手続き中、何らかの理由で債務者本人が裁判所から呼び出されることがあるそうです。

そんな時に知り合いとばったり遭遇し、「どうしてこんな所にいるの?」と聞かれたら困ってしまいますね。

よくあるごまかし方(笑)としては、スピード違反による出頭ということにしたり(実際に経験がないとボロが出てしまうと思いますが)、「うん、ちょっと......」等と言葉を濁して相手の想像に任せたり(裁判員か何かだと思ってもらう)、だそうです。

官報の記載を発見される

民事整理や自己破産を行うと、「官報」に名前と住所が載ります。官報は、日本政府が休日を除き毎日発行する機関紙です。

これについては、日常的に官報をチェックするような身内・知人がいなければおそらく大丈夫、程度のことしか言えません。

今は官報もネットで全文検索できるので、昔に比べてリスクは若干上がっています。

弁護士さんの経験の中では、官報の記載をネットの掲示板にコピペされてばれたケースもあるそうです。

その時の依頼人は過去に個人的な恨みを買っていて、転載はその復讐だったようです......。

復讐されるような心当たりはありませんでしたが一応、覚悟を決めました。(現在、免責決定が出てから一年ほどになりますが、今のところばれてはおりません)

弁護士事務所の口座に月3万円の積立て

ここまでの説明が終わった後、具体的な手続きに入りました。住民票や給与明細など必要な書類の指示を受けたり、費用を法テラスに立て替えてもらうための申請用紙に記入したりしました。

この時点で弁護士への依頼が正式に成立し、「債権者へ受任通知を発送します」と告げられました。

受任通知は介入通知ともいい、債務整理の依頼があったことを、債権者である金融機関に通達するものです。

受任通知が出されると、カードローンの返済やクレジットカードの引き落としが一時的にストップします。

手続き中も返済が進んでいると、正確な債務額が分かりにくくなるためです。弁護士から受任通知を送る前に、2つのことを済ませておくように言われました。

  • 1給与振込口座の変更。今回の債権者に含まれる銀行の口座にしていたので、変えた方が良いとのこと。
  • 2他にも、今回の手続に関係する銀行の口座に残っているお金は、全額引き出しておくこと。

「どれも真っ当な金融機関ですから、受任通知を受けて預金を取り上げるようなことはないとは思いますが......念のためです」とのことでした。

その後2か月ほどかけて、弁護士と面談したり電話で話をしたりして、裁判所に申し立てを行うための書類が出来上がっていきました。

並行して、弁護士事務所の口座に月々3万円の積み立てを開始しました。

積み立て金は申し立て時の費用(印紙代)及び返済の一部に充てられます。

また任意整理の分割払いが始まる前に、収入から毎月3万円支払う習慣をつけておけば、返済がスムーズに進むので、その練習も兼ねているのです。

しかしそのように2か月ほど積み立てをしてみて、私の心の中で、だんだん不安が大きくなってきました。

自己破産へ変更を決心

実はこの頃、会社で残業時間を減らす取り組みが本格的に始まりました。残業代がほとんどつかなくなり、収入が15万円から13万円に減ってしまったのです。

また、昔の病気がらみで一度病院に行くはめになったこともありました。

具合が悪いときにすぐ医者にかかれるのはありがたかった(月10万の返済をしていた頃は医療費が気になって我慢していた)のですが、本当にこれで良いのかと考え込んでしまいました。

返済額が月3万円になると、以前のような赤字にはなりませんが、収支はトントンです。任意整理を行う3年の間、緊急事態が起こらないとも限りません。

もう一度病気に罹ったり、家族に何かあったりすれば、あっというまにマイナスになります。

また、無事に完済できたとしても、それは負債がゼロになっただけに過ぎません。3年後、30歳を過ぎてから、自分のための貯金を1円からスタートしなければいけないのです。

このような不安を弁護士にメールすると、都合の良い日に面談しましょうと返ってきました。

「ここから自己破産に切り替えることは可能です。ただそうすると、添田さんが希望されていた職業への道は、絶たれる可能性が大きくなります」

そう告げられ、更に数日考えて、結局、自己破産に切り替えることを決心しました。

夢を諦めるのは、何も考えず贅沢三昧の日々を送った自分への、当然の罰だと考えました。

裁判所から反省文を求められる

任意整理の場合は、「契約社員だが何とか3年間は返済を続けられる」ことを証明する方向で動いていました。

しかし自己破産になると、逆に「契約社員なので将来の保証がなく、返済の継続は難しい」と申し立てすることになります。話としてはこちらの方が自然ですよね。

私が最初に自己破産を進められたのも、正社員でないことが理由の1つにあったようです。

このほか費用や必要書類の変更についても、弁護士の指示に従って作業を進めました。

書類が全て揃った後、裁判所の「審尋(しんじん)」について説明がありました。

申し立てを行ってから数日ないし数週間後、裁判所に債務者本人が呼び出され、借金の経緯や今後更正する心構えについて問いただされることがあるそうです。

私の債務も、後半こそ生活苦のため余儀なくされた借金でしたが、はじめはエステや娯楽費です。

本当に反省していて、この先も借金を繰り返さないかどうか、確認のため呼び出される可能性は十分あるとのことでした。

審尋になったら、会社は何と言って休もうか......
裁判所に行くとき、誰にも見つかりませんように......

