旦那には内緒の借金。延滞したらバレると思って必死に返しました【体験談】

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彼に借金のことだけは知られたくないと思って、バレないための工夫をした過去を語ってくれた佐藤さん

突然仕事を失ったり、体を壊して思うように働くことができなくなってしまうと、収入は途絶え、生活が厳しくなります。

このような場合は、行政を頼るなど適切な手段を選ぶことが望ましいのですが、消費者金融から生活費を借りてしまう人もいるようです。

今回は体調を壊して仕事を辞め、生活費のために消費者金融からの借入れをしたという女性から話を聞くことができました。

体験者の情報

名前:佐藤 亜紀(仮名)
性別:女性
当時の職業:会社員~失業中
当時の年齢:21歳
借入件数:消費者金融3件、クレジットカード1件
会社名(借入先):アコム、レイク、アイフル、三井住友
利用時期:2001~2006年ごろ
借金の合計額:100万円ぐらい

複数の消費者金から借入れ、5年かけて完済

お話をうかがったのは佐藤亜紀(仮名)さん34歳。4歳のお子さんを持つ優しそうな女性です。

真面目で堅実な印象の彼女ですが、20代の頃、生活のため複数の消費者金融からの借金を重ね、自転車操業状態で大変苦労した時期があったそうです。

今回は仕事を失い、消費者金融を頼らざるを得なくなった経緯と、返済に間に合わなかった場合にどのような対処をしたのかについて話を聞きました。

生活費のために消費者金融から借入れ

― 最初に借入をされたきっかけを教えてください。

現在は子育てをしながら、趣味のゲーム関係の副業もしているという佐藤さん

今から10年以上前、まだ21歳の頃、体調を崩して仕事を休みがちになっていたせいで、お給料が減ってしまいました。そこで生活費の補てんのために消費者金融を利用するようになりました。

最初に利用した業者はアイフルです。

― アイフルではどのような審査を受けたのですか?

当時の勤め先が渋谷だったので、同じ渋谷にあるアイフルの無人契約機で申し込みをしました。

機械から出てきた書類に、住所・氏名・年齢・勤め先・年収などを記入して、その用紙を機械に読み込ませて、すると店舗のほうに情報が行くみたいで、後はスピーカー越しに、記入した項目の確認と利用目的について聞かれるだけでした。

利用目的は「生活費のための借入れ」だったのですが、そういった理由だと審査に通りにくいとどこかで聞いたことがあったので、それ以外の適当な理由を答えたと思います。

手続きそのものは15~20分くらいで済んだのですが、それでも待っている間はものすごく長く感じましたね。

― どのくらいの金利で、いくら借りることができたのですか?

限度額は10万円。金利は20%を超えるくらいでした。

18歳の時から働いていましたが、当時は転職後1年目で手取りは20万円くらい。あまり限度額も大きくありませんでした。

とりあえず「すぐにでもお金が必要」という訳ではなく、この時点ではまだ収入もあったので、「今後もしもの時のために借りられるようにしておこう」という意味合いのほうが大きかったです。

それで最初は試しに1~2万円借りてみました。

やっぱり金利は高いなと思いましたよ。でも背に腹は代えられなくて。

― 返済は順調だったのですか?

それがアイフルで契約した直後に、仕事を辞めてしまいました。

しかも辞める前には仕事も休みがちで収入も少なかったので、蓄えも無くって。

辞めてからもしばらくは会社の寮に置いてもらえることになったのですが、今まで3万円だった家賃が6万円になったので、本当に苦しかったですね。

仕事は見つからないし、当座の生活費も必要だし、正直返済どころではありませんでした。

― 実家を頼るなど、他に方法はなかったのですか?

実家もあまり裕福ではなかったので、親を頼ることは最初から考えてなかったです。仕事を無くしたことを報告すらしませんでした。

もし今だったら失業保険や生活保護の申請など、行政を頼ったかもしれません。

でも当時はそういった知識が全く無かったので、お金が無いなら働いて稼ぐか、どこからか借りるしか方法がないと思い込んでいました。

無職に備えて作っておいた消費者金融のカード

― アイフルでの返済が厳しくなって、どう対処したのですか?

やさしい、ハキハキとした印象の佐藤さん

実は「仕事が見つからない」といった状況もある程度予想していたので、仕事を辞める直前にレイクとアコムでもカードも作っておきました。やっぱり無職だと審査に通らないと思って

レイクで限度額20万円のカードを。アコムのカードも最初は限度額10万円でしたね。

金利はどちらも20%を超えるくらいありました。

審査の方法や手順もアイフルと似たようなかんじで、申し込んでから実際にお金を手にするまで、時間はあまりかかりませんでした。

このころはまだ総量規制もなかったからだと思います。

― 3つの業者への返済はどうしたのですか?

