生活費の足しにキャッシングを繰り返し、夫と離婚した私の話

私は、今から約10年前に自己破産を経験しました。当時26歳で夫と子供が1人おり、2人目を妊娠中でした。

一番最初に消費者金融からお金を借りたのはその数年前。

友人とショッピングに行こうということになったのですが、当時夫の収入だけでは生活が厳しく、ショッピングに行くお小遣いなんて到底ありませんでした。(パート勤めはしていたのですが、それでも厳しかったので)

せっかくショッピングに行くのにお金がないのはあまりにさびしいので、「借りても使わなければそのまま返済すればいいんだ」という軽い気持ちで10万円をキャッシングしてしまいました。

ただ、そのとき消費者金融で簡単にお金を借りることができたので、味をしめてしまい、それからも少し生活に困ればキャッシングで借りては返し...を繰り返すようになったのです。

体験者の情報

名前:佐藤 綾子(仮名)
性別:女性
債務整理方法:自己破産
会社名:アコム・レイク、他2社
当時の職業:無職
当時の年齢:26歳
当時の借金の合計額:130万円
借金をしていた時期:1997年7月~2000年12月
費用:15,000円程度

夫に内緒の借金

夫にはもちろん話しませんでした。

「俺の給料でどうして足りない?」と言われるのが怖かったからです。

もちろん、精一杯切り詰めれば借金せずに生活できたと思います。でも、きっとどこかに「私だって服や靴が欲しい」気持ちがあったのだと思います。

要は甘えです。
借金だって返していない訳ではないのだからどうかなる。そんな気持ちもありました。

ついに返済がきつくなり、自転車操業に...

それからしばらく経ってだんだんと返済額が多くなり、月に3万円~4万円の返済が必要になってしまいました。それでも私は、何かに憑りつかれたかのように借金を借金で埋めていったのです...。

まさに自転車操業とはこのこと。もう絶対に夫には言えません。

「どうしよう」と思いながらも毎月毎月なんとか払い続けていました。もうどこからいくら借りていくら返したかもわからなくなってくるのです。

毎月返済できるかできないか、できないならどうやって工面しようか...そのことで頭がいつもいっぱいでした。

夫に打ち明けることに・・・

そんな時、友人にふと借金のことを打ち明けたところ、「もう黙って隠し通せるものではないと思うから正直に話してとにかく謝った方がいいと思う」とアドバイスされました。

数日悩みに悩んだあげく、夫に全てを打ち明けることにしました。

打ち明けると、夫はうすうす気づいていたようで、「わかった」とだけ言い、それからは黙って何も言わなくなりました。

それから数日、私からはうまく話をすることもできず、ただひたすら夫が何か言いだしてくれることを祈っていました。

本音を言えば「大丈夫。なんとかするよ」そんな言葉をかけてくれることを期待していました。

でも、現実はそんなに甘くはありませんでした。

夫だって私と娘のために遊ぶこともせず、欲しいものも我慢して毎日必死に働いていたのに、そんな多額の借金をどうすることもできません。

きっと何もかも嫌になり、苦しんだのは私よりも夫のはずです。

夫の出した答えとは?!

そして夫の出した答えは離婚でした。

予想もしなかった夫の言葉に私は返す言葉がありませんでした。

元はと言えば、私の軽い気持ちからできた借金です。確かに生活費にも使いましたが、ほとんどが借りたお金の返済。

私は夫や自分の両親にも借金の話を全てしましたが助けてもらうことはできませんでした。

夫に何度も話し合いをしたいと言い、何度も詫びましたが夫の気持ちは変わりませんでした。

ついに離婚!

結局、離婚することになり、私は娘を連れ、再婚している実母の元へ行きました。妊娠中で働くことはできないし、働いたとしても娘をみてくれる人がいないからです。

とりあえず食べることくらいは何とかしてあげられるという実母と義父に頭を下げ、出産して落ち着くまで家に置いてもらうことになりました。

私は、子供には本当に申し訳ないことをしたと思いながらも「この借金をなんとかして1人で子供を育てていこう」と決心していました。

後ろばかりみて後悔してもどうしようもない、前を向いていくしかないと思ったからです。

借金は3ヶ月ほど返せていない状態でした。

「すぐになんとかしなければならない。取り立ての電話もこれから多くなるだろう。そうなれば精神的なストレスを抱えたまま出産しなくてはならない。どうしたらいいのだろう」と悩む日が続きました。

「返せない借金をどうしたらいいのか」
もう毎日毎日が苦痛です。

寝ている間だけは忘れることができましたが、毎朝目覚めると「借金」という文字が頭の上に重くのしかかってきて、嫌でたまりませんでした。

それでも、逃げることはできません。なんとか解決しなければ...。不安と焦りでいっぱいでした。

一緒に住んでいた義父と実母は、「弁護士とかに相談したりもできるのだろうけど、費用が高いと聞くし...だったら直接裁判所に行って相談してみたら?」と言うので、義父に付き添ってもらい、裁判所へ行ってみることにしました。

すぐに解決しないのはわかっています。でも、解決の糸口は見えるのではないかと思ったのです。

いよいよ裁判所へ...

