現金化は絶対NG!手を出して大変なことになった体験談と弁護士による違法性の解説

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クレジットカードや携帯電話を使って現金化した体験を語ってくれた安曇さん

「クレジットカードの現金化っていう看板を見ました。現金化って安全なんですか?違法ではないのでしょうか?」

「新幹線の回数券を現金化するのと、ショッピング枠を現金化するのとではどちらがオススメですか?」

「携帯キャリア決済の現金化ができるという話を聞きました。実際に利用したことのある人の話を聞いてみたいです」

現金化とは、金券や商品をクレジットカードまたは携帯キャリア決済で購入し、届いた商品を売ることで現金を調達する手法のことをいいます。

カードローンのような審査がなく、必要なのはクレジットカードや携帯電話・スマートフォンのみ。

カンタンにお金が手に入るため、安易に手を出す人が後を絶たないわけですが、現金化サービスを利用するのは絶対にやめましょう。

なぜなら、現金化にはあなたを取り返しのつかない状態まで追い詰める危険が潜んでいるからです。

こんにちは。
当サイト、ファイグーの編集者として約3年、キャッシングの利用者や元消費者金融の社員へインタビューを行っている内田です。

この記事をご覧になっているあなたは、今まさに現金化を利用しようとしているのかもしれません。

もしくは、もう普通の金融業者からお金を借りられないほど借金を抱えていて、すでに現金化を利用してしまっているのかもしれませんね。

たしかに、現金化はだれもがカンタンに利用できてしまうお金の調達手段です。

ですから、「とにかく今すぐにお金が必要」という状況の人からすると、救世主のように見えるかもしれません。

しかし、先ほどお伝えしたとおり、現金化はあなたを救うどころか、さらなる窮地に追い込んでしまう可能性が高い悪魔のようなサービスです。

絶対に利用してはいけません。

現金化のなにがそんなに危ないのか?

今回はそのことをお伝えするため、実際に現金化を利用したことがある安曇さん(仮名)へのインタビューを行いました。

500万円もの借金を抱え、慢性的な金欠状態だった安曇さんは、クレジットカードや携帯キャリア決済による現金化に手を出してしまったそうです。

そして、その場しのぎの現金と引き換えに失ったのは、消費者金融の15倍にもおよぶ超高額な手数料。

それにもかかわらず、安曇さんは何度も何度も現金化サービスを繰り返し利用してしまいます。

「損をするのは明らかなのに、なぜ現金化を利用してしまうのか?」

そんな体験者にしかわからない心理を安曇さんには赤裸々に語っていただきました。

そして、記事の後半では元弁護士の猿間先生に追加取材した内容を踏まえ、現金化についてさらに深掘りして解説しています。

猿間先生いわく、現金化は利用者が損をするだけではなく、クレジットカード会社や携帯キャリアに対する詐欺罪・横領罪が成立してしまうとのこと。

「いやいや、キャッシュバック方式の現金化は違法じゃないよ?」

「携帯キャリア決済の現金化は合法でしょ?」

そんなふうに思うかもしれません。

たしかに公式ホームページで合法と宣伝している現金化業者は少なくないですよね。

でも、そういった宣伝はすべて嘘っぱちです。

合法的に現金化をおこなう方法は存在しません。

さらに、現金化のせいで、あなた自身が詐欺にあったり、個人情報が違法金融業者に流出したりする可能性さえあります。

このような現金化に付随するリスクについても猿間先生が丁寧にわかりやすく教えてくださいました。

今回の記事がきっかけになり、ひとりでも多くの方に現金化の危険性を理解してもらえればと思っています。

ぜひ最後までご覧いただき、いっしょに現金化の正しい知識を身に着けましょう。

この記事のアドバイザー情報

  • 内田 恵子 編集者

    内田 恵子編集者

    東京生まれ。アラフィフ。出版社勤務の後独立。編集・ライター歴30年。ファイグーでは「わかりにくいお金の話を、わかりやすくお伝えすること」「少しでも役に立つ情報をお届けすること」をモットーに、より具体的で、身近に感じていただける記事を目指しています。猫派で今は元ノラを多頭飼い中。日々癒してもらってます。

  • ささき 英雄 編集者

    ささき 英雄編集者

    七夕生まれ、編集・ライティング歴10年。前職ではグルメ雑誌の制作に携わっていましたが、30歳の誕生日をきっかけに独立しました。ファイグーでは「自分の仕事は書くことではなく伝えること」という意識で記事に取組んでいます。担当記事は、利息や審査などライバル記事だらけのテーマが多いです。そのため、「他のどの記事よりも正しい」のは当然として、さらに「どうすれば読みやすくなるか」を日々追求しています。

