カーローン申込みに保証人は必要?保証人なしでローンを組むために

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今回はカーローンの保証人について特集します。

自動車を購入する場合、購入方法は大きく分けて2つありますよね?

現金で全て支払うか、マイカーローンを組むかです。

そもそも車には担保の効果がありますので、通常は保証人無し・保証人不要ですが、場合によっては保証人をお願いされるケースがあります。

一体、どのような場合に保証人が必要になるのでしょう?

今回は、マイカーローンの審査を担当されていた金融機関の元社員5名へインタビューを行い、どんな人が保証人を求められるのか?保証人を用意できない場合はどうすればいいのか?を詳しく解説しました。

カーローンの保証人のことで悩んでいるときに、ぜひご覧いただきたい内容になっていると思います!

保証人が必要になる条件とは?

マイカーローン(※1)の場合、保証人(※2)が必要になるケースは少ないです。

今回お話をうかがった金融機関の元社員5名によると、「申込者全体の1~2割程度」とのこと。

前提条件として、完全に審査基準から外れている場合は保証人がいても審査に落ちてしまいます(※3)

保証人が有効なのは、「もう少しで審査に通過できそうな場合」です。

ちなみに、マイカーローンの審査基準はこちらが参考になると思います。

A銀行の元担当者談

保証人が必要になるのは、審査の結果、審査基準にちょっとだけ満たない場合です。

大幅に基準に達しない場合は、保証人の話もなく否決になりますが、「何か推せる材料があればいけるかも」という場合に保証人を検討します。

では具体的に、どんなケースで保証人が必要になるのでしょうか?

※1
マイカーローンは、自動車ローン、カーローン、オートローンとも呼ばれます。

※2
記事中の保証人は、基本的に連帯保証人のことを指します。保証人と連帯保証人の違いについてはこちらで解説しています。

※3
マイカーローンの審査に落ちる条件についてはこちらで特集を組んでいます。ぜひこちらも参考にしてください。

年収が足りない

年収が基準より少ない場合、保証人を求めることがあるようです。

A銀行の元担当者談

年収200万円または250万円以下の場合は、保証人が必要です。

B銀行の元担当者談

年収200万円未満の場合は、保証人を求めることがあります。

D銀行の元担当者談

一概に言えませんが、「年収200万円で約100万円の借入れを希望していた方」に保証人を付けるよう提案したことはありましたね。

おおよそ、200~250万円がボーダーラインになるようですね。

また、収入に関する条件として、下記を挙げる方もいました。

D銀行の元担当者談

個人事業主で収入証明書を提示されなかった方には、保証人をお願いしていました。

安定収入があるかどうかわからない場合は、保証人が必要ということですね。

返済負担比率が3割以上

返済負担比率が大きいと、保証人を求められることがあります。

返済負担比率とは?

返済負担比率とは、申込者の「年収における年間返済額の割合」です。

下記の式で求められます。

年間返済額÷税込年収×100

ただ、年間返済額に含める支払いの種類は、業者によって異なります。

「年間返済額」に含める支払い(主なもの)
A銀行
  • ローン(種類問わず)
  • キャッシング・カードローン
B銀行
  • ローン(種類問わず)
  • キャッシング・カードローン
C信金
  • ローン(種類問わず)
  • キャッシング・カードローン
  • クレジットカード(分割払い・リボ払い)
  • 携帯電話・スマートフォンの割賦払い
  • 奨学金の返済

なお、年間返済額には、今回申込むマイカーローンの分も含まれます。

返済負担比率を計算してみよう

たとえば、年収300万円の方が教育ローンとカードローンの返済中で、これからマイカーローンに申込む場合、返済負担比率はどのくらいになるのでしょうか?

それぞれ年間の返済額が下記の金額だとすると、

種類 年間の返済額
教育ローン 36万円
カードローン 12万円
今回申込むマイカーローン 42万円

(36万円+12万円+42万円)÷300万円=30%

この場合の返済負担比率は30%となります。

返済負担比率が何%以上だと保証人が必要?