仕事を辞めて家賃の支払いが厳しくなったので、それぞれから本格的に借入れするようになっていました。返済はそれぞれ1万円ずつ支払っていたので、月々の合計額は3万円。

アイフルはすぐに限度額に達してしまいましたし、会社を辞めて2ヶ月目には返済しても枠が空けばまた借りる自転車操業状態になっていました。

それで一本化すれば月々の負担も減るかなと思って、レイクでまとめて借りて、アイフルからの借入を一旦完済しました。

でも完済させた実績を作ったことでアイフルの限度額が上がったんです。それで結局また借りてしまい、かえって自分の首を絞めることになってしまいました。

アコムに関しても同じように、ようやく完済したと思ったらどんどん限度額が上がっていって、最終的には30万円になって。

するとこっちとしては助かったと思って、また借りてしまうんですよ。それで同じようにその枠を使ってしまったので、借金は減るどころか増えていく一方でした。

― 消費者金融以外も利用しましたか?

消費者金融の枠を使い切ってしまうと、最終手段として以前から持っていた三井住友のクレジットカードのキャッシング枠も利用しました。

これはまだ働いていた時に「クレジットカードを一枚は持っていないと不便だよ」と知人から言われて作ったカードでした。

もともとクレジット機能すら使うのは嫌いだったから、本当に最終手段でしたね。

根拠はありませんが当時は「消費者金融よりも銀行系のカードのほうが、信用情報に影響しやすい」と思い込んでいたんです。

でも無職でいた半年間の間に、こちらも30万円の限度額を使い切ってしまいました。金利は17%くらいだったと思います。

最終的にはアイフルから20万円、レイクで20万円、アコムで30万円、三井住友で30万円の合計で100万円の借入になっていて、月々に4万円を返済に充てていました。

返済が遅れると催促の電話が掛かってきて

― 4件の返済を抱えてどうなりましたか?

その後も仕事はなかなか決まらなくて。借入れはどれも限度額に達してしまうし、精神的にもいっぱいいっぱいになっていました。

仕事を辞めて3ヶ月くらい経つと、もう「払いに行くのも嫌だ!」って思ってしまって。

そのうち支払いが遅れて、催促の電話が掛かってきてから、嫌々払いに行くような状態になっていました。

もちろん支払いそのものも大変なのですが、精神的なダメージが大きかったですね。

― 遅延をした時、業者からはどのような連絡がありましたか?

一途で真面目な印象の佐藤さん

最初は遅延があってもしばらく何の連絡もありませんでした。

2週間後くらい経ってようやく「支払いをされていませんが、どうなっていますか?」と電話が掛かってきました。

その時はもちろんすぐに払いに行ったのですが、同時に「支払いが遅れてしまってもせいぜいこんなもんか」と思ってしまって。

2回目になると2~3日後には電話があって、また慌てて支払いに行って。

ルーズになっていたというよりも、そもそも返すお金が無いから払えなかった訳で。日払いのバイトをしてどうにか支払っている状態でした。

―日払いの仕事とはどんなアルバイトですか?

当時はグッドウィルのような人材派遣業に登録しておくと、日払いの仕事がよく入ったんです。

主に引越しの梱包作業のようなバイトでした。それは引越しのバイトでも肉体労働ではなく、女性でもできる仕事でした。

それで電話で催促されると、「日雇いの仕事が入っているので、○日までには返済できます」という返事をして、ギリギリの状態で返済を続けていました。

でもそういうことが積み重なってくると、業者も「どうですか~?」みたいなかんじではなく、「○日までに入れてください。次は法的手段をとりますからね。」というような感じで厳しく対応してきます。慌てて返済に行っていました。

― 遅延損害金は発生しましたか?

もちろん遅延損害金はありました。実際の金額はあやふやですが、利息よりも高かったと思います。元本返済分が遅延損害金で消えてしまうくらいでしたね。

ただ三井住友だけは、店舗に返しに行くのではなく、口座引き落としで、最優先で返済するようにしていました。

銀行系で事故情報に載ることだけはどうしても避けたいと考えていたからからです。ですから遅延は無かったです。

でも今思えば、銀行でも消費者金融でも、遅延は遅延なんですよね。どちらも3ヶ月滞納すれば信用情報に載ってしまうわけですから。

ご主人との出会いがあったから完済できた

― その後仕事は見つかりましたか?