  • 猿間 トシヒロ 勤務社労士・元弁護士

    猿間 トシヒロ勤務社労士・元弁護士

    元弁護士。弁護士として5年間法律事務所に勤務。
    法律用語が素人に難解な文章で書かれていることに常日頃から疑問を感じており、ウェブコンテンツを通じて、法律をわかりやすく説明することを目指しています。
    現在は、東京都社会保険労務士会に所属し都内の企業において勤務社労士として勤務するかたわら、法律系コンテンツの作成を手掛けています。

お金に困った人がハマる『現金化』は危険です!

今回、インタビューに応じてくれたのは、自営業の安曇健一さん(43歳・仮名)。

学生時代から20年以上に渡って借入れを繰り返し、500万円の借金を抱えています。

利用したのは消費者金融やクレジットカード会社など、およそ30社です。

当時の厳しい状況は以下の記事にまとめていますので、もしよろしければご覧ください。

やがて通常の金融機関からお金を借りられなくなった安曇さんは、返済のためにグレーゾーンなサービスに手を出したり、悪質な金融業者からもお金を借りたりするようになります。

そして、ついに手を出してしまったのがクレジットカードや携帯電話(スマホ)を使った『現金化』です。

現金化には2つの方法があります。

ひとつは、クレジットカードで新幹線の回数券やゲーム機などの高額な商品を購入し、それを転売して現金を得るやり方です。

しかし、これはクレジットカードの規約違反にあたります。

もうひとつは、現金化の業者を使うやり方。

業者は利用者にクレジットカード(あるいは携帯電話)でほとんど価値のない商品を購入させ、『キャッシュバック』という名目で現金を渡します。

しかし、こうした業者は基本的に悪質なことが多いので、利用者が損するケースがほとんどです。

今回、安曇さんにはこの現金化について詳しくお話をうかがいました。

体験者の情報

名前:安曇 健一(仮名)
性別:男
当時の職業:自営業
当時の年齢:43歳
借入件数:消費者金融10社、クレジットカード20社以上(累計)
利用時期:2013年
借金の合計額:およそ500万円(住宅ローンや教育ローンをのぞく)

返済に追われ『クレジットカードの現金化』に走った

― 現金化を利用するようになったのはいつごろですか?

安曇さんは「借金」という病を抱える病人です

借金を返すために、15年ぐらい前から利用しています。

普通の金融業者からお金を借りられなくなったときに利用しました。

返済を滞納すると、家や会社に催促の電話がかかってきますから、それは非常にマズイんです。

借金のことは家族に内緒にしていましたから。

― どんなものを買って売るのですか?

もっとも現金化しやすいのは、新幹線の回数券でした。

回数券をクレジットカードで購入して金券ショップに持っていくと、9掛け(90%)以上の値段で買い取ってもらえます。

たとえば、10万円分の回数券を持って行ったら、最低9万円の現金が手に入るんです。

それから、ゲーム機もよくクレジットカードで購入して売りました。
ゲーム機も換金率が高いので。

― 現金化目的の商品購入は、クレジットカード会社の規約違反です。そのことはご存知でしたか?

『悪いこと』という意識はなかったです。

現金化のおかげで返済日を乗り切ることができたので、いい仕組みだと思ってましたけれど・・・。

携帯キャリア決済でも現金化ができてしまう

― 携帯電話を使った現金化も利用されたようですが?

『携帯キャリア決済の現金化』というのを最近やりました。

基本的な仕組みは『クレジットカードの現金化』と同じです。

携帯電話を5~10年契約していると、20万円ぐらいまで携帯でショッピングできるようになるんですよ。

ショッピング代金は、翌月の携帯料金と一緒に支払います。

つまり、携帯がクレジットカードの代わりになるんですよね。

― 『携帯キャリア決済の現金化』をどこで知ったのですか?