生まれて初めて入った裁判所はとても暗い印象がありました。

それでも、「借金の相談で...」と受付の人に言うと中へと通してくれ、担当者を呼んでくれました。

そこで借金の金額や、返す意思があるのか、どういう経緯で借りた借金なのかを聞かれ、全て正直に話しました。

すると担当者は・・・

「返す意思はもちろんあるようですが、仮に債務整理となればいつからいくら返済できるのかという話し合いになります。あなたの今の状態をお聞きする限り、出産を控えているのであればその先の見通しが立たない。となると債務者も返答のしようがない、ということになります。ですので、簡単には決められないと思いますが自己破産という選択をした方がいいのではないでしょうか? 」

よく考えたらそうだと思いました。借金はもちろん必ず返さなくてはなりませんが、いつからいくら返すことができるのか...それもわかりませんでは話し合いにはなりません。

妊娠中で働くことはほぼ不可能で、小さい子供もおり、夫もいない。出産後もいつから働けるのか目途もたたない。

出産費用にも困り、市に相談に行った所、生活保護の申請をすすめられていたのです。そんな私のような状態なら確かに自己破産しかないのかもしれない...。そう思いました。

自己破産のイメージ

私の中で「自己破産」というと、当然イメージは良いものではなく、会社が倒産してしまった社長などがするものだと思っていたので最初はあまりピンときませんでした。

噂では、今持っているお金になりそうなものは全て差し出し、選挙権も無くなる。借金は何十年もできない。色んな人に破産者だと知られる。と聞いていました。

ですが、裁判所にあった担当者に渡されたパンフレットを読むと私の知識が間違っていたことを知りました。

自己破産では選挙権は無くなりません

確かに今保有している家や車などは売ってお金にし、返済にまわすことになりますが、その時の私は家も無ければ車も持っていません。

住む家も無かったのですからお金に換えられる物がない人はそのままなのです。

官報に名前は載るのでしょうが、それは閲覧しようとしなければ見られないもので、通常は他人に破産者だとは(本人が言わない限り)わからないようです。

借金はもちろんできませんが、私はできない方が良いと思いました。また困った時に簡単にお金を借りてしまいそうだから

それでは何の解決にもなりません。もう、ローンは組めない。全て現金で生活していかなければならないとなれば、どうしたって我慢しなくてはなりません。

本当に必要な物だけを買うという意識も高まります

そして、それと同時に世の中では私と同じように借金問題に苦しみ、破産や債務整理をしている人が多いということも知りました。

ただ、ギャンブルや自分の欲を満たすためだけに借りたお金の場合、破産の申請はできないことも知りました。

いよいよ自己破産に向け行動を起こす

自宅に帰った私は、これらのことをふまえた上で、もう一度義父と実母と相談することにしました。

そして、親や親せきからもお金を工面してもらえる状況ではなく、私自身も返せずどうにもならないということで自己破産の申請をすることに決めたのです。

裁判所から「一応、渡しておきますね」と言われ頂いた破産申し立ての用紙をすぐに記入することにしました。

私にも、義父と実母の所にも債務者からの電話が日に一度はかかってきており、親に迷惑をかけていることに耐えられなかったのです。

「1日も早く解決したい!」
そう思って何枚もの書類を書き始めました。

書類には、借金の総額をはじめ、どこからいくら借りたのか、それはいつなのか、何の為に借りたのか、借金をした時の収入はいくらだったのか、当時の住まいの家賃はいくらだったのか、食費はいくらかかっていたのか...などなど書かなければならないことが山のようにありました。

そして、両親や兄弟はどこにいるのか、どんな職業なのかまでも書き、とにかく現在は誰からも助けてもらえず破産しか方法が無いという状態を細かく書かなくてはなりませんでした。

借金を繰り返していた時期のことは毎月返済のことだけで頭がいっぱいだったので、しっかり覚えていないこともありましたが、これしか方法が無いのだと思い、慎重に書いていきました。

そして、なんとか全てを書き終え、借金に関する書類(契約書や振込した返済分の領収書など)と一緒にまとめたのです。

この体験談の目次

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