SMBCモビット体験記。10秒簡易審査は早いが、元本はなかなか減らない

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複数の借金を抱えている私は「借りては返す」を繰り返すような自転車操業状態に陥っていました。

そんなとき、たまたま銀行で見つけたキャッシングの短冊チラシ。

「そろそろ返済もキツくなってきたし、もうひとつローンを増やそうかな...」

軽い気持ちで申込み、無事審査にも通過。
40万円の借入れに成功しました。

そのおかげで一時的に返済がラクになったのですが、長い目で見るとより自分を苦しめることになっていたのですね。

今回は、当時のことをお話したいと思います。

体験者の情報

氏名:田村 義男(仮名)
当時の年齢:38歳
性別:男性
当時の職業:会社経営
利用時期:2008年頃

銀行で見つけたキャッシングの短冊チラシ

私のメインバンクは、20代前半の頃からずっと三菱UFJ銀行です。

クレジットカードや公共料金などの支払いは、ほぼこの口座から引き落とされるようになっていました。

ある日、いつものように銀行ATMを利用しようと並んでいると、端末の横に束になって置かれている短冊チラシが目に入りました。

チラシには、「キャッシング・カードローン」の文字。

当時、私はすでに信販会社3社、消費者金融1社からお金を借りている状態。

さらに、借りては返すということを延々と繰り返していたので、元本はなかなか減りません。

自転車操業も辛くなってきた頃だったので、「銀行系のローンなら安心だし、もう1社ぐらい利用しても大丈夫かな」と、軽い気持ちで申込んでみることにしたのです。

無事に審査通過!40万円の借入れに成功

まずは短冊チラシに書かれていたURLにアクセスしてみました。

ホームページに飛ぶと、「10秒で簡易審査結果表示」とのことだったので、早速申込み。

申込フォームでは、現時点での借入件数や借入金額など、あまり触れられたくない質問項目もありましたが、比較的簡単な質問が並んでいました。

ちゃちゃっと書き込んで申込終了。

10秒簡易審査の結果は、「40万円まで融資可能」とのこと。

そのままホームページで申込手続きを進めることもできましたが、指定した銀行口座に振込みで融資してもらえるサービスについて詳しく知りたかったため、ここからは電話で手続きを進めることにしました。

電話に出たのは男性で、非常に親切・丁寧に対応してくれました。

多少、質問されましたが、無事に40万円で審査通過。
すぐに自分の口座に必要な金額を振込んでもらいました。

10万円増額からの借入停止

その後、1年ほど利用した頃でしょうか。
借入可能額の増額のお知らせが届きました。

増額は10万円だけでしたが、常にほぼ満額で借りていたので、早速手続きをしました。

当時、私が返済していたのは月1万円。
他にもいくつか借入れがあった私としては、その金額が精一杯でした。

ただ、50万円近くを借りているのに月々の返済額が1万円になると、その内 元本にあてられる金額はかなり少なくなってしまうんですよね。

そのせいで、なかなか元本の減らない状況が続きました。

また、しばらくすると 借入自体できなくなってしまったのです。コールセンターに問い合わせてみましたが、もちろん理由は教えてくれません。

「こちら側の判断によるもの」の一点張りです。

ただ、借入残額が40万円を切るともう10万円借りることができるようになるので、それがわかってからは「返して借りる」を繰り返すようになりました。

そして、まだどの会社も完済にはいたっていません。

このままいくと、また借入れを増やさなければならなくなるので、どうにかここで食い止めて完済したいと思っています。

複数の借金から抜け出す方法とは?(編集より)

今回の田村さんのように、複数の借金を抱え自力での返済が難しくなってしまう方(以降、「複数債務者」と呼びます)はたくさんいます。

金融庁および日本信用情報機構の調査によると、5件以上の借入れがある債務者の数は、2013年6月時点で約27万人。

2005年時点では約230万人でしたから、その頃に比べると大幅に減ってはいますが、それでもまだ多くの人が借金に苦しんでいます。

しかし、皆さんはじめは返済できる範囲でお金を借りるはずなのに、どうしてこのようなことになってしまうのでしょうか?

また、複数の借金から抜け出すにはどうすればいいのでしょうか?

なぜ複数の借金を抱えてしまうのか?

自力で借金を完済するためにやるべきことはひとつです。

それは、毎月 最低返済額(※1)をちゃんと返済していくこと。

※1
どのローンでも借入額によって毎月の最低返済額が設定されています(設定金額はローンによって異なります)。たとえば、「A社のローンで30万円を借入れた場合は毎月最低でも1万円以上返済しなければならない」といった具合です。

これができないと、返済のために新たな借入れを増やしてしまい、そこから借金のループが始まるのです。

ではなぜ、毎月 決まった金額を返済していくことができないのでしょうか?

