意外と知らない保証人制度。見に覚えのない借金の恐怖

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ある日突然、身近な人から連帯保証人になって欲しいといわれたら、あなたはどうしますか?

「仕事の付き合いのある人だし、断りにくいな・・・」

「絶対に迷惑かけないといっているし、名前を貸すだけなら・・・」

しかし、安易に連帯保証人になってしまうと、あとで大変なことになるかもしれません。

連帯保証人は非常におそろしい制度です。

ハンコを押してから「知らなかった」では済まされません。

今回は、そのおそろしい連帯保証人制度について、弁護士や元銀行員に話を聞き、基本的なことから、絶対に見逃してはならないポイントまでわかりやすくまとめています。

もし、連帯保証人になるかどうか悩んでいる方がいましたら、必ずこの記事を読んでからにしてくださいね。

考えが変わるはずです。

また、みなさんが気になる「キャッシングの申込みに保証人が必要なのか?」も、元銀行に回答してもらっていますので、こちらもぜひ参考にしてみてくださいね。

この記事の編集者情報

  • 内田 恵子私が編集者です!

    東京生まれ。アラフィフ。出版社勤務の後独立。編集・ライター歴30年。ファイグーでは「わかりにくいお金の話を、わかりやすくお伝えすること」「少しでも役に立つ情報をお届けすること」をモットーに、より具体的で、身近に感じていただける記事を目指しています。猫派で今は元ノラを多頭飼い中。日々癒してもらってます。

キャッシングやローンを利用するときに連帯保証人は必要?

キャッシングやローンを利用するとき、連帯保証人は必要なのでしょうか?

キャッシング・カードローンでは連帯保証人不要

民間のキャッシングやカードローンは、連帯保証人なしで利用できます。

消費者金融(例 アコム、アイフル、プロミス)や銀行カードローン(例 三井住友銀行、三菱UFJ銀行、みずほ銀行)にかかわらず、連帯保証人不要なのです。

原則は他のローンも連帯保証人不要

民間の各種ローン(自動車ローン、フリーローン、おまとめローン、住宅ローン、教育ローンなど)を利用する場合も、原則として連帯保証人なしでお金を借りることができます。

なぜ保証人をつけなくていいの?

理由は以下の2パターンのうちいずれかです。

  • 貸し倒れのリスクを考慮して金利が設定されている
  • 保証会社がついていて、保証会社が保証人代わりになっている

後者の場合、万が一、借主の支払いが滞っても、保証会社が支払いを肩代わりします(この後、借主は保証会社から請求を受けることになります)。

もちろん、保証会社もタダでやっているわけではありません。

貸主の金融機関から保証料を受け取っています。

また、保証料は、借主が支払う利息に含まれていることが多いですね。

連帯保証人が必要なのはどんなとき?

キャッシングやカードローンで連帯保証人を求められることはありませんが、各種ローン(自動車ローンや住宅ローンなど)では、場合によって保証人を求められます。

では、具体的にどのような場合に求められるのでしょうか?

元銀行員に話を聞いてみました。

A銀行の元担当者談

金融機関への支払いを延滞したことのある方や、住所を転々としている方には連帯保証人をつけるようお願いすることがありますね。

B銀行の元担当者談

自動車ローンの場合、もうすぐ卒業する学生や、就職内定者には連帯保証人をつけるようお願いしたことがあります。また、住宅ローンの場合、返済負担比率(年収における年間返済額の割合)が40%を超えていたり、借入額に対して担保価格(土地と建物の評価額)が下回っていたりするケースでは連帯保証人をお願いしたことがありますね。

C銀行の元担当者談

下記のような方には、連帯保証人を求めることがありますね。

  • 勤続年数が短い(借入額にもよるが半年~2年未満)
  • 他の金融機関からの借入れが3〜4件以上ある

D銀行の元担当者談

完済時に75歳以上の方には、連帯保証人をつけていただきます。

また、住宅ローンの場合、複数人の収入を合算したり、共有名義にするときは連帯保証人が必要です。

ちなみに、下記の記事では「自動車ローンで保証人が必要になるケース」について詳しく解説しています。

あわせて読んでみてください。

公的なローンでは連帯保証人を求められる?

