更新日:2018/07/20
毎月足りない生活費のためにキャッシング。最後は債務整理【体験談】
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評価を設定してください ×消費者金融やカード会社によって条件は異なりますが、基本的に18歳以上の人で、アルバイトなどの収入がある人は、キャシングを利用することができます。
しかし若い頃にキャッシングを覚えてしまうと、自分の預金を下ろすような感覚でお金を次々と引き出してしまい、気がつくと必要もないのに借入れが常態化してしまうという人もいるのです。
18歳で初めてキャッシングを利用し、生活費や遊興費のために気軽に借入れを重ねるうちに、多額の借金を抱えてしまったという人に話を聞くことができました。
体験者の情報
名前:山本 健二(仮名)
性別:男
職業:フリーカメラマン
年齢:46歳
借入件数:10件以上
会社名(借入先):セゾン、三和、アコム、アイフル、武富士、レイク、マルイ、OMC、セントラルファイナンスなど
利用時期:1990年ごろ~2005年ごろ
借金の合計額:およそ400万円
今回お話をうかがったのは、山本健二(仮)さん、46歳、職業はフリーカメラマンです。
穏やかで優しそうな雰囲気の彼は日に焼けた、いかにもカメラマンという風貌。ゆったりと話すその様子からは、多額の借金を抱えていた人物とは思えません。
しかし、彼は社会に出た18歳の頃からキャッシングをするようになり、以後20年近く10社以上の消費者金融やカード会社から借金を繰り返します。最終的には合計400万円もの借入れの末、債務整理するに至りました。
現在はすでに完済され、キャッシング業者とも決別されていますが、当時のことを思い出しながら、借金に至った経緯や債務整理をするまでの苦労を話してくださいました。
18歳からキャッシングを利用
― 初めて借り入れをされたのはいつですか?
初めて借りたのは18歳の時で、バブルの真っ只中でした。
当時は就職したばかりだったのですが、会社に来る銀行の営業から勧められて、あまり深く考えずに三和銀行のJCBカードを作りました。
その後3ヶ月くらいでその会社を辞めてしまって、コンビニや喫茶店でアルバイトしていたのです。その時に、収入が少なく生活が厳しかったので、生活費の補てんに、1~2万円をキャッシングしたのが最初だったと思います。
金利はよく覚えてませんが、20%以上はあったと思います。限度額は10万円くらいだったでしょうか。その後、マルイやセゾンのカードも作りましたが、やはり限度額は10万円くらいでした。その当時はまだアルバイトだったので、そのくらいだったのでしょう。
ATMで気軽にキャッシングできるものだから、お財布代わりにちょくちょく使うようになって、どのカードも限度額いっぱいまで借りて、月に3万円くらい返していました。
今では到底考えられないことですけれど、そういう無茶な使い方をしたのも、若かったんでしょう。
引越し代としてアコムから50万円
― その後、クレジットカードだけではなく、消費者金融からも借りるようになったきっかけは?
人と違うことがしたくて、写真スタジオでアルバイトを数年していました。
その時はスタジオの寮に住み込みで働いていたのですが、22~23歳の頃、本格的にカメラを勉強するために、プロのカメラマンに弟子入りすることのなったのです。
それで急遽自分で部屋を借りなければいけなくなったのですが、当時の収入が12~3万円くらいだったから、引っ越し資金も当然なくて。
結局アパートの敷金・礼金を払うために、アコムで50万円くらい借りました。
その当時は「総量規制」ですか?そういうのがなかったから、アルバイトでも、今よりずっと限度額が高かったのかもしれません。
― 当時の収入や、月々の返済額は覚えていますか?
プロのカメラマンの弟子をしていた時は、手取りで15万円くらいで、やはり月々3万円くらい返していましたね。家賃や生活費もあったから、生活は当然苦しかったです。
その後、25歳で雑誌の契約カメラマンになって、給料も25万円くらいはもらえるようになったので、とりあえず生活は安定しました。
その時も合計で月々3万円くらい返済していましたが、遅延するようなことはありませんでした。
独立をきっかけにさらに借金を重ねる
― 最終的に400万円まで借金が膨れ上がった原因は?
28歳で独立したのですが、その時の機材などの初期投資ですね。
機材やパソコンンなど一式で100万円くらいかかったので、それらすべてを消費者金融からの借入金で賄ったかんじです。
でも独立はしたものの不景気なこともあって、なかなか思うように仕事はありませんでした。1ヶ月の収入が10万円くらいの時もありましたし、良くても20万円でしたね。
もちろん家賃や経費もあるから、どんどん経営も生活も苦しくなるばかりで、正直儲けはほとんどありませんでした。
結果的にアイフル、武富士、レイクと、アコム以外の消費者金融でも、借金を重ねるようになったんです。無人契約機も至る所にあるから、とてもハードルが低かったです。
― そんなに借入れしていたのに、よく次の業者が貸してくれましたね。
実際に断られたりもしましたが、当時はそんな状況でも、借りられる所はたくさんありました。
それこそ返済が滞りがちになっていてもOKみたいな。例えばある会社では「他社を完済してローンを組むなら、大丈夫ですよ」と逆におまとめローン的なものを勧められたくらいです。
― 審査の際に、他社からの借り入れのことは正直に話していたのですか?
正直に言ってましたね。
今だと自営業の人の借入は、色々厳しいみたいですけど、当時はレイクと武富士で100万円ずつ借りることができました。もちろん職業や収入もちゃんと伝えた上で。
返済のために借入する自転車操業へ
― この頃返済はできていたのですか?