そわそわした気持ちを抱えたまま過ごしていると、弁護士から電話がありました。

「本日裁判所から連絡が来まして......反省文を書きなさい、とのことです」

「ええ!?」思ってもみなかった展開でした。

便箋10枚の分の反省文

裁判所に出向く必要はなくなりましたが、この文章で反省の念をきちんと伝えなければ、自己破産を認めてもらえません。

悩みながら下書きと推敲を繰り返し、最終的に以下の内容をしたためました。

  • 今までの無駄遣いについて簡単なまとめ
  • 上記の無駄遣いについて、十分に反省していること
  • 受任通知で返済がストップしている間、家計をきちんとやりくりできたこと
  • 債権者に対し、本当に申し訳ないと思っていること
  • 再出発のチャンスを与えられれば、社会に貢献できる人間になるべく必死で努力したいと考えていること

便箋にびっしり10枚、弁護士に手渡すと「うわあ、分厚いですね!」と笑って驚かれました。

長すぎたのかと思い焦っていると、「気持ちがこもっている分には大丈夫です。中にはメモ用紙に1枚、『これから気をつけます』程度の文を書いて済ませようとする人もいるので......」と言われました。

信じられない話ですが、世の中いろいろな人がいるものですね。

そのような人は大抵、裁判所へ呼び出され、結局申し立てが認められないケースもあるそうです。

同時廃止決定と免責許可決定

数日して弁護士からメールがありました。

反省文を提出後、直ちに同時廃止(返済不能、かつ差し押さえる財産もないことを認める)決定が出たという連絡でした。

そしておよそ3か月後、免責許可決定が出ました。

民事再生で進めていた頃に預けていた積立金(2か月分で6万円)は、自己破産の申し立てに掛かった15,000円を差し引いて返金されます。

そのお金を受け取るため弁護士事務所に行き、その日をもって、私の債務整理は完了したのです。

手続に必要な書類について

以下に挙げる書類は、あくまで私の場合に必要だったものです。

あなたの事情によって(事業を行っている、不動産を所有しているなど)内容は変わる可能性があります。詳しくは担当の弁護士におたずねください。

民事再生に必要だった書類

大きく分けて、「住民票の写し」「収入を証明する書類」「財産の有無を証明する書類」の3種類でした。

住民票の写し

こちらは今までの日常生活で取得したことがある人も多いと思います。

引越しに伴ってきちんと住民票を移していれば、お住まいの自治体の役所で手に入ります。

収入を証明する書類

基本的には

  • 過去3か月分の給与明細
  • 2年分の源泉徴収票

だそうです。

私は源泉徴収票が手元になかったのですが、弁護士に話すと、市役所で「市・県民税課税証明書」を取得するよう言われました。(自治体によっては『所得・課税証明書』等の名称で呼ばれているかもしれません。お住まいの自治体のホームページを調べれば、何と呼ばれているかすぐに分かると思います。)

この証明書は、その名の通り住民税の課税額を記したものですが、課税額の計算に必要な「所得額」も併記されているので、収入の証明としても使えるのです。

社会人ならご存知かと思いますが、住民税は、毎年1月1日時点で住民票のある自治体に対して納めます。

そのため「市・県民税課税証明書(所得・課税証明書)」も、所得証明したい年の1月1日に住んでいた地域の役所で取得する必要があります。

最近引っ越しをしたという場合は、少し面倒かもしれませんね。

財産を証明する書類

私の場合は

  • 預金通帳
  • 保険証書
  • 無資産証明書

を提出しました。

要は財産と考えられるものを全て打ち明けるわけです。保険も、解約すると返戻金があったりしますので、財産にカウントされるようです。

最後の「無資産証明書」は、不動産を所有していないことを証明するものです。

こちらも市役所の税金関係の部署(固定資産税課など)で手に入ります。普通の人はあまり申請しない証明書だと思いますので、市役所に知り合いがいる場合は少しやりにくいかもしれませんね......。

自己破産に必要だった書類

基本的には民事再生と同じです。

民事再生ほどは収入の証明が重要でないのか、所得証明は1年分、給与明細も1か月分だけで良いとのことでした。

家計表

民事再生・自己破産どちらの手続でも、家計表という書式を渡され、記録をつけるように言われました。

これは毎月の収支を表にしたもので、上記の書類と共に裁判所へ提出されます。民事再生では3か月分、自己破産では1か月分が必要でした。

提出した家計表は、分割払いの返済をしていく能力があるか(民事再生の場合)、または免責後経済的に立ち直っていく可能性が十分あるか(自己破産の場合)、裁判官が判断する資料になります。