民間ではなく、公的な融資を受ける場合は、原則として連帯保証人を求められます。

例)

種類 連帯保証人 連帯保証人を立てない場合
生活福祉資金貸付制度
総合支援資金
原則必要 年1.5%の利息が発生
生活福祉資金貸付制度
不動産担保型生活資金
必要
独立行政法人福祉医療機構
年金担保融資制度
原則必要 保証料が発生
日本学生支援機構
第一種奨学金
第二種奨学金
原則必要 保証料が発生
教育一般貸付
国の教育ローン
原則必要 保証料が発生

連帯保証人とは?どんな責任を負うの?

ここまで連帯保証人の要否についてお話してきましたが、そもそも連帯保証人とはどんな責任を負うのでしょうか?

一言でいえば、借主と同じ返済義務を負います。

つまり、借主が支払できない状態におちいったり、借主と連絡がつかない状態になったら、借主の支払いを肩代わりしなければならないのです。

保証人と連帯保証人の違いは?

ローンや借金の業界では、「保証人」といったら連帯保証人のことを指します。

しかし、実は連帯保証人のほかに「保証人」という制度もあるのです。

いずれも、借主が返済できなくなった場合に支払いを肩代わりしなければならない点は同じですが、両者には微妙なちがいがあります。

保証人には「催告の抗弁権」「検索の抗弁権」「分別の利益」が認められていますが、連帯保証人には認められていません。

  • 催告の抗弁権・・・貸主から支払いを求められたら、まずは「借主に請求してください」と要求することができる
  • 検索の抗弁権・・・借主に支払能力があるのにもかかわらず、貸主から支払いを求められた場合、「借主に請求してください」と要求することができる
  • 分別の利益・・・連帯保証人が複数いる場合、負担を分担することができる

一方、連帯保証人には、上記3つの権利が認められていません。

いきなり貸主から支払いを求められても、なにも主張できないのです。

借主が債務整理をしても連帯保証人の返済義務は消えない

債務整理とは、借金を減額、消滅させるための法的な手続きです。

代表的なものを下記にあげてみましょう。

種類 内容
任意整理 貸主に、利息や遅延損害金のカットを求めたうえで、返済計画を立て直す
特定調停 貸主に、利息や遅延損害金のカットを求めたうえで、返済計画を立て直す(特定調停の場合は、貸主との話し合いを裁判所に仲介してもらう)
個人再生 借金(住宅ローン除く)を大幅に減額したうえで返済計画を立て直す
破産 借主の財産のほとんどを処分し、借金返済にあてる
残った借金については、裁判所が認めれば返済義務がなくなる

ここで大切なのは、借主が債務整理をしても、連帯保証人の返済義務は消えないということ。

たとえば、借主が個人再生を行った場合、借主の借金は大幅に減額されますが、連帯保証人の返済義務はそのままです。減ることはありません。

また、借主が破産した場合、裁判所が認めれば借主の返済義務はなくなりますが、連帯保証人の返済義務は変わらず。なくなることはないのです。

家族が連帯保証人になっていたら自分にも返済義務がある?

ありません。

たとえば、親が連帯保証人になったからといって、その子供に返済義務が発生することはないです。

ただし、家族の財産を相続する場合は事情が変わります。

家族が連帯保証人になったまま死亡し、すべての財産を相続すると、連帯保証人としての返済義務も引き継ぐことになるんですね。

例)
3,000万円の借金の連帯保証人になっていた父が亡くなった場合、母・兄・弟の3人で相続するなら、
母・・・1,500万円
兄・・・750万円
弟・・・750万円
の返済義務を、それぞれ相続することになる

ただしこの場合、死亡から3ヶ月以内に下記の手続きを行えば、返済義務が引き継がれることはありません。

  • 相続放棄・・・プラスの財産(現金・預金・不動産など)も、マイナスの財産(借金・連帯保証人など)もすべて放棄する
  • 限定承認・・・プラスの財産とマイナスの財産を相殺し、残った部分を相続する

なお、借金の相続については下記で詳しく解説しています。

勝手に借金の連帯保証人にされていたら?

保証人にまつわるトラブルとして、「知らない間に連帯保証人にされていた」というものがあります。

では、こういったトラブルに巻き込まれた場合、どうしたらいいのでしょうか。

弁護士に聞いてみました。

絶対に支払ってはダメ

弁護士談

知らない間に連帯保証人にされたのなら、連帯保証契約は成立していません。

よって、あなたが支払う必要はありません。

一部でも支払うと、「自分は連帯保証人だ」と認めることになるので、絶対にやめてください。

実印があるとくつがえすのは難しい?