フリーランスになる前はどうにか返せてましたが、独立後は、月3万円の返済も苦しくなっていました。フリーになった時点で、未返済額が50〜100万円くらいあったのですが、利息分だけを返すのが精一杯で・・・。
独立して5年ほど経った2000年過ぎた頃には、生活費の余剰分はすべて返済に充てるような状態になっていたのですが、そのうちに月々の返済そのものが難しくなっていったんです。
ですから返済のために、消費者金融もクレジットカードもごちゃまぜで、借りられるところから借りていました。
セントラルファイナンスみたいな信販会社からも、何かを買ったときにローンを組んだのがきっかけで、借りるようになりました。ダメだったら次、みたいな完全に自転車操業状態でしたね。
でも当時は「そのうちきっと大きな仕事が舞い込んできて、まとめて返せるはず」なんて根拠のない自信みたいなものがありました。
― 遅延したことはありましたか?
多少はありますが、厳しい取り立てみたいなのは、特にはありませんでしたね。基本的には利息分だけは支払っていたので。
でも電話なら時々ありました。郵便も月に1度程度なら。それでも自宅に来ることはありませんでした。
弁護士事務所でバカにされる
― その後、債務整理をされたそうですが、何かきっかけがあったのですか?
独立して10年経った2005年には、とうとう借入額が400万円になってしまったので、さすがにまずいと思ったんです。そうしたらちょうど郵便受けに入っていたチラシで、「債務整理」のことを知ることになって。
それまでは借金の整理というと、自己破産しか知りませんでした。けれど自己破産がどういうものなのかも、実際はよく分かっていなくて。
でも人生になんらかのペナルティがつくという印象は漠然とあったので、それだけは避けなくてはいけないという思い込みがありましたね。
でもとりあえず、現状をどうにかしなければならないと思って、大手の弁護士事務所に借金の相談をしました。でも話をちゃんと聞いてもらえなかったというか、バカにされたというか、あまり良い印象はありませんでした。
そこで一旦諦めかけたのですが、自宅のポストに入っていた司法書士事務所に、もう一度相談をすることにしました。
そこでは親身に話を聞いてもらうことができて、具体的な返済計画を立ててもらうことになったんです。
債務整理と返済計画
― どのような返済計画だったのですか?
3ヶ月間かけて証拠を集めて、借金の額を圧縮してもらう「任意整理」を行いました。
後から知ったのですが、3ヶ月で整理が終わるのは、とてもスピーディな部類に入るみたいですね。
それから利息を除いた分の元金400万円を、5年計画で少しずつ払っていくことになりました。
徐々に返済額を減らしていく方式だったので、最初の10ヶ月は4万円返済していましたが、最期の年の返済額は数千円になり、それを司法書士さんの口座に入金するかたちで、2010年に完済しました。
おかげで無理なく計画通りに返済することができました。
過払金も100万円ほど返ってきたので、とても助かりましたね。司法書士さんへの謝礼は40万円くらいでした。今でもとても感謝しています。
― 今後キャッシングを利用することはありますか?
今は一切縁はありません。
司法書士さんにすべてを託した時点で、すべてのカードに鋏を入れていましたし。借り入れできない環境にも、徐々に慣れていきました。
すべてが終わって振り返ってみると、すごく無駄なことだったってわかりました。
借り入れしているメリットより、返済しているデメリットが大きかった、それをすごく実感しました。当時も頭では分かっていたはずなんですけどね。
実際に司法書士さんが、今まで払った金利を計算してくれたものを見て、愕然としてしまいました。18歳からキャッシングが当たり前になっていたので、感覚がマヒしていたとしか。
今思えば本当に恐ろしいですよ。
債務整理をして思うこと
― 当時の自分に言いたいことはありますか?
「借りてまでお金を使うな」と言いたいですね。
確かに仕事をやっていく上でのお金は必要だったし、そのお金で独立する事ができたのも確かです。
でも普段の生活でもお金がない時は、「キャッシングすればいい」と安易に考えるようになってしまったのでしょうね。遊びや飲み代など、身分不相応なことに使っていた部分があったのも確かです
― 今は消費者金融にどのような印象を持っていますか?
逆恨みはありません。すべては自己責任だと思っています。もちろん金利が高すぎるなどの問題はありますが、今でも借りたものは返すのが当然だと思っています。
それこそバブルが崩壊した当時は、苦しんで自殺をする人も多かったけれど、今は「貸し金法」もできて、ずいぶん流れは変わったと思っています。
― 現在仕事は順調ですか?
正直、楽ではないですね。でも今後借りるつもりはない、それだけは断言できます。
当時も本当なら借りなくても良かったはずです。もっと早く気付くべきだったという後悔は今でもあります。
だからこそ過去の過ちを繰り返さないように、堅実でなければいけませんね。
終始穏やかに語ってくださった山本さんですが、過去を振り返るときには、自嘲気味に笑われる場面もありました。
山本さんのように、まだ金銭感覚が未熟な若い頃に、キャッシングを覚えてしまうと、借金に対する抵抗がなくなり、常態化してしまうというケースは多いようです。
山本さんが「本当なら借りなくても良かった。もっと早く気付くべきだった」と言うように、借りなくてもいい借金を重ねるうちに、いつしか取り返しのつかない事になってしまう人もいます。
借入れの際には「本当に必要な借金なのか?」「本当に返済できるのか」をしっかりと考えることが大切です。
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