「全然、顔出ししてもいいですよ」と申し出てくれた佐藤さん

半年後にようやく次の仕事が見つかりました。

金利も高いし限度額はどれもいっぱいだし、借金を返すためには、働かないとどうしようもありませんからね。

でも次の仕事が決まったからには、会社の寮を出なければいけなくて。

それで引越すとなると敷金礼金などの引越し費用も必要だったのですが、どうしてもその費用を自分で用立てることは出来なくて。

それでこの時ばかりは祖父に頭を下げて、引越し代を立て替えてもらいました。

祖父は「もっと早くに話してくれれば助けることができたのに」と言ってくれて。でも消費者金融から借金をしていることは、内緒にしていましたが。

もちろん借りた分は、後から少しずつ返しましたよ。

― すべて完済できたのですか?

はい、おかげさまで。結局5年かけて完済しました。

毎月4万円ずつの返済で、余裕がある月には少しでも借金を減らそうと、繰り上げ返済をすることもありました。

けれど新しい仕事に就いても、月に4万円を返済に充てると、贅沢はできません。

でもそんなに遊び歩く趣味がないからどうにかなったんでしょうね。「友達と出歩いたり、ショッピングが趣味」という人には厳しいと思います。

私は家でゲームやっていればそれで良いというタイプでしたから。

―「完済」というモチベーションを保てたのはなぜでしょうか?

最大の理由は、今の主人と出会ったからなんです。就職したばかりの頃、主人と出会って付き合うようになって、彼には借金のことは知られたくないと思ったんです。

それで「延滞してしまったら彼にバレてしまう」と思って。

消費者金融のカードも見られないように、財布とは別の場所に仕舞って、バレないよう努力をしましたね。

彼がいたから贅沢もせず、コツコツと完済を目指してやっていけたんですよね。逆に付き合っていなかったら、今でもズルズルと借金をしていたかもしれません。

主人と巡り合ったことが、結果的に借金を踏みとどまる良いきっかけになったのだと思います。

その後は新しく借入れるようなことはしていません。「もうこれ以上はダメだ」と常に頭の中にあるからです。

返済を終えた時に、全部のカードは破棄してしまいました。

― 当時を振り返ってどのような感想をお持ちですか?

「これから子どものお迎えでーす!」と爽やかに帰っていった佐藤さん

「案外簡単に借りられちゃうんだな」というのが率直な感想ですね。もっと審査とか厳しいと思っていたのに、実際は書類を書いて終わり、みたいな。

しかも完済するとどんどん限度額が上がっていくから一気に借金が増えてしまうというか。当時はそうやって身を持ちを崩す人も多かったんじゃないでしょうか。

今は総量規制とかあるから、以前のように簡単に借りることは難しいかもしれないですね。

それに当時も、行政を頼るとか、消費者金融以外の手段を知っていたら、違う結果になっていたかもしれませんね。

― 過払い請求は考えていないのですか?

過払い請求って結構聞きますよね。電車の広告とかでも時々目にします。

確かに利息はたくさん払っているし、思ったよりもたくさんのお金が返ってくるかもしれませんね。だからといって「やってやろう!」という気にはなれないんです。

過去に借金をしていたということは、私にとって忘れたい過去でしかありません。

完済した時だって「やっと終わった!」という思いが強くて、正直もう掘り起こしたくはないんです。主人にも内緒ですからね。

自己破産をして弁護士さんに依頼するような人なら、流れで過払い請求をするかもしれませんね。でもそうした手続きをして、主人に知られてしまうと困るので。

インタビューを終えて

現在は子育てをしながら、ご主人と幸せに暮らしているという佐藤さん。

10年以上も前のことを思い出しながら、その時の心情について、明るく語ってくれました。さまざまな苦労を乗り越えて、今では遠い過去になっているようです。

当時の佐藤さんはまだ若く、知識が乏しかったために、失業した時に消費者金融を頼ってしまいました。

しかし彼女のように、「体を壊して働けなくなってしまった」という場合は、失業保険や生活保護の受給、税金や保険の免除など、行政の優遇措置があることを忘れないで下さい。

また、これから仕事を辞めるのに、安定継続した収入があるかのように見せかけて借り入れすることも、本来は絶対やってはいけない行為です。

そして佐藤さんのように、返済が遅れてしまう場合は、事前に「いつまでに払えるのか」を連絡しましょう。

期限内に支払えないからと言って、いきなり差し押さえや法的手段を取られたりすることはまずありません。

期日までに返済できない状況になっても、落ち着いて行動をしましょう。

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