そのため悪い印象をもたれないよう、「娯楽費」「交際費」「その他」等に該当する出費には注意しなければなりません。

また、水道光熱費や携帯電話の領収書があれば失くさないようにしましょう(引き落としの場合は、通帳のコピーで代用できると思われます)。家計表の内容が正しいことを証明するために必要です。

そのほかの書類

これまでに挙げた書類の他に、複数の債務を負うことになった顛末をまとめた文書が必要になります。

私もそうでしたが、その資料を自分でまとめることはほとんどないと思われます。というより、その手間を省くために弁護士にお金を払っているわけです。

まず弁護士事務所ごとに所定の質問様式があり、そちらへの記入と面談をもとに、弁護士が作成してくれます。

家族構成もかなり詳しく聞かれて心配になりましたが、もちろん実家に連絡が行くようなことはありませんでした。

費用、法テラスの立て替え制度

民事整理の時点では15万円ほどでしたが、自己破産に切り替えたことで12万ちょっとになりました。

最初に法テラスへ相談に行ったときから手続き最終日まで、私から弁護士へ直接の支払いをしたことはありません

費用は全て、法テラスの立て替え制度を利用しました。

現在月々5,000円ずつ自動引き落としで返還しており、1年3か月後には返し終わる予定です。念のため書いておきますが、もちろん無利子です。

初めて法テラスへ電話したとき「無料法律相談の要件確認」があったと書きましたが、あの条件を満たせば、立て替え制度も利用できることがほとんどのようです。(一応審査があります。100%ではないのでご注意ください。)

法テラス経由で紹介された弁護士であれば、そのあたりの手続きについても分かっていると思います。

私の場合も難しく考えることなく、弁護士の指示に従っていくだけで大丈夫でした。

債務整理を通じて生活がどう変化したか

弁護士事務所で、思わず「バカみたい......」と呟いた瞬間があります。

債権者であるクレジットカード会社から提出された、これまでの請求の一覧を弁護士と確認している時でした。

買った品物やお店の情報が一つ残らずカード会社に把握されていることにもゾっとしましたが、最近までリボ払いで引き落とされていたお金の中に、5年以上も前に購入したノートパソコンの代金が含まれていることを初めて知ったのです。

借金は、一時の満足のために未来の自分を苦しめる行為だと、改めて思いました。

また、金額は大きいのに用途が全く思い出せない請求もありました。いかに自分が、どうでも良いことに散財していたかを痛感しました。

現在は新規で借入れできない状態なので、決して赤字が出ないよう細心の注意を払いながら生活しています。

ネットショッピングではクレジットカードしか使えなかったり、代引きだと手数料が余計に掛かったりしますが、その時は楽天銀行のVISAデビットカードを利用しています。

そのデビットカードも普段は持ち歩かず、手元の現金でやりくりするようにしています。今のところ不便はありません。

営業上手な服屋の店員にカード払いを勧められたら、「カードは作らない主義なんです。現金があるときにまた来ますね」。

急な飲み会のお誘いには、「すみません、今手持ちがなくて」。大切な人であれば、後日こちらからお誘いします。

キャッシュカードも、「持っていると、つい余分に下ろしてしまうので」と説明し、持ち歩かないことにしています。

借金から開放され、人生の選択肢が広がった

少しずつ貯金もできてきました。

マイナス200万超の家計に苦しんでいた半年前が遠い昔のように思えますが、債権者だった銀行の方々には、やはり申し訳ないという気持ちが残っています。

償いきることは到底できませんが、余ったお金はなるべくそれらの銀行に預けさせて頂くようにしています。

そして何より、自己破産という制度がくれた「やり直しのチャンス」には、心から感謝しています。

実は破産後、ひょんなことからライターの仕事をすることになりました。

初めは副業のつもりでしたが、休日を家で過ごすと節約にもなるし、ということで精を出しているうちに、専業ライターとして独立する運びとなりました。

負債がある状態では、このような新しいことにチャレンジする気持ちは決して湧かなかったと思います。

ちなみに以前勤めていた会社は、最近事業所の再編があり、同じく契約社員だった人達の多くがそこを去らざるを得なくなったそうです。

もし自分がその立場にあって、未だに借金を抱えていたらどうなっていたのか?

考えたくもありません......。

何が起こるかわからない人生。いたずらに自己破産を勧めるつもりはありませんが、自分の過去と向き合って反省すべき点は反省し、再スタートを切りたいと願うなら、行動を起こす価値はきっとあると思います。

→債務整理の弁護士事務所を徹底比較。費用、対応地域、実績、顧客対応

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