弁護士談

連帯保証契約は必ず書面で行う決まりになっているので、貸主や借主に頼んで、契約書を見せてもらいましょう。

もし、契約書に実印が押されていたら、裁判所に「契約する意思を持っていた」と推定されてしまいます。

推定をくつがえすには、実印が勝手に使われたことを証明しなければなりません。

連帯保証人になるときに必要なものとは?

万が一、連帯保証人になる場合、何が必要なのでしょうか?

弁護士と銀行員に聞いてみました。

連帯保証人契約時の必要書類

連帯保証人になる場合、下記のようなものが必要となります(○=必要、×=不要)。

  A銀行
(住宅ローンの場合)
A銀行
(住宅ローン以外の無担保ローンの場合)
B銀行 C銀行 D銀行
実印
  • 取引がある場合・・・金融機関届出印
  • 取引がない場合・・・実印と印鑑証明書
印鑑証明書
本人確認書類
(運転免許証など顔写真付きのもの)
住民票
(親族の場合戸籍謄本も可)

(親族の場合戸籍謄本も可)
×
(必要に応じて)
収入証明書
(収入面での連帯保証人の場合)

(場合によって)

(必要に応じて)
その他
  • 固定資産の評価証明書
  • 資産を確認できる書類(必須ではない)
健康保険証 在籍証明書
(健康保健証など、必要に応じて)

契約書で必ず確認すべきこと

弁護士談

少なくとも、下記の項目は必ず確認してください。

  • 基本的な契約内容(借主、貸主、借入額、返済内容、金利、遅延損害金の有無や金利、返済方法、返済期日など)が、正しく書かれているか
  • 連帯保証人が返済義務を負うのはどんな場合か
  • 期限の利益喪失(※1)の条件はどうなっているか

とはいえ、基本的に連帯保証人にはなってはいけません。

友人はもちろん、親や親族に頼まれても断るようにしましょう。

連帯保証人になってしまったら、いつ借主の代わりに支払いを求められてもおかしくなく、ややもすると人生を台無しにしてしまうリスクを秘めています。

※1
期限の利益とは、簡単にいうと分割払いにできる権利のようなものです。よって、期限の利益を喪失した場合は、貸主から一括返済を求められても文句はいえません。期限の利益喪失の条件は、契約書で定められています。

連帯保証人は途中でやめられるの?

途中で連帯保証人をやめることはできるのでしょうか?

弁護士に聞いてみました。

弁護士談

連帯保証人契約を解除できる例は少ないです。

連帯保証人契約を解除するには、下記いずれかを満たす必要があります。

  • 契約のなかで、「連帯保証人契約解除の条件」が定められていて、それに当てはまる場合
  • 貸主が、連帯保証人の契約解除について合意した場合

よくあるのは、「夫名義の住宅ローンの連帯保証人になっていたけれど、離婚したので連帯保証人をやめたい」というケース。

離婚したとはいえ、金融機関が連帯保証人の契約解除を認めることはありません。

また、仮に契約解除が認められても、新たな担保や別の連帯保証人を求められるので注意が必要です。

時効がきたらどうなるの?連帯保証人についてのQ&A

ほかにも、連帯保証人について気になることはたくさんありますよね。

そこで、弁護士と銀行員に、連帯保証人についての疑問をまとめてぶつけてみました!

そもそも連帯保証人になれるのはどんな人?

連帯保証人には、借主と同等以上の支払能力を求められます。

では、連帯保証人になれるのは具体的にどのような人なのでしょうか?

銀行員に聞いてみました。

A銀行の元担当者談

成人している勤続年数1年以上の正社員または自営業で、現住所(またはひとつ前の住所)に1年以上住んでいる方が対象になります。

また、ほかの金融機関への返済履歴で延滞歴がないことも大事です。

年収や返済負担比率については、有担保ローンの連帯保証人の場合、300万円以上、35%以内が最低基準。

無担保ローンの連帯保証人の場合は、200万円以上、40%以内が最低基準ですね。

B銀行の元担当者談

安定した収入がある公務員、正社員にお願いしています(派遣社員、契約社員、パート、アルバイトだとNGの可能性もある)。

また、「過去に金融事故(※2)を起こしていないこと」「財産の差し押さえを受けていないこと」もマストの条件ですね。

C銀行の元担当者談

20歳以上であること、勤続年数2年以上であること、年収が借入額の3倍以上であることが条件です。

また、学生は連帯保証人になれません。

D銀行の元担当者談

一定以上の安定収入や、資産がある方にお願いします。

ただし、過去に金融事故(※2)を起こしていないことが大前提ですね。

※2
ローンやキャッシング等の支払中に問題を起こすと、「金融事故」と呼ばれます。
例)
・長期(2ヶ月以上など)にわたって延滞した
・保証会社が支払いを肩代わりした
・債務整理を行った
金融事故についてはこちらの記事を参考にしてください。

連帯保証人が支払いを肩代わりした後、借主に請求できる?

