更新日:2018/07/25
「あのね、今日ぼく会社でね・・・」既婚ウソつき男の正体は赤ちゃん言葉のモラハラ男
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モラハラ(モラルハラスメント)という言葉は、すっかり広く知られるようになりました。
でも、モラハラとはどういう状況を指すのか、よくわからないという人も多いと思います。
モラハラとは精神的な暴力のこと。
イヤミや悪口を浴びせる・ルールや命令で束縛する・「お前はダメな人間だ!」というように人格を否定する・・・
相手を精神的に追い詰める行為は、すべてモラハラです。
「私の身近にはモラハラしている人もされている人もいないけど?」と思われるかもしれませんね。
しかし、気が付かないうちに、モラハラに遭っている人はとっても多いんです。
こんにちは。
ファイグー編集部の木村(女40代)です。
モラハラは、家庭内や恋人観で起こるので、外からは見えにくいものというイメージがありますよね。
これは、モラハラをしている男性も、モラハラを受けている女性も「モラハラとは思っていない」というケースが非常に多いからなんです。
「束縛がキツイ人だな」と思っていても、まさか「自分の彼氏(夫)がモラハラしている」とは思っていません。
だからこそ、モラハラは恐ろしいんです。
そこで気になるのは、「付き合う前にモラハラ男をどう見分けるか?」だと思います。
実はモラハラ男の言動は、非常に特徴的。
ある一定のパターンがあるので、実は見分けやすいんですね。
たとえば「夫(彼氏)が友達と出かけるのを嫌がる」「夫(彼氏)から異常な長文メールが届く」という場合、それはモラハラを疑ったほうがいいでしょう。
今回、インタビューに応じてくれたトモミさん(34歳)も、彼氏がモラハラ男だとは気が付いていなかったひとり。
しかし、お話をうかがえばうかがうほど、典型的なモラハラ行為を受けていたことがわかりました。
トモミさんはごく普通のOL。
笑顔が可愛らしい、優しい雰囲気の女性です。
これからお伝えするトモミさんのモラハラインタビューをご覧になれば、モラハラ男の特徴と、モラハラ男を引き寄せてしまう女性の特徴が見えてくるはずです。
この記事をご覧になり、モラハラ男を見分ける目を養いましょう!
それではいきます!
今回の告白者
トモミ (34歳)
東京都出身。
コールセンターに派遣社員として勤務。
趣味は韓流ドラマ鑑賞。
※ 文中に登場する人物の名前はすべて仮名です。
-
木村 澪子編集者
テレビ・雑誌等の取材歴15年。ファイグーではお金の話をわかりやすく、よりリアルにお伝えするために、背景や当事者の気持ちに寄り添う取材を心がけています。銀行マン、証券マン、利用者などからぶっちゃけたお話を聞くにつけ、「消費者も賢くならなければ...」と痛感する日々です。家族は夫・娘・ザリガニ2匹。
- 目次
- 最低のウソつき男
- 色白で中性的な彼
- 僕は離婚したばかり
- 兄のような存在から突然の告白
- お金をせびる両親
- 仕事が忙しいと信じていた
- 幼児言葉で一日の報告
- 携帯や日記までチェックされるように
- 小説か!と言いたくなるような長文メール
- モラハラからDVへの予感
- こっそり引っ越しの準備
- 平気で二股をかける
- 自己中過ぎて意味不明
- 威圧的な元公務員の父
- 父と息子は似ている
- 暴力沙汰を起こした元妻
- 夜中に非通知の電話
- 体験インタビューを終えて
最低のウソつき男
私はトモミといいます。
現在、34歳です。
今はコールセンターで、派遣社員として働いています。
私は2年半前まで、ある男性と同棲をしていました。
彼のほうから猛烈に求愛されたのがお付き合いのきっかけです。