それにはいろいろな要因が考えられます。

何も考えずにお金を使ってしまう

あたりまえですが、後先考えずお金を使ったら返済にまわすお金がなくなってしまいます。

毎月の返済額や支出のことを把握したうえで、計画的にお金を使う必要があります。

そもそも自分の返済能力を超えた借入れである

たとえば、どんなに切り詰めても月1万円しか返済にまわせない人が月2万円返済しなければならない借金を抱えたら、絶対に完済できませんよね。

返済能力を超えた金額を借入れても、自力で完済できるわけがないのです。

自分の収入・支出から、「月いくらなら返済にまわせるか」算出したうえで、それを超える借入れをおこなわないようにしましょう。

予期せぬ事態がおこった(病気、失業など)

突然の病気や失業、給料の大幅ダウンなど、予期せぬ事態が起こり、返済が難しくなってしまうケースもあります。

こうなると、個人の知恵や努力だけでは解決が難しいので、自分だけで解決しようとせず、はやめにしかるべきところに相談するようにしましょう。

たとえば国民生活センター、日本司法支援センター(法テラス)、日本弁護士連合会、日本司法書士会連合会などはそれぞれ相談窓口をもうけています。

また、借金問題の相談先については、こちらでも詳しく紹介しています。

複数の借金から抜け出す方法とは?

では、もし複数債務者になってしまったらどうすればいいのでしょうか?

最後に、複数の借金から抜け出す方法を紹介しましょう。

おまとめローンを利用する

ひと手間必要ですが、おまとめローンを利用するという手があります。

おまとめローンとは、ひとことで言うと「複数の借金をまとめて、低金利で借り換える」こと。

おまとめローンのメリットは、低金利のローンに借り換えることで、利息の総額が減ること。また、毎月の返済額が軽減されることです。

たとえば、A社、B社、C社の3社から総額200万円を金利18%で借入れていた場合、それを5年で完済しようとすると、毎月の返済額は約5万1,000円となります。

そこで、おまとめローンを利用したとします。
3社の借入れをまとめて、金利15%のローンに借り換えたら、毎月の返済額は約4万8,000円まで下がります。

また、最終的に支払う利息の総額も約104万7,000円から85万5,000円まで下がります。

ざっと20万円ほど利息の負担が減るわけですね。

また、借入先がひとつになるので、返済の手間も手数料の負担も減ります。

さらに、返済計画も立てやすくなるので、精神的な負担も軽減されるのではないでしょうか。

なお、おまとめローンの特集もありますので、よかったらこちらもチェックしてみてください。(ただ、巷ではおまとめローンをかたった詐欺も流行しているようです。気をつけましょう)。

債務整理をする

最終手段として、債務整理があります。
債務整理とは、合法的に借金の額を減らす、またはゼロにする手続きのことです。

整理の方法は大きく分けて、「破産」「任意整理」「個人民事再生」「特定調停」の4つがあります。

破産手続きをし、免責が下りれば借金がすべて帳消しとなります。破産以外の3つは、いずれも借金を減額する手続きです。

「どの手続きをすればよいか?」は本人の状況や希望によって大きく変わりますので、まずは法律の専門家に相談することをおススメします。

法テラスや市区町村の役所で無料で相談できますので、まずはそちらに相談してみてはいかがでしょうか。

実際に法テラスで相談された方の体験談も参考になると思います。

おまけ 複数債務者になるのはどんなタイプの人?

最後におまけとして、「複数債務者になるのはどんなタイプの人が多いのか?」紹介していきます。

ここに、複数債務者の平均像について調査した興味深いデータがあります。

  • 平均年収は300万円前後
  • 年齢は40歳代の働き盛り
  • 家族構成は「既婚子供有」が最多
  • 借入理由は「生活費の補てん」が中心

参考
神戸大学大学院経営学研究科助教授 財務総合政策研究所特別研究官 上羅 豪「データから見た多重債務者の像」

これは、2005年、1,054名の債務者を対象におこなわれた調査です。

少し古いデータですが、これによると、ごく普通のサラリーマンのお父さん(もしくはお母さん)が「生活費のために」お金を借り、結果 複数の借金を苦しむことになるケースが多いようです。

なんとなく、お金にだらしない若者が多いのかなと思っていたので、この結果は意外でした。

日本社会のシビアな現実を垣間見た気がしますね...。

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