パチンコが原因で月5万円の支払いへ。自転車操業からの自己破産体験

今回は、私が20歳から5年間借金生活を送り、結果的に自己破産に至ったときのことについてお話します。すべての元凶はギャンブルでした。

体験者の情報

名前:伊藤 将吾(仮名)
性別:男
借入先:マルイ・プロミス・アコム・アイフル・レイク
利用期間:2002年10月~2007年10月
当時の職業:フリーター(飲食店勤務:月18万円程度)
最終借入額:270万円
債務整理方法:自己破産
費用:法テラス利用により、月5,000円分割の総額12万円

パチンコ資金のためにキャッシング

当時、私はパチンコにどっぷり浸かっていました。給料の18万円では満足出来ず、毎日パチンコに行っては数万円ずつ負ける生活。さらに軍資金が欲しかった私は、CMを見てアコムに足を運びました。

無人契約機とは言葉のとおり、店側の人間と対面せずに契約をすることができます。

コンピュータへ必要情報を入力し、身分証は卓上のスキャナーで読み込み、契約書は契約機に差し込むだけで機械に吸い込まれました。

初めてなので、審査に通るかドキドキしましたが、アルバイトの私でも拍子抜けするほど簡単に審査通過。限度額は50万円でした。

ビックリしました。
50万円の宝くじに当たったような感覚で、すごく興奮したのを覚えています。銀行に入っている預金が増えたような気分でした。

こうして手に入ったお金は、瞬く間にパチンコに消えていきました。わずか半年で限度額の50万円へと達してしまったのです。

ただ、当時の私は危機感ゼロ。
元々遊び目的で借りたお金ですし、パチンコで勝ったあぶく銭がなくなったのと大きな違いはないと思っていました。

そして、安易に「次のカードを作ればいいか」と考えていたのです。

自転車操業のはじまり

2枚目のカードはプロミスで作りました。
大手はどこも金利に差がなかったので適当に決めた感じです。

審査にも無事通り、私は再び限度額50万円を手にしました。

今思い返してみると、頭がおかしかったとしか思えません。

まさに人生破滅への自転車操業陥ろうとしているのに危機感が全くなく、「少し頑張れば完済出来るだろう」と根拠もなく考えていました。

パチンコで1日に数万円負け、その都度キャッシングする。
プロミスの50万円は3ヶ月もしないうちに使いきってしまいました。

その後、私は、3枚目(アイフル)4枚目(レイク)と次々にカードを作り、4枚目(レイク)の時点で、借金は総額200万円近くになっていました。

また、その頃になると月々の返済額は約48,000円にもなっていたのです。

最初は簡単に返せるだろうと思っていた借金も、徐々に私を追い詰めてきます。

しかし、このときはまだ根拠も無く、「この程度の借金は本気でやれば返せるだろう」と思っていました。

信用の低下

4枚とも限度額一杯まで使い切り、5枚目のカードを作ろうと武富士に行った時、今までと違う事が起きました。

限度額20万円
無人契約機の画面を見て凍りつきました。

呆然とする頭の中で返済や借金のことが急に現実的になり、恐怖を覚えました。いつかはこうなると予想していたつもりでしたが、実際に襲ってきた現実感と不安は予想以上でした。

5社合計で、月々50.000円強の支払い
一体何年すれば完済できるのだろう?

ようやく私は安易に借金をしたことを後悔し始めていました。

このままでは生活が破綻してしまう!
これからはギャンブルも禁止し、本気で返そう

と思いたったのです。

18万円の給与だけでは足りないと思い、掛け持ちのアルバイトを探し、夜中に居酒屋の仕事を始めました。

月に300時間以上働き、手取りは33万円になったので、そのうちの20万円を返済にあてることにしました。

1年間頑張り続け、借金総額も半分位に減っていたと思います。

ただ、やはりここで落とし穴がありました。
ダイエットのリバウンドのように、強烈な反動が私を襲ったのです。

生活の崩壊

やはり引き金となったのはパチンコでした。
返済期間中は禁止していたのですが、半分返済したことで気が緩みパチンコを打ってしまいました。しかし結果は10万円以上の大勝!

「10万円を返済にあてれば借金が100万円を切る!」

有頂天になり、返済する為にプロミスに行くと、無人契約機の画面に「ご利用可能額を100万円に増額可能です。」と表示されました。

1年間の厳しい返済生活の反動でしょうか。
あの時の嬉しさ・興奮は強烈で、突然大金持ちとなった気分でした。

それから元の借金生活に戻るのに時間はかかりませんでした。今まで頑張ったのだからと掛け持ちバイトを辞めてパチンコをやり続けた結果、借金を積み重ね続けました。

その結果、総額270万円に膨れ上がった借金は利息を払うだけで精一杯。

もはや完済する気も無く、利息だけ毎月払いパチンコばかりしていました。

遂に自己破産を決意!