ところが、同棲から2年経ったころ、彼は出会った当初から既婚者だったことが判明。
私はその事実に愕然としましたが、さらに彼の奥さんから「あなたのせいで離婚するハメになった!」といわれ、慰謝料を請求されたんです。
あんな男に捕まってしまったのは、交通事故にあったようなものと考えればいいのか・・・。
私がはじめてコバヤシと出会ったのは28歳の時。
かつてはコバヤシのことを下の名前をもじったあだ名、「○○くん」と呼んでいましたが、今はそのあだ名を呼ぶと気分が悪くなるので、ここでは彼の苗字、コバヤシで呼ぶことにします。
私たちの出会いは本当に偶然でした。
色白で中性的な彼
コバヤシとはじめて出会ったのは、友人と食事に行ったスポーツバーです。
当時の私は、総合病院で医療事務の仕事をしていました。
残業はほとんどなく、平日は友達と食事に出かけたり、ヨガに行ったりして普通のOL生活を楽しむ毎日。
この日は「サッカーを観たい!」という友人に誘われスポーツバーへ行きました。
そこにコバヤシも友人と一緒に来ていたのです。
コバヤシはヘアケア商品の大手メーカーの勤めているといい、年は私より5歳上でした。
色白で子役時代の雰囲気がいつまでも抜けない神木隆之介のような、中性的な男性です。
服装や身だしなみは清潔感があり、今どきのワイシャツや靴を身に着けていました。
とはいえ、コバヤシのような男性は私の好みじゃありません。
私の好みは、ガッシリとしたスポーツマンタイプ。
そのため、このときはコバヤシと恋愛関係になるとはまったく思っていませんでした。
「なんとなく寂しそうな人だな・・・」
それが彼の最初の印象でした。
寂しそうな男・・・キケン!離れて!
僕は離婚したばかり
サッカーで盛り上がる友人たちとは別に、私たちは自己紹介がてらプライベートな話をはじめました。
当時、私には恋人がおり、その彼は私より一歳年下のアクティブなタイプです。
長い休みになると、いつの間にか友人と登山へ出かけてしまうような多趣味な人でした。
私は彼が大好きで、結婚したいと考えていましたが、自由人なので連絡が取れなくなることも多く、私のことはほったらかしという感じ。
聞き上手なコバヤシは、初対面にもかかわらず、彼との悩みをいろいろ聞いてくれました。
そしてコバヤシも、学生の時から付き合っていた奥さんと先月離婚したばかりだということを打ち明けてくれました。
コバヤシの奥さんは、仕事はしておらず専業主婦だったそう。
でも、家事をするわけででもなく、毎日ゲーム三昧で昼夜逆転の生活。
何度も「家事をしてほしい」「普通の生活をしてほしい」と頼んでも、逆ギレされるだけ。
そんな結婚生活に疲れて離婚したというのです。
これらはすべて彼から聞いた話なので、奥さんがどんな人なのか本当のところはわかりません。
しかし、私はこの時からずっと、彼を独身と信じていました。
お互い深い話をしたことがきっかけに、コバヤシと私は連絡先を交換。
コバヤシとの友人関係がはじまりました。
モラハラ男の特徴
その1 不幸話で女性の気を引こうとする。
兄のような存在から突然の告白
コバヤシは美容メーカーに勤めていたせいか、女性的な感性の持ち主でした。
一緒に買い物を楽しんでくれることもあったので、私にとっては女友達のような存在。
映画の趣味が合うので、コバヤシと会う頻度は徐々に増えていきました。
その一方、私はスポーツマンの彼と別れてしまいます。
私が勇気を出して結婚を切り出してみたところ、ハッキリと彼に断られたためです。
この時、泣きながらコバヤシに電話をかけると、すぐに私のところに駆けつけてなぐさめてくれました。
しかし、やはりコバヤシは女友達か兄でしかありません。
その後も、一緒に映画を観に行ったり、ファミレスや居酒屋などで長時間話したりしましたが、とてもデートをしている感覚にはなりませんでした。