基準は業者によって異なります。

A銀行の元担当者談

返済負担比率が30%超の場合は保証人を求めます。

B銀行の元担当者談

返済負担比率が30%以上になってしまう場合は、保証人を付けるかどうか検討します。

C信金の元担当者談

返済負担比率が35%超だと審査に落ちる可能性が高まりますが、保証人を付けて再審査することもできます。

再審査の結果、審査に通る場合もあります。

ボーダーラインとなるのは、30%前後のようですね。

なお、E信販の場合は、返済負担比率ではなく支払可能見込額が基準になっていました。

支払可能見込額が年間返済額を下回る場合、保証人が必要だったそうです。

支払可能見込額はどうやって計算するの?

E信販の場合、支払可能見込額の計算方法は、

税込年収-(借家の場合120万円or持ち家の場合90万円)-(生計同一同居家族の人数 ×60万円)

ちなみに、ここでいう生計同一同居家族とは、申込者の収入で生活している同居家族のことです。

また、年間返済額には、下記の支払いが含まれます。

  • ローン(種類問わず)
  • キャッシング・カードローン
  • クレジットカード(分割払い・リボ払い)
  • 携帯電話・スマートフォンの割賦払い
  • 奨学金の返済

もちろん、今回申込む自動車ローンも含みます。

たとえば、下記のような方の支払可能見込額は、

  • 年収400万円
  • 借家
  • 生計同一同居家族は1人

400万円-120万円-60万円=220万円

220万円となります。

「支払可能見込額-年間返済額」が0かそれ以下の場合は、保証人が必要となるので注意してください。

勤続年数が短い

勤続年数が短いと保証人を必要とすることがあるようです。

A銀行の元担当者談

勤続年数が短いと保証人を求めることがありますが、「何年以下」などの明確な基準はありません。

B銀行の元担当者談

申込者の勤続年数が1年未満の場合、保証人を求めることがありました。

D銀行の元担当者談

勤続年数が3ヶ月ほどの方に保証人を求めたことがあります。

若者もしくは高齢者

年齢が若い、もしくは高齢者の場合、保証人が必要となることがあります。

A銀行の元担当者談

20代前半で親と同居していて、審査通過ラインを超えるか超えないかの場合、親に保証人となってもらうよう依頼することがありましたね。

C信金の元担当者談

20 歳以上の学生の場合、「就職先が決まっており、就職先のホームページ等で給与の金額がわかる」「卒業が決まっている」の2条件を満たしていれば、審査に通る可能性があります。

ただし、親族を保証人とすることが必須です。
また、75歳以上の場合、保証人が必要となります。

E信販の元担当者談

未成年者、もしくは完済時の年齢が70歳を超える方は保証人が必要です。

他社の支払いを延滞したことがある

他社のローン・キャッシング・クレジットカード等の分割払いを延滞したことがある方に、保証人を求めることがあります。

延滞に関しては過去5年分を調べられることが多いので、注意してください。

ちなみに、自動車ローンを延滞してしまうと最後は車両を引き上げられてしまいます。

A銀行の元担当者談

ローンやキャッシングの支払いを延滞していると、審査に落ちることがあります。

ただ、「数日間の遅れが数回あっただけ」など、軽度であれば、審査に通ることもあります。

この場合、保証人を付けてもらうケースもあります。

D銀行の元担当者談

長期延滞などの金融事故(※4)を起こしている場合でも、今現在、収入が安定した正社員で、勤続年数が2年以上あれば、審査に通る可能性があります。

ただし、この場合、こちらから保証人を付けるようお願いしていましたね。

E信販の審査担当者談

毎月のように支払いが遅れていたり、2ヶ月連続延滞しているような場合は保証人をお願いするかもしれません。

※4
長期延滞は、2~3ヶ月以上ローン・キャッシングその他の支払いを延滞している状態で、金融事故の一種です。金融事故について詳しくはこちらで解説しています。

その他

業者によっては、その他の理由で保証人を求めることがあります。

いくつか挙げてみましょう。

安定しない職業に就いている

A銀行の元担当者談

定期収入が見込みづらい職業の場合、保証人を求めることがあります。

たとえば、歩合制の職業や、芸能人、芸人、自営業、水商売などです。

他社借入れが多い

D銀行の元担当者談

すでに他社の借入れが4件以上ある場合、もしくは、他社からの借入額が年収の3分の1以上ある場合は、保証人を付けるよう求めることがありました。

ここでいう「他社借入れ」には下記が含まれるそうです。

  • ローン(種類問わず)
  • キャッシング・カードローン
  • クレジットカード(分割払い・リボ払い)
  • 携帯電話・スマートフォンの割賦払い
  • 奨学金の返済

はじめてローンを利用する方

E信販の元担当者談

これまでローンの類を利用したことがなく、今回はじめて3回以上の分割払いを利用する方には保証人を付けるようお願いすることがありました。

どうしても保証人をつけたくないときは?

