意外と知らない保証人制度。見に覚えのない借金の恐怖

ある日突然、身近な人から保証人になって欲しいと言われたら、あなたはどうしますか?

「仕事の付き合いのある人だし、断りにくいな・・・」
「絶対に迷惑かけないと言っているし、名前を貸すだけなら・・・」

そんな理由で保証人になってしまっては、後から大変なことになるかもしれません。後になってから「知らなかった」では済まされないのです。

ここでは、知っているようで意外と知らない保証人について、基本的なことから、絶対に見逃してはならないポイントまでまとめてみました。

もし保証人になるかどうか悩んでいる方がいらっしゃるようでしたら、この記事を読んでから判断するようにしてください。

  • 【目次】
  • 保証人になるとはどういうこと?
  • 保証人と連帯保証人の違いに注意!
  • 知らなかったでは済まない「根保証」のリスク
  • 夫や妻、子供や親の借金は支払う義務がある?
  • 保証人になって欲しいと頼まれたら・・・

保証人になるとはどういうこと?

保証人を引き受けるということは、もしもの時に「お金を借りた人の代わりに借金を返してあげると約束する」ことです。

「もしもの時」とは、借りた人が逃げてしまったり、お金を返せなくなったりした時です。

保証人になるには、保証契約書に署名・捺印する必要があります。どんな理由があろうとも、あなた自身がサインしたのであれば、もしもの時に代わりに弁済する義務があります。

いざ請求が来てびっくりしてしまう人の中には、契約書の中身をまったく理解しないままサインした人、「絶対に迷惑をかけない」という友人の言葉を鵜のみにした人が少なからずいます。

しかし、保証契約は、保証人になる人(=あなた)と、お金を貸す人(=金融会社など)との契約ですので、お金を借りる人が何と言ったかは契約には関係ありません。

また、いい大人が内容を確認せずに書類にサインするなど、絶対にあってはなりません。

保証人になることは非常にリスクが高いことです。

日本弁護士連合会が2005年6月に実施した調査によると、自己破産者の9.92%は、保証債務・第三者の債務の肩代わりにより破産しているのです。他人の負債を背負うことは、そう簡単なことではありません。

また、いちど保証人になると、簡単にやめることはできません。

保証人をやめるには別の保証人を紹介するか、不動産などの担保を用意する必要があります。

これらのリスクを承知した上でないと、保証人になることを引き受けてはいけません。それほど保証人は責任の重いものなのです。

保証人と連帯保証人の違いに注意!

保証人には、通常の「保証人」と「連帯保証人」があります。

この2者には決定的な違いがあり、それを知らずに契約してしまうと後で大変なことになります。

大きな違いは、保証人には「催告の抗弁権」と「検索の抗弁権」があり、連帯保証人にはそれらの権利は認められていないことです。法律用語で分かりにくいので、事例でみていきましょう。

ケース1) 金融機関から返済を求められた場合

  • 保証人 → 「先に借りた本人のところへ行ってください」と断ることが可能
  • 連帯保証人 → 断れない。どちらから先に請求するかは貸主の自由

ケース2) 滞納で財産の差し押さえを請求された場合

  • 保証人 → 「先に借りた本人の財産を処分してください」と断ることが可能
  • 連帯保証人 → 借主がまだ財産を持っていたとしても、断れない

連帯保証人は、お金を借りた人とほぼ同等の責任を負います

通常の保証人の場合、借主が1番、保証人が2番に返済の義務を負います。しかし、連帯保証人の場合はどちらも1番なので、連帯保証人から先に請求されても文句は言えないのです。