そんな友人関係が1年半ほど過ぎた年末のこと。
コバヤシと私の友人と3人で忘年会をした帰り道、コバヤシが私を自宅へ送ってくれました。
その時突然、コバヤシに告白されたのです。
「トモちゃんが僕のことを何とも思ってないことはわかってるけど、僕はトモちゃんが好きなんだ。付き合ってほしい」
驚きました。
まさか自分のことをそんな風に思っていたとは・・・。
私は「すぐに返事ができない、年明けまで考えさせて」と告げて、その日は別れました。
お金をせびる両親
当時の私は30歳になっていたので、「早く結婚したい」という気持ちがありました。
その原因は、ちょっと特殊な家庭環境にあるのかもしれません。
私の両親は、私が高校生の時に新興宗教にはまります。
そして、お布施のために多額の借金をつくることに・・・。
返済のために私の貯金まで勝手に使うようになり、私は親を信じられなくなって家を出ました。
両親が私に連絡をしてくるのは、お金の無心をする時だけ。
お金を渡さないと、「お前は悪魔だ」「親に冷たい娘だ!」と泣きながら私のことを罵倒します。
そんな両親が怖くて、私はいつもお金を渡していました。
だから、早く結婚して両親と完全に決別したいと思っていたんです。
そんな時、コバヤシから告白されました。
コバヤシに対して恋愛感情はありませんが、趣味や考えは合います。
「一緒にいると楽だし、彼を失いたくない・・・。すぐに好きになれなくても、徐々に気持ちを育てていけばいいのでは?」
年が明けてはじめてコバヤシに会った時、私は気持ちを受け入れると返事をしました。
しかし、そこから彼と同棲するまではあっという間でした。
なんと、2回目のデートで今度は「結婚してほしい」と指輪を渡され、プロポーズをされたのです。
この時点でコバヤシのことを、まだ男として見ることができていなかった私は、展開の早さについていけませんでした。
そのため、「今すぐに結婚は考えられないし、3年待って欲しい」と伝えました。
するとコバヤシは「せめて一緒に暮らそう」というのです。
私は彼の押しの強さに負けて、同棲を受け入れてしまいます・・・。
モラハラ男の特徴
その2 ターゲットを見つけたら、どんどんアタックする。
仕事が忙しいと信じていた
私とコバヤシは同棲のために、新たに2人で部屋を借りました。
男性と一緒に部屋を借りて本格的に同棲するのは、私にとってはじめての経験です。
彼は料理や掃除もある程度はできるので、家事を分担してくれました。
帰宅する時には必ず「○時ごろ家に着きます」というメールをくれます。
私の帰りが遅い時には、心配して駅まで迎えに来てくれることもありました。
私の服装やメイクを褒めて「かわいいね」「キレイだね」といってくれる。
「こんなにも私のことを気にかけてくれる人がいるなんて・・・」
前の彼氏がマメなタイプではなかったので、私はコバヤシを理想の彼氏と思い始めました。
ところが、同棲をはじめて2ヶ月ほど経ったころ、コバヤシから「配置換えで仕事が激務になった」といわれ、彼は毎日始発で出ていき、終電で帰る日々を送るようになります。
休日も出勤で、休みもほとんどありません。
それまでの休みは完全週休二日制だったのですが、このころは週一日休みがあればいいほうでした。
睡眠も短時間だったので、かなり疲れている様子。
後からわかったことですが、実はこのころまでコバヤシは奥さんと離婚していなかったんです。
今から考えてみれば、この時は離婚のゴタゴタで、仕事どころではなかったのかもしれません。
しかし、私はそんな疑いを持つこともなく、出張・長時間勤務・休みの日の呼び出しも、会社からの連絡とばかり思っていました。
そして、家にいないコバヤシの代わりに、すべての家事を私が担当するようになっていきます。
モラハラ男の特徴
その3 付き合いたては、トコトンやさしい!