あるとき、『口座振り込みサービス』というタイトルのメールが届くようになりました。

そのメールには「ある商品を買うと8掛けでキャッシュバック(代金の80%を返金)!すぐに振り込みます!」と書かれていたんです。

私は瞬時に「これなら現金が手に入る!」と思いました。

なぜこんなメールが届いたのかというと、私は違法な金融業者からお金を借りたことがあったので、そこから個人情報が流れたんでしょう。

すぐにお金が欲しかったので、メールに書かれていた電話番号に連絡しました。

― その後の流れを教えてください

安曇さんが現金化業者から買ったという数珠。100円ショップで売られているような安っぽいものでした。

電話の相手は、ある商品をインターネットで買うように指示してきました。

そのときに買ったのが、この数珠です。

この数珠そのものは500円とか1,000円でしょう。ほとんど価値はありません。

これを5万円で購入するのです。

― 「価値がない」とわかって購入したのですか?

はい。
別に数珠玉が欲しいわけではなく、お金が欲しいだけですから。

購入すると、『キャッシュバック』で現金がもらえるのです。
数珠の到着後、指定した口座に入金されました。

私の場合は8掛けでしたから、5万円の数珠玉を買って4万円が手元に入りました。

― 支払いはどうなるのですか?

購入時、支払い方法として『携帯電話』を選んでいたので、自動的に手続きされます。

あとは翌月の携帯電話の料金と一緒に商品5万円の支払いをするだけです。

― ということは、4万円借りて1ヶ月後に5万円返済するのと同じことになりますよね?かなり損をしていると思いませんか?

そうでしょうね。

でもちょうどお金が必要だったので、私は助かりました。

現金化が違法だという自覚はなかった

― 携帯電話会社から警告はないのでしょうか?

警告を受けたことはありません。

ただし『携帯キャリア決済の現金化』は問題になっているようで、最近は携帯電話各社が取り締まっています。

ソフトバンクでは、携帯のキャリア決済自体ができなくなったと聞きました。
auとドコモはできるようですが。

― なぜ問題になっているのに現金化を利用したのでしょう?

借金を抱えて20年。金策に走り回るうちに、彼は中年を迎えてしまいました

「商品を買ってキャッシュバックを受けるだけなら、違法ではないだろう」と思ったのです。

私のようにクレジットカードが作れない人やお金が借りられない人でも、携帯電話を契約していれば、簡単にお金が手に入る。これを逃すわけにはいきません。

それに私は自営業なので、どうしても収入に波があります。

「今月はお金がないけど、来月には入ってくる」というときには、急場をしのぐ方法として助かるんです。

だからつい使ってしまったんですよね・・・。

まとめ

それでは最後に、現金化に関するポイントをおさらいしましょう。

現金化は横領罪または詐欺罪に該当する

  • クレジットカード会社の所有物を勝手に売却する横領罪
    • クレジットカードで購入した商品は、代金の全額を支払うまでクレジットカード会社の所有物
  • 売却・現金化を目的にクレジットカードを利用する詐欺罪
    • 詐欺罪と判断される代表的な例
      • 購入当日に商品を売却している
      • 購入した店舗と売却した店舗が同じ
      • 現金化業者から商品を購入する店舗を指定された証拠がある
  • 本来の価値よりもはるかに高い金額で商品を購入する詐欺罪
    • クレジットカード会社に虚偽の事実を告げたと判断されるため
  • 売却・現金化を目的に携帯キャリア決済を利用する詐欺罪

現金化が引き起こすリスク

  • 現金化は暴利の借金と変わらない
    • 消費者金融の15倍以上の利息を支払うことになる
  • 悪質な現金化業者の詐欺にあうリスクがある
    • そもそも現金化行為が違法なため、詐欺にあっても被害を表沙汰にできない
  • クレジットカードや携帯キャリア決済が利用できなくなる
    • 売却や現金化を目的としたクレジットカード・携帯キャリア決済の利用は、利用規約違反になるため
  • 破産をしても借金を免除してもらえない可能性がある
    • 違法な手段(=現金化)でお金を手にした事実が発覚すると、借金の免除が認められないことがある
  • 違法金融業者に個人情報が流出する
    • 法外な利息を払わされたり、強引な取立てを受けたりする危険性がある

安曇さんのように「とりあえず今月を乗り切らなきゃ」という気持ちで頭がいっぱいの状態だと、なかなか正常な判断はできないと思います。

だからといって現金化に手を出しても、問題は解決しません。

それどころか、借金がどんどん膨らむだけです。

現金化で利用者が得をすることはありませんので、絶対に利用しないようにしましょう。

もし月々の返済に困っているなら、早めに弁護士などの専門家へ相談をしましょう。

今回のインタビューの様子は動画でもご覧になれます

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