借金返済のプレッシャーでうつ状態に。給料日から10日は厳しい日々

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今回は、私が以前債務整理(任意整理)を経験した時の体験談についてお話したいと思います。

私がクレジットカードを初めて手にしたのは、海外出張が決まったときです。

初めての海外だったので、「念のための保険」のつもりで銀行系のクレジットカードを申し込みました。(記憶では、30万円が限度額で内10万円がキャッシング枠だったと思います。)しかし、結局、海外出張でカードを使う事はありませんでした。

初めて使ったのは、給料前の金欠状態のときです。3万円程度をキャッシングで借りました。救われた思いでした。

借りたというよりも、自分の口座から引き出したという感覚です。そのときは、指定の引き落とし日に全額返済することができました。

しかし、まだそれほど給料が高かったわけではありませんから、給料日前になると返済した3万円が響いて金欠状態になりました。

追加キャッシングで不足分を借り、また引き落とし日に全額返済しました。

このように借入と返済をなんどか繰り返していくうちに、クレジットカードのキャッシングが当たり前のことになっていったのです。

体験者の情報

名前:高田 信介(たかだ しんすけ)
性別:男性
債務整理方法:任意整理
会社名:DC、オリコ、セゾン、プロミス
当時の職業:会社員
当時の年齢:40歳
当時の借金の合計額:400万円
債務整理をしていた時期:2008年8月〜2009年7月
費用:40万円

高い限度額は貯金と勘違いしてお金持ち気分

いつのまにか、銀行系クレジットカードのキャッシング限度額の10万円は常に使うようになっていました。

返済してすぐに、また10万円をキャッシング・・・これを繰り返していましたので、当然、返済が苦しくなっていきました。

現金が足りなくなり、生活の一部をクレジットカードでまかないましたので、どんどん返済金額が膨らんでいきました。

そんなときに勧誘されたのが信販系のクレジットカードです。

キャッシング枠が20万円。ショッピング枠が30万円だったと思います。魅力的でした。すぐに加入して使いはじめました。

その後しばらくは、銀行系と信販系、2種類のクレジットカードをやりくりすることで、滞りなく返済を続けることができました。

すると、実績が上がったからでしょうか、銀行系カードの限度額が引き上げられたのです。

キャッシング枠20万円、ショッピング枠50万円になりました。一瞬で貯金ができたかのごとく裕福な気分になり、返済の苦労など吹き飛んでしまいました。

「消費者金融」という引け目は契約時の瞬間的なものでした

銀行系と信販系の2枚のクレジットカードで自転車操業のように返済と借入を繰り返す日々。

また、その頃、近所のスーパーで特典付の系列のカードを熱心に勧誘していたので、だめもとで申し込んでみると、すんなり審査に通ってしまいました。

こうして、また新たなカードが手に入ったのです。(限度額30万円、内キャッシング枠が10万円でした。)

ついに3枚のカードでの自転車操業がスタートです。

滞りなく返済していたので、この時点では借り入れし過ぎているという認識はありませんでした。基本的にキャッシングした金額は翌月に全額返済していましたので、ローンのように残額があるという認識がなかったのです。

しかし、給料の半分を返済に回さなければならないのが現実で、まもなく自転車操業も回らなくなりました。

そこで、計画性もないままにキャッシングでの借入分をローンで一括返済して、月々数万円のローン返済に切り替えることを思いつきました。「おまとめローン」の考え方です。

「消費者金融で借りる」ということに最初は抵抗がありましたが、意を決して消費者金融に飛び込むと、すんなり50万円を借りることができてしまいました。

「消費者金融を利用する」という引け目のようなものも、一瞬でふきとんでしまいました。

どんどん増える貸付枠と借入額

その後、キャッシングの借入は徐々になくなるはずでしたが、一向に残高は減りませんでした。

ただ、支払期日だけはなんとか守り続けていたので、消費者金融の貸付枠が150万円に増額されました。

また、他のクレジットカードも限度額が引き上がりました。

増額はただ単に借入額を増やしただけで、より苦しい状況になっていくはずなのですが、その時点では救われた気持ちです。

結局、キャッシング枠もローンの貸付枠も目一杯になり、返済がピンチに陥ったので、キャッシングの全額返済をやめて、一定額の「リボ払い」に切り替えました。

返済額が手取り給料の60%になり、返済能力の限界を迎える

借入額が400万円を超えました。ショッピングでの支払も含めて、月々の支払が手取り給料の60%ぐらいまで膨らみました。

家賃を支払うと、生活費はほとんどない状態です。毎月のリボ払いが済むと、わずかにキャッシングが可能になり、その枠もすぐに借り入れましたので、一向に借入金は減りません。