幼児言葉で一日の報告
彼の忙しさはやがて落ち着いていきました。
しかし、家事は依然として私一人の担当のまま。
そして、こんなことをいうようになりました。
「前の奥さんはヒドい女で、家事をまったくしてくれなかった。僕をかわいそうだと思うよね?」
コバヤシは完璧主義で、家のこともパーフェクトでなければ納得しない男です。
洗濯物が少しでもたまっていたり、ホコリを少しでも見つけたりすると、やり終えるまで寝かせてくれません。
そして、自分の思うとおりにことが運ばないと、私にイヤミをいうのです。
「キミは、そんなこともできないんだね・・・」
私は「できない自分がダメなんだ」と思い、コバヤシのいうとおりに家事をしました。
このコバヤシの難しい性格は、どうやら複雑な家庭環境が影響しているようです。
実はコバヤシも、私と同じように親との間に葛藤がありました。
コバヤシが思春期の頃、公務員の父親が不倫、家庭は崩壊寸前になったのだそう。
ちなみに、コバヤシの母親は専業主婦。
料理が上手で、家の中は常にスッキリと片付き、父親がくつろげるように母親が気を配っていたのだそうです。
コバヤシはそんな母親を慕い、母を苦しめた父親をいまだに恨んでいました。
その後、時間をかけて両親は元の関係に戻ったそうですが、コバヤシは「深い傷を負った」といい、私に甘えてくることが増えていきます。
ある時、
「あのねー、ともタン、ぼく今日ね、会社でね・・・」という幼児言葉で一日あったことを延々と話しはじめたときは背筋がゾッとしました。
「あなた、34歳だよね・・・?」
私に母親の役をさせようとしていたのかもしれません。
モラハラ男の特徴
その4 家事に完璧を求める
その5 赤ちゃん返りする
携帯や日記までチェックされるように
ある休みの日、高校時代の友達と出かけようとすると、コバヤシが子供のように駄々をこねはじめました。
「出かけないで!僕と一緒にいて!」
もちろん、そんな子供じみた態度をなだめ、私は出かけました。
私は久しぶりに再会した友人との食事を楽しんでいたのですが、なんとその食事中にメールの嵐が!!!
誰と会ってるの?
友達だけど・・・。
僕の知らない人!?
うん、高校時代の同級生。
男なんじゃないの?
女だよ・・・
絶対男だろ?嘘ついている!ひどい女だな!
矢継ぎ早にメールが届くので、ゆっくり友人と食事もできません。
あまりにしつこいので、その場で友人に電話を代わってもらい、さらにはその場で友人と写真を撮り、わざわざコバヤシに送りました。
しかし、コバヤシからの要求はこれだけに収まりません。
コバヤシは次第に、「休日は僕を優先して、友達との予定を入れないで!」というようになりました。
私の交友関係をすべて把握しないと気が済まなくなり、知らない友人に会っているとメールの嵐・・・。
やがてその行為はエスカレートし、手帳の日記や携帯、買い物のレシートまで、すべてチェックするようになったのです。
そして、レシートの日付と場所を見て、自分が把握してないことがあると、私を質問攻めにしました。
時には正座させられて、すべてが明るみになるまで寝かせてくれません。
とうとう「仕事を辞めて専業主婦になれ!」と言い出すようになりました。
モラハラ男の特徴
その6 友人との外出を嫌がる
小説か!と言いたくなるような長文メール
ある朝のことです。
先に出かけたコバヤシから、異常な長文メールが届きました。
いつも朝は、コバヤシが7時半ごろに先に出かけ、私は家事を済ませて8時半ごろにゆっくりと出かけます。
昨晩は、「洗濯物がたまっている!」とコバヤシからイヤミをいわれました。
いつもなら喧嘩になるのを避けて、黙ってコバヤシにしたがう会う私ですが、その日は私も疲れていたので、「勘弁してよ!そんなにいうなら自分でやって!」と反論。
そのまま和解することなく眠りにつき、朝もコバヤシと会話しないままでした。
すると、ものすごく長いクレームメールがコバヤシから届いたのです。
「自分のことをわかって欲しい!」「君のことが大切だ!」「昨日の君の発言はイヤだった!」「あんなことをいわれると僕は深く傷付く!」「自分を邪険にすることは自分への裏切り行為だ!」
こんな文章が延々と書かれています。
すべて読む気にもなれない異常な長さです。
スクロールしてもどこまでも途切れず、改行も何もないので、メール画面が文字で真っ黒くなっていました。
