急な出費からの経済的困窮。最悪の事態に備えることがいかに重要か

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【前回のお話のあらすじ】
夫の会社が倒産して失業し、次男は喘息の発作で毎月入退院を繰り返している状態で、我が家の経済状況は非常に困窮していました。収入が減っても支出は減らず、とても苦しい状況の中、私は奮起してパートで働いていました。

【この体験談記事を最初からお読みになりたい場合は
夫がリストラ!雇用保険なし、貯金残高なしで迎えたさらなる出費【体験談】』からお読みください】

国や市町村、まわりの援助を受けよう

限られた少ない収入でやりくりするには「食費の削減」が重要でした。

とにかく私の休みが丸一日取れる日曜日に、夫と買い物に一緒に行き、まとめ買いをして 1週間分の献立を作りました。お肉が安ければ多めに買って、シュウマイを作って冷凍保存したり、調味料としても使える肉味噌を作りました。

実は私はこうした堅実なやり方が苦手でした。それまでは本当にドンブリ勘定だったのです。まめに家計簿を付けてチェックしたり・・・これが苦手だったため、レシートを日にち別に分けてノートに貼り付けて、日々の出費をチェックしていました。

ですが、堅実なやり方も、やはり限界があります。精神的に滅入ってくるのと、多忙のあまりイライラが募り、私自身が体調を崩すようになりました。朝のアルバイトも休まなければならない始末です。

心配した夫は、自分の兄弟姉妹に事情を話し、とりあえず1ヶ月分の生活費を工面してもらえるように頼んでくれました。そのお陰で休んだ間に体調を整え、それ以降は仕事を休むこともなくなりました。

また、次男にかかる医療費についても、当時住んでいた東京都の場合、喘息児(18歳まで)に対しての医療費助成(※)があることを知り(同じ小児科病棟で入院していた、次男と同じ喘息を持ったお子さんの保護者の方から教えて頂きました。)、早速申請をしたのです。

この東京都の医療費助成はとても助かりました。喘息に関わる医療費は(入院費を含めて)全て公費で支払われます。もっと早く知っていたら色々悩まずにすんだはずです。

特に病院から教えてくれるということはないので、どんなことでも病院内にいらっしゃるケースワーカーさんにまず相談するべきでした。

(※)現在東京都の喘息を患っている患者さんへの医療費助成については、平成20年8月1日より、全年齢対象と改正になっています。詳しい事は東京都福祉保健局へお問い合わせください。

実際、経済的に困窮しても誰にも迷惑をかけたくないという心理は、どんな方でもあるものだと思いますが、路頭に迷うような最悪の事態にならない為にも誰かに相談することは必要なのだと実感しました。

親戚やまわりの方への援助のお願いももちろんですが、国や市区町村などにも頼るべきです。私自身、住んでいる地域の補助や助成制度について調べてみると、知らなかったことが沢山あったので、「もっとはやく調べて利用していればよかったな」と思いました。

その後、なんとか生活をやりくりしているうちに(私が掛け持ちで働くようになって半年以上経った頃)夫の新しい就職先が決まりました。

それも一部上場企業です。給料も年俸制で安定が見込まれます。さらに東北地方へ赴任になることになり、次男の喘息にとってもいい環境になるのではないかということで、私たち家族はとても喜びました。

経済的には安定したのに、離婚へ・・・

この後、私達家族は東北に1年間住むことになりますが(引越し費用はすべて夫の勤める会社負担です)、また夫が転勤となり山梨県へ家族で移動します。すでに就職していた義理の息子は、東北赴任のときから東京に残り一人暮らしを始めていました。

しかし、私たち4人家族は私たち夫婦の離婚という結末を迎えてしまいます。経済的には元の生活に戻ったのにもかかわらず、精神的に落ち着いた頃にお互いに鬱積していたものが抑えきれなくなって、噴き出してしまいました。

あれだけ苦労を共にしてきたのに、ストレスはお互いの心に重くのしかかっていたようです。お金に対するストレスは、想像を絶するものがあります。

経済的に困窮していた時期は、お互いを思うがために大丈夫なふりをしていたのですが、ずっと我慢していてはいずれ爆発してしまうのは当然です。遠慮や我慢は「美徳」のように思われがちですが、夫婦であればそれを表に出してもいいのではないかと今は思います。

私はけっこう楽観的にものごとを考える性格です。それは自分の長所でもありますが、備えることに関して楽観視してしまうところが致命的です。

今回の結婚生活の中で経済的な困窮をむかえたとき、結婚当初からどんぶり勘定などではなく、現実的に日々備えていたら、行き当たりばったりの対処をしなくて済んだのではないかと反省しています。

あなたはどうですか?
急な出費への備え、心構えは完璧ですか?

人生の最悪の事態をシュミレーションしてみる、住んでいる地域の行政を知る、そして自分のことをきちんと知っておく。

私は今回の件でこの3点を心に留めるようになりました。
今もことあるごとに、思い起こして実践しています。
お金がある、なしで人生をふりまわされないようにするために大事なことですよね。

【この記事の筆者】
小林 蓉子(こばやし ようこ)
1966年生まれ。20歳のときに親の大反対を押し切って15年の差の元夫と結婚。順風満帆な生活を送るも、次男が病魔に襲われ、また元夫がリストラや倒産・・・というように立て続けに災難が続き、経済的な困窮を迎えてしまう。なんとか経済的困難を乗り切るが、その後離婚。離婚後は一人暮らしで派遣社員で職を転々とするが、現在は正規社員として働くかたわら、アロマテラピーのプロフェッショナルライセンスを取得し、心理カウンセラーの学習をしながらストレスを抱える人たちへの「癒し」を提供している。

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