弁護士談

連帯保証人は、肩代わりした借金と同額の支払いを借主本人に求めることができます。

借金の時効が成立したらどうなるの?

弁護士談

借金の時効が成立した場合、借金の保証義務も消滅するため、連帯保証人の返済義務はなくなります。

しかし、実際のところは時効を成立させるのは難しいです。

借主が個人の場合、延滞しはじめてから5年~10年で時効を迎えますが、下記のようなことがあると「時効成立までの期間」が延長されてしまうのです。

  • 貸主が裁判所に支払督促申立てを行う10年間延長される
  • 借主が一部返済する5年間延長される
  • 借主が貸主に返済の猶予や減額をお願いする5年間延長される

また、時効は期間を満たすだけでは成立しません。

貸主に「時効が成立している」旨の内容証明郵便を送付する必要があるのです(これを時効の援用といいます)。

時効、時効の援用については下記の記事でも詳しく説明しています。

借主・連帯保証人いずれも支払困難におちいったら?

弁護士談

この場合、債務整理を選択するしかありません。

保証人関連のトラブルはどこに相談すればいいの?

弁護士談

まずは、各地の弁護士会に問い合わせをして、無料相談制度についてたずねてみてください。

弁護士会によって多少の違いはありますが、ほとんどが無料相談制度を設けています(保証人トラブルを含め借金関係の相談であれば)。

日本弁護士連合会
https://www.nichibenren.or.jp/contact/consultation.html

また、相談者の収入・資産が一定額以下であれば、法テラスの法律相談援助制度(法律相談を無料で利用できる制度)を利用できます。

法テラス
http://www.houterasu.or.jp/nagare/faq/

借金問題の相談先については、こちらでも特集しています。

まとめ

最後に今回のポイントをまとめてみましょう。

キャッシングやローンに連帯保証人は必要?

  • キャッシング・カードローンを利用する場合は連帯保証人不要
  • 各種ローン(自動車ローン、フリーローン、住宅ローン、教育ローンなど)でも基本的に連帯保証人不要(場合によっては連帯保証人を求められることも)

連帯保証人とは?

  • 借主と同じ返済義務を負う
  • 連帯保証人には、催告の抗弁権、検索の抗弁権、分別の利益がないので、いつ支払いを求められても文句は言えない
  • 借主が債務整理をしても、連帯保証人の返済義務はそのまま残る
  • 家族が連帯保証人になったからといって、あなたに返済義務が発生するようなことはない(ただし、家族が連帯保証人になったまま死亡した場合は別)

知らないうちに連帯保証人になっていたら?

  • 一部でも支払うと、「自分が連帯保証人である」と認めることになるので、絶対に支払わないこと
  • 契約書に実印が押されている場合、基本的に「自分が契約したものではない」と証明するのは難しい(貸主が、「実印を押したのが連帯保証人本人かどうか」を確認していない場合、判断をくつがえせる可能性がある)

連帯保証人契約に必要な書類

  • 実印
  • 印鑑証明書
  • 本人確認書類
  • 住民票
  • 収入証明書
  • (健康保険証)

連帯保証人についてのQ&A

  • 連帯保証人が支払いを肩代わりした場合、肩代わりした借金と同額の支払いを借主本人に求めることができる
  • 借金の時効が成立したら、連帯保証人の返済義務もなくなる
  • 借主・連帯保証人いずれも支払いが難しい状況におちいったら、債務整理を選択するしかない

いかがでしょうか。

何度もいうようですが、連帯保証人には絶対にならないようにしてください。

「あの人なら信頼できるから絶対大丈夫」と思っていても、この先なにがあるかわかりませんからね。

最後になりましたが、実際に借金の保証人になった方の体験談もありますので、ぜひ参考にしてくださいね。

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