そして、その後も気に入らないことがあるたびに、翌日の朝にこの「長文メール」が届くようになったのです。
モラハラ男の特徴
その7 メールやLINEがやたらに長い
モラハラからDVへの予感
異常な長さのメールが届くようになって、私は朝から気持ちが落ち込むようになりました。
耳鳴りや頭痛で、朝起きられない日もあります。
私はコバヤシに「こんなことが続くと、一緒には暮らせない!」と伝えました。
すると、彼は手が付けられなくなるくらいに泣きわめいて、「どこにも行かないで、自分を見捨てないで」と謝るのです。
髪を振り乱して、顔をぐしゃぐしゃにして泣く姿は、まるで小さな子どもです。
身ぎれいにして会社に出かけて行くコバヤシとは、まったく別人でした。
こうなるともう手を付けられなくなるので、「彼の謝罪を受け入れればすべて丸く収まる」と自分を納得させていました。
両親の時もそうですが、私は相手と戦うことを途中であきらめ、従ってしまうところがあるんです。
結局、同棲中の2年間は、次のことが繰り返されていっただけでした。
彼に気に入らないことが起こる
⬇
長文のイヤミメール
⬇
話し合い
⬇
彼が泣きながら謝る
⬇
私が彼を許す
⬇
彼に気に入らないことが起こる
ところが、同棲が始まって2年ほど経ったころ。
コバヤシは気に入らないことがあると、家具やドアを蹴り飛ばし、モノに当たるようになりました。
「まさかここからDV(家庭内暴力)に発展するのでは・・・」
私は恐怖を感じ、過呼吸に陥るようになります。
モラハラ男の特徴
その8 キレておいて泣きながら謝る。
その9 暴力に発展する可能性アリ
こっそり引っ越しの準備
コバヤシに泣きながら謝られ、「愛情に飢えている」といわれると、私も自分の境遇と重ねて同情してしまいます。
しかし、コバヤシがドアや家具を蹴り飛ばす大きな音を聞いて、さすがの私も目が覚めました。
男性が物に当たる様子は、まさに恐怖そのものです。
「これ以上コバヤシとは一緒にいたら、いつ殴られてもおかしくない・・・」
私はようやく別れる決意をしました。
私はコバヤシに内緒で休みの日に物件を探し、引越し業者の手配をしたのです。
そして、引越し前夜、コバヤシに出ていくことを宣言しました。
彼はぐしゃぐしゃに泣きながら、「出て行かないで、結婚しよう」と土下座して頼まれます。
しかし、留まっても同じことの繰り返し。
それが目に見えていたので、私の気持ちは変わりません。
引越し当日、コバヤシは私に無言で仕事に出かけて行きました。
「引越しを妨害されるのでは」と不安でしたが、何事もなく荷物を新居へ移すことに成功。
ところが、ほっとしたのも束の間、引越しの翌日にこんなメールが!
「私はコバヤシの元妻ミユキです」
いろいろ起こり過ぎてワケワカメ・・・
平気で二股をかける
コバヤシの携帯メールから連絡してきたのは、コバヤシではなく、本当にコバヤシの元妻のようでした。
メールには写真が添付されていて、そこには私が部屋に置き忘れた衣類が写っています。
そして、「これはあなたのものでしょう?私たちが離婚したのはあなたのせい。どうしてくれるの!」と書かれていたのです。
私は訳がわかりませんでした。
だって、コバヤシのことをずっと独身だと思っていましたから。
私もムキになって「彼は出会ったころから、自分は離婚したといっていた」と説明しました。
ところが、元妻が私に伝えてきた離婚の時期は、私とコバヤシが同棲を開始した3ヶ月後のことだったのです。
このときはじめて、コバヤシが正式に離婚しないまま、私との同棲を開始していたことを知りました。
さらに驚かされたのは、この元妻がすでにコバヤシと復縁しているということ。
そもそもコバヤシは元妻に離婚を切り出すとき、「仕事が忙しい。転勤になるから別れてほしい」といったそうなんです。
私の存在については一言も触れていないのだそう。
そして、つい最近になって、「やっぱりミユキが必要だ。もう一度幸せにする」と言い寄ってきたので、もう一度やり直すことにしたんだとか・・・
ビックリしたというか、呆れました。
だって、私がコバヤシのもとを去ったのは、つい昨日のことだったのですから。
彼は私の知らないところで、この元妻と連絡を取り、二股をかけていたのです。
私が手に入るとわかってから妻と別れ、私を失いそうになったら、まだ私と別れてもいないのに再び元妻に言い寄っていた・・・。