銀行などから保証人を付けるように言われたら、絶対に保証人を付けなければならないのでしょうか?

5社とも、「頭金を入れれば保証人不要となることもある」という回答でした。

頭金を入れれば年間返済額が減り、返済負担比率を下げられます。

ただし、別の理由(返済負担比率以外の理由)で保証人が必要な場合は、頭金を入れても影響しません。

また、下記のような声もありました。

C信金の元担当者談

借入希望額以上の預金や資産を持っている場合、保証人不要となることがあります。

E信販の元担当者談

信販会社の自動車ローンであれば、「第二連絡先を設定する」「家族にマイカーローンのことを知らせる」などの対応でOK(保証人を付けなくていい)の場合もあります。ダメ元で信販会社に相談してみてください。

誰を保証人にすべき?

保証人を付けることになった場合、どのような方にお願いすればいいのでしょうか?

「保証人になれる人」の条件をまとめてみました。

保証人になれる人の条件とは?

条件は業者によって異なりますが、大まかに共通する条件をまとめてみました。

  • 成人(高齢者は不可の場合も)
  • 安定継続した収入がある(年金収入のみは不可)
  • 正規雇用(アルバイト・フリーター等は不可)
  • 勤続年数1年以上
  • 5年以内に金融事故を起こしていない
  • 5年以内に他社のローン・キャッシング・クレジットカード等の分割支払いを延滞していない
  • 税金の支払いを滞納していない
  • 反社会的勢力ではない
  • 返済負担比率が基準以下

また、基本的に、親族を保証人にするよう求められるようです。

A銀行の元担当者談

親族、なかでも配偶者や親がよいですね。

B銀行の元担当者談

祖父母、親、配偶者、子のうち、審査基準を満たす方が保証人の対象になります。

E信販の元担当者談

申込者が未成年の場合、保証人になれるのは親権者だけです。

また、申込者が高齢者の場合、保証人は59才以下かつ親族の方にお願いしていました。

主婦が申込む場合は、極力、夫に保証人になってもらいます。

また、申込者に不安要素が多い場合や、保証人の保証能力が不足している場合は、2人目の保証人を求められることもあるそうです。

保証人の責任は?

契約者の返済が遅れた場合、保証人はすぐに返済を肩代わりしなくてはならないのでしょうか?

どんな時に返済を求められる?

契約者の返済が遅れたら、保証人に連絡がいくことになります。

ただし、タイミングは業者によってさまざまです。

A銀行・C信金・E信販の元担当者談

1~2ヶ月の延滞で保証人へ連絡することはありません。

ただし、契約者本人と連絡が取れていること、本人に支払いの意思があることが前提です。

本人と全く連絡が取れない場合は、すぐ保証人に連絡し、今後の話をします。

B銀行の元担当者談

契約者が月越しで延滞したら、保証人に支払いを請求します。

D銀行の元担当者談

1週間以上延滞しており、その間、契約者と連絡が取れないようであれば保証人に電話します。

その後、3日ほど待っても本人と連絡がつかなければ、保証人へ請求することになります。

保証人は一括返済しなければならない?