消費者金融の返済は利子の分だけにしました。利子だけでも2万数千円だったように記憶しています。

財産と言えるほどのものではありませんが、生命保険を切り崩したり、車を手放して数ヶ月しのぎましたが、すでに返済能力の限界でした。

普通、給料日は待ちに待った日です。金欠から解放され、この日ばかりはお酒を飲んだり、買い物をするのが楽しい日のはずです。

ところが、私にとって給料日は地獄の始まりの日だったのです。なぜなら、給料日が近づくということは、返済日が近いこととイコールだったから・・・。

いつも月の半ばくらいから次の返済のことが気になりはじめます。給料は決まっていますから、どこにいくら返済するのか頭の中で引き算してしまいます。

引き算の答えはいつもマイナスでした。

夜になると襲ってくる借金の恐怖

どんなに疲れていても、部屋の電気を消して横になると返済のことが気になります。どう計算してもお金が足りません。

返済してすぐにできるわずかな借入枠も計算に入れますが、足りるはずがありません。どうすればいいのか答えが出ないまま、どんどん目が冴えて恐怖感がつのります。

「破産」という言葉で頭がいっぱいになり、震えに襲われ、冷や汗が吹き出します。なんども寝返りを打ち、返済のことを忘れて眠ろうとしますがまったく眠れません。

やがて窓から薄明かりが射し、また一日返済日が近づくのです。このように悶々と眠れない日が続く中で給料日を迎えます。

そして、今月も恐怖の返済が始まります。

給料日から10日間は地獄の日々

大半の会社は25日が給料日ですから、ローンやクレジットの返済日は26日から翌月の5日までに設定されていることが多いのです。私の場合もそうでした。

給料が出てやっと返済できる。という安心感ではなく、「足りない、どうしよう?」という不安が給料日にはつきまとうのでした。

ですから、給料日から10日間は私にとっての地獄です。

一つの銀行口座から家賃やクレジット系の引き落としが次々と行われます。

消費者金融の返済は支店やキャッシュディスペンサーの設置場所に行き返済しなければなりません。

その日の引き落としや返済を済ませると、次の日の引き落としのために銀行に行き、空きのあるキャッシング枠を確認して引き出し、口座に預け入れます。

会社の昼休みに行いますので、昼食どころではありません。心身ともに疲れ果ててしまいます。

昼休みが終わりデスクに戻りますが、お金のやりくりを考えることで頭がいっぱいですから、仕事に集中できるはずがありません。

それでも仕事をしなければなりませんので、ストレスでつぶれそうになる10日間です。

やっとの思いでその月の返済が終わっても、翌月の返済のあてがまったく立っていないので、ストレスがなくなることはありません。

事故者リスト入りで社会の落伍者になる恐怖

とうとうやりくりの目処が立たなくなり、事故者リスト入りが現実的なものになってきました。

※ 実際は事故者リストというものは存在しません。詳しくは、『消費者金融に事故者リストはホントに存在する!?』をご覧ください。

事故者リスト入りは、私の中では社会の落伍者という認識がありました。会社にも知られ、冷たい世間の仕打ちを受けなければならないと。

この時点では返済が遅延したり、滞ったりということはまだありませんでしたので、「何か手があるはずだ」と考えていました。

でも新規でクレジットカードや消費者金融のキャッシングに申し込むのは、(現在の借入状況を記入しなければなりませんから)これ以上は無理だと思っていました。

わらをも掴む思いで、「ローン」「融資」などの言葉を入れて何度もネットで検索しました。検索して色々調べているうちに、「審査に自信のない方向け」などのフレーズがでてきたのです。

そのような文句で広告をうっているのはいわゆる大手ではなく、マイナーなキャッシング業者です。

いくつかマイナー業者のホームページを見て、その中からひとつを選んで申し込みしました。(財務局長などの登録番号がない業者は違法業者の可能性があるので除外しました。)

すると電話連絡があり、「融資できる可能性があるので来店して欲しい」とのことでした。その日の夜は久しぶりによく眠れたのを覚えています。

融資の条件は「連帯保証人の設定」

連絡があった金融業者を訪ね、現状の借入状況や個人情報などを全て開示し、審査のお願いをしました。

そのとき提案されたのは、融資が可能な場合、融資金ですべて(他社)の借入を返済し、これまでの契約を解約するという「おまとめローン」のやり方でした。そして、審査結果は翌日の来店時に通知されることに。

翌日、審査結果を聞くため、再度その金融業者を訪問しました。担当者の口から「融資は可能です。」の言葉が。

舞い上がる気持ちでしたが、次の瞬間、奈落に落ちました。

「連帯保証人を設定して下さい。」淡々とした担当者の言葉です。

私は、「それはできません」と即答しました。

ただ、「連帯保証人を設定していただけないと融資できません。」とのことだったので、それ以上、交渉する気力がなくなっていました。

崖から飛び降りる気持ちで開けた司法書士事務所のドア

金融業者を出た後、私はしばらく夢遊病のように歩きまわりました。しばらくして、「保証人ならなんとかできるかもしれない」と思い、さきほどの担当者に電話を入れましたが、やはり「連帯保証人」でなければ不可能とのことでした。

加えてその担当者から、「弁護士か司法書士に債務相談したほうがいいと思う」との最後の言葉がありました。全身の力が抜けました。

次回の返済日も近いのに、返済のメドがつかない!

私は悩んだ挙げ句、司法書士の事務所を調べて電話をかけました。明確な理由はありませんが、「弁護士」は重い気がしたので、司法書士にしました。

その事務所の担当者に概要を話すと、「相談だけでも構わないのですぐにおいで下さい。」と言われましたので、とにかく行ってみようと思い、訪問することになりました。

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