あまりにも不誠実過ぎます。
最低ですね。
元妻は、「コバヤシとやり直すつもりで戻ってきたのに、あなたの存在を知った。どうしてくれるの!」と怒り心頭です。
どんなに説明しても、私がコバヤシを奪い、現在の復縁を阻もうとしていると思い込んでいました。
私は「もうコバヤシとは別れたので自分は関係ない」と説明し、話を終わらせました。
それからしばらくして、今度はコバヤシから電話がかかってきたのです。
モラハラ男の特徴
その10 平気で嘘をつく(平気で浮気もする)。
自己中過ぎて意味不明
もう関わりたくないと思っていましたが、離婚の時期をきちんと確認したかったので、私は電話に出ました。
そして「どうして独身のフリをしていたの?」と淡々と問い詰めました。
コバヤシはバツが悪そうに話しはじめました。
「トモミのことが出会った頃から好きだった。でも自分を好きでないことはわかっていたし、既婚者だと伝えたら付き合ってくれなかったよね。だから嘘をついたんだ・・・」
コバヤシはいつもこんな風に、自分は被害者といわんばかりです。
その後は「会って話したい」の一点張り。
「離婚してからも、私と同棲していたことは隠して、元妻とヨリを戻そうとしたのはなぜ?」と聞くと、
「だってトモミに嫌われそうだったし、一人で生きていくのは嫌だったから・・・」
コバヤシはまた子どものように泣きながらいいました。
私はもう呆れてものもいえません。
これ以上関わりたくないと思い、「元妻にちゃんと説明して!」とだけ伝えて電話を切りました。
今思えば、元妻に私の存在をほのめかしたのは、コバヤシ自身だったのかもしれません。
私が出て行ったことへの復讐を、元妻が代わりに行うように仕向けたのではないかと考えています。
というのもこの後、元妻からメールで「自分たちを離婚させた慰謝料として、200万円請求する」と脅迫してきたからです。
威圧的な元公務員の父
私はこの元妻からの慰謝料請求をどうすべきか悩みました。
弁護士に相談するにしても、こんなことにお金や時間を使うのはばかげています。
そこで私は、コバヤシの両親にこれまでの経緯をすべて話し、この話を終わらせたいと考えました。
コバヤシの父親は元公務員で、典型的な亭主関白タイプと聞いています。
コバヤシの言動が表沙汰になることを恐れ、穏便に元妻を止めてくれるのではないか・・・。
実は同棲していた部屋を出る少し前、コバヤシの携帯からこっそり彼の父親の携帯番号をメモしておいたのです。
幸い私の携帯には、コバヤシが送ってきた「長文クレームメール」や元妻からのメールがすべて残っています。
「これらをすべて見せて、私が被害者だということをわかってもらうしかない!」
私は、コバヤシの父親に電話し、これまでのあらましを話しました。
すると「直接お会いしたい」と返事が届きます。
私はコバヤシに知られないように、コバヤシの実家に行くことになりました。
コバヤシの実家があるのは、都内でも閑静な住宅街のあるN区。
コバヤシの父は、眼鏡をかけた目つきの鋭い初老の男性でした。
母も同じく眼鏡をかけた小ぎれいなマダムです。
私から見ると、どちらもプライドが高そうな老夫婦でした。
私はコバヤシの長文メールや元妻からのメールを、さっそく二人に見せます。
モラハラ男の特徴
その11 オヤジは亭主関白。オフクロは夫に従属(そして子どもに過干渉)
父と息子は似ている
父親は長文メールに驚いた様子でしたが、落ち着いた表情で「あなたの時間をムダにしてしまい申し訳ない」と謝りました。
当時の私はストレスで激ヤセしていました。
「息子から暴力は振るわれていないですか?」
父親は冷静に聞いてきます。
でも、これは私のことを気遣ってくれているのではなく、息子を守るために聞いたのだということはすぐにわかりました。
メール以外に、私が被害者となるような記録をどこまで持っているか、気にしている様子です。
私はコバヤシのせいで、過呼吸やめまいがあり、勤めていた医療事務の仕事を辞めていました。
体調に合わせて時間の融通が利く、派遣の仕事に転職を余儀なくされていたんです。
そのことも伝えると、
「過呼吸になったのはいつごろですか?医者にかかった記録はありますか?」と質問されます。
父親は自分が不利だと感じると、理論攻めで相手を潰すタイプのようです。