借りた本人がまだお金を持っているのに、連帯保証人が身ぐるみはがされるなんて理不尽だ!とお思いでしょう。しかし、これが連帯保証人の現実なのです。

知らなかったでは済まない「根保証」のリスク

根保証(ねほしょう)
聞きなれない言葉ですよね。

しかし、保証に関する話をする時は絶対におさえておきたいキーワードです。

もし、保証人になる時、知らずに根保証をつけられていたら、後でとんでもない金額を請求されることになります

人がお金を借りる時、一般的に「融資枠」を決定し、その枠内で借り入れをおこないます。

たとえば、Aさんが金融会社と【融資枠300万円】の契約を結び、その時【50万円の借入】をしたとします。

この場合、

  • 通常の保証 →  50万円の借金の保証人
  • 根保証    → 300万円の借金の保証人

つまり、根保証をつけられていた場合、Aさんが実際に借りていた額ではなく、Aさんの「融資枠分をまるまる保証しなくてはいけない」ということになってしまうのです。

知らないうちに根保証をつけられていたら、自分の知らない借金まで肩代わりするはめにもなりかねません。(バブル崩壊後、商工ローンがこの根保証契約を乱発して大問題になりました。)

前の章で、連帯保証人について述べました。

それと、ここでふれた根保証がセットになった「根連帯保証人」というものがあります。

片方でもリスクが高いのに、両方だなんて考えるだけでもおそろしいです。

とにかく、保証人に関しては「連帯と根保証はヤバイ!」と覚えておいてください。

夫や妻、子供や親の借金は支払う義務がある?

保証人や連帯保証人になっていない限り、家族といえども配偶者や親または子の借金を支払う義務はありません

もし請求されても、それは法律違反なので無視してください。

しかし、例えばこのようなケースはどうでしょうか?家族が勝手に印鑑を持ちだして、無断で保証契約書に家族の名前を書いたケースです。

この場合も支払う必要はありません。
保証契約書は、筆跡が保証人本人のものでないと無効なのです。

保証人に関する法律が厳しくなったので、金融機関は保証人に意思確認をするよう求められています。

まともな会社であれば、保証契約は直接面会しておこなわれ、保証人の身分証明や印鑑証明が必要な場合もあります。

最低でも電話による意思確認はあるはずです。仮にそのような意思確認をしない悪質な業者から請求が来た場合、身に覚えがないのなら絶対に払ってはいけません。

保証人になって欲しいと頼まれたら・・・

保証人は危ないと分かっていても、親しい人が困っているなら助けてあげたいと思う人もいるでしょう。

しかし、安易に引き受けられるほど保証人は楽なものではありません。場合によっては断る勇気も必要です。

お金を借りるのに保証人を必要としている場合、すでに複数の借金を負っている可能性があります。

さらなる借金の手助けをするのではなく、国民生活センターや弁護士会など専門の相談窓口を訪れるようアドバイスしてあげてはどうでしょうか。

(借金問題の相談先については、『債務整理バイブル!良心的な弁護士を無料で探す方法を徹底解説!』、『借金返済の相談先の選び方。債務整理を100件以上扱った法律家の話』の記事で特集しております。あわせてご覧ください。)

万が一、全額自分が負担することになってもよい、という覚悟があるなら、保証人になるのもよいでしょう。

その際は契約書をしっかり確認してください。

<保証契約チェックリスト>

  • 保証人か連帯保証人か?
  • 保証対象が根保証になっていないか?
  • 借入をする金融機関は違法業者でないか?
  • 金額に間違いはないか?
  • 保証契約書は受け取ったか?

などを細かくチェックしてから署名捺印してください。また、保証契約書は忘れずにもらってきて大切に保管しておいてください。

保証人制度は日本によく浸透した商習慣です。しかし、以前に比べて保証人に抵抗を示す人が増えてきており、断ることは昔よりも容易になってきています。

あなた自身の生活を守るために、保証人になるのはくれぐれも慎重に決めてください。

【この記事の筆者】
正岡 さな(仮名)
2級ファイナンシャル・プランニング技能士。元外資系経営コンサルタント、現在は2児の母をしながら在宅フリーランスで働く。得意分野は「お金」。好きなものも「お金」。売る側の論理ばかりが多いキャッシングに関する情報を、買う側の視点から徹底解説します。

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