300万円近い借金を背負った私は、パチンコを辞めることができずに毎月利息の60,000円だけをなんとか支払い生活していました。

高収入を得ることができたらまとめて返そうと考えていたのですが、ここで状況を一変させる出来事が起こります。

2006年当時、消費者金融は世間の風当たりが厳しくなっていました。

なかでもアイフルは厳しい取立てや甘い与信で強引な貸付を行っていた為に、業務停止命令を受けていました。

その影響かアイフルから最初に連絡がきました。
突然電話がかかってきて、

「信用状態の変化により、新たな貸出は一切出来ません。今後は返済のみでお願いしたします。」とのこと。

「返済はちゃんとしているのに何故ですか」と反論をしましたが無駄に終わりました。

その後も立て続けに、プロミス以外の会社がアイフルと同じことを言い出しました。一括返済か、それとも今まで通り返すか。しかし、新たに貸付を行うことは出来ないと。

パチンコを辞めて返済し続ければ完済できたのかもしれませんが、返済生活に疲れ、お金に追われ続けていた私にそんな力も無く、とうとう光熱費も滞納し始めてきた頃に限界を感じました。

さらに、借金の返済も滞りはじめ利息がどんどん増えていく始末。

全てを精算してパチンコを辞め再出発したかった私は、弁護士に頼むため法テラスを訪ねました。

そこで紹介された弁護士の力を借り、自己破産の手続きをすることにしたのです。

ギャンブルが原因でも自己破産が認められる?

ここで自己破産について詳しくお話します。弁護士と最初に会ったのは2007年の10月10日、昨日の事のようにはっきり覚えています。

はじめに弁護士に聞かれたのは、借入先となっているすべての金融機関名。
その場でメモ紙に書いて手渡すと、弁護士は言いました。

「今から、あなたの借金の債権者である全ての金融機関に弁護士の介入通知を出します。以後、あなたに電話があっても私が介入している事を伝え、一切応対しないで下さい。

次に、次回の面会までに以下の資料を作成してくるよう求められました。

  • 借入先一覧表
  • 現在の収入と支出の一覧表
  • 借り入れの経緯と理由

ただ、この時点で私の心の中に、ある疑問が引っ掛っていました。
ギャンブルが原因の借金でも自己破産は可能なのか?ということです。
そのことを弁護士に聞くと、

「今回の事案は、大丈夫でしょう。」
その理由については以下のように説明してくれました

まず、自己破産だけでは債務は無くならず、債務を0にするためには免責を受けなくてはならないこと。

そして、ギャンブルによる借金は、破産法第252条第4項の「浪費又は賭博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担した」に該当する為、免責不許可事由にあたる(つまり、免責が受けられない)こと。

しかし、免責不許可事由が存在する場合でも、裁判官の裁量で免責を受けられる場合がある。(「裁量免責」という)

それでも免責が許可されないのでは?と不安に感じていると、弁護士は続けて話しました。

「あなたのようにパチンコが原因の借金で自己破産する人が非常に増えています。裁判所は破産に至る個人よりも、射幸心を煽るパチンコ会社や、適正な審査をしないでお金を貸す金融会社により大きな問題を感じているので、ある意味その犠牲となって転落してしまった人に対しては、免責の許可をする傾向が強くあるのでおそらく大丈夫でしょう。」

その言葉に安心したと同時に、今までの軽率な行動を恥じ、心底後悔しました。

遂に免責がおり借金ゼロに!

その後、作成を頼まれた3点の書類を提出し、破産宣告の申立書を裁判所に提出しました。

申し立て後、自己破産はすんなりと認められましたが、まだ免責は受けていないので、借金は残ったままです。

しばらくしてから、破産管財人(※)と面談も行いました。今までの経緯を説明し、自身の行動に対して深く反省している事を伝えました。10分程度で管財人との面談は終わりました。

手続き開始から4ヶ月が経った頃、裁判所より債権者集会のお知らせが届きました。

債権者集会は、債権者(消費者金融)の担当者が破産に対する異議を債務者である私に述べ、話し合いを行う会です。しかし、行ってみると債権者側は一人も出席していませんでした。

不安を感じていた私は拍子抜けしてしまいましたが、債権者集会は淡々と進んで行きます。

裁判所の方、破産管財人、担当弁護士、私の4人で会は始まりました。

裁判官に書類の提出を促され、担当弁護士が書類を提出。さらに裁判官は、管財人に調査結果(私自身や私の借金について)を尋ねました。

「賭博行為で破産に至っていますが、本人は大変反省しています」と管財人が言うと、裁判官は続けて私に尋ねました。

「こういう経緯であなたは破産に至りましたが、反省しやり直すつもりはありますか?」

「過去の行為に対しては、大変反省しています。」と即答すると、裁判官はいくつかの書類にハンコを押し、担当弁護士に手渡しました。時間にして5分位でしょうか?

債権者の人が来て、色々厳しい事を言われると想像していたので、こんなに簡単でいいのかな?と正直思いました。

ともあれ、免責許可決定申立書もすんなりと受理して頂き、債権者集会は終わりました。

免責許可申し立てから1ヶ月後、免責許可決定の書類を裁判所から頂きました

半年程の時間を掛けて、晴れて借金から開放されたのです。

私の場合は、すべての元凶がパチンコでした。
今となってはなぜあんなにはまってしまったのか謎ですが、もう二度とパチンコには手を出したくないです。

※破産管財人とは?
裁判所が選んだ弁護士で、破産決定後に破産申立人の財産の管理、調査、処分等を行う。

→債務整理の弁護士事務所を徹底比較。費用、対応地域、実績、顧客対応

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