「かえるの子はかえるか。そっくりだな・・・」
そして、最終的にこう話をまとめられて終わりです。
「あなたにも将来があるでしょう、だから息子を訴えるようなことはしないで欲しい」
この夫婦にとっては、やはりコバヤシは可愛い息子なのです。
コバヤシの父親は、「あとは自分に任せて、息子や元妻とは連絡を取らず、自分に任せて欲しい」といいました。
私はそれを了承しましたが、これですんなりとはいきません。
暴力沙汰を起こした元妻
「元妻の慰謝料請求は無視する」ということで、コバヤシの両親とは一致しました。
この後、コバヤシの両親は元妻を呼び出し、私への慰謝料請求を止めるように説得したそうです。
コバヤシの父から報告を受けたところによれば、この時、コバヤシの実家はとんでもない修羅場になったよう。
コバヤシの父は元妻に、コバヤシがウソをついて私と同棲したことや、その後、同棲解消したことを説明。
しかし、事実を受け入れられない元妻は逆上し、物を蹴ったり、机をひっくり返して暴れ、怒鳴り声を上げたのだそうです。
「警察を呼ぼうかと思ったくらいでしたよ・・・」
コバヤシの父は困ったように話していました。
私は元妻とは、メールでしかやりとりしていないので、直接会ったことはありません。
しかし、コバヤシと結婚していたこの元妻も、普通の精神状態ではないことはなんとなく想像できます。
なぜコバヤシとこの妻が結びついていたのか、今となっては不明です。
その後、元妻を通じて、私がコバヤシの両親にすべてを話したことが、コバヤシにバレてしまいました。
コバヤシは、大嫌いな父親と大好きな母親に、自分の行為を知られたくなかったのでしょう。
コバヤシは逆上し、再び私にイヤミの長文メールを送ってくるようになります。
「こんなに大事にしてやったのに!」からはじまり、「お前は頭がおかしい!」「ひどい家庭に育ったからお前も性格がゆがんでいるんだ!」といった数々の人格否定発言を延々と書き綴ります。
私は受信拒否をしようかと思いましたが、相談した友人に、受信拒否したりメールアドレスや携帯電話を取り換えると、ストーカー化する危険があるとアドバイスされたので、それは思いとどまります。
仕方なく、私はコバヤシからのメールを一切無視し続けることにしたのです。
夜中に非通知の電話
あれから2年が経ちました。
私はというと、今は平凡で幸せな毎日を送っています。
さすがにコバヤシからのクレームメールも届きません。
あれから、一時は男性不信、人間不信に陥りましたが、どうにか平常を取り戻しました。
しかし、いまだに男性とは怖くて付き合えません。
実は今でも2~3ヶ月に一回のペース必ず夜中に非通知の電話がかかってきます。
もちろん、無視していますが、正直怖いです。
その後、コバヤシと元妻がどうなったのか、さだかではありません。
知りたくもないし、関わりたくもありませんが・・・。
あんな男に巻き込まれてしまったのは、「早く幸せになりたい」という私のあせりがよくなかったのでしょうか。
今はただ平和に過ごしたいという気持ちだけです。
「隠れモラハラ」っていうか、ガチモラハラだったね・・・
体験インタビューを終えて
2年以上前の体験を振り返って下さったトモミさん。
実は彼女自身、当サイトの取材を受けるまで、元恋人の行為がモラハラだと認識していませんでした。
「ちょっとヒドイ男と付き合った経験がある」くらいに思っていたそうです。
「それ、モラハラよ!」といわれるまでわからないなんて、本当に怖いですよね。
モラハラ被害者の中には、トモミさんのように健康を害したり、中には深刻な病気になってしまう人もいます。
もし「モラハラ行為を受けているかもしれない」という人は、一刻もその男から早く離れてください。
どこかに相談したいという場合は、心療内科や女性センター、法テラスなど法律の専門家などを頼ってみましょう。
さて、最後にトモミさんがもしコバヤシに慰謝料を請求した場合、どれくらいの金額についてお伝えしておきます。
男女トラブルに詳しい弁護士に聞いてみたところ、トモミさんが請求できる慰謝料の額は数十万円~300万円ほどではないかという見解でした。
フフ、実は心理学を専攻。
いがーい!
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くまおってなんでそんなにモラハラ男に詳しいの?