保証人がローンの肩代わりをすることになったら、ローンの元金、利息、遅延損害金をすべて支払うことになります。

これらのお金は銀行次第で一括返済を求められますが、現実的には分割返済になるケースが多いようです。

A銀行の元担当者談

銀行としては一括返済がベストですが、無理であれば分割返済で問題ありません。

返済が大変であれば、返済期間を延ばす相談もできます。

B銀行の元担当者談

保証人の方には、契約者が設定した返済方法(月々の返済額、返済期日など)を守って返済してもらうことになります。

C信金の元担当者談

保証人は、返済方法(月々の返済額、返済期日など)を再設定することができます。

一括返済も可能ですし、分割で返済していくこともできます。

保証人を付けることによるメリット・デメリット

最後に、保証人を付けることによるメリット・デメリットをまとめてみました。

メリット

言うまでもありませんが、保証人を付ければ審査に通る確率が上がります。

D銀行の元担当者談

保証人を付ければ審査に通過しやすくなります。

また、属性の高い保証人を付けていただければ、自動車ローンの融資額を引き上げられるケースもあります。

デメリット

契約手続きが通常より面倒になるなどの細かいデメリットもありますが、一番は保証人がリスクを負わなければならないことです。

記事中の「保証人」はすべて連帯保証人を指すので、契約者と同等の責任を負うことになります。

また、契約者と保証人の関係が悪化してしまうケースも少なくありません。

D銀行の元担当者談

うちの場合、契約者が1週間延滞しただけで保証人に連絡していました。

電話を受けた保証人の方は大きな不安に駆られるでしょうから、そこから両者の関係が壊れてしまうことも少なくありませんでしたね。

銀行としては、契約者と保証人、どちらにお金を返していただいても構わないので、保証人にも容赦なく請求します。

銀行が契約者と保証人の仲を気遣うようなことはしないので、注意してください。

まとめ

最後に今回の重要ポイントをおさらいしてみましょう。

保証人が必要になるケース

  • 年収200~250万円以下
  • 収入が不安定
  • 返済負担比率(年間返済額÷税込年収×100)が30%~35%以上
  • 勤続年数が短い
    例 1年未満、3ヶ月以下
  • 年齢が若い、もしくは高齢者
    例 未成年、20代前半、75歳以上、完済時70歳超
  • 5年以内に、他社のローン・キャッシング・クレジットカード等の分割払いを延滞したことがある
  • 不安定な職業に就いている
    例 歩合制の職業、芸能人、自営業、水商売
  • すでに他社の借入れ が4件以上ある、もしくは、他社からの借入額が年収の3分の1以上ある
  • 今回はじめて3回以上の分割払いを利用する場合

保証人を付けずに済む方法

  • 頭金を入れることで保証人が不要となることがある
  • 借入希望額以上の預金や資産を持っている場合、保証人不要となることがある
  • 信販会社の場合、「第二連絡先を設定する」「家族にマイカーローンのことを知らせる」などの対応でOK(保証人を付けなくていい)な場合がある

誰を保証人にすべき?

下記のような条件をいずれも満たす人。

  • 成人(高齢者は不可の場合も)
  • 安定継続した収入がある(年金収入のみは不可)
  • 正規雇用
  • 勤続年数1年以上
  • 5年以内に金融事故を起こしていない
  • 5年以内に他社のローン・キャッシング・クレジットカード等の分割支払いを延滞していない
  • 税金の支払いを滞納していない
  • 反社会的勢力ではない
  • 返済負担比率が基準以下
  • 契約者の親族

保証人の責任

  • 契約者の返済が遅れていて、本人と連絡が取れない場合は保証人に連絡がいくことがある
  • 保証人がローンの肩代わりをすることになったら、ローンの元金、利息、遅延損害金をすべて支払うことになる(分割返済となるケースが多い)

保証人を付けるメリット

  • 保証人を付ければ審査に通る確率が上がる
  • 属性の高い保証人を付ければ、融資額を引き上げられることもある

保証人を付けるデメリット

  • 契約手続きが通常より面倒になる
  • 保証人がリスクを負わなければならない(契約者と同等の責任を負うことになる)
  • 契約者と保証人の関係が悪化してしまうケースも

いかがでしたか。

できれば、保証人を付けずにローンを組みたいですよね。

ただ、そもそも申込資格を満たしていない場合や、審査基準に大幅に足りていない場合は、保証人の有無に関わらず審査に落ちてしまうので、注意してください。

また、保証人を付けたくないからといって、マイカーローン以外のローンに申込むのはやめておきましょう。

たとえば、アコム楽天銀行スーパーローンなどのカードローンです。

キャッシングやカードローンは、自動車ローンよりはるかに金利が高いので、おすすめできません。

最後になりましたが、自動車ローンを選ぶときのポイントを特集している記事もありますので、これから自動車ローンを選ぶ方はぜひチェックしてみてください。

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